
Dedicated to Ivan Rassimov
アイヴァン・ラシモフに捧ぐ
信じられない・・・ホントに久々の更新が彼の訃報になるなんて。
相手を射竦めるような、蛇の目のような視線を持った不思議な俳優が、
2003年3月14日ローマで死去した。
彼の名前はアイヴァン・ラシモフ。
1938年5月7日、かつてオーストリア(ハプスブルグ帝国)の領土だった
当時の文化を色濃く残す海辺の町、イタリアのトリエステで
クロアチア人の両親の元に生まれる。本名はIvan
Djerasimovic。
妹のラーダ・ラシモフと共に俳優の道を志し、トリエステの大学で演劇を学ぶ。
イタリアの軍隊を除隊後、ローマに赴いて俳優の仕事に就く。
最初は映画の端役が多く、名匠ジョン・ヒューストンが監督した
「天地創造/THE
BIBLE」で2ヶ月間俳優としての仕事をした後、
(この作品の前後にはダミアーノ・ダミアーニや、ラシモフを
「バンパイアの惑星」に起用したマリオ・バーヴァも関わっていた様子)
1967年から68年にかけて4本のマカロニ・ウェスタンに出演。
口ひげを生やした主役を演じ、俳優としての知名度を上げた。
彼の次なるステップはマリオ・シシリアーノ監督の戦争映画群。
そのうち「北アフリカ戦線・ドイツ機甲部隊せん滅す(TV)」は
日本でも見ることが出来た。
明るい娯楽系中心だった60年代の映画から、よりシニカルな内容の
70年代作品へと移行する中で、ラシモフはジャッロ映画に活躍の場を見出す。
彼の邪悪な目つきと凶悪なマスクは、このジャンルにとってうってつけ。
特にセルジョ・マルティーノが発表したジャッロ映画群では
E・フェネックに絡むクセのある悪人として数々の作品に顔を見せた。
(その全てが日本では未紹介のままなのは非常に残念で仕方ない。
因みに72年の劇場公開作「美女連続殺人魔」には当初、出演が予定されていたらしい)
またマッシモ・ダラマーノが撮った刑事アクションなどの役柄も印象的だった。
時代が下がって、80年代中頃までに続々発表された人喰いモンド映画群でも
(どうやらレンツィの「怪奇!魔境の裸族」(73)に出演したきっかけで)
アクの強い個性を活かした役柄に扮し、観客を圧倒している。
イタリア映画界自体が斜陽になってからは、ラシモフも次第に
活躍の場を失い、他の俳優同様、別の職種へと転職を余儀なくされた。
どうやら彼はイタリアの出版業界に70年代から関わっており、
80年代中頃からはランチョ・エディトーレ(Lancio Editore)という出版社に
籍を置き、会社社長のポストに収まったようだ。
北イタリアに居を構えた彼は、美しい夫人エフィ(Efi)と、
10代になる娘アレクサンドラと一緒に仲むつまじく暮らしていた。
Web上で発見した数点の写真を見る限り、彼の第二の人生は
俳優時代に劣らず、心底幸福だったように見える。
得難い役者を失った我々への、それがせめてもの救いである。(2003.5.13)
<フィルモグラフィ>
「Super rapina a
Milano」 (1964)
●ラシモフのクレジットは
Ivan Rassimovic。
ダリオ・アルジェントが監督した「ビッグファイブ・デイ」に出演したことでも
知られる、イタリアの人気ロック歌手のアドリアーノ・チェレンターノの主演作。
クレジットなしで、スーパーヴァイズをしているのは
ピエロ・ヴィヴァレッリ監督。
「天地創造」(1965)
La bibbia
aka:The Bible... in the Beginning-a dignitary of Babylon
●オールスターキャストの共演を得て、
名匠ジョン・ヒューストン(監督自身が大洪水に備えて
箱舟を作ったノア役で出演)が放つ歴史スペクタクル。
アメリカ=イタリア合作で、製作はディノ・デ・ラウレンティス。
日本公開は1966年の10月、FOX配給。カラー・175分。
「Un Uomo a meta」
(1965〜66)
aka:Almost a Man/Half a Man
●監督:ヴィットリオ・デ・セータ。
「バンパイアの惑星(V)」(1965)

PLANET OF
THE VAMPIRE
TERRORE NELLO SPAZIO [伊題]
THE DEMON PLANET [米・TV題]
aka :Demon Planet /The Haunted Planet /
The Haunted World /The Outlawed Planet /
Planet of Blood / The Planet of Terror /
The Planet of the Damned / Planet of the Vampires
Space Mutants / Terror en el espacio (スペイン題名)
Terror in Space
伊=スペイン/カラー・86分/日本劇場未公開
【別題】恐怖の怪奇惑星(TV)
製作会社:イタリアン・インターナショナル=カスチリア
監督:マリオ・バーヴァ
製作:フルヴィオ・ルチザーノ
原作:レナート・ペストリニエーロ
脚本:イブ・メルキオー/ルイス・M・ヘイワード/
カリスト・コスリッチ/アントニオ・ロマン/マリオ・バーヴァ/
アルベルト・ベヴィラクア/ラファエル・J・サルヴィア
撮影:アントニオ・ライナルディ
音楽:ジーノ・マリヌッツィ・Jr/アントニオ・プレッツ・オルカ
出演:バリー・サリヴァン/ノーマ・ベンゲル/
エンジェル・アランダ/エヴィ・マランディ/フェルナンド・ヴィレナ/
アイヴァン・ラシモフ(カーター/デリー・ケール?)
●銀河の果てにある惑星に降り立った隊員達を襲う奇怪な現象。
様々な点で「エイリアン」の先駆をなす作品としてファンの間で
評価の高いマリオ・バーヴァ監督のSF・ホラー。
脚本に「デスレース2000年」のイブ・メルキオールが参加。
ドラキュラを彷彿させる、隊員達の分厚い黒ずくめの宇宙服、
コウモリの形をした宇宙船も登場。埋葬した隊員達が甦るシーンは
良くドラキュラ物に例えられるが、彼らが包まれているビニール袋は
同監督の「ファイブ・バンボーレ」から??
I・ラシモフは劇中ではカーターと呼ばれているが、幾つかの資料には
デリー・ケールと書かれている。役柄的には大した活躍もないまま
消えてしまう感じだが、とにかく顔がやたらと若いのが印象的。
まだお若い頃のラシモフ氏。
「La Strega in amore」(1966)
aka:Aura
Creatura del diavolo(伊題)
Strange Obsession /The Witch in Love
The Witch/The Witch--3rd librarian
●ダミアーノ・ダミアーニ監督作。
とある女の生涯を綴った書物の解読のため
古城にある書庫に赴いた歴史研究家。彼はそこで美しい女性と
その愛人に出会い、幻想的な出来事に巻き込まれていく。
イタリアお得意の60年代怪奇・エロティック譚だが、
監督がダミアーニなのがちょっと興味をそそる。
主演はリチャード・ジョンソンとロザンナ・シャッフィーノ。
共演にジャン・マリア・ボロンテという豪華版。
「Cjamango」 (1967)
●「カラカス12時5分前」(67)や「地獄のパスポート」(65)など、
今では誰からも忘れられたような作品でスパイ役を演じていた
ジョルジョ・アルディソンがジャンゴに扮したウェスタン作品。
監督はエドガー・G・ミューラー(エドゥアルド・ムラッジア)監督。
共演に「デリリウム(遂に普通に邦題で書ける日が到来!)」の
ミッキー・ハージティと、クール美女ヘレン・シャネル。
ラシモフはショーン・トッド名義のクレジット。
「Il Ragazzo che sapeva amare」(1967)
●ヴィンセント・イーグル[ヴィンチェンゾ・ダラクイーア/
IMDbではエンゾ・ダラクイーアになっている]監督作品。
「待つなジャンゴ引き金を引け
(TV)」(1967)
NON ASPETTARE,
DJANGO...SPARA!
DON'T WAIT, DJANGO... SHOOT ! (米題)
●エドガー・G・ミューラー(エドゥアルド・ムラッジア)監督。
ラシモフはショーン・トッド名義のクレジット
(役名はジャンゴ・フォスター?)。変名の方で調べたら
日本でもちゃんとTVで放映されてました。
「Soledad」
(1967/69?)
●マリオ・カマス監督のスペイン映画?
スラップスティック喜劇「大追跡」(65)や、元祖リゾート映画
「ムーン・スキン・ガール」(71)に出ていた女優ベバ・ロンカーが共演。
IMDbには記述なし。原題を訳すと「孤独」ということか。
但し69年に同監督・ラシモフ出演で「Esa Mujer」なる映画があり、
そちらにソリダート(サラ・モンティエル)という役柄があるので
同じ映画の別題名か?内容はドラマのようす。
「Se vuoi vivere...spara!」
(1968)
●女囚映画でお馴染みのセルジョ・ガローネが
ウィリー・S・レーガン名義で撮ったイタリア=スペイン合作の西部劇。
主演のジャンゴ/ジョニー役はジョルジョ・アルディソン。
ラシモフはショーン・トッド名義でクレジットされている。
役名はジョニー・ダール。
「I vigliacchi non pregano」(1968)
●マーロン・シルコ、リー・カステルなどの名前でも作品を発表している
マリオ・シシリアーノ監督のイタリア=スペイン合作のウェスタン。
シシリアーノは日本でも「ラスト・トリガー/孤独の暗殺者」(77)や、
「ワイルド・アウトサイダー/黒い仕事にゃ手を出すな」(84)などが
ビデオで公開されている男気アクション系職人監督?だが、
後年はエロティック物が多かったようす(87年にローマで没)。
主役?のブライアン・クラーク役にはジャンニ・ガルコ。
ラシモフはダニエル役(クレジットはショーン・トッド)。
脚本はエルネスト・ガスタルディとシシリアーノの共同。
「北アフリカ戦線・ドイツ機甲部隊せん滅す(TV)」(1968〜69)
I 7 DI MARSA MATRUH
OVER RUN !/LA LUNGA NOTTE DEI DISERTORI
イタリア/劇場未公開(TV放映のみ)/ビデオソフト未発売
製作会社:Xテウス・フィルム
監督:マリオ・シシリアーノ
製作:マリオ・シシリアーノ
脚本:ディーン・クレイグ/マリオ・シシリアーノ
撮影:ジーノ・サンティーニ
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:アイヴァン・ラシモフ(アラン・クロスランド)/カーク・モリス/
モニカ・ストレベル/マルチェラ・ミケランジェリ
●上と同じくM・シシリアーノが監督したエジプト・ロケの戦争アクション。
こちらの脚本はピエロ・レニョーリと共同(名義はD・クレイグ?)。
アフリカ奥地のコンゴを舞台にレッド・ベレーの熾烈な戦いを描く。
「La Lunga notte dei disertori」(1969)
●再びシシリアーノ監督作。IMDbでもデータがなく、
何かの作品の別題名なのかも。
「Sturm der Feuervogel」
(1969/70)
aka:Sette baschi rossi (伊題)
Sieben dreckige Teufel (独題)
Red Berets-Alain Carrs
(英・ビデオ題)
●イタリア=西ドイツ(=エチオピア?)合作。
監督:マリオ・シシリアーノ(笑:マーロン・シルコ名義)。
共演:アンジェリカ・オット。
「Lo Strano vizio della Signora
Wardh (未)」 (1970)
aka Blade
of the Ripper(米題)
The Next Victim !/ Next! /
The Strange Vice of Mrs. Wardh


巷で話題の本作「ワーダ夫人」から。左はパーティーでフェネックを
ストーキングするラシモフ氏。右は剃刀を使ったシャワー殺人。
どちらも、この映画の見どころの1つ。
イタリア=スペイン合作/カラー・96分/テクノストンパ/チロモスコープ/
日本劇場未公開/ビデオ未発売/TV未放映
製作会社:デヴォン・フィルム(ローマ)=コペルシネス(マドリッド)
製作:ルチアーノ・マルティーノ
監督:セルジョ・マルティーノ
原案:エドュアルド・マリア・ボロッチェロ
脚本:エデュアルド・マリア・ボロッチェロ/
エルネスト・ガスタルディ/ヴィトリオ・キャローナ
撮影:エミリオ・フォリスコット
編集:エウジニオ・アラビーソ
音楽:ノラ・オルランディ
音楽監督:パオロ・オルミ
出演:ジョージ・ヒルトン(ジョージ・コッロ)/エドウージ・フェネック
(ジュリー・ワーダ)/クリスティナ・[コンチータ・]アイドルフィ
(キャロル・バクサ)/マニュエル・ジル(ニール)/アルベルト・デ・メンドーザ
(ニール・ワーダ)/アイヴァン・ラシモフ(ジーン)/キャロル・アリゲイロ/
ブルーノ・コラッツァーリ(殺人鬼)/マレーラ・コルビ/ミゲル・デル・カスティーロ/
ルイス・デ・テヤーダ/ブリツィオ・モルティナーロ/ポウチー/ミラ・ヴィドット
<物語>
今晩もまた、町外れにたむろする娼婦の一人が剃刀殺人の犠牲になった。
アメリカ大使の夫と共に、勤務先のミュンヘンへとやって来た
美しい妻ジュリー・ワーダ(フェネック)は、屋敷へ向かう途中のタクシーの中で
運転手から最近、この周辺で不気味なセックス・キラーによる連続殺人が
起きているという話を聞かされる。その時、ジュリーの脳裏に浮かんだのは
かつて恋人だったジーン(ラシモフ)のこと。サディスティックな性格のジーンは
彼女に何度も非道い仕打ちをした男だが、ジュリーはそんな彼にどこか惹かれていた。
新しい住まいになるモダンなアパルトメントに着き、シャワーを浴びようとした
ジュリーに突然バラの花束が届けられる。その差出人は・・・ジーンだった。
彼女の背筋に暗い、寒い予感が走る。
退屈な夫ニール(メンドーザ)のことは放って、ジュリーは女友達の誘いを受け
パーティーへと出かけていく。久しぶりに会った友達のキャロル(アイドルフィ)から
彼女の従兄弟であるハンサムなジョージ(ヒルトン)を紹介されるジュリー。
しかし彼女の前に酒を手にしたジーンが現れる。恐怖を感じたジュリーが
パーティーを抜け出すと、後をジーンが追ってきた。言い争いになった2人を
止めたのはジュリーを追ってきたニールだった。
ニールに殴られたジーンは不気味な笑いを残して暗い街角へと消えた。
再び殺人事件が起きた。バスルームのブロンド美人が何者かに剃刀で
喉笛を切りつけられて惨殺されたのだ。ジュリーの脳裏に甦る記憶・・・
彼女の体を剃刀で傷つけるジーン、倒錯的なセックスに燃える二人の姿。
セックス・キラーはジーンなのか?悪夢にうなされる妻を心配するニールをよそに、
彼女はキャロルと共にショッピングに出かけて憂さを晴らす。
親友の仲立ちもあって、ジュリーは魅力的なジョージとの関係を急速に深めていく。
レストランで食事する時に、自分を見つめるジョージの不思議な瞳に、ジュリーは
見知らぬ彼を警戒しながらも、本能的に惹かれていく気持を押さえることは出来なかった。
2人で出かけるオートバイのツーリング、数回のデートを重ねた後、遂にジュリーは
彼に自分の体を与えた。だが、その情交を物陰から見つめる何者かの目・・・。
程なくしてジュリーに脅迫電話がかかるようになり、彼女から相談を受けた
キャロルは、何者かとの待ち合わせに出かけた公園で突然、殺人鬼に襲われ、
剃刀殺人の犠牲者になってしまった。ジュリーの証言から警察はジーンを
容疑者として疑うが、確固たる証拠は出ない。更に親友の死のショックから
立ち直るヒマもなく、今度は自宅へ戻ったジュリーを殺人鬼の魔手が襲う。
地下駐車場で剃刀殺人魔の襲撃を受けた彼女は、命からがら部屋へ逃げ帰った。
次第に衰弱していく妻の身を案じた夫のニールは、ジーンの屋敷へ行き
話を付けようとする。夫と共にジーンの部屋に足を踏み入れたジュリーが見たもの、
それは血まみれのバスタブで喉を切り裂いて息絶えたジーンの死体だった。
だが殺人は終わらなかった。自宅に帰ってきた若い女性が部屋に隠れていた
殺人鬼(コラッツァーリ)に襲われたのだ。だが必死で抵抗した彼女は殺人魔の
下腹にハサミを突き刺し、異常なセックス・キラーは息絶えた。
嫌な事件は忘れようと、ジュリーはジョージに誘われるまま
ポルトガルへバカンスにでかけ、ヨットの上で激しい情事に耽る。
しかし彼女の元に再びジーンから花束が届けられた。またしても
ジュリーに魔の手が伸びてきたのだ。激しい恐怖に駆られ、
宿泊先のコテージへと車を走らせるジュリー。一足遅く戻ったジョージは
ショック状態のジュリーに医者を呼び、ニールに連絡を取る。
しかし屋敷に一人になったジュリーの前に現れたのは他ならぬジーンだった!
彼は台所にジュリーを運び、ガス栓を捻って自殺を偽装する。
ニールを乗せたジョージの車が別荘に着き、ジュリーを救出するが、
すでに彼女は事切れた後だった。(以下、ネタバレ。反転させてお読み下さい)
犯行を終え、荒野に向かったジーンの前に何とジョージが現れる。
ジュリーの殺害を仕組んでいたのはジーンとニールだったのだ。
彼らは警察を欺くために偽装自殺と殺人魔の2重の犯罪計画を立てていたのだ。
ジーンはジョージが放った凶弾に倒れ、彼はその手にピストルを握らせた。
これで全ての犯罪は完了した。後はニールがジュリーの遺産を全て相続し、
それを山分けするだけ。上機嫌で車に乗り込み、山道を蛇行運転する2人。
しかし、彼らは目撃してしまう。山道に佇むジュリーの姿を・・・。
車を戻した2人の元へジュリーがゆっくりと歩いてくる。
その背後からけたたましいサイレンを鳴らして追ってくる警察の車。
急スピードで逃げ出したニールとジョージの車は、対向車を避け切れず
崖を転落、山間を流れる沢の急流へと転落していく・・・。
●S・マルティーノが兄ルチアーノのGFだったE・フェネックを
奇妙な運命に翻弄されるヒロインに起用して発表したジャーロ映画。
剃刀を使った殺人シーンを含め、全編を通してシネスコの画面を最大限利用した
素晴らしいカメラワーク、ノラ・オルランディの押さえ気味のスコアなど
テクニカルな面の充実もさることながら、殺人魔の恐怖に怯え、
逃げまどうヒロイン、E・フェネックのフレッシュな魅力がとにかく鮮烈!
殺人犯が複数、犯人も複数いる複雑なプロット(粗筋、頑張りました!)を得て、
暴力的なセックスに惹かれるヒロインが恋人に殴られ、剃刀で肉体を刻まれながら
恍惚の表情を浮かべる悪夢場面、凄まじい豪雨の中で愛し合うラブシーンなど、
愛憎と美醜を背中合わせにしたマルティーノの演出手腕が冴え渡る。
ガス栓を捻り、ドアの内側に氷で仕掛けをして鍵をかける
偽装自殺のテクニックは「炎のいけにえ」(74)で再利用されている。
ラシモフはフェネシュのBFの一人、ジーン役。
「Le Tigri di Mompracem」 (1970)
aka:Los Tigres de Mompracem(スペイン題)
●イタリア=スペイン合作。
監督:マリオ・セクイ、共演:ルイス・タビラ。
「Un Omicidio perfetto a termine
di legge」(1971)
aka:Cross Current (米題)
Homicidio al lmite de la ley (スペイン題)/
●トニーノ・リッチ監督作品。共演にナッシー・ガールズの一人
ロザンナ・ヤンニの名前が。他にフィリップ・リロイ、
ジュリオ・ペーニャも顔を出している。ラシモフはバート役。
書くまでもないですが、日本でTV放映された
同年製作・同英題の作品「ケーブルカー殺人事件」は別モノ。
「ガンマン無頼・地獄人別帖」(1971)
LA VENDETTA E UN PIATTO CHE SI
SERVE FREDDO
aka:Vengeance Trail (米題)

イタリア/カラー・100分/日本公開73年3月(配給:松竹映配)
(DVD)シネマスコープ/伊語・日本語字幕/
特典:予告編/作品解説/マカロニコラム/ポスター&フォトギャラリー
製作会社 フィルム・チネマトグラフィカ
監督・原案:ウィリアム・レッドフォード(パスクァーレ・スクイティエリ)
脚本:ウィリアム・レッドフィールド/モニカ・フェルト
撮影:アンジェロ・ロッティ
音楽:ピエロ・ウミリアーニ
出演:レオナード・マン(ジム・ブリッガー)/クラウス・キンスキー
(プレスコット)/アイヴァン・ラシモフ(パーキンス)/
エリザベス・エヴァースフィールド(ツーネ)/
エンツォ・フィエルモンテ/ステファン・ザカリアス(ドク)/
サルヴァトーレ・ビッラ(テッド)
●幼い頃に家族を殺された少年が、成長して
憎き親の仇を討ち果たすまでを描くマカロニ・ウェスタン。
主演は「愛のアンジェラス」のレオナード・マン、
共演に毎度儲け役の怪優クラウス・キンスキー、
新星E・エヴァーズフィールドという布陣。
ラシモフは案の定、事件の黒幕という悪役だった。
この後姿は・・・。
<物語>
1780年代のアリゾナ州。愛する家族をインディアンに殺され、
復讐を誓い成長した青年ジム(L・マン)は、
次々に親の仇を取っていく。しかしある闘いで重傷を負った彼は
中年男ドクトル(S・ザカリアズ)に拾われ、実は彼の家族を
殺した張本人は白人のパーキンス(ラシモフ)であることを
打ち明けられた。早撃ちの腕を買われてパーキンスの農場へと
もぐり込んだジムは、怒りに燃えながらも彼のスキを伺う。
ある日、インディアンの娘ツーネ(E・エヴァーズフィールド)が
パーキンスの用心棒(K・キンスキー)らから嫌がらせを
受けるのを助けようとしたジムは、肩を撃たれてしまう。
そんなおり、ジムが復讐を果たす格好のチャンスが訪れる。
パーキンスがインディアンを装い、近くのスコット牧場を
襲撃する計画を立てたのだ。ジムはツーネに連絡を取り、
彼女の仲間のインディアンと協力して、パーキンス牧場に火を放った。
次々に倒れ、炎に巻かれて行く無頼漢一味。
そして遂にジムとパーキンスに対決の時が訪れる・・・。
「Un Bianco vestito per mariale」
(1972)
aka:Spirits of Death/Paranoia(仏・ビデオ題)
●「愛のほほえみ」(74)や「セクシー・リレーション」(74)などの
脚本を書いているサウロ・スカヴォリーニの弟に当たる
ロマノ・スカヴォリーニが72年に撮っていたトランス系ジャーロ。
スカヴォリーニは現場に遊びに来ただけのトム・サヴィーニの名前を
ポスターにデカデカと印刷して問題になった「ナイトメア(V)」(80)で
その名を知られる監督さん。比較的寡作な彼が70年代前半に
発表したこの作品、悪夢と現実が交差するシークエンスなどを多用し、
そのドラッギーなタッチは、一部でフェリーニ映画風と評されるほど。
(・・・が、いざ見ててみたら、割と普通の幻想スリラーでした)
出演は「ジャーロ・ア・ヴェネッツィア」で悪名高いジャンニ・デーイ、
ジャーロ映画の常連、ルイジ・ピスティレリと、イヴリン・スチュアート。
ラシモフはミステリアスな青年マッシモ役。
「Il Tuo vizio e una stanza chiusa
e
solo io ne ho la chiave」 (1972)
aka:
Excite Me(英題)
Eye of the Black Cat / Gently Before She Dies
Your Vice Is a Closed Room and Only I Have the Key

イタリア映画/カラー・96分/イーストマンカラー/テクノクローメ/
日本劇場未公開/ビデオ未発売/TV未放映
製作会社:リア・フィルム(ローマ)
製作:ルチアーノ・マルティーノ
監督:セルジョ・マルティーノ
原案:ルチアーノ・マルティーノ/サウロ・スカヴォリーニ
(エドガー・アラン・ポーの「黒猫」からのアダプテーション)
脚本:エルネスト・ガスタルディ/アドリアーノ・ボルゾーニ
撮影:ジャンカルロ・フェランド
編集:アッティリオ・ヴィンチオーニ
美術監督:ジョルジョ・ベルトリーニ
音楽:ブルーノ・ニコライ
助監督:ヴィットリオ・カロニーア
出演:エドウージ・フェネック(フロリアーナ)/ルイジ・ピスティレリ
(オリヴィエロ・ルーヴィニー)/アニータ・ストリンドベルイ(イレーナ・
ルーヴィニー)/アイヴァン・ラシモフ(ダリオ)/アンヘラ・ラ・ヴォーナ/
エンリカ・ボナッコルティ/ダニエラ・ジョルダーノ/エルメリンダ・
デ・フェリーシェ/マルコ・マリアーニ/ネリーナ・モンタナーニ/
カルラ・マンチーニ/ブルーノ・ボシェッティ/フランコ・ネッビア/
リカルド・サルヴィーノ/ルチアーノ・ピゴッツィ(クレジットなし)
●S・マルティーノの傑作ジャーロ映画。
「Gently Before She Dies」は宣伝用のタイトルらしい。
ラシモフはダリオ役。
「Tutti i colori del buio (未)」 (1972)
aka :All
the Colors of the Dark
Day of the Maniac/ Demons of the Dead /
They're Coming to Get You!(米・ビデオ題)
Todos los colores de la oscuridad(スペイン題:吹き替えバージョン)
イタリア=スペイン合作/カラー・99分/テクノクローム/イーストマンカラー
日本劇場未公開/ビデオ未発売/TV未放映
製作会社:リア・フィルム/ナショナル・チネマトグラフィカ(ローマ)
=コンパーニャ.C.アストロ(マドリッド)
製作:ミーノ・ローイ/ルチアーノ・マルティーノ
監督:セルジョ・マルティーノ
原案:サンチャゴ・モンカーダ
脚本:エルネスト・ガスタルディ/サウロ・スカヴォリーニ
撮影:ジャンカルロ・フェランド/ミグエル・F・ミーラ
編集:エウジニオ・アラビーソ
美術監督:ジェイミー・ペレズ・クベーロ/ホセ・ルイス・ガルシア
音楽・音楽監督:ブルーノ・ニコライ
出演:エドウージ・フェネック(ジェーン)/ジョージ・ヒルトン
(リチャード)/ジュリアン・ウガルテ(マクベイン/カルト教団の教祖)/
アイヴァン・ラシモフ(マーク・コーガン)/ジョージ・[ジョルジ・]リガウド
(バートン博士)/マリア・クマーニ・クアシモンド(新しい間借り人)/
スーザン・スコット[ニエヴェス・ナヴァーロ](バーバラ)/
マリーナ・マルファッティ(マリー)/ドミニク・ボッチェロ(ジェーンの母)/
ルチアーノ・ピゴッツィ(弁護士フランシス・クレイ)/レナート・
チャントーニ(メイ氏)/トム・フェレーギ(警部)/リサ・レオナルディ/
ヴェラ・ドルーディ/カルラ・マンチーニ/ジャンニ・プローネ
<物語>
ロンドンのアパルトメントに越してきた若妻ジェーン(フェネック)は、
子供の頃に受けたトラウマが元になって、異様な悪夢に
うなされる毎日を送っていた。彼女の夫リチャード(ヒルトン)は
ジェーンの姉バーバラ(スコット)が勤めるメンタル・クリニックで
診察を受けることを奨める。嫌々ながら姉と共に診療所に向かった
ジェーンは、そこで自分の母親(ボッチェロ)がサタニック・カルトを
信仰する恋人マーク(ラシモフ)に刺し殺された過去を告白する。
しかしクリニックの待合室、地下鉄、帰り道の公園とジェーンは
行く先々で刺すような視線を送るマークの影につきまとわれる。
動転しながらも何とか帰り着いたアパルトメントのエレベーター前で、
偶然彼女はメアリー(マルファッティ)と名乗る不思議な美女と出会った。
彼女はジェーン夫婦の階下に住んでおり、気が向いたら遊びに
来るようにと勧めてくれた。
ノイローゼ気味になっているジェーンを心配したリチャードは
バーバラに相談しに行くが、妹の事を気にかけない彼女は
リチャードにも冷たい返事を返すだけだった。
部屋の中で一人で過ごすことの多いジェーンは、自然にメアリーとの
時間を共有するようになっていく。ある日、ジェーンはメアリーに
誘われるまま車を郊外へと走らせ、広大な古城へと辿り着いた。
そこではマクベイン(ウガルテ)を中心とする悪魔崇拝の一団が
サバドを開いており、メアリーに促されるまま生贄の犬の血を飲まされた
ジェーンは、マクベインや教団一味との乱交セックスに身を捧げてしまう。
母親と同じような状況に身を置くことで、ほの暗い性の歓びを覚えた
ジェーンは益々カルト教団とのつながりを深めてしまう。
ある晩、儀式の中で生贄に選ばれたメアリーは、ジェーンの握った
ナイフで胸を貫いて果てた。混乱するジェーンの前にマクベインと
マークが現れ、彼女を城の霊廟へと導く。そこには青白い顔で息絶えた
メアリーの死体が横たわっていた。恐怖に駆られたジェーンは
城から逃げ出すが、獰猛な犬に追われて森の中に倒れ込んでしまう。
やがて後を追ってきたマークが彼女に麻酔薬をかがせ・・・。
ジェーンが目覚めると、そこは自分のアパルトメントだった。
全ては幻想なのか?ジェーンが階下のメアリーの部屋を訪れると、
そこにはずっと以前から住んでいたという別人の老婆がいた。
現実と悪夢の境界線が揺らいでいく。生きているのは誰で
ジェーンが見ているのは全て彼女の恐怖が生み出した幻なのか?!
幾度となくマークが自分を刺し殺そうとする幻影に襲われ、
神経衰弱寸前になったジェーンを見かねたクリニックの精神分析医
バートン博士(リガウド)は、彼女を田舎にあるメイ氏(チャントーニ)夫妻の
邸宅に預けるが、彼女が翌朝目覚めると、夫妻は朝食を取る姿勢のまま
テーブルに座り、絶命していた。パニックに陥ったジェーンは博士に
電話をかける。ちょうど妻が自宅に戻らないのを心配し、
診療所に向かったリチャードは、ジェーンを迎えに行くと車で出ていった
博士の後を車で追う。
一方、屋敷ではジェーンが再びナイフを手にしたマークに襲われていた。
車のクラクションを聞きつけて屋外に出た彼女が見たものは
車の中で息絶えた博士の姿だった。混乱して森に逃げた彼女の背後に
マークが迫る。彼女の首を締め上げたマークはナイフを振り上げるが、
間一髪、駆けつけたリチャードがその背中に熊手を突き刺し、
ジェーンの窮地を救った。リチャードは現場から立ち去る際に、
マークの手首に奇妙な悪魔崇拝の入れ墨を見つけていた。
病室で目覚めたジェーンの前にマクベインが現れた。しかし視界が揺らぐと
それはリチャードだった?不安に駆られたジェーンはリチャードを説得し、
病院から連れ出して貰うが、アパートに着くと突然、先に部屋に入った
リチャードの絶叫が!ジェーンが階段を駆け上がると、そこには胸を刺された
夫の死体が転がっていた。ナイフを手に呆然と立ちつくすジェーンは
手首に悪魔教団の入れ墨のある警官を率いたマクベインに連れ去られる・・・。
(以下、ネタバレ部分。反転させてお読み下さい。)
・・・が、これは夢?!ジェーンが再び目を開けると、そこにはリチャードがいた。
一連の事件はジェーンの姉を含め、悪魔教団が引き起こした事件だったのだ。
晴れて自由の身となったジェーンとリチャードはアパルトメントへ帰るが、
そこでジェーンは不思議な感覚に襲われる。これはあの悪夢と同じではないか?
ジェーンが駆けつけると、そこにはナイフを手にしたマクベインが今まさに
リチャードに襲いかからんとしていた。屋上へと逃げたマクベインを追って
リチャードとジェーンも階上へと出た。物陰に隠れていたマクベインがジェーンを襲い、
あわや彼女が転落しそうになった時、リチャードがマクベインを殴り倒し、
バランスを崩したマクベインは地面へと転落していくのだった・・・。
●奇妙なデザインのセットに展開する悪夢シーン、現実と夢が混じり合った
混沌としたストーリー展開、複雑でシニカルな人間関係と、監督マルティーノの
才能が最もいびつな形で結実したオカルト・ジャンル寄りの異色ジャーロ。
恐らく下敷きになっているのは「ローズマリーの赤ちゃん」だろうが、
出来上がった映画はポランスキーのオリジナルや、数多のパクリ映画とは
完全に一線を引く内容になっている。
説明のつかない予知能力で殺人を予知してしまい、悪魔教団の魔手に
襲われるヒロインをミステリアスに演じるフェネックが今回も一人勝ち。
ラシモフは教団の暗殺者マーク・コーガン役。撮影時のタイトルは
「Una strana orchidea con cinque gocce di sangue」。
「怪奇!魔境の裸族」
(1972〜73)
IL PASES DEL SESSO SELVAGGIO
MAN FROM DEEP RIVER
aka:Deep River Savages(英題) / Sacrifice!(米・再上映題)

イタリア(=タイランド合作)/カラー・ 90分/
日本公開74年5月(配給:日活/ビデオ未発売)
製作会社:メデューサ
監督:ウンベルト・レンツィ
脚本:オヴィディオ・G・アソニティス
ジョルジオ・カルロ・ロッシ
撮影:リカルド・パロッティーニ
音楽:ダニエル・パトゥッチ
出演:アイヴァン・ラシモフ/メ・メ・レイ/
プラティタク・シングハラ/トゥアン・テーヴァン
●レンツィ初の人喰い映画。殺人を犯してタイ国境近くのジャグルに逃げた
イギリス人ジャーナリストのブラッドレィ(ラシモフ)が、原住民達の
奇妙な風習に触れ、次第に彼らに溶け込んでいく様を描いた作品。
要するに「馬と呼ばれた男」や「ダンス・ウィズ・ウルブズ」だが、
それら諸作には出てこない猿の脳天切りや、手首切断などが見どころか。
「カニバル」のメメ・レイ(デオダート&高橋ヨシキ氏によれば、
正確な発音は"ミー・ミー・レイ")が再び原住民の美女役で登場。
ラシモフと恋に落ちて結婚する酋長の娘に扮している。
劇場公開作。撮影時のタイトルは「L'uomo dei fiumi
profondi」。

フィンランド版ビデオ。
最近、めでたく日本版DVDも出ましたね。
「Si puo essere
piu bastardi dell'ispettore Cliff ?」
(1973)
aka:Mafia Junction (米題)
Super Bitch(英・ビデオ題)/Blue Movie Blackmail(英題)
●マッシモ・ダラマーノの刑事アクション。
ラシモフの役は警察署長。撮影時のタイトルは
「Servizio di scorta」。
「スパズモ(未)」(1974)
Spasmo(伊題/米・英ビデオ題)
aka:The
Death Dealer(米・カット版)
●U・レンツィ監督のヒネリの利いたジャーロ映画。
ラシモフはロベルト・ホフマンの兄、フリッツ役。
日本版DVDも近日発売予定。詳しくはタイトルをクリック。
「Salvo D'Acquisto
(TV)」 (1974〜75)
●イタリアのTV物。エンリコ・マリア・サレルノ主演?
監督はロモロ・グエリオーリ[ロモロ・ジロラーミ]。
ラシモフが演じるのはクローネ警部役。
「バージン・エクソシスト/甦る悪魔のエクスタシー(V)」(1974)
L'OSSESA
THE EERIE MIDNIGHT HORROR SHOW(米・劇場題)
THE TORMENTED(米・ビデオ題)
aka:The Devil Obsession / Enter the Devil(英・ビデオ題)
The Sexorcist(英・ビデオ題)
イタリア/カラー・90分/日本劇場未公開(ビデオ:徳間ジャパン)
【別題】恐るべき衝動・美しき画学生の異常幻想(TV)
製作会社 チベリア・インターナショナル
監督:マリオ・ガリアッツォ
製作:パオロ・アゾーニ/リカルド・ロマノ
原案:マリオ・ガリアッツォ
脚本:アンブロジオ・モルテーニ
撮影:カルロ・カルリーニ
音楽:マルチェロ・ジョンビーニ
出演:ステラ・カルナチーナ(ダニエラ)/アイヴァン・ラシモフ
(悪魔)/
ルイジ・ピスティッリ(エクセーノ神父)/ルクレチア・ラヴ(ルチア/
ダニエラの母)/クリス・アヴラム(マリオ/ダニエラの父)/
ガブリエレ・ティンティ(ルチアの間男)/ウンベルト・ラオー
悪魔、というよりもエロいオヤジ?
<物語>
優しい父(アブラム)と美しい母(ラヴ)に育てられた裕福な一家の一人娘、
ダニエラ(カルラチーナ)は美貌の女子大生。彼女は絵画や芸術の世界に
興味を持っており、ある廃墟となった教会に飾られていた等身大の彫刻を
研究のため、自宅のアトリエへと持ち帰った。木で作られたその彫刻は
悪魔派の人間達がサバトや儀式を行う際に用いたとされる曰くつきの品物だった。
その晩、予定より早く帰宅したダニエラは、自宅で両親の開くパーティーで
会話に興じる人々に隠れて、寝室で愛を交わし合う母親とその愛人(ティンティ)の
痴態を目撃してしまう。ショックを隠せないままアトリエに赴いて作業を始めた
ダニエラの背後で、悪魔の彫刻がゆっくりと動き出す。不気味な息づかいと共に
甦った悪魔(ラシモフ)は、ダニエラの服を剥ぎ取ると馬乗りになって
彼女の処女を奪った。
その日を境に彼女には不可解な行動が見られるようになる。
両親の前で激しく身もだえてみたり、自慰行為に耽ったり・・・。
やがて醜く変貌し、淫らな言葉を叫き散らすようになった娘の姿を見て、
両親は悪魔祓いを決心する。
人里離れた修道院に隔離されたダニエラの体から悪魔を追い払う
エクソシストに選ばれたのはエクセーノ神父(ピスティレリ)。
彼はダニエラに祈祷を捧げ、壮絶な戦いの後、
彼女から悪魔を追い出すことに成功する。
●「帰ってきたET」のマリオ・ガリアッゾが監督した、イタリア製エクソシスト映画。
ステラ・カルラチーナ扮する画学生に色情狂の悪魔が取り憑く内容だが、
例えば「夢魔」「デアボリカ」など同系列の作品と比較しても、
超常現象が頻繁に起きたりするわけではなく、オボコ娘が抱いた単なるエロ幻想、
という意地悪な見方も出来る作りなのが面白い。
母親役のルクレチア・ラヴは「女戦士ゼナベル」などで頑張っていた
お色気女優。この映画でもエマニュエル・ネラの旦那様ことG・ティンティに
深紅の薔薇の花で殴られ、柔肌に無数の傷を作って官能にのたうち回る
濃厚なベッド・シーンを見せてくれる。父親役のアブラム、神父役の
ピスティレリは両方ともM・バーヴァの「血みどろの入江」に出ていた役者さん。
アイヴァン・ラシモフは悪魔?スタトゥーラ(彫刻のこと?)役。
マルチェロ・ジョンビーニの音楽は「ドーターズ・オブ・ドラキュラ」の
ホセ・ララッツが監督した「Black Candle」の予告編にも流用されていた。
さて、この映画は日本では何度もTV放映されており、放映題名こそ
「恐るべき衝動」や、「画学生の異常な体験」など様々だが、
土曜の昼下がりに偶然、ご覧になった方も多いのではないだろうか?
徳間から出ている日本版ビデオは伊語音声のバージョンで、
(恐らく)TV放映の英語版とはオープニングの編集が若干異なるバージョン。
徳間版は比較的レアなテープのようだが、どのレンタル屋にも置いてある
ゴア映画アンソロジー「テラー・オン・テープ」に、この作品のダイジェストが
収録済みなので、興味を持たれた方はそちらでチェック!
「Il Lupo dei mari」
(1975)
aka:Larsen, Wolf of the Seven
Seas/
The Legend of Sea Wolf(米・ビデオ題)/Wolf Larsen
●チャック・コナーズがタイトル・ロールのウルフ・ラーセンに
扮した冒険物。共演にバーバラ・バック、リック・バッタグリア。
監督はジュセッペ・ヴァリ。ラシモフのクレジットがない可能性もアリ。
「Roma a mano armata」
(1976)
aka:Assault with a Deadly
Weapon(米・ビデオ題)
Brutal Justice(米題)/Rome Armed to the Teeth
The Tough Ones(オランダ・ビデオ題)
●ウンベルト・レンツィの刑事アクション。
ラシモフはアントニオ(トニー)・パレンゾ役。
撮影時のタイトルは「Roma vuole giustizia」。
出演者にマウリッツィオ・メルリ、アーサー・ケネディら。
「復讐警部・白昼の凶悪爆破魔
(TV)」(1976)
QUELI DELLA CAL BRO 38
COLT 38 SPECIAL SQUAD(英・ビデオ題)
Quelli della calibro 38
イタリア/カラー・84分/日本劇場未公開/TV放映
製作会社 ユーロピアンINC
監督:マッシモ・ダラマーノ
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:マルセル・ボズフィ/キャロル・アンドレ
アイヴァン・ラシモフ (マルシグリース)
●マッシモ・ダラマーノ監督の刑事アクション。
トリノ市警を率いて犯罪組織を手入れした鬼警部バンニ。
しかし作戦直後に彼の妻が自宅で何者かに射殺された。
<黒い天使>と名乗る犯人グループは、犯罪組織のアジトで
バンニが撃ち殺した男の兄だった。暴走する<黒の天使>は
大量のダイナマイトを使い次々に爆破事件を起こす。
更に犯人はバンニの一人息子を誘拐、身代金として
100万ドルのダイヤを要求してきた。オートバイによる特捜班を編成し
犯人を追うバンニは無事息子を救出できるか??
鬼警部バンニにはフルチの「野獣死すべし」(80)でお馴染み
フランス映画界の個性派M・ボズフィ。ルチオ・フルチの「白い牙」で
酒場娘に扮していたC・アンドレが共演。
「Inibizione」
(1976)
aka:Carine/ Inhibition(s)
●ポール・プライス(パオロ・ポエッティ)監督。
考古学者ペーター・スマート役。
「Emanuelle nera orient
reportage」 (1976)
aka: Black Emmanuelle Goes East
(Black)Emmanuelle in Bangkok(米題)/Emanuelle Goes East(英題)/
●ジョー・ダマートの黒いエマニュエル物の一本。
ラシモフはセイント王子(笑)役。
「カニバル/世界最後の人食い族」
(1976〜77)
(THE) LAST CANNIBAL WORLD
aka:CANNIBAL/THE LAST SURVIVOR(米・ビデオ題?)/
ULTIMO MONDO CANNIBALE/THE CAMMIBALS(ギリシャ題)/
JUNGLE HOLOCAUST(米・ビデオ題)/CARNIVOROUS/
左がラシモフ。M・フォッシの疲れたカメラ目線がイイ味。
イタリア/カラー・92分/
劇場公開77年7月(松竹=富士/ビデオ:松竹富士)
製作会社 ルッジェロ・フィルム・プロ
製作:ジョルジオ・カルロ・ロッシ
監督:ルッジェロ・デオダート
脚本:ティント・カルピ/ジャンフランコ・クレリッチ/レンツォ・ジェンタ
撮影:マルチェロ・マシオッキ
音楽:ウバルド・コンティニエッロ
出演:マッシモ・フォッシ(ロベルト・ハーパー)/メ・メ・レイ/
アイヴァン・ラシモフ(ロルフ)/ジュディ・ロスリー(スワン)/
シーク・ラザック・シクル(チャーリー)
●レンツィの「怪奇!魔境の裸族」のヒットを受けて
ルッジェロ・デオダートが監督したジャングル・ショッカー。
ボルネオの山中にヘリコプターごと不時着してしまった
一行が残虐な人食い族に襲われる。
「魔境の裸族」のメメ・レイが再び原住民の美女役で登場。
ラシモフは助演級のラルフ役で、主役ではない。
日本で松竹富士から出ているビデオはイギリス経由(冒頭に
英国の検閲機関BBFCのマークが出る)のマスターで、
メメ・レイが食われるシーンなど、微妙にカットがあるバージョン。
「ザ・ショック」 (1976〜77)
SCHOCK
aka: Beyond the Door II (米題:77)
Shock (Transfer Suspense Hypnos)
The Shock / Suspense (1977)
イタリア/カラー・93分/日本公開79年7月(配給ヘラルド)
ビデオ:東芝映像ソフト(英語版)/カルチャー・パブリッシャーズ(伊語版)
製作会社:ラーサー・フィルム・プロ
監督:マリオ・バーヴァ
製作:トゥーリ・ヴァジーレ
脚本:ランベルト・バーヴァ/フランチェスコ・バルビエリ
パオラ・ブリガンンティ/ダルダーノ・サケッティ
撮影:アルベルト・スパニョーリ
音楽:イ・リブラ
出演:ダリア・ニコロディ(ドーラ)/ジョン・スタイナー(ブルーノ)
デヴィッド・コリン・Jr(マルコ)/アイヴァン・ラシモフ(アルド医師)
●御大マリオ・バーヴァが息子ランベルトに監督業を
学ばせるために撮影現場を任せたオカルト映画。
ダリア・ニコロディ扮する美人妻ドーラが、非業の死を遂げた
前夫カルロの亡霊と、その霊に取り憑かれた息子マルコに脅かされる。
安い特殊効果で超常現象が続出。しかしバーヴァっぽい
面白い画面作りも見られる。ラシモフは日本のパンフ等に書かれていた
ように前夫の役ではなく、ニコロディを診察する精神分析医、
アルド・スピッテリ役。撮影時の題名は「Al 33
via del
orologia per sempre freddo」。詳しく?はタイトルをクリック。
長年ニコロディの夫役に間違えられてきたけど、
本当は精神分析医のラシモフ(左)。右は奇跡的に美しいD・ニコロディ。
「Emanuelle - perche violenza
alle donne?」(1977)
aka:Emanuelle Around the
World (米題)
Emanuelle Versus Violence to Women ()
The Degradation of Emanuelle-Robertson (ギリシャ題)
●またしてもジョー・ダマート(アリスティーデ・マサチェッシ)監督の
黒いエマニュエル物。ラシモフの役はマルコム・ロバートソン。
「黒の標的/オペレーション7
(V)」 (1978)
COVERT ACTION (米/英ビデオ・タイトル)
aka:Sono stato un agente C.I.A.(CIA)
Mystiki Apostoli Stin Ellada (ギリシャ題)
イタリア=ギリシャ(=カナダ?)合作/カラー・91分/
日本劇場未公開/【TV放映別題】「邪魔者を消せ!」
ビデオ(ヴェストロン「黒の標的」/パックイン「オペレーション7」)
製作会社:ミレス・チネマトグラフィカ=テクニューロパ
製作:G・B・ミレジ
監督:ロモロ・グエリエリ
脚本:ヴィットリオ・ジラルディ/ミーノ・ローティ
撮影:エンリコ・メンツァーレ
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:デヴィット・ジャンセン(レスター・ホートン)/
アーサー・ケネディ(CIAアテネ支部署長)/マウリッツィオ・メルリ
(ジョン・フローリオ)/コリンヌ・クレリー(アン・フローリオ)/
フィリップ・リロイ(ギリシャ人警部)/アイヴァン・ラシモフ(サイレント)/
ジャコモ・ロッシ=スチュアルト(グラント)/カルラ・ロマネッリ(アリキ)/
ステファノ・サッタ・フローレス
●ロモロ・グエリエーリ監督のアクション映画。
撮影時のタイトルは「L'uomo programmato」。
「ヒューマノイド/宇宙帝国の陰謀(V)」(1979)
L'Umanoide
aka :The Humanoid(米/英・ビデオ題)
イタリア(=アメリカ合作?)/カラー・96分/
日本劇場未公開(ビデオ:RCA
コロムビア)
製作会社:メロパ・フィルムズ
製作:ジョルジオ・ヴェンチュリーニ
監督:ジョージ・B・ルイス(アルド・ラドー)
原案:アドリアーノ・ボルツォーニ
脚本:アドリアーノ・ボルツォーニ
/ アルド・ラド
撮影:シルヴァーノ・イッポリティ
特撮:アンソニー・M・ドーソン(アントニオ・マルゲリティ)
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:コリンヌ・クレリー(バーバラ・ギブソン)/
リチャード・キール(ゴルブ)/レオナード・マン(ニック)/
バーバラ・バック(レディー・アガサ)/アーサー・ケネディ
(クラスピン)/アイヴァン・ラシモフ(ロード・グラッル)/
マルコ・イェ(トムトム)/マッシモ・セラート(グレート・ブラザー)/
ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ/
●「家庭教師」(74)、「暴行列車」(75)で知られる
アルド・ラドーが撮ったチープSF。ラドーはその後も
「コブラ/フランコ・ネロ 殺しの罠」(80)に脚本を寄せ、
監督としても「蒼い本能」(81)や、佐川君事件を映像化した
89年の「愛のかたち」などを作り続けている。
キャスティングはなかなか豪華(それ以上語るところはあるの?)。
「食人帝国(V)」(1980)
MANGIATI VIVI
aka: Doomed to Die(米題)/Eaten Alive(英・ビデオ題)/
Deep River Savages/Eaten Alive by the Cannibals/
Emerald Jungle(米・ビデオ題・90分)/Mangiati vivi dai
cannibali
イタリア/カラー・92分/劇場未公開(ビデオ:東芝映像ソフト)
監督:ウンベルト・レンツィ
製作:ミーノ・ロイ/ルチアーノ・マルチーノ
脚本:ウンベルト・レンツィ
撮影:フェデリコ・ザンニ
衣装・美術:マッシモ・アントネッロ・ジェレング
音楽:バディ・マグリオーネ
(カルロ・マリア・コルディーオ/マリア・フィアーマ・マグリオーネ)
出演:ジャネット・アグレン(シーラ・モリス)/
ロバート・ケルマン(マーク・バトラー)/メル・ファーラー
(カーター教授)/アイヴァン・ラシモフ(ジョーナス・メルヴィン)
パオラ・セナトーレ(ダイアナ・モリス)/メ・メ・レイ(モワーラ)/
メグ・フレミング(アルマ)/フランコ・ファンタジア(リーブス)/
●「怪奇!魔境の裸族」に続いてウンベルト・レンツィが放った
ジャングル・アクション。人喰い族も出てくるが、それは味付け程度。
お話はジャングルの奥地にある新興宗教集団に姉(セナトーレ)を
奪われた妹(アグレン)が頼りになるガイド(ケルマン)と共に
危険なセクトに潜入する、というもの。
目を奪うようなゴア・シーンはないが、メメ・レイが喰われる場面は
デオダートの「カニバル」からの流用でちょっとビックリ。
この内容(人食い族+カルト教団もの)を、再びデオダートが
パクったのが「サバイバルショット」ともっぱらの噂。
主演は「食人族」のロベルト・ケルマン。共演女優に
「地獄の門」「ラットマン」のジャネット・アグレンと、
「エロティック・ゲーム2」等のポルノ女優パオラ・セナトーレ。
ラシモフの役はカルト教団の教祖ジョナス・メルヴィン師。
撮影前の題名は「Mangiati vivi dai cannibali」。
「I Figli... so' pezzi 'e core」
(1982)
●ダメ映画専門監督アル・ブラッドレーこと、
アルフォンゾ・ブレスチアの人生ドラマ。
「ジュリアーノ・ジェンマのウォー・ジャック(V)」(1982)
CIAO NEMICO
THE ODD SQUAD (英:ビデオ題)
酋長、うそつかない・・・っていうか、誰?
●G・ジェンマとはアクション映画で組むことが多い、
E・B・クラッチャーことエンゾ・バルボーニの監督作品。
撮影時のタイトルは「The Bridge Between」。
イタリアのシシリー島に降り立ったアメリカ軍。第2時世界大戦の
荒波をくぐり抜けてきた荒くれチームが、敵と激突!
ところがひょんなことで意気投合した彼ら。
戦争で殺し合うよりも、酒でも飲んで騒いでいた方が良い。
そこで彼らはお色気ギャルの力の借りて、裏工作に帆走。
奇想天外な戦争乗っ取り作戦とは??
作戦を指揮するプッツン系のブリック大佐には「月の輝く夜に」の
名優ビンセント・ガーディア。
ランボーの気取りのマッチョ中尉ジョン・ガービィにジュリアーノ・
ジェンマ。自殺部隊と呼ばれるヘンテコチームの面々には
スタントマンをしていた男にジャッキー・ベースハート、
黒人兵に「デモンズ」のホビー・ローデス、インディアンがイヴァン・ラシモフ。
お色気ギャルにミス・イタリアのカルメン・ルッソ。
製作は大御所、ジョヴァンニ・デ・クレメンテ、撮影に「インフェルノ」の
ロマーノ・アルバーニ、音楽が「デアボリカ」のフランコ・ミカリッツィ。
日本版ビデオはCBS/FOXよりリリース済み。
「I Predatori di Atlantide」(1983)
aka:ATLANTIS INFERNO
THE ATLANTIS INTERCEPTORS(イギリス・ビデオ題)
THE RAIDERS OF ATLANTIS(米ビデオ題)
●ルッジェロ・デオダートが撮った未公開アクション映画。
ラシモフはビル・クック役。
「Buio nella valle」(1984)
●イタリアのTV向けのミニ・リリーズ。
監督はジュセッペ・フィーナ。
「Toma(未)」(1984)
●ステルヴィオ・マッシの監督作品。
共演にアゴスティーナ・ベリ&リア・デ・シモーネの
ユーロ女優コンビ。
「地獄の軍団/密林のテクノ・コマンド (V)」(1985)
SQUADRA SELVAGGIA
aka:THE WILD TEAM / I CINQUE DEL CONDOR
イタリア/カラー・85分/日本劇場未公開(ビデオ:日本コロムビア)
監督:ウンベルト・レンツィ
出演:アントニオ・サバト/ウェルナー・ポチェイス/
アイヴァン・ラシモフ(モーリス刑事)
●詳しくはタイトルをクリック!
「 I 5 del condor」と「Wild Team」は撮影時のタイトルらしい。
「ブラディ・キャンプ/皆殺しの森(V)」(1986)
CAMPING
DEL TERRORE [伊題]
aka: Body Count(米/英・ビデオ題) / Camping della
morte /
The Eleventh Commandment [米題]
イタリア(=アメリカ合作?)/カラー・87分
日本劇場未公開(ビデオ:CBS/FOX)
製作会社:レーシング・ピクチャーズ
監督:ルッジェロ・デオダート
製作:アレッサンドロ・フラカッシ
脚本:アレックス[アレッサンドロ]・カポネ(原案も)/
デヴィッド・パーカー・Jr[ダルダノ・サシェッティ]
シェイラ・ゴールドバーグ/ルカ・ダリセラ
撮影: エミリオ・ロッフレード
編集:エウジニオ・アラビーソ
音楽:クラウディオ・シモネッティ
出演:ブルース・ペンホール(デイヴ・キャロェイ)/ミムジー・ファーマー
(ジュリア・リッチー)/デヴィッド・ヘス(ロバート・リッチー)/
ルイザ・マネリ(キャロル)/ニコラ・ファロン(ベンジャミン・リッチー)/
アンドリュー・J・レデラー(シドニー)/ステファノ・マディーア(トニー)/
ナンシー・ブリリ(トレイシー)/シンシア[シンディ]・トンプソン(シシー)/
ジョン・シュタイナー(オルセン医師)/ヴァレンティナ・フォルテ
(パメラ・ヒックス)/アイヴァン・ラシモフ(テッド保安官代理)/
エレナ・ポンペイ(シャロン)/チャールズ・ネピアー(チャーリー保安官)/
スヴェン・クリューガー(スコット)/ロレンゾ・グラボー/ステファノ・ガラントゥッチ/
クレリア・フラデーラ(ローズ・オルセン)/ファビオ・フォックス/
<物語>
コロラド州の奥地にある人里離れたキャンプ場。15年前にハイスクールの
校医オルセン(J・シュタイナー)の娘で、女学生だったローズ(C・フェデーラ)と、
そのBFのトムが森の中で正体不明の殺人鬼に酷たらしく惨殺された
過去を持つこの場所に、今年も若者達が集まってきた。
長年この土地に住んでいるロバート(D・ヘス)とジュリア(M・ファーマー)の
リッチー夫妻は、キャンプ場になっている場所がかつてインディアンの埋葬墓地で
今でも一族の呪術師シャーマンの霊がうろついているという噂を気にしていた。
キャンピングカーで乗り付けた若者達に混じって、軍隊に行っていた自分達の
息子ベン(N・ファロン)が帰ってきた事を喜びながらも、不吉な予感を否定できない
夫妻たち。
現在は隠居生活を送るオルセン医師や、保安官代理のテッド(I・ラシモフ)も
ところ構わず乱痴気騒ぎを繰り広げる享楽的なキャンパー達には、
苦々しい視線を投げかけていた。土地の住民達の不安は程なく現実になった。
山登りに興じていた若者の一人、スコット(S・クリューガー)が異様な姿の人物に
崖から突き落とされたのだ。パニックに陥ってその場から逃げ出した彼の恋人
シャロン(E・ポンペイ)も廃屋となったキャビンのシャワールームで襲われ、
無惨に刺し殺されてしまう。
シャーマンを倒す事に執着するあまり、行動がおかしくなった夫をよそに、
保安官のチャーリー(C・ネピア)と情事に耽るジュリア。
見るも無惨な状態でキャンピングカーへ戻ってきたスコットの死体が発見され、
オルセン医師は15年前の異常な事件が再び幕を切って落としたと直感する。
15年前の惨劇にはまだ続きがあり、自分の娘のBFボブと、トムのGFパメラ
(V・フォルテ)も、森のキャビンで何者かに襲われ無惨な死を遂げていた。
行方不明のままのシャロンを心配しながら、思い思いに時を過ごす若者達に
いよいよ魔の手が迫り始め、エクソサイズの汗を流そうとシャワールームに
向かったトレイシー(N・ブリリ)は、そこで待ち伏せしていたトニー(S・マディーア)と
セックスするうち、キャビンの壁の向こうに隠し部屋を発見。
しかし暗闇に潜んでいた殺人魔にナイフで後頭部を突き刺され、その刃先が
彼女の口から飛び出す。トレイシーの死体を発見したトニーも森の中を
逃げまどううち、ロバートが仕掛けた罠で足を負傷し、突如現れたシャーマンに
斧を振り下ろされた。
一方、ジュリアの浮気をなじるうち激しい口論になったロバートは、彼女の首を
思わず締めてしまい、死に者狂いで抵抗するジュリアは発作的に彼の頭を
ガラス瓶で殴って瀕死の重傷を負わせてしまう。錯乱したジュリアは彼を
丸太小屋に隠し、迎えに来たチャーリーと共にキャンプ場を後にする。
夕闇が迫る中、シャワーを浴びに行ったキャロル(L・マネリ)は変わり果てた
仲間達の死体を発見し、管理人の事務所に駆け込むが、電話をかけようとするのを
止めるジュリアの不審な対応に恐怖を感じ、丸太小屋に逃げ込んでしまう。
そこにいたのは血まみれの姿で気を取り戻したロバートで、キャロルを追って
戸口に現れたジュリアは彼に顔面を叩き切られてしまう。
ベンと良い仲になっていたシシー(S・トンプソン)もシャワー室で死体を発見、
彼女の悲鳴を聞きつけて助けにやって来たお調子者のシド(J・レデラー)は
シャーマンの罠にはまって鋭い鉄棒で胸を突き刺されて死亡した。
テントで休んでいたデイブも襲われるが、かけつけたベンによって助け出された。
ベンは8歳の頃にローズが殺害された現場を見ており、呪術師シャーマンが
甦ってきたのだと彼らに告げる。丸太小屋から命からがら逃げ出してきた
キャロルから、自分の母親が死んだと聞かされたベンは半狂乱になり、
事務所を飛び出す。彼の脳裏に浮かんできたのは保安官とセックスする
母親の姿を見た時に、彼女からきつく言い聞かされた言葉だった。
「もし誰かにこの事を喋ったらシャーマンが来るわよ!」
ロバートが殺人事件の犯人だと考えたデイブ達は、事務所にバリケードを作るが
シャーマンは事務所の中にいた。慌てて逃げだそうとする若者達。
逃げ遅れたシシーが脳天に斧を突き立てられ、悲鳴を上げるキャロルにも
シャーマンのナイフが迫る。デイブは死にものぐるいでシャーマンに飛びかかるが
その怪力にかなう筈もない。あわやというところで、駆けつけた保安官の銃が
火を噴き、シャーマンはもんどりうって地面に倒れた。
その仮面の下から現れたのは血まみれのベンの顔だった。
血塗られた夜が明け、生気のない表情のデイブとキャロルに「ベンが
殺人鬼になった本当の動機は分からない」と告げるチャーリー保安官。
若者を乗せた車がキャンプ場を後にすると、保安官は森に分け入り、
最愛のジュリアを殺したまま逃走を続けるロバートに向けて力の限り叫ぶ。
その声を背後に聞きながら、木々の間を息を切らして逃げるロバート。
しかし彼が振り返ると、そこには・・・!
●「残酷を超えた驚愕ドキュメント/カランバ」(83)を製作した
ツワモノ系プロデューサー、アレッサンドロ・フラカッシによる
イタリア製「13日の金曜日」クローン。
フラカッシ氏はこの映画の前にもデオダートと「サバイバル・ショット/
恐怖からの脱出(V)」(85)で組んでおり、この映画製作の背景には
その辺の絡みがあるのかもしれない。フラカッシ氏関連の日本公開作は
他に「シシリアン・マフィア/血と復讐の詩(TVM)」(86)、
「サハラの秘宝(TVM)」(87)、「興味本意の女たち(V)」(88)などがある。
80年代後半のゾンビ映画で有名なクラウディオ・フラガッソとは
別人なので要注意。
脚本のS・ゴールドバーグはJ・ダマートの映画に良く関わっている女性で、
この映画以外に「激突!空中アトミック戦略/ヒーロー・ボンバー」(85)、
「キリング・バード(V:原案)」(87)、「ザ・トレイン」(89)等の脚本を書いており、
ダマート製作/ミケーレ・ソアヴィ監督の「アクエリアス」では看護婦役で
画面にも登場している。
もう一人、脚本に名前を連ねるD・パーカーJrだが、これはフルチや
アルジェントの諸作で様々なアイデアを披露した、イタリアン・ホラーに
欠かせない脚本家、ダルダノ・サケッティの変名だ。
ついでに余談だが、原案も兼ねているA・カポネについて、
資料を調べる限りクレジットはこの作品のみのなのだが、
イタリア映画界にはアレッサンドロ・カポネという脚本家がいるので、
もしかしたらこちらも変名なのかもしれない。
音楽はダリオ・アルジェントの映画で有名なプログレ・グループ、
ゴブリンのキーボード奏者C・シモネッティが担当。タイトル・バック曲は
安いロック調で趣味の悪かった「13日の金曜日3」の別アレンジのような雰囲気。
この作品、裏「サバイバル・ショット」とでも呼べそうなほどキャストが豪華。
「四匹の蠅」(71)のミムジー・ファーマーに始まり、その夫に「鮮血の美学」の
デヴィッド・ヘス、「ザ・ショック」のジョン・シュタイナー、
チャールズ・ネピアーら、トラッシュ映画の常連さんが沢山顔を出すが、
殆どが投げやりな使われ方。アイヴァン・ラシモフに至っては、もうすぐ
土地を引っ越す保安官の役で、単なるカメオ出演に近い。
他の出演者の大半は犠牲になる若手俳優で、その中に「デモンズ2」
「タイムスプラッシュ・ガール」のN・ブリリ(お得意のエクソサイズを披露)や、
「サバイバル・ショット」のV・フォルテがいる。
またE・ポンペイはソフィー・マルソーと共演した88年のフランス(とイタリア合作?)
映画「スチューデント(監督のC・ピノトーはマルソーの出世作「ラ・ブーム」シリーズや、
イヴ・モンタンとアゴスティーナ・ヴェリが共演した「赤ちゃんは紳士がお好き?」(76)、
リノ・ヴァンチュラの「7thターゲット/第7の標的」(84)などを撮っている)」にも出演。
「キリマンジャロの秘宝」(85)でも顔を見れる女優さんだ。
映画自体は特殊メイクを駆使した血みどろ虐殺ショーだが、
殺される若手俳優を含め、それなりに面白い仕上がり。見て損なし。
撮影時のタイトルは「Camping della morte」。
「Appuntamento a
Trieste (未)」(1987〜88)
aka:APPOINTMENT IN TRIESTE
●ブルーノ・マッティが監督したイタリアのTV向け映画。
脚本にクラウディオ&ロッセラのフラガッソ一家(多分)。
出演者はウィリアム・バーガー、トニー・ムザンテ、
ラウラ・トロッター、ラウラ・トロッシェル、ハワード・ロス、
エドモンド・パルダムと、ユーロトラッシュを彩ってきた
名優・怪優・迷優が顔を揃えている。
ラーダ・ラシモフ...妹。
←似てるよね〜(笑)
アイヴァンの妹、ラーダ・ラシモフ(ヴィクトリア・ラーダの変名も使う)は、
マリオ・バーヴァの「処刑男爵/Gli Orrori del castello di Norimberga」(72)
のクリスティナ・ホフマン役、または同じ年に製作された
ダリオ・アルジェントの「わたしは目撃者/Il
Gatto a nove code」(71)の
ビアンカ・メルージ役などでホラー映画ファンにはお馴染みの人。
他にはトニーノ・ヴァレリが撮った「さすらいの一匹狼/Per
il gusto di uccidere
(For the Taste of Killing)」(66)や、マリアという売春婦を演じた
「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗/The Good, the Bad
and the Ugly」(66)など
西部劇数本と、ジョヴァンニ・ファーゴ監督、ヘンリー・シルヴァ主演のちょっと
気になるタイトル「恐るべき少女誘拐事件/KIDNAP(TV)」(68)なる作品に出ている。
彼女のキャリアも84年のTV映画「Un Caso di incoscienza」で途切れており、
その後が一部で?心配されている。
ついでなのでラーダ・ラシモフの主な出演作は以下の通り。
●「Michel Strogoff」(
76:ミニTVシリーズ/サンガーレ役)
●「Il Tempo dell'inizio」( 74)
●「Grandeur nature」(73)
aka:Life Size(Grandezza naturale) (伊題)/Life size (伊題)/
Love Doll
・・・イザベル役
●「A cuore freddo」(71)
●「Django il bastardo」(69)
aka:Django the Bastard / Stranger's Gundown
・・・アレセア役
●「Der Leone have sept cabecas」(69)
aka:Il Leone a sette teste(伊題)/The Lion Has Seven Heads(英題)
・・・マルレーネ役
●「Il Seme dell'uomo」(69)
aka:The Seed of Man
●「Uccisione di Django maledetto bianco l'uomo」(69)
●「Non aspettare Django, spara」(68)
●「Sfida al re di Castiglia」(64)
aka:Pedro el Cruel (スペイン題)・・・ヴィクトリア・ラーダ名義での出演
<今後、ご紹介したい男優たち>
ミッキー・ハージティ
Mickey Hargitay
●1927年、10月19日にハンガリーのブタベストに生まれる。
本名はミクロシュ・ハージティ。50年代末にはマッチョな肉体を生かして
サンダル史劇のヘラクレスやスパルタカスに扮する。
M・プピロの「惨殺の古城」(66)で、過去の亡霊に取り憑かれる
城主をイヤらし気に演じてから、一気のその手の映画専門になった。
なかでもレナード・ポルセリの「イザベルの呪い」(72)と「デリリウム」(72)の凄さは語りぐさ。
私生活では映画黄金期のセクシー女優メエ・ウエスト(最近、黒柳徹子が
舞台で演じて、やたら特殊豊胸メイクを披露していたのでお馴染み)のツバメから
事故死したハリウッド最大のカルト・アイコン、ジェーン・マンスフィールドの
旦那サマに昇格したのも有名。まさに生きたハリウッド・バビロン!
<主な出演作>
「Slaughter on Tenth Avenue」(57)/
「成功はロックハンターをダメにしたか?」(57)/
「プロミスズ・プロミスズ」(63)/「スパルタカスの復讐(TV)」(64)/
「この墓を血で洗え!(TV)」(64)/「荒野のならず者(TV)」(65)/
「対決!ウィンチェスター銃(TV)」(65〜66)/「惨殺の古城(TV)」(66)/
「ワイルド・ワイルド・ワールド・オブ・ジェーン・マンスフィールド(V)」(68)/
「フランケンシュタイン・娘の復讐(TV)」(71)/
「Mr.Universe(88:在りし日のフッテージ作品?)」
「イザベルの呪い(V)」(72)
「デリリウム(V)」 (72)
aka:Delirio
Caldo/Hot
Delirium
●60年代には吸血鬼映画を作っていたレナード・ポルセリのサイコ映画。
悪名高い同監督の作品「Riti Magi Nere/Black Magic Rits」と、
同時進行で撮られたともされるこの作品は、ハガティ扮する
サイコな犯罪学者が、ナチス時代の幻影に悩まされて若い女性を誘拐、
その後で絞め殺す凶行を続けるという内容。もちろんヌードや拷問、
血みどろの殺人が山盛りだが、一番病的なのは被害者を絞め殺す
直前まで追いつめながらオナニーする殺人鬼(の主観映像)。
更には掟破りの犯人像(3人もいる!)、ラストのカタストロフ、
「Riti Magi Nere/Black Magic Rits」からのフッテージが
ハガティのフラッシュ・バックとして用いられたりと、まさにやりたい放題の
ポルセリ・ワールドが暴走!故に両作品とも海外ではカルト映画として
一部のファンの間で人気が高い。またヨーロッパ版とアメリカ版では
殺人シーンや、ラスト付近の編集がかなり異なるようす。
どちらも頑張って入手して観てみよう(なんか無駄に前向き?)!
他に出演は「悪魔の凌辱」のリタ・カルデローニ、キャメロン・ヤング、
ターノ・チマローザ、クリスタ・バリュモアーら。
<物語>
イギリスに住む犯罪学者ハーバート・リューターク博士(ハガティ)は
バーで若い女性と出会い、彼女を車に乗せた。しかし女性が自分の誘惑を拒むと
態度を豹変させ、身の危険を感じて車から逃げ出した女性を山中に追いつめ
小川に頭をつけて溺死させた。
帰宅した夫ハーバートのシャツが血まみれなのを不審に思った妻の
マルシア(カルデローネ)は、自分の夫が殺人犯なのではないかと疑うが、
今度はハーバートが警官と一緒に居るときに別の殺人事件が起きる。
電話ボックスで若い娼婦が絞殺されたのだ。警察は事件に何らかの関与が
あるとみてハーバートの周辺を徹底的にマーク、彼の知人でもある女性
ハインリッヒ(カティア・カルディナーリ)に協力を要請する。
警察は彼女に娼婦の扮装をさせ、犯人をおびきだそうとするが
皮肉なことに実際に殺されたのは、警察が張り込んでいた現場の近くを
徘徊していた本物の娼婦だった。しかしハインリッヒは犯人が犯行に使った
凶器のナイフがハーバートの持ち物だと見抜き、夫妻を脅迫しようとするが
やはり自宅に侵入した何者かに絞殺されてしまう・・・。
カルロ・デ・メイヨ(メホ?)
Carlo
De Mejo
●フルチの映画でお馴染みのメイヨはスペイン映画に良く出ている俳優。
最近判明したことだが、彼は何とアリダ・ヴァリの息子さん!
古くは母が出演した「カサンドラ・クロス」辺りからクレジットされているようだが、
やっぱり印象に残っているのが「地獄の門」の準主役や、
「呪われた修道院」の神父役。ん?なんかいまいち記憶が薄い??
「モスキート」のW・ポチェイスと一緒にレイプ魔と化す「Terror
Express」の
凶悪演技(含むハードコア寸前のセックス・シーン)はちょっと忘れがたい。
<主な日本公開済み出演作>
「パリから来た殺し屋」(73)/「呪われた修道院(V)」(80)/
「地獄の門(V)」(80)/「エイリアンドローム(V)」(81)/
「墓地裏の家(V)」(81)/「女囚エマニュエル(V)」(84)/
ジャン・ソレル
Jean Sorel
「殺意の海」から・・・絵でゴメン。
当然ですけど上がソレル(あんまり格好良く描けてないけど)。
●1934年09月24日、フランスのマルセイユで生まれたソレルは
ヴィスコンティ映画「熊座の淡き星影」で有名になった役者さん。
・・・が、芸術映画中心のフィルモグラフィも68年の「デボラの甘い肉体」から一変。
線の細いアート系美形男優という印象は、60年代末からイタリアでブームになった
ジャーロ映画の小ずるいプレイボーイという役柄に変わってしまった。
その後の出演作を見る限り、どうも道を誤ってしまったという雰囲気だ。
年取っても相変わらずダンディなルックスのご本人はあまり気にしていなさそうだけど。
<主な日本公開済み出演作>
「殺したいほど好き!!
」(59)/「狂った情事」(60)/「十七才よさようなら」(60)/
「橋からの眺め」(61)/「祖国は誰のものぞ」(61)/「めんどりの肉」(63)/
「輪舞」(64)/「スタンダールの恋愛論」(65)/「バンボーレ」(65)/
「熊座の淡き星影」(65)/「昼顔」(66)/「デボラの甘い肉体」(68)/
「殺意の海」(69)/「幻想殺人(TV)」(71)/「トレイダー・ホーン」(73)/
「大誘拐(V)」(75)/「禁断の殺意・人妻モニカ愛の終末」(77)/
「ボニー&クライド/俺たちに明日はある(V)」(84)/
「薔薇のようなローザ」(85)/「ザ・クラン/マフィア・その一族(V)」(88)/
「カサブランカ・エクスプレス(V)」(89)
ロベルト・ホフマン
Roberto
Hoffmann
●ブロンドに甘いマスクのホフマンも典型的な2枚目俳優。
「マルキド・サド・のジュスティーヌ」に主演したロミナ・パワー
(タイロン・パワーの娘)を始め、豪華な女優陣と共演した
「イタリア式愛のテクニック」ではオクテな青年に扮し、イイ味を出していたが、
やはり70年代くらいから次第に出演作のジャンルが困った方向にシフト。
アルジェントの「新・サイコファイル」の1話では、殺人犯と間違えられる
謎の男(実は精神分析医)に扮していたが、ビデオだけでLDも出ていない
(ましてやアルジェントの監督作でもない)この挿話をどれだけの人が
ビデオデッキで再生したのかは疑問。ホフマン出演の回には
「死霊の七人」のトラッシュ女優エリカ・ブランが殺される女性役でゲスト出演。
<主な日本公開済み出演作>
「私は彼女をよく知っていた」(65)/「イタリア式愛のテクニック」(66)/
「目をさまして殺せ」(66)/「情報局K」(67)/「哀愁のみずうみ」(68)/
「盗みのプロ部隊」(69)/「柔肌の狩人/ダンサー連続殺人事件(V)」(72)/
「新サイコ・ファイル(V)」(73)/「欲望海岸/ミセス・ジェーンの汚された週末」(76)/
「7thターゲット/第7の標的(V)」(84)/
サイモン・アンドリュー
Simon
Andreu

「ギャー!いててて!」
「ちょっとサイモン、毎度映画の打ち上げで酔っぱらうのもいい加減にして!」
●「荒野の復讐鬼」(66)、「大爆破/特殊命令!ナチに潜行せよ」(68)、
「O夫人の背徳U」(88)等の監督、マウリッツィオ・プラデューが撮った
血みどろジャーロ映画「柔肌の狩人」にロベルト・ホフマンと一緒に出ていたのが
サイモン・アンドリュー。善人ホフマンは(取り敢えず)犯人と疑われるものの
結果的にはシロの芸術家役。では真犯人は誰なのかというと、
それが彼、サイモン・アンドリュー。スペイン製の娯楽映画で
よく名前を目にする俳優さんで、個人的にはオッソーリオの映画が印象深いが、
スペインを代表するゴア・カルト「The Blood
Spattered Bride」(72)では
花婿役を演じるなど、ジャンル映画の美味しいところには必ず彼の名前がある。
写真のスーザン・スコットと共演した作品も多く、スコットの旦那でもある
ルチアーノ・エルコリが監督した「ストリッパー殺人事件(TV)」(73)の他、
(本邦未公開だが)ダグマー・ラッセンダールを脅迫する男を演じた
「禁じられた貴婦人の写真」(70)、チェーンスモーカーの記者に扮した
「Cry out in Terror(La Morte Accarezza A Mezzanotte/
上の写真も同作から)」(73)などの作品がある。
(そうそう、日本でビデオが出ている彼の71年の出演作
「バルセロナ殺人事件」(ビデオ表記は76年)も分類すればジャーロに入るかも)
1941年、スペインのパルマ・デ・マロルカ、ラ・プエーブラ生まれ。
映画デビューは1961年で、彼の最新作は「The Sea」(2000)。
・・・ウーン、さすが!奥さまはマリア・ニエヴェス・サルガード。
1971年に結婚して現在まで連れ添っているようだ。
<主な日本公開済み出演作>
「無頼プロフェッショナル <未>(71)/
「柔肌の狩人/ダンサー連続殺人事件(V)」(72)/
「ストリッパー殺人事件(TV)」(73)/
「ナイト・オブ・ソーサー性霊・魔女伝説(V)」(73)/
「パレスチナ/怒りの戦場」(74)/「バルセロナ殺人事件(V)」(76)/
「血と砂 (血と砂・完全版 )」(89)/「シューター」(94)
トニー・ケンドール
Tony
Kendall
わりとコワモテなんですけどね〜。
●サイモン・アンドリュー同様、オッソーリオ映画の印象が強い役者。
「白い肌に狂う鞭」ではC・リーの弟をやっていたが印象は薄い?
その人となりについては、どこぞの海外サイトで拾ってきた逸話を拝借しよう。
「映画監督マリオ・ピンツゥアウティが語るケンドールの想い出」
・・・僕にはトニー・ケンドールと一緒に仕事したマカロニ・ウェスタン映画の
想い出があるんだ。僕らはデ・パリオス・スタジオに作られた西部の町で
撮影していたんだが、劇中、トニーがとても可愛い女の子とセックスするシーンが
あったんだ。トニーはそのシーンで服を脱ぎたくないと言った。恥ずかしいとね。
だから僕は彼にこう言ったんだ。「なぁトニー、ズボンは脱がなくてもいいさ。
なんならガンベルトを付けたままでもいい。だけどシャツくらいは脱いでくれよ!」とね。
その頃は夏の真っ盛りでね、スタッフ達は屋根を支える三角形の鉄骨支柱に
跨っていた。誰もがトニー・ケンドールが演技するのを見たがっていたんだ。
しかし彼はラブシーンを撮る時は誰にも見られたくないと言い出したので、
みんな興味津々だったんだ。
その時、頭上から軋み音がしたんだ。「おい!上にいるのは誰だよ!」と
トニーが言った。僕は「誰もいないよ。多分暑さで天井が軋んでいるんだろう」と
彼に言った。するとトニーは共演者の女の子を攻撃し始めたんだ。
「マリオ、もしアンタがこの女の子にシャワーを浴びさせないなら、
ラブシーンはお断りだ!彼女、臭いぞ!」
僕は再びトニーを宥めた「なぁ、トニー。もしかしたら、君自身にちょっとした
問題があるんじゃないか?例えば・・・インポとか」。
彼は激怒してそれ以降、一切の撮影を拒否してしまった。
また別の機会に、トニーはエリカ・ブランとのラブシーンを撮影しなくては
ならなくなった。彼は文字通り彼女の美しさに飛び上がり、キスし始めるんだ。
もちろんエリカはドレスを着たままなんだけどね。
トニーはエリカの体を唇で愛撫し始める。それはトニーにとって精一杯の
誘惑テクニックだったんだ。そうしたらエリカが腹を抱えて笑い出し、彼にこう言った。
「ちょっと、トニー。止めてちょうだい。このシーンは撮影しなくちゃならないけど、
あなたがずっとこんな事を続けるなら、あなたが絶頂を迎えちゃうんじゃない?」
あの時のトニーの顔を見せたかったね。彼は凍り付いて、そう、完璧にカチカチに
なっていたんだ!撮影スタッフは全員大笑いしていたよ。(マリオ・ピンザウティ)
更に「BROTHERS
OUTLAW」で共演したディーン・ストラットフォードは、
ケンドールの事を「とんでもないクソ野郎で、もう2度と共演したくない」と
語っている(笑)。この逸話を読んだら、トニーの顔をもう一度見てみよう。
味わい深さも倍増間違いなし!・・・世の中、色々あるんですね。
<主な日本公開済み出演作>
「白い肌に狂う鞭」(63)/「エメラルドの牙」(65)/「怪情報メコンの謎」(65)/
「キス!キス!キルキル!」(66)/「レーザーライフル」(66)/
「トルコの肝っ玉野郎」(67)/「細菌弾をぶっ飛ばせ!」(67)/
「レーザーガン奪取作戦」(68)/「オイル・パニック」(77)/
「雪男イエティ(TV)」(77)/「ローレライ伝説の謎(V)」(78)/「警部」(78)/
「ジャン=ポール・ベルモンドの道化師/ドロボー・ピエロ」(80)/
「O夫人の背徳U」(88)
今後はジョージ・イーストマン氏やガブリエレ・ティンティ氏も
加わるハズ・・・希望的観測だけど。