top author's private sendmail to author BBS 入力技術 その1その2その3

タイピングと辞書。
入力速度の向上−その1(サワリ)−。

-「サワリ」といいながら無茶苦茶長い-

build: Nov.25,1999

-CONTENTS-

はじめに。
タイピング基礎。
変換方法基礎。
この稿まとめ。



はじめに。

とタイトルを書いてから気づいたけど、壮大なテーマだなあ。思わず手が震える(ウソ)

とりあえず、僕は親指シフト+OAKで、漢字カナ混じりの文字列を分間200文字くらいの速度で叩きます。打鍵ミスも変換ミスもまあ少ないほう、なんだと思う(経験則)。

あなたはどれくらい叩きますか? 分速で100文字を叩き出さないならば、とりあえず黙って人の話を聴きなさい。なに、難しいことは言わないし、ウソもつかないから、あなたにはなんの損もありません。僕を信用するかしないかは、ぜんぶ読んでから決めれば宜しい。

とりあえずそろそろロードが終わっただろうから回線を切りましょうか。電話代がもったいないし、このあと読み終わるまでは回線も使いませんし。


さてこの稿の目的は、あなたの入力速度を向上させることに資することです。

そも、PCのキーボードを叩いている時間というのは短ければ短いほど宜しい。
作業速度は、速ければ速いほど宜しい。
できれば無くなって欲しいが、現状で人間の思考速度(乃至認識速度)に現代科学が追いついていないだけのことです。
つまり、打鍵したり変換したりという作業にかけている時間は、本質的に無駄だということをまず意識しましょう。
そして現状で我々ができるのは、その無駄な時間をできるだけ削減すること。そのためにできるただ一つのことが入力速度の向上であり、それは現代のコンピュータ社会に生きている我々に対する時代の要請でもあることを忘れないように。


入力速度の向上とは、
  1. PCにカナ文字列を叩き込んで、
  2. その文字列を漢字混じりに変換させる、
という作業の速度を上げることです。即ち、所謂「入力」という作業の効率化には、「タイピング」「カナ漢字変換」という二つの作業の効率化が要諦となる。ここまでよろしいか。

本当に拍子抜けするほど簡単な話で、タイピングがそこそこ速くてカナ漢字変換が正確ならば、そこそこの速度に簡単に到達できる。それだけのこと。ではなぜあなたはヘタクソ(100文字/分以下)なのかというと、これはもう「タイピングがヘタ」乃至「カナ漢字変換がヘタ」あるいは「ヘタの合わせワザ」のいずれかですね。

はいそこ、まだ怒らない。


タイピング基礎。


というわけで、タイピングからいってみましょう。

前提となるのは、まずはタッチタイプですね。これはできないとお話にならない。とにかく、「いま叩いているキーは見えない」んだし、PC要筆の現場に限っても、画面を確認したり、話者を見たり、周囲の状況に気を配ったり、アイカタさんと連携したりしますよね。そんななかで、キーボードを視認する作業というのは、ただの無駄です。

入力方法の選択というのもありますね。ある程度の覚悟を決めておられるのならば、ほんとは親指がいいんですけどね。でも本家本元である富士通さんもやる気ないみたいだし、そこは措きます。チャンスのある人は試してみてください。

でもやるんならJISカナかな。現状でタイピングに自信のないあなたは、ローマ字入力は即刻捨てたほうが宜しい。単純に考えても、打鍵数が1.6倍(一説に1.7倍)だから遅い。とうぜんミスタッチの量も1.6倍になるからますます遅い。なに、分速100文字に到達してないあなたなら今が乗り換えのチャンスなんです、まだ馴れてないんだから。今からでも早くはないぞ。

さて、ここで求められるのは、「正確なタイピング」だけです。
速度はどーでも宜しいから、そのぶんポジションの正確さに気を遣いたいところ。つまり、ホームポジションがきちんとしていて、正しい指遣いでタイピングできれば、速度はあとからついてきます。逆から言うと、ポジションが定まらない場合には、速度に限界があるわけですね。かつて両手7本指打法でワープロコンテストに優勝した僕が言うのだから間違いは無い(僕の場合は、後に速度向上を求めて正統派に転じました)。
と言うか、カナがまともに叩けていない入力者を、驚くほどよく見かけるんですよ。よく「誤変換が問題」みたいな意見も聴きますが、ひょっとして半分くらいは打鍵ミスなのではないか。もしそうならば、それって間抜けなのではないのか。本当にそう思います。


ちょっとやってみましょうか。

そうだな、以下の文字列を、ボックスにヒラガナで入力してみましょう。
今はタイピングの話なので、一度読んでみてから叩いてください。1行目は読みやすいように漢字カナ混じり。それで2行目の文字列を叩いてみてください。あと、漢字変換はしないでくださいね。

ネギとショウガとピーマンを千切りにする。
ねぎとしょうがとぴーまんをせんぎりにする。

これ(↑)、入力窓があるだけで、どっかに送ったりしませんからお気楽に。

というわけで叩いてみて、と。 速度はどうでもいい。遅くてかまわない。

  • 指がヨレたり、
  • ホームポジションに自然に戻れなくなったり、
  • 打ちづらい文字があったり、
しませんでしたか? なければ宜しい。あれば、対策を講じましょう。

例題については、濁音とか半濁音とか長音とかを出してみたくらいのことであまり意味はないんですけどね。もうちょっとやってみましょうか。
とにかく、慌てたり急いだりしないように。急いでも速くはなりません、却って間違いが増えて遅くなるだけ。
ではどうぞ。

ホームページという言葉は「サイト」と間違って使われていることがあるなあ。
ほーむぺーじということばは「さいと」とまちがってつかわれていることがあるなあ。

ついでに、
あんたなんか何の主張もないのに何でそんなことを。
あんたなんかなんのしゅちょうもないのになんでそんなことを。

ちょっとローマ字入力における「N」を意識してみましたんですが。

とかこんな感じで、あとは各自で練習してみてください。
例題は何でも宜しい。新聞や書物を練習問題にすれば、それはそのまま「日本語における頻度に則った練習」になりますから大丈夫。くどいようですが、タイピングの練習に際しては「カナ漢字変換は使わない」ことをお忘れなきよう。正しい指遣いができていれば、つまりミスタイプを無くすようにすれば、あとは速くなるだけですから。

ほんとは、「キーボードを意識しない」ところまで行けばだいたい完成なんでしょうね、ここは。ブルース・リーさんは「考えるな、感じるんだ」と仰っておられます。水の流るるが如く、身体が事象に従って自然に動くことこそ要諦っていう意味なのかな。あるいは、コードネームやツーファイブをいちいち意識しながら弾いているジャズ・プレイヤーはいない、とかそんな話。短くいうと「体得」がだいじ。それだけ。



変換方法基礎。

次、辞書の使い方の話にいってみましょう。

判る人には判るんですよ、「際=きわ」とか「的=まと」とかヒトコト言えば。「き」から変換してだんだん候補を見ていって「気器機木着基期」と来て、「ああ、“期”だ」みたいなのはバカだと思うよ、ほんとに。

僕らがやっていることは「漢字カナ混じりの和文を画面上に出現させる」ということ、その一点。そのためには「カナを叩くことは手段の一部である」ことを意識するべきでしょう。そして、現代の科学では「き」というカナを叩いた場合に、そんなに適切な変換結果は出て来ない。「なんで俺の思った文字が出て来ない」と怒るのは間抜けで、「未発達な機械さんにもちゃんと変換していただけるように努力する」のが本来でしょう。「ちゃんと変換してくれないんだもんなあ」なんて怒ってみても時間のムダですから、本気でそう思われる向きは寝ていなさい。そのうち科学も進歩しますからそれまで待ちましょう。

さてたとえば、
この奇怪な機械を使う機会に恵まれた女性。
という無茶な例文があります。
ちょっと入力してみましょうか。
このきかいなきかいをつかうきかいにめぐまれたじょせい。


ちゃんと変換できましたか? それは良かった。うちのOAKさんもなんとか変換してくれました。でも、長い文節を一括変換すると修正がたいへんになるので、短く変換するクセをつけましょう。上の例でいうならば、頭のほうでミスタッチがあった場合には、たぶんほとんどのIME(日本語変換システム)でむちょむちょな変換結果が得られる筈です。ちょっと窓あけてみますから、試してみます? 僕はほとんどミスタイプをしないので試しませんけれども。
このきかいなきかいをつかうきかいにめぐまれたじょせい。

まあそんな感じです。

ここは議論のあるところだろうとは承知していますけれども、「ミスタイプはなくならない、機械によるカナ漢字変換はミスタイプには対応していない、したがって機械によるカナ漢字変換はあてにならない」というのが現状での僕の結論。

というわけで、上の例文を切りわけてみましょう。
この/奇怪な/機械を/使う/機会に/恵まれた/女性。
ぼくだったらこんな感じです。イヤガラセみたいな「きかい」が3つも出てきて多少不自然の感も否めませんが、いずれ日本語を扱っている以上、多少のインターバルを置いてでも、同音異義語は必ず出てくる。ちょっと極端な例ですが、そのへんお汲み取りのうえで今は納得しておいてください。

というわけで、その「きかい」について、もちろん個性はあって構わないんですが、僕の方針を書いておきます。


まず最初の「奇怪」については、「きかい」という読みで変換してはいけません。なんとなれば、「きかい」という読みには、頻出する同音異義語がいくつかあるから(機会とか機械とか)。つまり、ここで「きかい」という読みから「奇怪」を呼び出すためには、画面で変換結果を確認しなければならない。さらに、「きかい」を「奇怪」として確定してしまうと、次に「機会」や「機械」を入力しようとする際に、変換結果を確認しなければならない。それはあまり合理的ではないなあ、と。
そんなわけで最低限「きかいな」としておけば、まともなIMEならば「奇怪な」と変換してくれるでしょう。あるいは「きっかい」(もしくは「きっかいな」)としておく。
ちょっとやってみましょうか。ボックスの上にあるカナを入力して、変換キーを1度だけ叩いてみてください。

きかい  ←すいません、ここは「機会」として確定しておいてください。
きかいな 
きっかい 
きっかいな 
どうなったかなあ。最初の「きかい」は「機会」にしていただいたことにして、あとの3つは「奇怪」系が出てきて然るべきだと思うんですが。下の3つについて、まんいち「機械」だの「機会」だのが出てきてしまった場合には、あなたのIMEってちょっとダメなので、変更したほうがいいと思います。

というわけで、言っていることは判りますよね? 「奇怪」という文字列を出したいときに、カナで「きかい」と叩いてから変換キーを叩きまくるのは無駄だ、遅い、バカだ、といま僕は言っています。そりゃあ変換キーを何度か叩けば目的の文字列に辿りつけるでしょうが、ちょっと工夫するだけで、一発で希望の文字列を呼び出すことができる。そのほうが圧倒的に速いしストレスも少ない。
たとえばね、「木」を呼び出すのに「き」だと面倒でしょう? 「もく」から変換すれば、たぶん変換キー2回くらいでなんとかなるでしょう? そういう作業を少ししましょうよ、そのほうがラクですよ、という話。


というわけで、つぎの「機械」、に行く前に。

試してみるまでもありませんが、さっき「きかい」という読みで「機会」を確定したのだから、
次に「きかい」と叩いてみても、出てくる文字列は「機会」です。

ちょっとやってみましょう(お判りでしょうが、変換キーは1回だけ叩いてくださいね)。

きかい 
僕の知る限りのIMEでは、「機会」と変換されている筈です(OAKとかMS−IMEとかあといろいろ)。

不幸にして「きかい」「奇怪」とされてしまった場合には、「その後に「きかいな」「奇怪な」を変換してしまった」ことに引きずられて「きかい」「奇怪」と変換されてしまったわけですね。ついては、以後「きっかい」を使うことにして、あらためて「機会」を確定してください)。
というわけで「きかい」が「奇怪」ではなく「機会」と変換されました。
ごくあたりまえのことですが、このことの意味を考えてみましょう、ちょっとだけ。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●


さて、やっと「機械」

これは、できれば「きかいてき」→「変換」→「バックスペース」と行ってほしいところ。あるいは、特殊な読みで登録する(僕は「ばたかい」としています)。
やってみましょう。

きかいてき 
これは、間違いなく「機械的」と変換されたものと信じます。

あとめんどくさいけど「女性」。特にPC要筆では「助成」という言葉が頻出しますので(僕は合唱もやっているので「女声」とかも出てきてジャマ)、「じょせい」で両方とも変換するのは能率的でない。ここは「にょしょう」としてみましょう。

にょしょう 
どうですか? 「女性」、出たでしょ? ね? 出ない?(がっくり)。あとでフォローしますね。

気を取り直して。
この奇怪な機械を使う機会に恵まれた女性。
という例文に対する(僕の)正解としての入力方法は、「/」で変換乃至無変換キーを叩くとすると、
この/きっかいな/きかいてき/[BS]を/つかう/きかいに/めぐまれた/にょしょう。/

ヘンですか? 馴れるまではヘンでしょう、そりゃ。でも、これならミスタイプさえなければ、画面を見る必要さえない。僕は普段からだいたいこうやってますけど(「機械」だけちょっと違うけど)。


この稿まとめ。

ここまででもめちゃくちゃ長くなってますからこのへんで取り敢えず止めておきますけどね。

もういちど書いておくと、入力速度の向上の要諦は、

  • 打鍵速度の向上(ミスタイプの低減を含む)。そして、
  • 変換効率の向上。
これだけ。

言っちゃえば、物理的な打鍵速度なんて、そんなに個人差があるわけはないんです。少なくとも3倍とか4倍とかに差が開いている筈はない。
ならば何故分間50字のひとと分間200字の人がいるのか。なんで4倍の差が開いちゃったのか。それは即ち、打鍵ミスが多い&変換効率が良くないから。

打鍵ミスは、基本(ホームポジションに指を置いたタッチタイプ)ができていれば、ほぼ無くなる筈。

変換効率については、この際だから言っちゃうと「効率的な変換方法を誰も知らない」から効率が上がらない。「し」と叩いて「志」を呼び出そう、みたいなバカをみんながやっていて、それよりは5文字をかけて「こころざし」と叩いてから変換したほうがよほど効率がよろしいわけで、そんなこと2秒も考えれば誰にでも判るのに、誰も言わないからムダな方法が跋扈しているのが現状。あなたもたぶんひっかかってるでしょ? 違う? ごめん。

その単語登録関連(というから誤解を招くが、正しくは「目的の文字列を呼び出す方法」)については稿を改めますが、とりあえず「打鍵数を省くような単語登録は全部ダメ」ということは言っておいて、この稿を閉じます。

頑張ってね。


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