★★☆
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『SMAP 012 VIVA AMIGOS!/SMAP』 『SMAP 007 ゴールドシンガー』からのフュージョン+打ち込みの路線が更に充実。オマー・ハキム、ウィル・リー等の敏腕セッションマンのファンキーな演奏とChokkaku等のSMAPブレーンのアレンジの融合は、もはやピーク。完成したと言っても良いのでは? ボーカルも(不思議なことに)こなれている。もう、決定的な安全パイ! 慎吾クンってCDで聴くと上手いのね。謎。フルアルバムとしては遂にパッケージから完全にメンバーの写真が消えた! 歌詞カードのみ。ここまでクールな「プロダクション・ワーク」と「安全パイ路線」の折り合いの悪さに与えられた抜群のテンションは勿論、『夜空ノムコウ』。この曲がSMAP最大の名曲であることを差っ引いても、この曲だけが気持ち良く浮き上がっている。クレジットを見たら全ての演奏がChokkakuだった。つまり、そういうこと。SMAPはクールでラジカルな自分達のポジションをもっと自覚しても良いのでは? 『夜空ノムコウ』は優しい歌詞とメロディが、ギリギリのラジカルなアレンジによって壊れかけている奇跡の楽曲だ。何度聴いても目が潤む。SMAP最新のミニアルバムのパッケージはThe Beach Boysの『ペットサウンズ』のパロディ。もちろん彼等の音楽にとって正念場、だろう。 関連
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★★★
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『The
Miseducation/Lauryn Hill』 フージーズとか安室奈美恵というパブリシティ効果抜群のキーワードを抜きにして聴く。ヒップホップのサウンドとしては「豪華な飾り付け」だと思うけど、エッジを緩めていないところに好感が持てた。ミーシャとは正反対のベクトルを持つサウンドなのに、キメ細かいサウンド・プロダクションという意味で似た質感がある。ローリンのボーカルは意外と太いのネ。ラップ部なんか結構下品で良い感じ。ただ、残念なのは円熟を目指すには実年齢が若い、ってことなんでしょうね。「年輪が形成する熟練」の前であっさりと立ちすくんでいる気配がする。そこが可愛い、とも思うけど。10年後を待たず、果敢な勝負に出て来たのネ。肝の座った低音ボーカルが彼女の根性の証! しかし、バックトラックやバックコーラスに救われていることも否めない。個人的には瞬間に顔を見せる甲高い声のシャウトが子供っぽくてオリジナルだな、と感じた。 結局、話を安室に戻しちゃうけど、安室チャンはローリンのルックス(髪形やメイク、ファッション)以外にも見習うところがある、でしょ?
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★★★★
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『サムシング・エルズ/ザ・キンクス』 このコーナーで、こういう旧譜を扱うのは珍しいですね。モノラルミックスで、ボーナストラックが8曲も入ってるんだもん、買っちゃうよね。いわゆる“You
Really Got
Me”に代表される“キンキーサウンド”って、僕は積極的には聴きません。僕にとってのキンクスは“Waterloo
Sunset”(生涯、「心のベスト10」に入ります!)。音楽にふくらみが出て、詞に奥行きが出てからのキンクス(っつーか、レイ・デイビス)は優しくって、意地悪で、本当にニクイお方。かと言ってその後の“レイ・デイビスの職人気質完成期”よりも、ある意味でとっ散らかっている感じが好き。(いや、70年前後のキンクス・アルバムって全部好きなんだけどさ) このアルバム、楽曲の粒は揃っているし、歌詞も情けなくって、聴きながらニヤニヤと微笑んでしまう。キンクスの歌詞に登場する固有名詞ってすごい力を持っているネ。土地やお店には訪ねた経験があるような気がしてしまうし、デイヴィッド・ワッツやテリーやジュディとは古い友達のように錯覚してしまう。このアルバム(ってよりキンクス)を愛する“心優しいあなた”と僕は出会いたい、です。 カッコ良いのでジャケ写は表4を使いました。デイブ・デイビスがフライングVを胸元で弾いてらぁ。
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★★★
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『サイエンスフィクション/アンクル』 タイトルを英語で書くと『PSYENCE
FICTION』ね。パブリシティが謳う“映画仕立ての大作”って言う程にドラマ感覚満載ってわけじゃないです(特に歌詞は)。 むしろサウンドトラック音楽的な意味合での“映画”と考えるべきだろう。リズム構成がクールな割には上モノはバラエティがあって、妙にセンチメンタル。ジェームズ・ラベル(レーベル“モ・ワックス”の主催者!)の指向の問題なのでしょう。歌詞も、どっちかと言えば内省的&個人的で、ドラマとしての起伏は特に無い。音楽の幅を一気に押し広げるDJクラッシュの手腕は見事なものだが、音は何故か内側に向かっている。僕が過去聴いたモ・ワックスのCD群の中では、かなり外に向いていると思うのだけど。決定的に外に爆発していかない要因は何? ゲストが入れ替わっても変化しないエコー成分のせい? ただ、アブストラクト系サウンドのお手本としては上質。あ、誉めてないか。でもサンプリングの上級マニュアルとしてはムチャクチャ良い感じ。あれぇ、誉めるつもりだったのになあ…。後半戦のリズムが落ちた楽曲がロマンチック。これも誉めてない、か…。
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★★★★
★★★☆
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『LOS DE ABAJO/LOS DE ABAJO』『OK/タルヴィン・シン』 いやはや、もはや言い飽きた話を力説するのもいいかげん辛いので、今回は2枚まとめて紹介します。LOS DE ABAJO はメキシコのロックグループ。タルヴィン・シンはUK在住のエイジアン。That's
All !! 南米ロッカーとUKエイジアンは追い風を受けながら、“21世紀の音楽”の定義に集中し始めた。“ローカルなルーツサウンド”こそが“グローバルなサウンド”であることを、彼等は「完全に定義」する。 LOS DE ABAJO はメキシコのメロディにロック風ビートを融合しているが、白人に対する“媚び”や“対抗意識”は希薄と見た。結果、エキゾチズムがタコス味となって良い塩梅に残っていて、僕はかなり気に入りました。 一方のタルヴィン・シンは前作(彼がオーガナイズしたコンピ)よりも薄口かな、と思わせつつサウンドの構築度合は圧倒的にバージョンアップ! 今作の目玉はネーネーズとのコラボレーション。沖縄音楽の魅力を一切破壊することなく、新しい解釈を加えてみせる。見事! ローカルなルーツ(というよりもアイデンティティ)の明確な音楽は、優秀なアレンジによって、より根元を太くする。ゴーヤチャンプルーに、飛び切りのカレースパイスをまぶして、結果、美味、と。 皆さん、もう一度考えてみませんか? ステーキと寿司だけがご馳走なのか、を。 あなたはタコスの味を知らないだけだ。21世紀の主食かも知れないのに。 来世紀を僕は、あなたと踊りたい。 関連
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★★★★
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『もしも君がそばにいたら何んにもいらない/遠藤賢司』 『東京ワッショイ』『宇宙防衛軍』でエンケンと出会った身ゆえ、80年代末期以降の活動は無視して来ました、ごめんなさい。ハードなギターサウンドでロックトリオを組んでいる、と聞いていたので、今作もそんなサウンドを想像していました。(ニール・ヤングのグランジへの接近に習うと思ってた。それにジャケ写が原始人なんだもん。) フォークです。(フォーキーじゃなく、フォーク) “カレーライス”“オムライス”との「ライス3部作」となる1曲目の“ラーメンライス”で思わず赤面。日記をあけっぴろげに公開してる感じ。キミ(友達)や女房や娘が、日常生活のままに目の前でお昼御飯を食べている場面を見ているみたい。そうか、エンケンは「優しさ」をハードなエッジで叩きつけるつもりなんだな、と気付いた。この「優しさ」は手強いゾ。例の「優しさモドキ」を売りにしたJ-POPとは全く意味が違う。言葉やメロディや演奏が追い付けないほどに、ハードコアな「優しさ」。“不滅の男”と叫ぶことよりも過激なアコースティックサウンド。感動。 エンケンは“名人”だ、と思った。何の名人かわからないけど、彦六が“名人”ならば、エンケンもとっくに“名人”だ。悪いか!? 関連
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★★★★
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『シャンソン・フランセーズ/ノートル=ダム』 パリの宅録野郎がハードディスクレコーダーにシコシコとため込んだ入魂の1発。気弱なくせに明確なポリシーのある好盤です。同じパリの宅録野郎マチュー・ボガートと比較したら、ノートル=ダムの方が古典シャンソンや古典フレンチポップへの憧れが強い、と理解できる。そのリスペクトを真正面から吐き出すあたり、きっと“可愛げのあるオタク”なのでしょう。モンド的なサウンド構成や古くさいステレオ定位は案外“照れ隠し”かも。(ベースとドラムを左右のチャンネルに振り分けるとか、60〜70年代のフレンチポップっぽい!) 方法論としてはマチュー・ボガートの新しさを買うけど、ここまで本気だと説得力あるなぁ。フレンチ歌謡曲を急ぎ足で復習してる気分。マイク・フラワーズ・ポップがロックの名曲をイージーリスニングで焼き直した時みたいな、憎めない奴だ。思い込みとフィニッシュ次第で、古典の再利用も圧倒的な付加価値を持つ。 良い話を1つ。こいつ、生のストリングスを録音したくって、バイオリンを習って自分で弾いたんだって! 玄人くさくないストリングス・アレンジは斬新で楽しかった。
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★★★
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『EL OSO/ソウル・コフィング』 “ローファイ旋風”が吹き荒れた1994年のデビュー作から、ずっと好きです、ソウル・コフィング。“ブルース・ミーツ・ヒップホップ”というコンセプト下のサウンド群にあって、その“荒れ方”と裏腹の“整合性”は突出していた。3枚目の今作は「熊ちゃん」と言うタイトルで、このジャケット。おいおい、中途半端なポップはやめてよね、と祈りながら聴きました。1、2曲目は安易なリズム展開に「不安的中!」とガッカリ。3曲目以降、ようやくアップライトベースとだらしないアコギに、変なサンプリングネタが絡み始め、なるほど、「ローファイなまんまポップ!」と納得。ベースとリズムだけの展開になったりした瞬間は、むちゃくちゃカッチョいい! 1stと比較すると、随分まともな音楽になったなぁ、と思うけど、例えばGラヴ&スペシャルソースの3rdと比較すれば、やっぱ特殊なサウンドとメロディを持ったローファイ・バンド。ミックスダウンは、かなり面白いです。1音1音のイコライジングとか、参考になります。アップライトベースの音をどこまで壊すか、に命賭けてるよ、コイツら!
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★★★
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『明治百年、すぱいだーす七年/ザ・スパイダース』 ビートルズの『Sgt.Peppers』の影響下で産まれたアルバムを聴くのって本当に楽しい。それが、パロディでなく、オリジナリティを捻出しようと躍起になった挙句、『Pepper』の掌から1歩も出ていないフィニッシュ、なんてのが最高。68年発表の本作は『Pepper』とは絶妙な距離に踏みとどまる。その要因は(1)英国ポップのパクリが露骨な割りには“お醤油味”。(2)ベースラインが意固地にR&Bを主張している。(3)トータルアルバムらしからぬトータル感の無い楽曲バランス。(4)ビートルズを上回るサイケなアイディア! ムッシュかまやつの日本初一人多重録音に関するライナーコメントから、当時の録音システムが6ch(チャンネル)だったことが発覚(『Pepper』は4ch2台のピンポン録音)。ストリングス用に2chが割り振られていたり、ベースが確実に1ch持っていたり、と当時にしては音数の多い豪勢な録音事情。左chから聴こえるベースの音は意外にも大きいです(ベースが中央から聴こえる楽曲では他の楽器と1chにまとめられているみたい)。どうやら、ドラムスは1chのみ。キックはショボイけど、スネアのチューニングが抜群。リンゴ・スターはステレオが映えるんだよな。スパイダースのコーラスのタイミングのそろい方は驚異的だ。うまい!
ムッシュとのユニゾンに関してはマチャアキの合わせ方の絶技、と見た。
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★★★★
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『YOU'VE COME A LONG WAY,BABY/ファットボーイ・スリム』 『Rokkafeller Skank』が98年夏を圧巻した感のFatboy
Slim。このコーナーで紹介したのが7月の頭。3ヵ月半を経て届いたフルアルバムを聴いてビックリ。もう、懐メロになってら!(バージョン違いにも関わらず!) 例えばビートルズやキンクス、或いは70年代のソフトロックを聴くと、音の古さを超越した“瑞々しさ”を感じるけど、その対局にダンス音楽は存在する。ダンス音楽とは“音楽”の領域を逸脱した“システム”なのでは? 低音(キック&ベース)を鳴らす音色・タイミング(分解能)・ミックスダウンの3要素だけでとっくに成立し、フィジカルな効果だけを有機的に導き出す。“音楽”として視聴したら「音像を尽くしたメトロノーム」みたいなもん。最先端のサウンドとは消費され、アッという間に型落ちするのが宿命(何故なら“システム”だから!)。ノーマン・クックの哲学は恐らく「最先端をゴージャスに消費して型落ちさせる」ことだ。「消費」とはもちろん「ダンス」を指す。Doopの楽曲をリリースから5年程経った今聴くと「古くて恥ずかしい」けど、5年後に『Rokkafeller
Skank』を聴いたら「古くて楽しい」はずだ。きっと5年後に、98年の今日を愛しく思い出すに決まってる。 関連(1・3)
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