
オーケストラ・アンサンブル金沢 神戸公演 2003年5月11日(日)
アンサンブル金沢の神戸公演を聴いてきました。 指揮は金聖響さん、ヴァイオリン独奏に吉田恭子さんと、新進気鋭のアー ティストとの共演が楽しみな公演です。
まずは<コリオラン>序曲。弦はいつも通りの小編成[8,8,6,4,3くらい?] で、10分弱の短い曲ですが集中度のきわめて高い充実した演奏でした。 ちなみに、この演奏に使われたティンパニは普通よりも小ぶりのサイズで、 鋭い、よりプリミティヴな音が出ます。この効果は結構面白かったです (次のメンデルスゾーンは通常のティンパニでしたが、「英雄」で再び登 場します)。 続いて、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。ソリストは吉田恭子さ ん。吉田恭子/金聖響/アンサンブル金沢は、この曲のCDをリリース済み ですし、9日の金沢定期も今日と同じプログラムですから、「合わせる」 という点については さほど問題を感じませんでした。が、第1楽章のカデ ンツァでは音程の不安定さが目立ちましたし、全体的な印象もちょっと 「固い」かな。吉田さんの一つ前の世代、竹澤さんや戸田さん、諏訪内さ んといったヴァイオリニストの演奏をはじめて聴いたときのような「衝撃」 はありませんでした。もちろん、これは私の主観であって、吉田さんが 相対的に凡庸であるとか、そういうことを言っている訳ではありません。 休憩をはさんで、ベートーヴェンの交響曲第3番。すでに9日の金沢定期 の情報を見ていたので ある程度の心構えはあったんですが、18世紀的な アーティキュレーションの採用がシゲキ的な演奏でした。ちょうど、去年 のボッセ/新日本フィルと同じ方向性を持った演奏です。 第1楽章の終わり付近でのトランペットの「主題行方不明」は、奏法の問 題というよりもオリジナルに忠実か否かの問題なのでしょうが(最近、よ うやく「行方不明」にも慣れました)。 演奏のクオリティという意味では、普段のOEKに比べるとアンサンブル の乱れが ちと目立ったようにも思えましたが、金聖響さんとOEKの 「挑戦」は まずまず成功だったのではないでしょうか。 アンコールは、ベートーヴェンの交響曲第3番の第3楽章、でした。 ちなみに、金聖響/OEKのベートーヴェン録音、2、3、7番がリリー ス予定ということは、この方向性の演奏によるOEKの新たなベートーヴ ェン全集に発展するかも??? そうだとしたら、とても楽しみです。 それにしても、ベートーヴェンの第7番については、岩城盤2種類(浜離 宮朝日ホールライブ、1000円シリーズ)と金聖響盤、計3種類を楽しめる ことになるんですね。 OEKのCDが これだけリリースされるとは想像もしていませんでした。

