「写 真」は一期一会の宝もの 43



ボ ゴ タ の オ ー ル ド カ ー

 40年以上も前にコロンビア、ボゴタで撮影した風景です。

 だだっぴろく寒々とした道路の両側に何台ものオールドカーが駐車している中、容姿端麗なシトロエン・トラクシオン・アバン11CVが颯爽とやって来たのでそれを中心に置いてシャッターを切りました。

 当時は外貨節約のため、新車輸入が禁止されていたらしくこの街では新車を見かけませんでした。今では当時とは逆に、南米産の新車販売促進が国策となって、故障が少なく性能に優れた安過ぎる日本製中古車などの輸入が制限されているのだそうです。

 フランスの名車シトロエンTA11CVについて少し。 創業者のアンドレ・シトロエンは、先進技術の導入に非常に積極的で、1934年、その30年後には、今なお世界の主流となっている前輪駆動を採用した4輪独立懸架モノコックボディーの車を作りました。
青海島赤潮small

 並はずれた走行性能であったためフランスやドイツの軍用車にも採用され、1957年まで製造されました。創業者のシトロエンはあまりにも無謀で前衛的な車の開発費に苦しんだあげく、胃癌で57年の短い生涯を閉じました。
                                                      栗原 眞純
                          随筆集目次へ