1998年11月29日 後楽園ホール IWAジャパン
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| 後楽園でこの入り(もちろん試合中) |
第1試合 新岩大樹 VS 宇和野貴志
宇和野は本日デビュー。なぜかショッキングピンクのパンツ。親類の方(?)
から頼まれて、コール時、宇和野に紙テープを投げる。良い体してるね、宇和
野。タッパがあるのが、良い。
試合でも気迫満点、先輩の新岩に打点の高いドロップキックを決め、ビンタ
を見舞うも、最後は新岩のバックドロップでピンフォール負け。試合後もビン
タを見舞っていくなど、インディーらしからぬ気合の持ち主である。今後が楽
しみ。
第2試合 西堀幸恵 VS 武藤裕代
コルバタの名手・西堀登場である。パワーでは圧倒的に勝る武藤に苦しみ、ジ ャイアントスイングで軽々と振り回されるも、芸術品コルバタ、スウィングDD Tなど見せるべきところは見せ、最後はウラカン・ラナで丸め込んで勝ち。試合 後、武藤は悔しさのあまり暴れ出し、制止に入った宮崎や元川をひきずりながら、 西堀へ突進。果ては元川を軽く突き飛ばす。武藤、恐るべし!
第3試合
| グレート・タケル | 佐藤竜騎士 | |
| アジアン・クーガー | VS | トルトゥガー |
| ファントム船越 | 木藤裕次 | |
| 西野勇喜 | 山下義也 |
第4試合 ペルセウス VS SHINOBI
「SHINOBIって誰だ?」
「前からIWAに来てたじゃん。バラゲイルと戦った」
「いや、たぶん中身、別人だよ」
へ? そうなの。マスクマンの正体暴きが得意なヒロケンさんがそう言う
なら、そうなのかもしれない。ともかく、こいつ、ダメ。どうしようもなく
寒い試合だったのが、セコンドの折原の大活躍で一挙に楽しい試合となった
んだけど。きっかけはSHINOBIの方から折原にちょっかいを出したこ
と。いきなりトペを折原に食らわしたのであるが、これがまったく効かず。
今までSHINOBIの挑発を完全無視していた折原だが、突如暴発。SH
INOBIを客席に叩き込み、イスでぶっ叩く。と言っても、キレているわ
けではなく、試合を壊さないようにSHINOBIをすぐ中に戻し、その怒
りはSHINOBIのセコンドに付いていた謎のマスクマンに向けられた。
いいぞ! 殺れ!
謎のマスクマンを客席に投げ込み、フロアーで叩きつけボディスラム。イ
スで殴る、殴る。そいつがノビてからは、小野がレフェリーの注意を引きつ
けている間にリング内に入って、SHINOBIをイスでぶっ叩く。すかさ
ずペルセウスがライガーボムでSHINOBIをピン。SHINOBIは立
つこともできず、謎のマスクマンとIWAの若手に肩を借りて、引き上げて
いった。客のほとんどがSHINOBIに対して感じていたいらだちを快感
に変えてくれた折原に感謝!
第5試合 平野勝美、松田慶三 VS 山田圭介、奥村茂雄<THE TITLEMATCH CHALLENGE>
この試合でフォールを取った者がメインでダグのタイトルに挑戦できるのだ。
で、案の定試合は、フォールの体勢に入ると味方がカットするというやつに。
ま、バトルロイヤルみたいなもんだ。山田と松田がやりあっていると、「しっか
し、小物だよな」との声。うん、見るからに。コーナーで控える奥村に松田がエ
ルボーを入れる。「思いつきでプロレスやってら」という某氏のコメントに周囲
は大爆笑。あまりにも的を得ているじゃないか。松田あたりのやることってすべ
て「なんとなく」なんだよ。なんとなく技をかけて、なんとなくアピールして、
なんとなく勝つ(あるいは負ける)。とりあえず気迫とハードヒットぶりが際だ
つ山田の方がまだ評価できる。
山田と奥村の仲間割れを核に試合は進み、最後は平野が南千住に続けて山田を
フォールした。平野、メインかい。そりゃすごいわな。
第6試合 折原昌夫、小野武志 VS 月岡明則、三上恭平
奇襲をかけた三上と月岡、三上のコルバタが折原を回す。しかし、折原は急所
攻撃でペースを握ると、ストンピングを打ち込み、小野がキャメルクラッチに固
めた三上の顔へドロップキックを入れる。次に小野も三上の顔を蹴る。2人がか
りで三上の足を引っ張り、股間を鉄柱へ。
小野が仕掛けたブレーンバスターをこらえて、逆に投げ返した三上。セントー
ンを落とす。小野をコーナーに逆さ吊りにすると、月岡がエグ過ぎる顔面スライ
ディングキック。小野の頭が後ろへ折れ曲がる。うぉー、というどよめき。更に
もう1発。
折原、月岡に急所蹴りを決めてから、ブレインバスター、逆片エビ固め、背中
へビシッとサッカーボールキック。小野も弓矢固めを決める。やられてばかりは
いられない月岡、折原へ猛反撃。フロントスープレックス、ジャーマン、ラ・ケ
ブラーダ、ハリケーンドライバー。折原は余裕で受けて、串刺しラリアット、浴
びせ蹴り、ケブラーダを返す。小野に決めた月岡トルネードが最後の抵抗。最後
は折原が雪崩式トゥームストンパイルドライバーで月岡をピン。終わってみれば、
トンパチ楽勝でした。
セミファイナル 元川恵美 VS ブラディー
俺がいるのは東バルコ。ブラファンのための場所だ。よ
しさんも上がってきて、ブラの応援。私はぼーとしていて気づかなかった
が、後で聞いたらぷいやぁさんもおられたとのこと。こんな場所に放り込
まれたら、態度をはっきりさせなくてはならないな。よし、いくぞ。「レ
ッツ・ゴー、ブラディー! チャッ、チャッ、チャチャチャ!」
ブラに紙テープを投げようと待ちかまえていた数人。ところが、えみほ
さんがブラに奇襲をかけたので、投げることができず、嘆く。えみほは場
外でブラにブレーンバスターを見舞い、コーナーからプランチャ。リング
に戻して、ドロップキック4発。ブラが立ち上がらないうちから闇雲に打
ち込んでゆく。
しかし、ブラは噛みつきで反撃し、再び場外へ。我々に向かって手を振
り、屈託なく笑うと、東側階段でえみほさんをしこたま(死語)いてもう
た。リングに戻り、えみほさんはトゥームストンパイルドライバーから、
ブラの手を踏んだままフラダンスを踊る。ブラもやり返し、手に噛みつい
てから、チェーン攻撃へ。いきなり飛びついたえみほがウラカン・ラナを
決めるが、ブラは腕ひしぎでグラウンドに誘い、えみほも鮮やかな入り方
で腕ひしぎを狙う。ブラの膝十字に悶絶するえみほ。グラウンドではやは
りブラに一日の長が。
えみほは投げっぱなしジャーマンで場外に逃れたブラに、さらにトペを
狙う。ところが待っていたのはブラの振りかざしたイス。おまけに顔から
フロアに落ちるえみほ。これは肝が冷えた。死んだんじゃないか? えみ
ほ、何もなかったかのようにむっくり起きあがる。ほっ。リング内でブラ
のダイビングセントーン。えみほが雪崩式フランケンシュタイナーをかけ
るも、その勢いで回転エビ固めに返されてしまう。えみほ、バックドロッ
プからビンタを見舞うと、ブラもパワーボムからビンタ。余裕ありそうな
ブラ、ロコーモーションジャーマン(2回)をここで披露。元川は2回に
渡り、ショートレンジのエルボーからブラを押さえ込んで、ブラ連を冷や
冷やさせるが、ブラは2カウントで返す。雪崩式DDTを見舞い、トゥー
ムストンパイルドライバーの体勢に行った元川だが、ブラは足をばたつか
せて、体勢を逆転。トゥームストンで落とす。これは全日の三沢タイガー
VSダイナマイト・キッドあたりから始まったパターンだよな。
ブラのダイビングセントーン。1発目は避けられたが、2発目で決める。
最後はドラゴンスープレックスでブラのピンフォール勝ち。元川者の人た
ちに聞くと、いつもは元川はあそこからだというから、今日はそれだけ実
力差があったということなのか。がんばれ、えみほさん。
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| 場外を連れ回す | 余裕ある表情のブラ | グラウンドでも優勢 |
メインイベント D・ギルバート VS 平野勝美
これがねえ…。平野はオリプロの頃から松崎や荒谷なんかと一緒に見て
いるし、ギルバートと言えば、W★INGなんだけど。試合はもうまった
く見るところなし。嫌いじゃないよ、こういうの。例えば、新日ジュニア
のハイスパート技の品評会だとか全日三冠戦の体力自慢&我慢大会よりも
こっちの方が俺の原点の中にあるプロレスらしいプロレスなんだよね。プ
ロレスとは本来、退屈なものである。ビールがなくちゃ見られないような
プロレスが日本テレビの倉庫にはたくさん眠っているはずだ。
しかし、IWAが現在立っているシチュエーションを考えれば、このよ
うな試合をメインイベントで行うってのは100%間違っていると断言し
ていいはずだ。昼間の大日本のメインとそれくらいの好対照。別にデスマ
ッチをやれ、血を流せ、と言ってるわけではない。どんなスタイルだろう
と、必死の叫びはファンの心に届くはずなのだ。もはや今のIWAにとっ
て後楽園はビッグマッチ以外の何物でもないはず。そこでメインを任され
た平野さん、これでいいんですか? 今日来た数少ない(本当に少ない)
客に「面白い!」と言わせて、次にまた来てもらわなければいけないんじ
ゃないですか?
もはや試合の方は諦めて、雑談しながら見る。試合後にMAYAがブッ
チャーを連れて、乱入してくるという噂。試合早く終わらねえかな。笛の
音を待つ我ら。ダグのパイルドライバーで平野があっさりフォールされる
と、来た! 笛の音と共に、着飾ったMAYA様が姿を現した。いまやI
WAの2大エースは元川とMAYA様。だって、客を沸かせらせるのって
この2人しかいなんだもん。隠し玉は誰だ? ブッチャーか、シンか、そ
れともビガロかな?
響くエンジン音。なんだ、レザーフェースじゃん。珍しくもない。しか
し、妙にぷんぷくりんのような…。マスクには「鬼」。うぉおおー、後藤
じゃん! 「かつて首領と呼ばれた男」さんが叫ぶ。「雁之助はどこだぁ!」
あのねえ(^_^;。平野が突っかかると、マスクが脱げて、後藤の素顔が露わ
に。平野の袈裟斬りチョップを受け流し、頭突きで吹き飛ばす後藤。浅野オ
ーナーの「ま、困っちゃうわねー」という声が聞こえてきそうである。
「IWAは終わりだ!」数人のインディファンの声が響く。もうとっくに
終わってるってば。若手が成長著しいだとか、IWAファンの反論がある
かもしれないけど、後楽園にこれしか集められない団体、やはり終わって
るとしか言いようないんだよ。マニアに支えられて地道に信用を得ていく。
そういうちまちまの段階はとっくに過ぎてるんだ。同人誌プロレス、いい
加減にしろ!
ここまで落ちたら、劇薬一気飲みのカンフル剤しか、蘇生術はない。も
ちろん、後藤がそれに当たるかといえば、何とも言えないが。地方での知
名度はあるけど、ギャラ高いしね。けれど、IWAが何かやらなくてはい
けないのは間違いないだろう。マニアの気持いい空間でいたら、どんどん
小さくなっていくばかり。もうファンの機嫌なんて取らなくていい。経営
側に立って言えば、今日来た客を全員失ったとしても、思い切ったことを
していくべきじゃないか。大仁田でもポーゴでも呼んでくればいい。
ともかく、IWAは今後FMWの次に優先的に見に行こうと思う。行く
末だけは見届けたいという気持。個人的にはバトラーツのように調子乗っ
てるとこよりWARやIWAのような「何をやってもうまくいかないとこ」
に惹かれるんだよね。(別に俺が必ずしもそういう人間というわけでもな
いが(^_^;)こんなIWAのエース、それはやっぱりえみほさん。彼女が立
っているだけで、薄汚れたリングに光が点るようだ。山田君はエースと呼ば
れるにふさわしくなるまで、下でやっててくれ。そんなうちに期待の新人・
宇和野君に抜かれそうだけど。
試合後は元川者の飲み会にお邪魔。よしさんから買ったデジカメの使い方
を教えていただいた。全女の横アリ、厳しい入りだったとか。18000人
収容の横アリに5000人弱では…。おそらく実券は4000枚程度、その
ほとんどが週プロ持参の1500円入場の客なんだろう。エレベーターで聞
いたあざらしの嘆きが耳に蘇る。
でも、高景気もねえ。自然界からどんどん搾取して、物をどんどん作り、
使ってどんどん捨てる。ゴミをたくさん出す。大雑把に言えば、そのサイク
ルを早くするほど豊かって言われるような社会に俺らは住んでいる。そうい
うの、もう本当に嫌だ。不景気だろうと、俺には関係ない。先のこともたい
して考えちゃないけど、プロレス観戦のペースは速くなるばかり。プロレス
のいいところはね、ガソリンも食わないし、空気も汚さない。鳥も減らない
し、産業廃棄物もない。それでいて、ビル一個壊すような映画に負けない感
動が得られることだよね。
家に着くと日付が変わっていた。一眠りしたら、仕事。