一人目(11/7)





K博士は気違いでした



彼は、(酷い目にあわされ続けたのに関わらず)人間をとても愛していました






いいえ、”誰か”という、個人ではありません


人間そのものを愛していたのです






その、体と

(骨と肉と内臓と脳と皮と髪と)



その精神を・・・・












「おお、神よ、人間とはなんとよく出来ているのだろう・・・」

「ああ、世界は美しい、人は、精巧だ、すばらしい・・・」

「僕もこんなのが造りたい!」








そしてK博士は、人間創造に打ち込む狂人となったのです・・・















(ところで、おかしいと思いません?)
(人を造るとは、どういうことでしょう?)
(かのフランケンシュタインのように、パーツを集めてつくるのでしょうか?)
(粘土をこねてつくるのでしょうか?)
(それとも、遺伝子操作や胚移植でもするのでしょうか?)
(どちらにしても、”神のように人を造る”のではないでしょう?)
(だって、もうすでにある出来合いのものを使っているのですから)














「天才は狂人と紙一重だが、狂人は天才と紙一重ではない」とよく言いますが

K博士は狂人でありながら天才でした


(きっと脳細胞が強靭だったのでしょう)








彼は、人間にかなり近いものを造ることが出来ました

とはいえ、完全な人間を作り出すというのは彼にとっても至難の業でしたから

(だって、もともと人間創造は人間業ではないのですから)




彼は、半人間たちを創り出しました





存在を、半分他のものに頼った存在を
(いつか、完全な人間の創造を夢見ながら)
















博士は、先ず助手として「遺伝子人間(ワーゲノム)」を創り出しました・・・






遺伝子人間、それは「遺伝子(いでんこ)」と名づけられました

それは、X染色体由来の女の子でした







いでんこちゃんは、アルファベットをA、T、G、Cだけ知っています

そのA、T、G、Cで21の言葉をつづります


21の言葉で、たくさんの文章を描きます






彼女の言葉の連なりは、形になります
(目に見える形です)


彼女の言葉の連なりは、現象になります
(目に見える変化です)





彼女の言葉は、言霊に似ています

(力ある、真の意味と心と魂のある言葉です)





だから、いでんこちゃんにも、魂があります


いいえ、彼女そのものが形ある言霊なのです・・・















だから、彼女は今日も語り、自分と周りを変えて行きます・・・









「ねーこんだけお手伝いしてるんだから、おこづかいくらい頂戴よー(注:翻訳)」



「お前がお金持ってどうするんだ?」




「私がお金もつでしょ
すると、使うためのものができるわ
服でしょ、アイスクリームでしょ、ケーキでしょ、あとねえ・・
とにかく、女の子が欲しがるようなものが出来るのよ」




「先に意味が作られるのか・・・」




「それに使うために、お金が要るのよ
だから、とにかくお小遣い頂戴!
もしくれなかったらねぇ・・・」




「はいはい、分かった分かった、」




「ホント!?」













何でもいいですから御感想などぜひ!(ここをクリックしてください)
メール宛先:hitomachi@geocities.co.jp


もどります