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僕はケニー。僕の夏の話をしよう。
車は昔から好きだった。子どものころからね。ほとんど車以外は目に入らなかったといっていいな……だから高校の自動車部に入ったんだけど、車以外の成績はさっぱり、五年もいて卒業できるかどうかもわかんないし、卒業パーティーにエスコートするガールフレンドもいない。
そもそもママをみてると、女って生き物がわからなくなる。確かにママは独身だけど、だからって毎晩違う男の人と遊び歩いて、それでOKだなんて。平気だなんて……。
そんなこんなで、傍目にはしけた高校生活だけど、僕には最高の夏だった。
あのコルベットをスクラップ工場で見つけてから!!
二束三文のそいつを学校の工場に運び込み、毎日油まみれで改造作業に取り組み、どう見たって今セントルイスのシボレー工場から出荷された新車をさらにチューン・ナップしたばかりって風情に仕上げたのは、クラスのみんなの協力や担任のマッグラス先生の指導もあったけど、多くは僕の技術力だということは、みんなもわかってるはずさ。
初めてコルベットのロード・テストをした夜には、僕はあれでGMの玄関に乗り付け、不抜けたファミリーカーばかり作っている大人たちの度肝を抜いてやるイメージで、頭がいっぱいだった。
コルベット・スティングレー。色はキャンディ・アップル、メタルフレーム、スーペリア・マグにマーキュリー・チューブ、ガブリエル・ショック……車体を包む黄金の炎。成功の証。
それが盗まれた。クーツの大馬鹿野郎がキーをつけっぱなしでコーラを買いに車から離れた一瞬の隙に。きれいさっぱり、消え去った。
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