■ シルクロード・シリーズ〜宇宙ゆく帆船 ■

登場人物は、基本的に名前のある人、それに準ずる人に限っています。

<白泉社花とゆめコミックス版>シルクロード「宇宙ゆく帆船」(そらゆくふね)

 シルクロード「ペキネンシス50万年」
表紙:テイサと頭蓋骨

登場人物:莉莉(リーリ)、楊瑞生(ヤンロイション)、宋博士、アダムソン博士、 スミス、テングリ兄弟

◇コメント◇
「バルマンの鉄柱」の続き。
シルクロード・シリーズは、前半と後半でかなりテーマや世界観が変化した部分もあって、 この話は、その典型のように思えます。今の作者なら、恐らくもっと別の形で描くのでは…… (って考えるの、わたしだけかなあ)


 シルクロード「バンボレットの谷」
表紙(見開き):ターラとスルジェ

登場人物:ターラ、シャーマン、スルジェ

◇コメント◇
罪を負ってもなお生きるというテーマは、神坂智子作品にしばしば見られるもの。
「第三の目」という意味を持つターラ。彼女がメインに出てくるのは、 「ゾマの祭り」です。 こっちを先に読まないと、「バンボレットの谷」ちょっと分かりにくいかもしれません。
個人的に、ターラはツヴィに先行する(繋がる)キャラクターと解釈しています。

ターラがこの作品で手にしているソロモンの笛(チャング)。
自らの罪に対する意識が吹かせる音色の描き方が印象的ですが、実際どんな笛なんでしょう? (ラストに収録されている旅行記には、アレクサンダー大王遠征の際にやってきたギリシア人の 末裔であるカラッシュ族の奏でる笛、と書いてあります) 「あんな昔の笛を持っているとは」とスルジェが言ったり、ビヨーンビーンっていう音からして、 かなり原始的な笛のようですが……


 シルクロード「バルマンの鉄柱」
表紙:扉を開く詩織

登場人物:セーヤ、アーニャ、長老、メイナ大佐、テングリ兄弟

◇コメント◇
忘れられた過去の時代の物語。試験管ベビーが出来るくらいの、冷凍睡眠カプセルが用意できるだけの 技術がありながら、予知によって動くクラシックな文明の様子が描かれています。
私利私欲に走り、己の命だけを最優先させるメイナ大佐以下勝手な人々が、ここにも登場。
あと、次の「宇宙ゆく帆船」に繋がるバルマンの鉄柱が使われています。


 シルクロード「宇宙ゆく帆船(そらゆくふね)」
表紙(見開き):砂漠の中から現れる帆船、杖を掲げる詩織 <船を呼ぶ詩織の佇まい、とても趣深いです>

登場人物:キリー・バジュラ、ジニー・ウエスト、エリナ・ホワイト、 ムラード、ターラ、テングリ兄弟

◇コメント
「砂漠幻想」につながる作品であり、ここがつながることで、 シルクロード・シリーズ自体の巨大な輪廻が完成します。

「ヒンドゥの教典(ギダ)はいう。10人目の神はこの世を見捨てるであろうと……」
この後に、ノアの箱船のこととコーランにおける最後(いやはて)の日について触れていますが、 「見捨てる」ってのが強烈な教典についての言及は、「風の輪・時の和・砂の環」 の重要なキーワードであり、より深い考察が見られます。
(ちなみに、作品の初出は「宇宙ゆく帆船」より「風の輪・時の和・砂の環」が先です)

 神坂智子のシルクロード紀行
80年冬旧ソ連・現ウズベキスタン(サマルカンドからタシケント、ブハラ)、 81年夏チベット、82年夏インド・パキスタン各旅行記です。


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