Masahide's Original

ベルワルドの転調法

 

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 ベルワルドの作品には、当時としてはいくぶん大胆な転調法が用いられています。こうした転調法は、きわめて初期の作品からすでに認められていますが、彼の生前には、あまりに前衛的なものとみなされたようです。

 ここではまず、ベルワルドの用いた転調法の例として、交響曲第3番『サンギュリエール』の終楽章を見てみることにしましょう。一つのモティーフが登場するやいなや、次々と転調されていくのが聴き取れます。このフレーズでは、長調から同主調の短調に転調する際に半音下がる音を利用して、もとの長調より半音低い長調に転調する技法が用いられています。変ホ長調で登場したモティーフは、変ホ短調-ニ長調-ニ短調-変ニ長調-嬰ハ短調-ハ長調と転調されていきます。このように説明すると、ちょっと理屈っぽくて、芸術的じゃないように思われるかもしれません。しかし、この部分を実際に聴いてみると、不安定で、どこにたどりつくかわからないような、不思議なふんいきが感じられ、独自の表現を獲得しているのが理解できます。また、ベルワルドの初期の歌曲『少女の嘆き』を聴くと、非定型的な転調が、半音階的な進行や複雑な対位法とともに用いられているのがわかります。とはいえ、こうした不安定さ、不思議さは、当時の聴衆にはおそらく理解できなかったのではないでしょうか。ベルワルドの音楽を、シューベルトや、シューマン、メンデルスゾーンなどの同時代の音楽と比較してみてください。 (参考; ベルワルド年表

 

 

 

 

 

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