レビュー

刑事コロンボ『殺しの序曲』

これはどうやらかなり古い原作がやっと最近に翻訳されたもののようです。ハードボイルドの典型のコロンボですが、この作品にはミステリーファンにはたまらないクイズがさりげなく出題されているのが見逃せません。そして、おなじみの犯人との直接対決!コロンボファンはもとより本格ミステリーファンがが読んでも楽しめる作品に仕上がっています。あ〜それからもう一ついいですか〜(了)

海神の晩餐

若竹七海の長編船上ミステリーです。まず設定が船の上というのが気に入りました。(^o^)船上という設定は、古くはクリスティの『ナイル殺人事件』という名作やファミコンで出された『ミシシッピー連続殺人事件』を成功させた経緯があります。そして冒険小説『女王陛下のユリシーズ』や『Uボート』なども海の男たちを描いて成功しました。個人的に好きなジャンルで若干、過大評価の感もありますが、この作品の出来は一言『素晴らしい』につきます。貴方もこの小説に登場する氷川丸の乗客の一人になってみるのはいかがでしょうか?本当に本当にお勧めです。

11枚のとらんぷ

泡坂妻夫の第1長編です。前に読んだ『乱れからくり』に気を良くしたので、ついついというか当然のごとく、泡坂氏のミステリーをもう一度ということで購入しました。(^o^)読後のファーストインプレッションは『乱れからくり』に及ばずも良い出来で、非常に満足できるものでした。まず、本編は長編でありながら、作中作という形をとり、間に短編集『11枚のとらんぷ』をはさんでいるというところが特筆すべきポイントになるでしょう。これ以上言うとネタバレにつながるのが惜しいです。(^^;)お勧めですね。

海のある奈良に死す

有栖川氏がデビューして間も無い頃に書いた連載小説です。この作品は“作家アリスと火村のシリーズもの”なのになぜか旅情モノのような雰囲気で(^^;)内田氏の作風に近かったりします。いってみれば本格とはいい難い感じがしますね。面白さも有栖川氏のスタンダードレベルからするとつまらない部類じゃないでしょうか?トリックも旅情モノにはメジャーなやつで火サス向きのミステリーのような気がしました。次回作に期待することにします(笑)。

乱れからくり

泡坂妻夫さんの作品で、本作は第31回推理作家協会賞を受賞されています。この本を手に取るのが遅かったのを後悔したことを告白しておきます。(笑)それほどに完成度は高く、トリック、構成、そして読み手を引き込む魔術的な文章と全てが上手く混ざった本格ミステリーです。奇妙な屋敷、迷路、そして不可能に思える殺人、人がからくりが謎を謎を呼ぶ傑作です。これを読むと最近のミステリーのレベルはむしろ下がっているのではないかという危機感さえ感じる始末です。お勧めです。

シャーロック・ホームズのドキュメント

ジェ−ン・トムスンの”ホームズのパスティーシュ”第4弾です。ちなみに第1弾『シャーロック・ホームズの秘密ファイル』,第2弾『シャーロック・ホームズのクロニクル』,第3弾『シャーロック・ホームズのジャーナル』です。全て創元推理文庫からでています。で、本短編集ですが、正直に言って少し物足りなさを感じました。過去の作品集の出来がよかったのがこういう感想をもつ原因でしょう。悪くはないが良くもない。毒にも薬にも・・・というと悪いイメージですが無難な出来といえるでしょう。ホームズフリークにとっては問答無用で”買い”でしょう。安いし・・(笑)

そして二人だけになった

森 博嗣氏のハードカバーのミステリーです。ラストがいまいち、良くわからないのですが、非常に面白いです。ただ、これ(笑)このトリックどこかで見たような気がしません?そう、A氏のSTJのトリックと似ているんです。似ているどころかうりふたつ(爆)じゃぁありま〜せんか(笑)あの時の驚きに比べるとやはり二回目はそうかぁって程度なのですけどやはり良く出来ています。Vシリーズよりいけてます。2000円の価値は十分にありです。おすすめです。

ファイヤフォックス

クリント・イーストウッド主演・監督で映画化されたクレイグ・トーマスの『ファイヤフォックス』です。かなり古い作品で、1986年に日本語翻訳が出ているので、原作はそれより前に発売されたのにもかかわらず今でも十分楽しめるハイテクスリラーです。レッドオクトバーなんかが出るより前でハイテクスリラーの先駆けとも言える作品かもしれません。最高速度マッハ5、レーダーに映らない(要するに今でいうステルスですね。)、思考制御を搭載した戦闘機ミグ31を男が活躍する冒険活劇です。面白いです。でも読むより見る映画の方が楽かも(笑)

偶人館の殺人

タイトルの『偶人』って何て読みました?”おそらく多くの人が『ぐうじん』て読むのでしょうね。実はこれで『からくり』と読むのです。偉そうなこと言ってますが自分も”ぐうじん”と読んだ1人です。(笑)作者は高橋克彦という人で僕にとってお初の作家さんです。初めて読む作家さん本の場合は、最初にその人の何を読むかのかは結構重要なんです。それでイメージが出来て、悪く言うとレッテルを貼るみたいなもので、まぁ何事においても第1印象というのは重要なわけでして・・(笑)さて前置きが長くなりました。タイトルの偶人館で連続殺人、あるいはクローズド・サークルものと踏んだ僕にはいささか肩透かしにあったような気がしました。なにせ偶人館が登場するのは後半部分でして、一種の館ものとは全くかけ離れたものなのです。とはいえ、結構面白く読むことが出来ました。からくりの薀蓄を交えたキャラものという色合いが強いです。この物語に登場する人物:矢的の人物像が実にユニークで是非次も読んでみたくなりました。

「縛り首の館」殺人事件

赤かぶ検事で有名な和久峻三氏のミステリーですが、これは美人探偵 朝岡彩子事件ファイルシリーズの1作です。まさに火曜サスペンスネタそのままで(笑)、本格ミステリーして読んだ場合には物足りなさが残ります。トリックといい、謎解きといい、エロが部分的に挿入といい、ドラマ向けの脚本です。(断定、笑)まぁ、ドラマ化が多い作家さんなんでドラマ化しやすいように書いているのでしょう。(笑)死体消失のトリックがやや新しいかっていえますが、映像的に見てみたい作品です。