■ シルクロード・シリーズ〜姫君の塔 ■
登場人物は、基本的に名前のある人、それに準ずる人に限っています。
<白泉社花とゆめコミックス版>シルクロード「姫君の塔−キズクルガン−」
- カバー表表紙:女性(?)の民族衣装を纏った若い男
- カバー裏表紙:文様
- カバー中折り表側:(何故か緑の髪の)詩織
- カバー中折り裏側:オリジン?<金の輪をしていないけど・・>
- 中表紙:六本の腕を持つインド人風の青年
<肉体を描く線の独特のしなやかさが分かる絵>
表紙(見開き):梨蓮(リーレン)姫、タジクの人々
登場人物:梨蓮姫、タジクの人々、四鈴(スーリン)
◇コメント◇
神坂さんが、遊牧民の持つ毅然とした誇りを描くとき、必ず対局にあるのが、
国家だったり社会だったりします。漢とペルシャという二大国家に挟まれた梨蓮姫の高潔な決断は、
とても美しくて好きです。
姫君の塔のことは、NHKのシルクロードの本に書いてあったハズ…。
表紙(見開き):ビビを抱くナイアード
登場人物:ビビ、チムール、ヤクシ、ナイアード
◇コメント◇
マワラアンナフルということばを知ったのは、この作品。
(ちなみに、アム・ダリアとシル・ダリアに挟まれた中央アジアの一地方のことです)
「恐怖、憎悪、怒り、悲しみ…ときめきに愛情…どれもが一律に均等した強さを持っていて、
これでは彼女の思考は読めない」というセリフと、最後のナイアードによる決着の付け方が
ちゃんと呼応している辺り、物語としての作りが、さすがですね〜
にしても、ビビ・ハヌィムという実在の壊れかけた寺院から、これだけの話を作っちゃうとは……
表紙(見開き):9人のテングリ、その髪に絡まっているガウラン
登場人物:ガウラン、成吉思汗(チンギス・ハーン)、忽蘭(くらん)、ツルイ、テングリ兄弟
◇コメント◇
9人のテングリ兄弟の名前が一度に出てくるのは、コレが初めて。
殺戮を繰り返す父・成吉思汗と狂女の母・忽蘭。
親を殺すと言い放つ息子ガウランに対して、投げかけられるテングリ兄弟のセリフ
「おまえの人々を思う心の強さが、汗の前でくじけずにあったなら、おまえの手で汗を刺してもよいだろう」。
前作の「青いビビ・ハヌィム」同様、一方の心だけで解決するほど人は矮小ではないことを描いた作品。
表紙(見開き):オリジンと花衣(かい)
登場人物:花衣、安積(あさか)、近房、村長、オリジン
◇コメント◇
詩織を出した天池家の始祖と言うべき花衣の物語。
「キャラバンの鈴」で精神が崩壊したオリジンの悲劇的な最後。
天の羽衣伝説となぞらえて、天人・オリジンは、羽衣を失ったまま死んでしまう……
能装束の人とこのうたは……能の作品のなにかの引用のようですが…?(無知ですみません)
「イシク・クル」でも使われているしなー。
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