
グレイブヤード

Graveyard
Distarbance
(aka)
: Dentro il Cimitero
Una Notte al Cimitero
墓場の底から甦った<死霊>対<暴走ヤング>!
「デモンズ」の監督ランベルト・バーヴァが挑戦する西洋半[鬼退治]!
1987年 イタリア映画 カラー 約96分
ヴィスタ(1.85:1)
日本劇場公開(配給:マウントライト)
レテイタリアS・P・A
製作会社:ダニア・フィルム/デヴォン・フィルム共同製作
提供:サーフ・フィルム
製作総指揮:マッシモ・マナッセ/マルコ・グリア・スピナ
監督:ランベルト・バーヴァ
脚本:ダルダノ・サケッティ/ランベルト・バーヴァ
撮影:ジャンロレンゾ・バッタグリアA.I.C.
特殊メイク:ファブリッツィオ・スフォッツァ
美術:アントネッロ・ジェレング
特殊メイク:ファブリッツィオ・スフォルッツァ
編集:マウロ・ボナンニA.M.C.
音楽:サイモン・ボズウェル(グリーティング・ミュージック)
特殊効果:デッタ・リッチ/アンジェロ・マッティ
助監督:ファブリッツィオ・バーヴァ
撮影スタジオ:エリオス
出演
グレゴリー・レキ・サテウス(ロビン)/
リア・マルティーノ(ティナ)/ベアトリス・リング(ミッキー)/
ジャンマルコ・トナッツィ(ジョン)/カール・ジニー(デイビッド)/
リーノ・サレーメ(バーテン)/ジャンパオロ・サッカローラ(酒場の男)
ランベルト・バーヴァ(ストアのオヤジ[クレジットなし])
物語(そんな物、果たしてあるのか?)
日頃から悪戯ばかりしている5人の悪ガキ男女たちは、
今日も学校をサボって、みんなでバンを駆り郊外へ
ちょっとしたハイキングにでかけるところ。
ロック音楽を大音量でかけながら、町外れのドラッグ・ストアで
万引きをした彼らは、スピード違反を取り締まる警官の車に追われるまま、
立入禁止の墓地を抜け、霧深い森の中へと迷い込んでしまう。
やがて彼らの前に巨大な廃墟が現れ、日も暮れてしまったので
若者達はその付近で野宿をし、一晩を過ごすことに決める。
夜も更けた頃、突然建物の一角から閃光が放たれた。
恐る恐るその光に集まっていく若者達。
そこには奇妙な客が集まる酒場があり、異様な風貌の
バーテン(サレーメ)が軽い食事を勧めてくれた。
ホッと一安心した彼らが気づいたのは、バーの2階にある
金銀財宝が入った小さな水槽。バーテンの話では
酒場の地下にある、地獄の待合室と呼ばれる禁断の墓場
<グレイブヤード>で一夜を過ごせた者に、賞金として
その財宝が与えられるという。欲に目がくらんでしまった若者達は、
バーテンの挑発に乗り、一晩の賭に応じてしまう。
若者達の一人、デイビッド(ジニー)が掛け金を払い、
バーテンに導かれるまま地下に降りて行く。酒場の営業が終わったら、
みんなで彼の後を追い、賞金を頂いてしまおうというハラなのだ。
蜘蛛の巣だらけの地下墓地に恐る恐る降りていく彼ら。
物陰に隠れていたデイビッドが、近眼で恐がりのティナ(マルティーノ)を
脅かして、安置してあった棺桶が倒れた時だった。
中から醜いゾンビが這いだし、他の棺桶に横たわる死体を
呼び覚まして回り始めたのだ。鉄柵が閉まってしまい、
仕方なく若者達は更に地下へと逃走を余儀なくされてしまう。
地中深く広がる墓地には様々な怪物や、首吊り死体、
腐乱して体中にウジ虫をたからせたゾンビが潜んでいた。
パニックに陥って逃げまどううち、彼らはいつしかバラバラになってしまう。
マッチョで仲間からランボーと呼ばれているロビン(サテウス)は、
腐乱死体が浮かぶ穴に落ち、ようやく這いだしてティナと合流すると、
今度はゾンビ達の晩餐会に出くわしてしまう。
何とか5人揃った若者達の前に光と共にハシゴが降りてくるが、
それを登っても脱出できず、再び地下墓地に戻ってきてしまった。
墓地の仕掛けがエッシャーのだまし絵と同じように
永久循環になっていると直感した若者達は、ティナのBF
ジョニー(トナッツィ)の提案で、今後の行く先をデイビッドの妹で
カンの良さそうなブロンド娘ミッキー(リング)の直感に
任せることにする。ミッキーは戸惑いながらも、迷路のような
墓地の中に進路を見つけていく。やがて夜が明け、遂に彼らは
出口となっているハシゴを発見した。そこに待っていたのは
あの奇妙なバーテンだった。取り大喜びで賞金の水槽から
金銀財宝を取りあげる若者達。しかし彼らの前で遂にバーテンは
正体を現した。顔の皮を剥いだ彼は死神だったのだ。
その頃、車を追った警察達は崖下に転落している若者の車を発見。
しかし、そこには彼らの姿はなかった。
このままでは命まで取られてしまう!デイビッドは財宝の中から
鋭く光る短剣を取り出し、死神に突き刺した!死神は絶叫しながら倒れ、
その赤い目の光も消えた・・・。若者達が地中から這い出すと、
そこにはマーケットのオヤジの案内で捜索に来た警察が待っていた。
せっかくの財宝も没収され、若者達は不機嫌面で警察に連行されていく。
解説
L・バーヴァが放つホラー版「ラビリンス」、あるいは戦慄の
<鬼退治>ホラー!(笑:どちらもマウントライトの宣伝から引用)
この作品も他のバーヴァ映画同様、廃墟に謎の光が現れる
導入部までの出来はかなり面白い。これから何が起こるんだろう?と
わくわくさせてくれるのに、その後が殆どナシ崩しな展開。
元々はTV用に作られた作品らしく、それを前提に見れば、
大して腹も立たないのだが、往年のホラーを思わせる御者のいない
幽霊馬車や、狼男の遠吠えなど、せっかく用意された面白そうな設定も、
地下に広がる墓地や、怪しい酒場の凝ったセット(これは結構凄い)も、
それを生かし切れないバーヴァ氏の演出ぶりで台無し。
更にラストに登場し、若者達に迫る死神も剣の一突きで
呆気なく滅ぼされてしまい、それまで90分を期待と我慢で過ごしてきた
観客は思いっきり拍子抜けし、虚脱状態に陥ってしまうのだが、
最終的に若者達が死んでしまわず、文句を垂れながらも
ちゃんと生きて生還する辺りにバーヴァのコダワリが感じられる。
劇中のセリフ中にホラー映画を意識した内容が出てくるのも
今見直してみると、可愛らしいモノがあるかもしれない。
<出演者について>
出演者も(バーヴァ映画の常連ばっかだが)わりと豪華。
常に軽口を叩く無軌道な若者デイビッド役を演じるのは、
バーヴァ自身がお気に入りだと語る、「デモンズ」(85)、
「デモンズ・キラー」(87)のツリ目俳優カール・ジニー。
日本公開作は他に、ロモロ・グエリオーリのアクション物
「ザ・エクスキューター(V)」(83)や、ボブ・コリンズこと
ヴァニーオ・アミッチの「レプリコップ/未来刑事」(87:
原案はピエロ・レニョーリ!)がある。IMDbによるとデビュー作は
ヘルムート・ベルガーやコリンヌ・クレリーと共演した80年の「Heroin」。
その妹で、ちょっと頭の弱そうな金髪の可愛い子ちゃん、
ミッキー役に「サンゲリア2」「シャタラー」で
一部に根強いファンを持つベアトリス・リング。
1965年の9月23日にフランスで生まれた彼女は、
エレオノラ・ジョルジが主演した81年の「ヌードの女」で
ベアトリスという少女を演じて映画デビュー。バレリー・ボッシュという
変名でクレジットされることもある。他の出演作品として
フルチの「サンゲリア2」(88)、その映画で共演したデラン・サラフィアン
(「蒼い牙」「エイリアン・プレデター」「ターミナル・ベロシティ」の監督
としてもしられている)の監督作「インターゾーン/狙われた秘宝」(88)、
トニーノ・ヴァレリーが監督した「シャタラー」(88)は
海外では「Scilian Connection」という題名で認知されているようだ。
その他、脚本や製作を担当した作品もあり、なかでも95年の
「Giovanni's World of Music」は93年の7月から96年の9月まで
結婚していた夫君ジョヴァンニ・マラッディ関連の作品っぽい。
彼女の父親はユナイテッド・アーティスツの
VP配給者(意味がちょっと・・・分かんないけど)で、
1999年時点では、南カリフォルニアでグラフィック・デザイナーを
しながら心理学を学んでいたようす。身長5フィート7インチ。
「キャロルは真夜中に殺される」に続いての映画出演となった
リア・マルティーノもメガネの恐がり娘ティナ役で出演。
こちらでは殺されないが、魅力はちょっと半減という印象。
リアとイイ感じになるジョンを演じるのがジャンマルコ・トナッツィ。
ジャン・マルコ・トナッツィともクレジットされる彼は、調べてみると意外と
出演作が多かった俳優。デビューは「グレイブヤード」のようだが、
ハーバート・ロス監督+ミハイル・バリシニコフ主演の「ダンサー」(87)で
ジュリオ役を演じたのを皮切りに、多数の作品に出演。
現在も主にイタリアで活躍し続けているようだ。
他にも「墓地裏の家」「ビヨンド」のジャンパオロ・サッカローラが
酒場で狼男の話に突っかかってくる客の役で、
「デモンズ」のパンク、「デモンズ2」の警備員でお馴染み?の
(パスカル)リーノ・サレーメ(彼はフルチの「ホラーハウス」(89)、
「新・デモンズ」(88)にも出演)が、酒場のバーテン=実は死神
というオイシイ役柄で顔を見せている。
それとL・バーヴァ自身が万引きされるコンビニの親父役で
出てくるのにも注目。素行の怪しい若者をチラチラ見ながら、
レジをカチカチ打つ姿は爆笑モノ。ヒッチコックに習ってか?
バーヴァ氏の出たがりぶりは有名なので、監督作では
あの太った髭面をチェックしよう!
特殊メイクを担当するのはファブリッツィオ・スフォッファ。
基本的には人肉も食わないし、吸血もしないゾンビ達だが、
目が無数にあるゾンビや、奇妙なバーテンの正体など、
奇抜な特殊効果のイメージは秀逸。死んでからもなお、
妻の胸を触って頬を叩かれる夫ゾンビや、若者達の姿を見て
棺桶の中に逃げ込んでしまうゾンビの姿を怒るか笑うかは、
ご覧になった皆さまの度量次第(笑)。ま、要するに
遊園地の面白くないお化け屋敷をご想像いただければ・・・。
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