
日本フィル
第283回名曲コンサート 2003年4月13日(日)
3月のショスタコーヴィチに続いて今年2回目の日本フィル。今日は、 ベートーヴェンの交響曲第6番、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、 ビゼーの<アルルの女>第2組曲という、文字通りの名曲コンサート です。空席が若干ありましたが、チケットSold outのコンサートでした。 「余ったチケットない?」と訊いてくるダフ屋が現れたほど!
指揮は小林研一郎=コバケンさんです。 今日のプログラムからして、なんで舞台にグランド・ピアノが置いてあ るんだろう??と思っていたら、コバケンさんは、そのピアノを使って 「いきなりプレトーク」! 30年前、ブダペストの指揮者コンクールに出たとき、ホテルの窓の下を 見ると、川幅500〜600mくらいはあるドナウ河。それまで、そっけない 感じで弾いていた「美しく青きドナウ」が、全く変わった(その「違い」 を、コバケンさん自らピアノを弾いて説明。ホンモノのドナウを見た後 のほうは、飛び跳ねるような感じでした)。 ベートーヴェンの田園交響曲も同じこと。第1楽章、なんで同じモチー フが繰り返されるのかと思ったけど、果てしなく続く田園風景を見ると きっとベートーヴェンは この景色を音で表現したかったんだなあ、と 納得できた。今日の演奏は、そんなこんなを織り込んでみたい。 ※てな感じのコメントだったと思います。 1曲め、ベートーヴェンの交響曲第6番は、弦[14,12,10,8,7]という大 編成。管こそ増やしていないものの、ちょっと厚ぼったい響きでした。 第2楽章などは「小川」ではなく川幅600mのライン河みたい。 あと、これは小林さんの解釈なんだろうけれど、第5楽章のフィナーレ では、思いきりテンポを落としてたっぷりと歌わせるなど、思い入れた っぷりです。でもベートーヴェンで これをやってしまっては・・・ ちょっと思い入れ過多なんかないかなと思う。 あと、ホルンの出来がひどかった。はじめから風邪をひいたときの鼻声 のような妙な音を出していたんですが、とうとう第5楽章の聴かせ所で 思いっきり音を外してしまいました。あちゃちゃー、です。 休憩をはさんで、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。ソリストは新 進の礒絵里子さんなんですが、うーん、これまた しっくりこなかった。 音程が不安定なところがあり、特に第1楽章は上ずり気味だったような。 弾き間違いもけっこうありました。音の切り方も投げやり風(ちょっと 乱暴?)だったし。あと、全体的な印象として、線が細い音なんですね。 ブルッフというとアイザック・スターンの骨太演奏を聴き慣れているだ けに、ちとフラストレーションのたまる演奏でした。 続いて、ビゼーの<アルルの女>第2組曲。これは大編成オケの特長が よく出た素晴らしいダイナミックな演奏でした。そして第3楽章では、 対照的に繊細な表現がいい(これはコバケンさんというより、フルート とハープの功績でしょうが)。しっかし、ホルンは相変わらず不安定な 演奏。聴いていて おっかない。何かトラブルでもあったのかなあ。 アンコール、まずはマスカーニの<カヴァレリア・ルスティカーナ>間 奏曲を しっとりと。 そして もう1曲、ブラームスのハンガリー舞曲第4番。 コバケンさんはノリノリで、「こんなに拍手をもらうと、俄然やる気が 出てきます」とか何とか言いながらブラームスの曲の一部を自らピアノ で弾いてから、コンマス(ハンガリー人?)に オリジナルのチャル ダーシュの一節をさらさらっと弾いてもらいます。 で、「いまの節まわしをイメージしながら聴いてください」と、ブラー ムスのハンガリー舞曲第4番へ。これが ほんと濃ーい演奏。 ベートーヴェンとブルッフは今一つだったけど、ビゼーとブラームスは 最高!でした。

