第4回目(5/8)





今日は晴れて、暑くて
空はぬけるような青空でした
(本当に、魂の抜けるような感覚・・・)





太陽は、紺の冬服を灼き
私はもう家にかえりたいばかりです・・・





(土曜日でもないのに学生が、真昼の街を歩いています)
(警官に補導されなかったのは、よかったです)










私のアパートは、商店街を外れた、
やや寂しげな、水田と森の点在する所にあります

(精一杯の華やかと賑やかが剥ぎ取られ、静まる古いものが面を表したようなところ)







大きな合歓の木が覆い被さるようにして立つ、赤い木造2階建てのアパート
そこに私の部屋があります
(ここは、紹介されたところです)
(紹介されたからには、何かあるのでしょう)
(見かけは粗末な、家賃は安く、でも電気もガスも電話も通っているごく普通のアパートですが・・・)








私がアパートにようよう戻ってくると
(それでも学校から10分少しの距離ですです)





腰の曲がったとても小柄なお婆さんが、2階に上る階段に足をかけようとしていました。
彼女の手には手に余るような白いダンボールを抱えて






彼女は、私の気配を感じて振り向きました
私を見ると、その百は超えたような皺だらけの顔が、融けるように笑みを浮かべました

「丁度良かった、あんたに届け物だよ、ほら。」

外見に比べて、明瞭な発音
この人は、どこまで知っているのでしょう?
(”保護者”の紹介です、何かはあるのでしょうけど・・・)
はっきり質す事ができないのがもどかしく不安です・・・








いつも焦茶色と灰色の服を着た(間違っても着物などは着ていません!)、
いつも気味が悪いほど笑っている老婆





その彼女から渡されたもの
それは冷凍の宅急便でした
宛名は確かに”神原 水生”です
(はじめて出てくる名前ですね、それは、私の名前です・・・)













差出人は・・・”保護者”からです!















渇いた喉ははりついて、礼の言葉も出ません。

「・・・」

私は、小さくうなずくようなお辞儀をすると、すぐにその場を去りました・・・


















部屋に戻ると、すぐに箱を開けました

中の包みには、お肉が入っていました
(赤イ赤イ肉)
明らかに、人肉・・・







添えられていた手紙には、”保護者”の、
戦前めいた、しかし活字のように読みやすい達筆で
これが「転校祝い」であることが記されていました・・・




(これは、”保護者”の悪意あるジョークなのです、きっと)










私は、蒸した部屋の窓を開けます
まだ涼しい、森を抜けた風が入ってきます

暑苦しい制服を脱いでシワにならないようにハンガーに吊るします
服を着ようかと思いましたが、止めました
また汗で貼りつくだけです
(そして、ここの部屋を覗ける道も部屋、建物もありません)




それより・・・
私はエプロンを着けて・・・
ガス栓をひねり・・・










何か、とても惨めです
惨めで、哀れ・・・







そして、そう私が感じる事を知って送ってくるのです
ですから、これは悪意あるジョークなのです













そして私は、それによって生きなければならないのです・・・

















肉の焼ける匂いがしてきました・・・・




















窓の下から声が聞こえてきます
大家のおばあさんと、女の人の声です

「全く気味悪い子だよ・・・ろくに返事もしないしねえ」
「そう・・・」





そんな声を聞きながら、私は、死肉を焼きます







胃の腑を、とりあえず、満たすのです・・・
(霊的なものはそこにはなくて、ただ生物的な、補充です)













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