〜子供配給世界〜


女技帥のプリズン博士は意地悪な人でした。

人エ子宮から出てきたばかりのちいちゃんとみゃあちゃんに
向かって、こんなことばかり囁くのです。



「赤ん坊をもらっていく人にはねぇ、恐い人もいてねぇ」

「ほみゃ」
「ふみゃ」

「赤ちゃんを鍋でぐつぐつ煮て食べちゃったり」
「ほみゃあ〜!(泣)」
「ふみゃあ〜!(泣)」

「赤ちゃんを犬の工サにしたり」
「ほみゃあ〜!(泣)」
「ふみゃあ〜!(泣)」

「バラバラにして内臓を売ったり」
「ほみゃあ〜!(泣)」
「ふみゃあ〜!(泣)」

「お注射して実験動物にしたり」
「ほみゃあ〜!(泣)」
「ふみゃあ〜!(泣)」

「首根っこをつかんだりするのよ!」
「み〜み〜!(泣)」
「み〜み〜!(泣)」






























さて、ちいちゃんとみゃあちゃんも貰われてゆく日がきました。
二人のちっちゃな心臓はどきどきばくばくです。



そんなちいちゃんとみゃあちゃんを入れたバスケットは
配送センターのトラックの荷台に載せられて、長い間そこで
ぐらぐらぐらと揺られました。

酔ってしまいそうなくらいひどい揺れ方ですが、ちっちゃな
赤ちゃん達は、緊張して、そんなこと感じてません。






やがて揺れがおさまりました。
どうやら着いたようです。
御両親との対面です。





どきどきどき…
み〜!





バスケットの蓋が開いて、
眼鏡をかけた男の人の顔がのぞきました。

その瞬間、ちいちゃんとみゃあちゃんは泣きだしてしまいました。



「ほみゃあ〜!ほみゃあ〜!(泣)」
「ふみゃあ〜!ふみゃあ〜!(泣)」
「あらあら泣きだしたよ」
「目を覚ましたのね」



女の人の声もします。
男の人は、ちいちゃんの脇に手を差し入れて優しく抱き上げました。
女の人も、みゃあちゃんを抱き上げました。
(決して、首根っこをつかんだりはしませくでした)



「ほみゃあ〜!ほみゃあ〜!(泣)」
「ふみゃあ〜!ふみゃあ〜!(泣)」
「ほらいい子だいい子だ」
「おむつかしら」
「ぬれてないよ。きっとお腹が空いたんだよ」
「そうね、ミルクを温めてくるわ」
「人肌くらいの温度だよ」



男の人はみゃあちゃんも受け取ると優しくあやし始めました。



「ほみゃあ〜!ほみゃあ〜!(泣)」
「ふみゃあ〜!ふみゃあ〜!(泣)」



赤ちゃん二人はそれでもまだ泣いていましたが、
「はい、あーん」っていって哺乳瓶をくわえさせられると 泣きやみました。

どうやら、この人達はいい人達みたいです。



「可愛いわね」
「可愛いな」
「苦労してー級市民の資格を取った甲斐があったわ」
「本当だ、こんな可愛い子が授かるなんて」





人間が出産権を奪われた未来の話です












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