第14回目(10/16)





窓から射し込んでくる光の中で貴々さんが動くと


艶やかな髪には天使の輪、胸元の宝石は妖しくきれいに光ります

(その宝石はとても古くから伝わる、曰く付きの品だそうです)
(それが、本当に、良く似合ってます) (だから、貴々さんは本当のお嬢様に違いないのです。)

貴々さんの立ち振る舞いは、凛として、楚々としています。






でも、私は気づきました。

貴々さんが身じろぎするたびに、どこかへ歩いて行くたびに、

そのずっと後ろで、目立たずに、すっと動く影があることを






彼らは二人います

二人はどちらも大男です。


「夏地方」を走ってる列車の中は暑いのに、
二人とも、コートを脱いだことがありません。






一体、彼らは何者でしょう?
貴々さんに、なんの目的があるのでしょう?






(はっ、彼らはひょっとして、貴々さんを狙う悪者?!)










でも、貴々さんは全然、気づいたそぶりもみせません。

「貴女の小説、とても面白いわ。続きがお出来になったら、是非教えてくださいね」

なんて言ってます






私は、気になって気になって・・・












だから、ある時、
私はこっそり、彼女に告げました

貴方を張ってる、影があるって

気をつけてって












すると、彼女はくすりと笑いました
(きっと、私の深刻な顔に笑ったのです)
(幼い私に不釣り合いな、真面目な表情がおかしかったのです)


そして、客車の奥の影に、手招きしました

そこからむくりと、二人の影が現れます

こちらに近づいてきます










「やっぱり、お気に障りましたかしら。今、紹介しますわね。」




彼らは、貴々さんの手前5メートルの所で、直立不動で立ち止まりました


「もっとこちらにいらっしゃい」

「いえ、陛下、これよりお側に寄るのはあまりに畏れ多くて・・・」






陛下・・・・?!






「いいから、もっとこちらにいらっしゃい」



男達は、4メートル手前まで来ました



「そんなに遠くにいては、紹介できないでしょう」

「しかし・・・」

「もっと、こちらにいらっしゃい」

「では・・・」


彼らは2メートルの所まで来ました



「陛下、これ以上は、ご容赦を・・・余りに畏れ多くて・・・」

「仕方ないわね・・・お前達、この方に挨拶なさい」




貴々さんの声に、大の男が二人、従います
成り行きの意外さに驚いてる私に向かって、丁重にお辞儀します




「私は、貴々様にお仕えする、A−とは012352と申します」
「私は、B-にへ859623と申します。以後、お見知りおきの程を。」


「あ、あの、私は文音といいます。よろしくお願いします。」

(文音で、”ふみね”って読むんですよ)




ぺこぺこ






そして貴々さんの「下がっていいわよ」の声に、二人はまた客車の向こうに退きました



・・・・

・・・陛下・・・・?
一体、貴々さんって何者なんでしょう?






「ごめんなさいね。気味悪がらせてしまったでしょう?」


「いえ、そんなことないですけど・・・」




「二人とも、私の護衛なのよ。いえ、”だった”と言うほうがいいかしら。」
「王国ではなくなったのだから、彼らは本当は自由身分なはずなのだけど・・」
「でも、新しい生き方が出来なくて、だから今でも私に従っているの」
「お気に障られるかもしれませんけど、赦してあげてくださいね」


「え、ええ、はい・・・」








一体、貴々さんって・・・

(”陛下”だから、やっぱり女王様だったのかしら?どこか、遠い国の・・・)











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