レビュー1

猫はチーズをねだる

リリアン・J・ブラウンのシャム猫ココシリーズ第16弾です。やはり、シリーズものの途中しかも、第16作をはじめに読むという行為は 少々無謀だったようです。何がなんだかわからないところが多く、登場人物もいまいち特徴をつかめませんでした。やはり、シリーズものである以上、1作めから読むことをおすすめします。猫が好きな人にはピッタリなシリーズだと思います。ただ、本作品に限っては、ミステリーとしてより、物語のような感じなので本格好きにとっては物足りないかもしれません。

迷宮 Labylinth

倉坂鬼一郎の講談社ノベルスの登場です。初めて読む作家さんなのですがペンネームが怖いです。<鬼・・ミステリー+ホラー+幻想とうたっていますが実際のところサスペンスホラーの感じがします。でも、狂人ばかりでてくるのは少々参りました。実際、この本はホラーが好きな人向きですね。感想は狂人の論理は所詮考えるだけ無駄ということですね。

カナリヤは眠れない

近藤史恵さんの本です。『凍える島』に続いて僕が読む2作目となりました。近藤さんという作家を考えるときあの独特な人間心理の描写(凍える島では―〇〇〇―で括られた部分)があります。ミステリーに人間心理というと東野圭吾を思い出しますが、またそれとは少し違ったいい味を持っていると思うのです。人物の描き方もいいですね。(うさぎくんや本作品の整体師合田さん)今後に期待したい作家さんですね。本作品では依存症をミステリー仕立てでわかりやすく説明しています。現代人に増加する依存症は心の隙 間が原因なんでしょうね。

悪意

少し前に読んだ東野圭吾氏の作品です。この本も東野氏お得意の人間の心理に深く突っ込んだDEEPな内容となっています。唐突に(笑)あなたは人の成功を本当に心から祝福できますか?そこに嫉妬が存在しないと誓えますか?人間の深層心理は複雑で一瞬にいろいろな考えが通りすぎるといっても、少しは考える(嫉妬)でしょうね。心の奥底には良い自分と悪い自分が絶えず戦っているような気がします。悪意は貴方の心の中に存在していないといえますか?否。・・・

カレイドスコープ島

ドッペルゲンガー宮に続く霧舎巧氏の第二弾です。いわゆる孤島ものであり、その道(館,島クローズドサークル)を愛する人にとってはマサにうってつけの逸品です。前作は冗長な表現にいらいらさせられましたが、この本ではそんなことないです。謎や展開も素晴らしく買ってみて損はないと思います。次回作に早くも期待がかかります。でもこの話に出てくるPHSはもはや死滅したとばかり思っていたのは気のせいでしょうか。(笑)

QED ベイカー街の問題

高田氏QEDシリーズの第三弾!このシリーズもかなり薀蓄にページをさくシリーズで事件そのものはいたってシンプルだったりします。(笑)また、この本でもっともらしく書かれていることは日本シャーロックホームズクラブ編集の『詳説シャーロック・ホームズ』に載っていることなんでホームズに関することは目新しい事は特になかったです。でも知らない人にとってはホームズの世界観が変わること間違いなしです。最後にこの物語に出てくるカクテル『シャーロック・ホームズ』と『ドクターワトソン』を是非飲んでみたいものです。

安達ヶ原の鬼密室

歌野晶午氏の新作です。『うたの』ですよ。ときどき『かの』と呼ばれる方がいるのであらかじめ注意を喚起しときます。(笑)そういえば、自分も間違って呼んでいました。この人は僕の友達にFACEが似ているので無条件に好きです。ただし、トリックが少し弱いのが難点かもしれませんが、なにしろ物理トリックですから評価は高いです。そう僕は、勘違いネタのトリックは好きじゃないのです。ま た、このミステリーは構成が非常に凝っているのもポイント高いです。やるなって感じで次回作にも期待が持てます。

月は幽咽のデバイス

Fで鮮烈なデビューを飾った森氏も今や確固たる地位を築き上げました。早くもVシリーズ第三弾の登場です。前作に比べまして作品の面白さはないように感じられます。モナリザの方がはっきり言って良いです。もっと言うなら旧シリーズ復活を(爆)まま、そう言わずに作品の方を吟味してみます。流石にキャラものの森(いつからだ)の腕前のおかげで、作品自体は、あきずに読むことが可能となっています。しかし昔の切れ味はどこへ行ってしまったのか、かなり丸く納まっています。次回作に期待しましょう。

刑事コロンボ 血文字の罠

刑事コロンボシリーズです。通常のコロンボシリーズのように、冒頭で犯人が被害者を殺害するシーンから始まるハードボイルドです。コロンボのキャラクターに頼ったものでトリック云々なんか問題じゃありません。知ったことじゃありません。(笑)コロンボの世界『家のかみさんが・・・』『ドック、いい子にしてなよ』なんかの言いまわしを堪能してください。あっさり読めるライトなミステリーです。

魍魎のハコ

京極さんの本です。厚いです。長いです。苦しいです。(笑)なんでこんなに長いのでしょうか?やはり、読むためには相当な覚悟が必要な本に違いありません。やはり、戦前の予想どおりというか某情報筋の話どおり、薀蓄の量がすさまじいです。これを許せるかどうかがこの本が、ひいては京極さんのシリーズが好きかどうかが決まるPOINTではないでしょうか。

サンダーポイントの雷鳴

ジャック・ヒギンズ作の冒険小説です。冒険小説に多い“ナチスモノ”です。なぜ“ナチスモノ”が多いかという理由は、ナチスならいかに罵倒しようがたいした問題もなく、またアメリカ人などにうけがよいからみたいです。また、海外映画等の第二次世界大戦中の日本軍の描かれ方も極悪非道になっているのはお約束でしょうか(笑)舞台は第二次世界大戦中末期のドイツ、首相官邸から一人の男が潜水艦で旅だつところから始まり、元IRAのショーン・ディロンとナチスの亡霊との戦いがまたまたスリリングです。なんとなくオデッサ・ファイル(フォーサイス)の雰囲気とどことなく似ています。面白いです。

シバ謀略の神殿

ジャック・ヒギンズの冒険小説です。感じとしてはインディージョーンズみたいです。ナチスと南アラビアの神殿、考古学者・・・妙に附合しますね。登場人物が生き生きとし悪い奴らをやっつける勧善懲悪ものです。水戸黄門みたいなものか(笑)歴史の一部の謎にも迫ったもので非常に面白く読めました。

美神の黄昏

宇神幸男の『神宿る手』から始まる4部作(シリーズ)の最期の作品です。はっきりいってこの作品は首をひねりました。つまり。それま での3部作に比べこの作品は見劣りの感が否めません。しかも、それまでの3部の流れが急に収束するありさまはジャンプの急な連載打ちきりの漫画に匹敵するような感じで非常に残念に思います。本作はこのシリーズに一応の解決を与えているのですが、どうもしっくりきません。