第29回目(12/9)





佐久君から貰った手紙


私はそれを、図書室の片隅の机のさらに隅で、
本に隠しながらそっと開けます




それは……やはりラブレターでした



君が前から好きだったとか
図書室でずっと見てたとか

そういうことが、きれいな、いささか女性的な字で記されていました
(恥ずかしいですから、詳しくは述べませんけど)












私は、悩みます

彼は、咲ちゃんの想い人です
そして、私は彼の事を特に好きではありません



……でも……



彼なら…(あの初心そうで真面目な顔…)





少し、食べさせてくれるかもしれません……






(私はそうやって、命永らえてきたのです)















私がそうして悩んでいると、いきなり後ろから手を廻されました
制服につつまれたしなやかな腕に、頭を抱きかかえられます
(頭には柔らかい感触……)




「……!」

「ご様子がすぐれないわね、何かお悩み?」



声の主は、ひふみさんです

図書室に入った時は見かけませんでしたから、
きっと書架の裏側にいたのでしょう
それにしても、ここで会ったのは初めてです



「お人形の様に可愛い水生には、憂い顔は似合わなくてよ」

「あの、放して……」


視線を後ろのほうに投げると、ひふみさんの後に、
取り巻きの女の子達がぞろぞろ

彼女たちの視線が痛いです


(きっと、いつも連れ立っていても、こんなに親しくはされていないのでしょう)



ひふみさんは腕をほどきますが、私を肩から抱くのはやめません


ああ、視線が痛い……




「なにか辛い事でもあったの?」

「……いいえ……」

「そう…?そうね…じゃあ」

「……」

「水生さん、おいしいもの食べましょう。人間、食べたら嫌な事は忘れるものよ」



ひふみさんが、ふふふと微笑みます

私の事を弄んでいます



そうと知りながらも、私の欲求はどんどん膨らんで行くのです……









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