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機械工学の基礎

#01-(2006/11/01)
01.機械のしくみ
(1)機械の基本構成
(2)動力
三相交流誘導電動機において,
 f[Hz]:周波数,p:モータの極数,Ns[min^-1]:回転数に相当する同期速度とすると,Ns=(2*60*f)/p
 s:モータのすべり率,N[min^-1]:モータの回転子速度とすると,N=Ns(1-s)={(2*60*f)/p}(1-s)
  東日本:周波数50Hz,西日本:周波数60Hz
(3)動力伝達機構
(4)工作機械
  きさげ(scraper):工作機械で仕上げた面を,少しずつ薄く削り取って,精度の良い面に仕上げるときに使用する工具
(5)エレクトロニクスの採用
まとめ
@機械を動かすには動力が必要で,動力としてはエンジンやモータが用いられる.工場の動力としては,交流誘導電動機が多く使われる.
A動力を変換して仕事をさせるには各種のメカニズムがあり,これらのメカニズムをもつユニットの集合体として,機械が存在する.

02.機械要素-ねじ-
(1)ねじの用途
@締結用:ボルト,ナットに代表される部品の固定・結合.
A移動用:キャッキのねじのような物の移動あるいは力の拡大.
B測定用:マイクロメータのような回転角からの精密な距離の測定.
(2)ねじ山の種類
  a.台形ねじ b.薄鋼電線管ねじ c.のこ歯ねじ d.丸ねじ e.電球ねじ f.角ねじ
(3)右ねじと左ねじ
(4)ねじの基本規格
  a.一般用メートルねじ
  b.ユニファイねじ
   メートルねじとねじ山の形は同じだが,ピッチを1インチ(25.4mm)単位で表現するため,mm単位表現にすると中途半端な数値となる
  c.台形ねじ
   機械の中でユニットの移動,あるいは弁の締付けなどに用いられる
   工作機械の親ねじのように正確な位置決めを行うところには,高いピッチ精度を持つ台形ねじが使用される
  d.ボールねじ
   NC工作機械の送りねじや,位置きめ装置に用いられる
   伝達効率90%以上
  e.管用ねじ
   管,管用部品,流体機器の接続に用いられる
   管用テーパねじ:ねじ部の耐密性が主目的,平行ねじ:機械的結合が主目的
(5)ねじの有効径とリード
  1条ねじ:1本のねじ山が巻き付いてできたもの,多条ねじ:2本以上のねじ山が巻き付いてできたもの
  1条ねじは1回転でピッチ分だけ移動,多条ねじは条数*ピッチだけ移動し,これをリードという
(6)ボルト(bolt)とナット(nut)
  ボルト:原則として,ナットと組んで用いるおねじをもった品物の総称(JIS用語)
   小ねじ(ビス):ドライバによって締め付けられる直径1〜8mm程度のねじ
  ボルトの強さは,破断荷重より降伏点のように,使用できなくなる応力によって強さの大小をあらわすのが適切
  a.六角ボルト b.植込みボルト c.さらボルト d.六角穴付きボルト e.止めねじ f.クランプねじ g.アイボルト h.クレビスボルト i.キー付きボルト j.ちょうボルト k.基礎ボルト
(7)ナットの座金
  ナット:主に軸心部にめねじの切ってある品物の総称
  鋼製ナットの機械的性質はJIS B 1052に規定
  a.六角ナット b.袋ナット c.4角ナット d.すりわり付きナット e.みぞ付きナット f.フランジ付きナット
(8)ひっかかり率
  ひっかかり率={(おねじの外径-めねじの内)/(2*おねじの山の基準高さ)}*100(%)
  ねじのひっかかり率は,通常70~80%であるが,振動や繰返し荷重が作用するときは更に高くし,気密を要するものでは100%とする
  ボルト,ナットで単に締め付けるときは,60%程度でも機能する
(9)はめあい長さ
  おねじとめねじが互いにはまりあっている部分の長さを,軸の方向に測ったものをはめあい長さという
  ボルトとナットのはめあい長さは3山以上めねじの内径の0.8~1.5倍にする
まとめ
@ねじの用途としては,締結用,移動用,測定用の三つがある.
Aねじ山の形には各種ありますが,三角ねじ,台形ねじには求心性があり,角ねじにはない.
Bもっとも広く用いられているねじは,メートルねじで,ISOに準拠しており,ISOねじともいわれる.
C特殊な用途に左ねじを用いる.砥石軸の取付けねじは,左ねじでないとゆるみを生じ,危険である.
Dねじ込んだおねじとめねじは,少なくとも3山以上がかかっていることが必要.

03.機械要素-歯車-
(1)歯車の種類
@2軸が互いに平行である歯車
 a.平歯車(spur gear) b.はすば歯車(helical gear) c.やまば歯車(double helical gear) d.内歯車(internal gear)
  平歯車:製作が容易なことから,もっとも広く使われている基本的な歯車,いくぶん滑らかさに欠ける
  はすば歯車:歯面を斜めにし,かみあい率を大きくしているので,高速かつ滑らかな運転ができるが,軸方向のスラスト(thrust:推力)が生じ,スラスト軸受が必要
  やまば歯車:軸方向のスラストを打ち消し合うため,はすば歯車の欠点を解決しているが,製作が平歯車よりはるかに難しい
  内歯車:内側に小歯車があり,速度比の大きいときに用いる.力や回転の伝達では,歯車軸が互いに平行なかみあわせが,もっとも広く採用されている
A2軸が1点で交わる歯車
  e.すぐばかさ歯車(straight bevel gear) f.はすばかさ歯車(skew bevel gear) g.フェースギヤ(face gear) h.まがりばかさ歯車(spiral bevel gear)
  かさ歯車:歯車軸が交差するもので,もっとも普通に用いられるのは(平歯車相当の)すぐばかさ歯車.スラスト軸受が必要であり,歯車軸が片持ちとなるので曲げに対する考慮も必要
  フェースギヤ:軸が直行するケースで,小歯車に平歯車やはすば歯車を使ったもの
B2軸が食い違っていて,平行でもなければ交わりもしない歯車
  i.ハイポイドギヤ(hypoid gear) j.ねじ歯車(screw gear) k.鼓形ウォームギヤ(hourglass worm gear) l.円筒ウォームギヤ(cylindrical worm gear)
  ねじ歯車:はすば歯車が二つの軸が同一面内にあって並行なのに対し,二つの軸を食い違いさせてかみあわせたもの,スパイラルギヤともいう
  ウォームギヤ:直角軸の間で高い減速比を得るのに用いられるが,接触する歯面での摩擦による損失が大きいので,伝達効率は悪い
  ハイポイドギヤ:量軸のはさみ角が直角で,軸間距離が比較的小さいときに用いられ,まがりばかさ歯車とウォームギヤの中間的性質を持ち,まがりばかさ歯車より取付けを強固にし,小歯車の歯数を少なくすることができるので,比較的高い減速比ができる
  駆動する歯車と,駆動される歯車の回転数の比を速度伝達比という
   平歯車やはすば歯車の速度伝達比は1~12,かさ歯車で1~10,ウォームギヤは10~100
(2)歯形曲線
  インボリュート曲線を用いた歯車をインボリュート歯車という
  サイクロイド曲線を用いた歯車をサイクロイド歯車という
  動力伝達用には,一般的に,インボリュート曲線が歯形に用いられる
(3)インボリュート歯車の基本
  ピッチ*歯数=π*ピッチ円直径
  モジュール=ピッチ円直径/歯数
  ピッチ円直径=モジュール*歯数
  中心距離=(歯車Aのピッチ円直径+歯車Bのピッチ円直径)/2
  m:モジュール,歯数:ZAZB
   ピッチ円直径:dA=ZA*m,dB=ZB*m
   中心距離:l=(dA+dB)/2=m*(ZA+ZB)/2
   歯先円直径(外径):daA=(ZA+2)*m,daB=(ZB+2)*m
   基礎円直径:dbA=dA*cosα,dbB=dB*cosα
   歯たけ:h=2m+c
   法線ピッチ:te=πm*cosα
   ピッチ:t=πm
   ただしα:圧力角,c:頂げき(歯車の歯と相手歯車の歯のすきま)
(4)バックラッシ
  歯車をかみあわせたときの歯面間の遊び,またはすきまをバックラッシという
  バックラッシをつけるには,歯車の歯厚を薄くする方法と,中心距離を大きくする方法があるが,普通は歯厚を薄くする
(5)歯形の修正
  ピッチング:歯面から金属の小片が除去されて,小さな穴やくぼみのできる減少
  クラウニング(crowning:中高):歯すじ方向の修整のことで,歯当たりを歯幅中央部に集中させるために,歯すじ方向に適当なふくらみをつけるような加工をする.必要以上に大きなクラウニングを行うと歯当たり面積が小さくなりすぎ強度に悪い影響を与える.
(6)転位歯車
  歯数の少ない歯車をラック形工具で製作すると切り下げ(under cut)を生じる
   切り下げを生じない歯数:Zu,圧力角:α0とすると,Zu=2/sin^2α0
  切り下げを生じさせないために,工具と歯車を離して歯切りを行い,標準状態から工具を離した量を転位量という
   転位量=m*x m:モジュール,x:転位係数
  転位歯車は,切り下げ限界は数を小さくでき,中心距離を増減できる
   プラスの転位歯車は歯元が厚くなるので,強度を高くできる
    ex.組歯車において,小歯車をプラス転位,大歯車をマイナス転位することで互いの寿命を平均化できる
(7)歯車列
  歯数:ZA,ZB,回転数:NANB
  回転伝達比:i=駆動歯車の回転数/従動歯車の回転数=NA/NB=ZB/ZA
(8)歯車変速装置
  a.換え歯車
   歯車を取り外してかけ換える方式
  b.クラッチによる変速
   クラッチを介して結合を切り替える
  c.すべり歯車による変速
   数個の歯車を一緒にしてスプライン軸に取り付け,すべらせてかみあわせ変速する
  d.遊星歯車装置
   一対の互いにかみあう歯車において,二つの歯車がそれぞれ回転すると同時に,一方の歯車が他方の歯車の軸を中心に公転する装置
まとめ
@歯車には,インボリュート歯車とサイクロイド歯車などがあるが,普通に用いられる歯車は,ほとんどインボリュート歯車である.
Aインボリュート歯車のモジュルm,ピッチ円直径d,歯数Ztono間には,m*Z=dの関係がある

04.機械要素-軸と軸関係品-
(1)軸の分類
@主として曲げ作用を受け,トルクの伝達を行わない軸(axle)
  ex.後輪駆動の自動車の前輪車軸
A曲げ作用を受けながら,トルクを伝達する軸(transmission shaft)
  ex.歯車軸,ベルト車軸など伝動装置に使われる軸
B曲げ,引張り,圧縮などを受けてトルクの伝達を行う軸(shaft)
  ex.船舶のスクリュ軸
C主として軸の形状,寸法精度を要求される軸(spindle)
  ex.工作機械の主軸
(2)軸の太さ
  a.主として曲げを受ける軸の太さ
   軸に働く最大曲げモーメント:M[N*mm],軸の許容引張応力:σ[N/mm^2],軸の外径:d[mm]とする
   充実軸の太さ:d=3√(32M/πσ),中空軸の太さ:d=3√{32M/πσ(1-k^4)}
   ただしk=内径/外径
  b.主としてねじりを受ける軸の太さ
   軸に働く最大ねじりモーメント:T[N*mm],軸の許容せん断応力:τ[N/mm^2]とする
   充実軸の太さ:d=3√(16T/πτ),中空軸の太さ:d=3√{16T/πτ(1-k^4)}
   内径が外径の1/2である中空軸は充実軸と比較すると,重量75%,強度約94%となる
  c.曲げとねじりを同時に受ける軸の太さ
  d.その他の留意事項
   軸にキーみぞ,段付部があると,応力集中が生じるので,許容応力を小さくする.
   段付部は可能なかぎりRを大きく取り応力集中を緩和する
  e.安全率
   軸の設計には,材料の引張強さではなく,許容応力を用いる
   許容応力=引張強さ/安全率
(3)危険速度
  軸の固有振動数と軸の回転に伴う振動周期が同じになると,共振を起こして激しく振動し,破壊する可能性がある(特に高速回転軸に発生)
  臨界速度:共振を起こす回転速度.常用回転数は危険速度から少なくとも20%以上離れたところに設定するか,軸の太さを変えるなどの設定変更により固有振動数と一致しないようにする
(4)軸端
  回転軸の伝動用軸端,はめあい部が円筒形の軸端:JIS B 0903,1/10テーパの円錐軸端:JIS B 0904に規定
(5)ジャーナル
  回転軸を支える部分が軸受(bearing),軸受に包まれている部分がジャーナル(journal)
  a.片持平ジャーナル b.両端支持のジャーナル c.円錐形ジャーナル d.玉形ジャーナル
(6)軸継手(coupling)
  軸継手でつなぐ際の注意点
  @取付け,取外しを容易にする
  A強さの許すかぎり小型軽量にする
  B外部への突起を少なくし,必要に応じてカバーをつける
  C構造はバランスの取れるものにする
  Dつなぐ位置は,なるべく軸受の近くにする
  a.固定軸継手
   フランジ形軸継手,箱形軸継手,筒形軸継手
   フランジ形:もっとも広く使われている
   箱型:2個の半円筒で軸端をつつみ,ボルトで締め付ける.取り付けが容易で長い伝動軸に適する
   筒形:鋳鉄製で構造が簡単
  b.たわみ軸継手(flexible coupling)
   二つの軸の中心線がずれていたり,傾いている場合に用い,軸方向に伸縮性があるため,伸縮軸継手としても使用される
   歯車形軸継手,タイヤ形ゴム軸継手,こま形自在軸継手(AA形)
   歯車形軸継手:A軸→歯車→外筒→歯車→B軸と回転が伝動,歯車はクラウニングが施されており,いくらか自在性がある
   タイヤ形ゴム軸継手:ゴムの弾性を利用(バネや皮革を使ったものもある)
  c.伸縮軸継手(expansion joint)
   軸が熱膨張などで伸縮しても対応できる工夫がされている
   かみあい式伸縮継手
  d.自在軸継手(universal joint)
   二つの軸がある角度で交わる場合に用いられる
(7)クラッチ(clutch)
  二つの軸の接続,切り離しのできる軸継手で,摩擦式とかみあい式がある(摩擦式は運転中でも着脱が容易)
  a.円板クラッチ b.円錐クラッチ c.多板クラッチ d.かみあいクラッチ
(8)キー(key)
  軸に歯車やベルト車などを固定するのに使われ,炭素鋼あるいは合金鋼など,一般に軸材料より少し硬い材料を用いる
  平行キー a.ねじ用穴なし b.ねじ用穴付き
   ボスが軸上を移動しないときに用いる
  勾配キー a.こう配キー b.頭付きこう配キー
   ボスが軸上を軸方向に動くときに用いる
  半月キー
   テーパ軸端によく使用され,大きなトルクの伝達には不向き
(9)スプラインとセレーション
  スプライン:動力伝達を行う軸と歯車など軸取付部品中心の穴との結合に用い,任意の位置にボスを軸方向に滑動することができ,大きなトルクの伝達も可能
   自動車にはインボリュートスプラインが広く使われている
  セレーション:スプラインより歯たけが低く,穴に圧入して結合するのに用いる
   ex.水道蛇口のコック取付け部
  角形スプライン セレーション
まとめ
@各種の軸がありますが,軸端の形状,部品を取り付ける軸の太さなどには規格がある
A軸を中空にすることによって,軽量化することができる
B軸継手は,突起をなくし,軽量化,バランスをはかり,軸受の近くに設置する.たわみ軸継手でも,軸心は合致させるようにする

05.機械要素-軸受-
(1)軸受の分類
 軸に対して横方向,すなわち半径方向からの荷重→ラジアル軸受( radial bearing)
 軸方向荷重→スラスト軸受(thrust bearing)
(2)ころがり軸受
  すべり摩擦,ころがり摩擦,流体摩擦の内,ころがり摩擦を利用
  玉,ローラ,テーパローラ,ニードルなどを用いる
  玉軸受:摩擦は少ないが,負荷あるいは耐荷重に対して弱いため,高速軽荷重用
  ローラ,テーパローラ:負荷能力は向上するが,高速運転には適さない,テーパローラはスラストおよびラジアル荷重を同時にかつ十分に受けることができる
(3)ころがり軸受の種類
  a.玉軸受
   深みぞ玉軸受:止め輪付き,フランジ付き,複列
    構造が簡単で高速回転ができ,スラストおよびラジアル荷重の両荷重に対応するため,多く使われている
   その他のラジアル玉軸受:マグネット玉軸受,アンギュラ玉軸受,自動調心玉軸受
    マグネット玉軸受:スラスト荷重には不適,小形・高速回転に用いられる
     ex.自転車やオートバイの小形発電機
    アンギュラ玉軸受:一方のスラスト荷重用のため,普通2個を相殺して用いられ,高精度・高回転にも適する
     ex.研削盤の砥石軸
    自動調心玉軸受:外輪の軌道面が球面(球面の中心は軸の中心と一致)になっているので,外輪に対して内輪が傾いたり,取付けじにこじれがあっても,荷重を正しく受けられる
   スラスト玉軸受:平面座,球面座
  b.ころ軸受
   円筒ころ軸受,テーパころ軸受,球面ころ軸受,針状ころ軸受
    針状ころ軸受:ころ径5mm以下で長さと直径の比が3以上10以下の針状ころを多数組入れたもので,他の軸受に比べて幅は少し広くなるが,外径を小さくできるため,軽量化に有効
  c.保持器
   玉やころの相互接触防止,軌道輪からの脱落防止,潤滑効果の向上
   つけ付き波形,冠形,あおい形,わん形,S形,菊形,Z形,円錐形,片面スラスト形
  内外輪および玉・ころの材料は,高炭素クロム鋼高炭素クロムマンガン鋼が世界標準
(4)すべり軸受
  すべり軸受の特徴
  @潤滑管理が適正に行われれば,寿命が長い.
  A運転が静かである.
  B高荷重に耐えることができ,衝撃にも強い.
  C構造によっては,高速運転も可能である.
(5)すべり軸受の種類
  a.すべり軸受ブシュ
   JIS規格分類
  1種:軸受合金鋳物によってつくられたもの
  2種:裏金に軸受合金をつけたもの
  3種:軸受合金を巻いたもの
  4種:鋼板に裏金として,軸受合金を付けて巻いたもの
  b.動圧軸受
  c.その他の軸受
   静圧軸受:油の中に軸を浮かせる軸受
   空気軸受:噴出す空気の中で軸を浮かせている(静圧軸受よりも負荷能力は下がる)
    ex.砥石軸や超精密旋盤の主軸軸受
まとめ
@軸受を大別すると,ころがり軸受とすべり軸受になる
Aころがり軸受には,高速低荷重用の玉軸受と中速中荷重用のころ軸受があり,もっとも広く用いられている
B高精度,耐荷重の大きいものには,すべり軸受が適しており,高級なものは,高速回転に用いることもある
Cすべり軸受では,潤滑油の作用が重要である

06.機械要素-巻掛け伝動-
(1)平ベルト伝動
  ベルトの張力と摩擦力を利用,いくらかすべりがあるので,正確な速度伝達比を必要としない伝動に用いられる
  すべりがあるために計算より伝動は1~3%小さくなる(すべりを小さくするにはベルト車への巻き掛け中心角をなるべく大きくする)
 ベルトの掛け方
  a.オープンベルト b.クロスベルト c.平行でない2軸
  ベルトの継ぎ方
  a.接着剤継ぎ b.皮ひもとじ c.ベルトとじ(ベルトレーシング) d.ボタン形継手
(2)タイミングベルト伝動
  裏側に一定ピッチの浅いみぞをつけたベルトによりすべりはないが,適切な張力は必要
  速度伝達比を一定に保つこと,初張力が不要なこと,速度伝達比を大きくできること,低速でも高速度でも運転できることから広く使われ始めている
(3)Vベルト伝動
  Vベルト:ゴムを主体とし,内部は抗張体で強化した環状ベルト
  曲げられると外側は引張力が作用し,内側は圧縮となるか小さな引張力となり,横幅の縮みは外側ほど大きくなる
  曲げを受けないベルトの二つの側面角度は40°,曲げられてみぞに入っているときは40°より小さく,Vベルト車のみぞの角度は34°,36°,38°となっている
  すべりが少なく,比較的大きな動力伝達が可能
(4)チェーン伝動
  すべりがなく湿度や温度の影響を受けず伝動効率が高いため,速度伝達比を確実にし,伝動馬力が大きいとき,多数の軸を伝動するときに用いる
  音や振動を発生しやすいことが欠点(チェーンが磨耗するとピッチが伸び,一つの歯だけで荷重を負担することになる)
  a.ローラーチェーン b.サイレントチェーン
まとめ
@複合ベルトは,速度伝達比を大きくとれ,高速運転が可能.
Aタイミングベルトは,速度伝達比が一定,初張力が不要,速度伝達比を大きくできることから,広く使われている.
BVベルト車は,すべりが少なく比較的大きな動力伝達ができる.


Report1
課題.1 つぎの文章のうち,正しいものに○印,誤っているものには×印を( )内に記入しなさい.
() (1) 東京で使用していた三相誘導電動機を大阪に移設して使用した場合,回転数は20%上がる.
(×) (2) 6極の三相誘導電動機を60Hzの電源で運転したときの同期回転速度Nsは,毎分1000回転である.
() (3) きさげ(scraper)は,工作機械で仕上げた面を,少しずつ薄く削り取って,精度のよい面に仕上げるときに使用される工具である.
(×) (4) 研削盤の砥石の占めつけねじや換気扇の羽根を固定するねじは,右ねじが用いられている.
() (5) 台形ねじは,強度もすぐれ,ユニットの移動に適しており,工作機械の親ねじ,弁の開閉用ねじなどに用いられている.
(×) (6) 管用テーパねじにはおねじとめねじがあるが,ねじの種類を表す記号はどちらもRである.
(×) (7) 管用ねじにはテーパねじと平行ねじがあるが,前者は機械的統合を主目的とし,後者はねじ部の対密性を主目的として使用される.
() (8) ピッチ1.5mmの2条ねじを3回転させると,9mm移動する.
(×) (9) ビスとも呼ばれている小ねじは,直径が1~4mm程度のねじをいう.
(×) (10) 動力伝達用に使われている歯車は,一般にサイクロイド歯形をもった歯車が使用されている.
() (11) 強度区分が6.8と表示されている六角ボルトの最小引張強さは,600N/mm^2(61.2kgf/mm^2)である.
(×) (12) 鋼製ナットの機械的性質は,JISでは規定していない.
(×) (13) ボルトやナットで,単に締め付けるときのひっかかり率は60%程度であるが,気密を要するものは80%以上とする.
(×) (14) 二軸が交わるかさ歯車の種類には,まがりばかさ歯車,フェースギヤ,ハイポイドギヤがある.
(×) (15) はすば歯車は,主として2軸が平行でない場合に多く使われる.
(×) (16) モジュール4mm,歯数32の標準歯車のピッチ円直径は128mmで,また歯先円直径(外径)は138mmである.
() (17) 歯車のかみあいで,歯の当たりをよくし,歯面に生じるピッチング減少を避けるために,歯すじの方向に適当なふくらみを付けることをクラウニングという.
() (18) 転位係数をプラスの歯車にすると,歯元の太さは大きくなる.
(×) (19) 機械構造用炭素鋼S45Cの引張強さは,600N/mm^2(約60kgf/mm^2)である.この材料を用いて軸の設計を行う場合は,600N/mm^2の値を許容応力として計算する.
() (20) スリープ継手(筒形継手)は,鋳鉄製の筒の中に二つの軸を両方から差し込み,キー止めしたものである.
(×) (21) 軸継手の一種で,2軸がある角度で交わる場合に用いられる継手を伸縮継手という.
(×) (22) キーは,一般に軸材料より少し軟質な材料で作られている.
() (23) 半月キーは,テーパ部に使用する.
() (24) スプラインには角形スプラインとインボリュートスプラインがあるが,自動車用にはインボリュートスプラインが広く使用されている.
() (25) 深みぞ玉軸池は,軌道が深いみぞになっているので,ラジアル荷重のほかにスラスト荷重も負荷できる.
() (26) 自動調心玉軸受は外輪の軌道が球面で,軸がある程度傾いていても差支えなく,軸心を正確にだしにくい場合に適する.
(×) (27) ころがり軸受の軌道輪や転動体(玉,ころ,針)には,一般に高炭素鋼が用いられている.
() (28) すべり軸受用ブシュは,JIS規格では1種から4種まで分類されている.
(×) (29) タイミングベルトは,速度伝達比が大きくとれ,しかも速度が一定に保たれ,高速に適するが,低速には不向きである.
(×) (30) Vベルト伝動で使われるVベルト車のみぞの角度は,Vベルトの角度と同じ40°である.

課題.2 つぎの文の{ }に,最も適切な語句を下欄の[ ]内から選び,その記号を記入しなさい.
(1) 三相誘導電動機の速度制御の一つに{c}制御方式がある.
(2) ボルトとナットのはめあい長さは,めねじの内径の{e}倍にするようJISで規定されている.
(3) 歯車をかみあわせたときの歯面間の遊び,またはすきまを{f}という.
(4) 軸の{a}の一つと,軸の回転に伴う振動周期とが同じになると,軸は共振を起こして激しく振動する.この共振を起こす回転速度を{g}という.
 [a.固有振動数 b.常用回転数 c.インバータ d.0.5~1.2 e.0.8~1.5 f.バックラッシ g.臨界速度]

課題.3 下図の歯車列で,各歯車の歯数および歯車Aの回転数がつぎのようなとき,歯車Dの回転数を求めなさい.
ZA=28枚  ZB=42枚 
ZC=30枚  ZD=50枚 
NA=1200[min^-1]

NA/NB=ZB/ZA
  NB=(NA*ZA)/ZB
NB=NC
  NC=(NA*ZA)/ZB
NC/ND=ZD/ZC
  ND=(NC*ZC)/ZD
  ND=(NA*ZA*ZC)/(ZB*ZD)
  ND=(1200*28*30)/(42*50)
  ND=480

A.480min^-1


課題.4 モジュール(m)=4mm,中心距離(l)=160mm,速度伝達比(i)=3の1組の平歯車の歯数を求めなさい.ただし,歯数はZA<ZBとする.
l=m*(ZA+ZB)/2
ZA+ZB=(l*2)/m
ZA+ZB=(160*2)/4
ZA+ZB=80-@

i=ZB/ZA
i*ZA=ZB
3*ZA=ZB-A

@,Aより(ZA,ZB)=(20,60)

A.ZA=20枚,ZB=60枚


#02-(2006/12/01)
07.材料の破壊
機械の構成部品に外力が作用すると,外力の大きさに応じて変形が起こり,内部に抵抗力(応力)が生じる
(1)フックの法則(弾性体に作用する荷重と伸びの関係)
  A:試験片の断面積,E:縦弾性係数(材質で決まる比例定数),P:荷重,l:試験片の長さ δ=Pl/AE
  σ:単位面積当たりの力とすると,引張力=抵抗力だから P=σ*A → σ=P/A
  引張力Pにより,長さlの試験片がδだけ伸びたときの,変形の度合いをひずみεであらわす ε=δ/l
  材料を引張ると伸びが生じ,直径は反対に縮んで小さくなる
  直径dの素材がδ1だけ縮んだとき,横方向の変形の度合いを横ひずみといい,ε1であらわすと ε11/d
  横ひずみと縦ひずみの比をポアソン比という
(2)引張試験
  硬くて脆い脆性材料はひずみが小さく,軟らかく伸びやすい材料ではひずみが大きくなる
  a.比例限度
   ひずみと応力が比例する限度のことで,応力が比例限度を超えると,ひずみの増加割合は大きくなる
   鋼鉄材料でははっきりとしているが,銅・鋳鉄では比例限度がはっきりしない
  b.弾性限度
   材料に荷重を加えると伸び,除去するともとの状態に戻る性質を弾性といい,その時の変形を弾性変形,弾性変形を起こす極限の応力を弾性限度という
   作用荷重がある限度を超えると,荷重を取り除いても変形が残り,この変形を塑性変形という
  c.降伏点
   荷重をしだいに増して,応力が弾性限度を超えてある点に達すると,ひずみが急激に増大する点を降伏点といい,軟鋼や軟鋼に似た金属組織をもつ材料にみられる性質
   降伏現象は試験片の平行部の一部に急激なすべり変形(金属の組織がずれる)が起こったために生じるもの
   一般の材料や高炭素鋼・特殊鋼では降伏点は現れないため,降伏点に相当するものとして耐力を求める(永久ひずみの値は0.2%)
  d.破壊強さ
   降伏点を越え生じるすべり現象が平行部全長にいきわたると,材料はすべり変形に対してさらに強い抵抗をしめし,ひずみの増加に対して応力も増加し,このときの応力の最大点Eを極限強さ(引張強さ)という
   極限強さをすぎると,試験片の一部に局部的な伸び(実際の断面積で計算した応力を真の応力という)が生じ,破断する
(3)圧縮応力とせん断応力
  コンクリートやねずみ鋳鉄試験片を圧縮すると斜めに破断する
  P[N]:加えた荷重,A[mm^2]:材料の試験前の断面積とすると,P[N/mm^2]:圧縮強度
  鋼では引張試験での降伏点に相当する応力になると,圧縮でも降伏現象が現れて,横方向に潰れていくため,一般に圧縮試験は行わない
  鋳鉄や焼結した超硬合金では引張強さと圧縮強さが異なり,圧縮強さがはるかに大きく,その特性を生かした使われ方をする
  圧縮強さとせん断強さは異なり,せん断強さを正確に求めるにはねじり試験が必要
  せん断応力は,圧縮や引張りによっても生じ,理論的にはせん断角度45°のとき最大となる(実際の破壊方向は摩擦や速度の影響から45°から少しずれる)
  一般に鋼のせん断強さは引張強さより小さく,70~80%程度
(4)静荷重による破壊
  静荷重による破壊状況は延性材料と脆性材料で異なり,延性材料は降伏すべり現象を起こし,大きな塑性変形を起こすが,鋳鉄や黒鉛では応力が弾性限度を超えてもあまり塑性変形を起こさず,垂直に分離破壊する
(5)衝撃破壊
  延性素材の方が衝撃には強く,温度が高くなると軟化し衝撃値は低下し,温度が低くなると衝撃値は増加するが,ある温度以下になると急激に衝撃値は低くなる
  この温度が低くなると脆くなる性質を低温脆性という
(6)クリープ破壊
  高温において,長期間材料に一定の荷重を加えておくと,ひずみが時間と共に徐々に増加し,引張強さよりもはるかに低い応力で破壊する
  この時間と共にひずみの増加する現象がクリープ
(7)疲労破壊
  材料にある程度の繰り返し荷重が作用すると,次第に材料は損傷を受けて,静荷重による破壊よりも,はるかに小さな荷重で破壊を起こす(材料の疲れ)
  繰返し荷重により生じる材料内部の応力がある程度以上大きくなると,材料内の繰返し塑性変形により,結晶内のすべりが進み,亀裂を生じ破壊に至る
  疲れ破壊を起こさない繰返し応力の最大振幅(強さ)を材料の疲れ限度と云う
   疲れ破壊は,延性の材料でも塑性変形をほとんど起こさず脆性材料のような分離形破壊となるので,他の原因による破壊と容易に区別できる
(8)疲れ限度への影響因子
  a.引張強さ
   各種鋳鉄,炭素鋼,アルミニウムなどの疲れ限度は引張強さに比例する
  b.表面状況
   表面の粗さによって疲れ限度は著しく変り,表面が荒いほど疲れ限度が低下する
  c.腐食疲れ
   金属材料は腐食すると疲れ限度は低下し,腐食作用と繰返し荷重が同時に作用すると,著しく疲れ限度が低下する(腐食疲れ)
(9)許容応力と安全率
  機械や構造物の設計に当たっては,故障や破損が生じないように,十分に安全な応力値を求め,その範囲内の応力で機能の優れた機械や構造物を作る
  この安全上許容しうる応力を許容応力という
  強さの基準を設定し,使用条件によって安全率を決める
   @延性材料が静荷重を受けるときは,降伏点,耐力あるいは引張強さ
   A脆性材料が静荷重を受ける時は,破壊強さ
   B繰返し応力を受ける時は,疲れ限度
   C高温において静荷重を受ける時は,クリープ限度
  許容応力=強さの基準/安全率
(10)応力集中
  材料に円孔・切り欠きがあったり,フィレット状になっていると,応力は一様に作用せず,応力と特に高い部分が生じる(応力集中)
  機械や構造物が繰返し荷重を受けて破壊する場合,ほとんどの原因が応力集中,応力集中の程度を表す形状係数αk
   形状係数αk=最大の集中応力/応力集中がないとして最小断面について計算した応力=σmaxn
  a.円孔の応力集中
   幅の広い円板に円孔が片寄っているときは,片寄るほど形状係数は高く,多数の穴が一列にあいている場合には,応力集中が鑑賞しあって形状係数は低くなる
  b.フィレットの応力集中
   軸の直径や板材の幅が変る部分を結んだ円弧(フィレット)に,曲げ荷重を作用させると,円弧部分に最大応力が作用する
   フィレット部の半径が小さいと形状係数は高くなる
  c.切り欠きみぞの応力集中
(11)破壊の原因
  機械や構造物の破壊原因
@強度計算における間違い
A応力集中による破壊(高い比率)
  材料の疲労,低温脆弱性などと複合して起こる
まとめ
@材料は比例限度内において,フックの法則にしたがう.
A軟鋼の応力-ひずみ線図には,降伏点があらわれ,軟鋼の強さの基準には降伏点が適切である.降伏点があらわれない延性材料の強さの基準には,耐力を用いる.
B脆性材料の強さの基準には,引張強さを用いる.
C高温で使用する材料にはクリープ限度,繰返し荷重の加わる部品では疲れ限度を強さの基準にする.低温で使用するときは,低温脆性を検討する.
D材料の破壊の原因のうち,応力集中が大きな比率を占める.軸などの段付部には,十分に大きなRを付けるようにする.

08.軸とはりの強度
(1)曲げ応力
  片持ばりに荷重を作用させると,はりは撓むと共にはりの内部に曲げ応力が生じる
  曲げ応力を受けたはりは,外側に引張応力,内側に圧縮応力を生じ,中心部には応力のまったくない位置が生じる(中立面)
   引張応力の総和と圧縮応力の総和は方向が反対で,値が等しい
(2)断面二次モーメント
  σ:最外側の応力,y:中立面からの距離,σ*(y/Y):微小面積dAの応力,
  中立面からの曲げモーメント儁=σ*(y/Y)*dA*yM:外力曲げモーメント
   M=∫σ*(y/Y)*y*dA=(σ/Y)∫y^2sA
  ∫y^2dAは断面の形状により決まるもので,断面二次モーメントと呼び,Izであらわす Iz=∫y^2dA
  断面の性質を現す断面係数Z=Iz/Y
  曲げこわさ:弾性係数と断面二次モーメントの積E*Iz
  σω:許容曲げ応力とすると,はりに安全に作用できる曲げモーメントM=σω*Z
(3)曲げこわさ
  はりにどれだけ曲げモーメントを作用させることができるかは,許容曲げ応力と断面係数によって決まる
  曲げモーメントに対して変形しにくいかどうかは,曲げこわさE*Izにより決まる
(4)はりのたわみ
  壁に取り付けたはりに荷重を加える時
  P:荷重,θmax:先端の傾き,δmax:最大たわみ,l:壁からの距離とすると,δmax=(Pl^3)/(3EIz)θmax=(Pl^2)/(2EIz)
   はりのたわみは,E(材質の変形に対する強さ)とIz(断面形状による変形に対する強さ)に反比例する
   片持ばりでは,固定端からの距離の3乗にたわみは比例
  壁からの距離xのはりのたわみδと傾きθ
   δ=P/(EIz)*{(1x^2/2)-(x^3/6)},θ=P/(2EIz)*x*(2l-x)
  壁からの距離mの中間点に荷重Pを書けた場合のはりのたわみδと傾きθ
   δ=(Pm^2)/(2EIz)*(x-m/3)
(5)重ね合わせの方法
  片持ばりの2点(A点とB点)に荷重(P1とP2)をかけた場合は,それぞれの状態における撓みの和となる
   δ=δAB
   δ=(P1m^2)/(2EIz)*(x-m/3)+P^2/(EIz)*{(lx^2)/2-x^3/6}
(6)軸のねじり
 固定端に固定された丸軸をトルクTでねじると,先端面はθだけ回転し,長さlに対してφの角度を生じる
  中心からxの位置に作用するせん断応力τは,τ=τmax*x/r
  先端面の単位面積に作用するねじりモーメントは
   τ*x=τmax*x/r*x=τmax*x^2/r
  厚さdxの単位面積は2πx*dx,単位面積全体に作用しているねじりモーメント
   儺=2πτmax*x^3/r*dx
  先端面全体に作用するねじりモーメントはトルクTとつりあう為
   T=(2πτmax)/r*∫(0→r)[x^3*dx]=(πτmax)/2*r^3
  断面二次極モーメントIPIP=∫x^2*dAと定義,最外側のせん断応力(ねじり応力)をτmaxとすると
   T=τmax/r*IP
(7)伝達馬力
  d:充実軸の直径,τω:材料の許容せん断応力,T:伝達できる最大トルクとすると,トルクTを伝達するための軸の最小径は
   T=(τω*πd^3)/16,d=3√(16T/πτω)
  軸がねじりモーメントを受けながら動力を伝達するとき
  H:伝達出力[kW],T:ねじりモーメント[N*m],n:回転数[rpm],ω:角速度[rad/秒]とすると
   H=ωT/1000=(2πnT)/(60*1000)=nT/9550 よってT=9500*H/n[N*m]
(8)危険速度
  g:重力,m:回転体の質量,ε:中心から不釣合いの位置までの距離,ω:角速度とすると,偏心した回転体に働く遠心力f
   f=(mεw^2)/g
  n:回転数[rpm]とすると,回転角速度ω=2πn/60[rad/sec]
  遠心力により軸の偏心がδだけ増えたとき,遠心力f={m(ε+δ)*ω^2}/g
  l:軸の長さ,E:弾性係数,k:ばね定数,:軸をδだけ撓ませる弾性力とすると,遠心力fはkδとつりあうので
   {m(ε+δ)*ω^2}/g=kδ よって δ={(m/g)*(ω^2ε)}/{k-(m/g)*ω^2}
  固有円振動数ωn=√(kg/m)とすると
   δ=ε*{ω^2/(ωn^2-ω^2)}=ε*[{(ω/ωn)^2}/{1-(ω/ωn)^2}
  ωn=ωのとき,δは無限に大きくなるため,固有円振動数(ωn)と角速度(ω)は一致させないようにする
   ωn=ωの回転数を危険速度,あるいは臨界速度という
まとめ
@はりに曲げ応力が作用すると,中立面を境にして圧縮応力が作用する側と,引張応力が作用する側が生じる
Aはりは断面の形状によって,まげに対する強さが異なり,これをあらわすのに断面係数Zが用いられ,曲げモーメントMと応力σとの間には,M=σ*Zの関係がある
B曲げに対するはりの強さは,曲げこわさE*Izをもって表すことができ,断面二次モーメントはIz=∫y^2dAで計算する

09.工業材料-鋼鉄-
(1)鉄鋼材料の分類
  鋼は含有炭素量によって性質が変化する
   結晶構造から,α鉄(対心立方格子・強磁性),γ鉄(面心立方格子),δ鉄(対心立方格子)に分類される
   γ固溶体:オーステナイト,α固溶体:フェライト
(2)炭素鋼の熱処理
  a.焼なまし
   内部ひずみを除き,硬化した部分を軟化させ,展延性を向上させるために,700℃±20℃に加熱し,ゆっくり冷却する
  b.焼ならし
   A3またはAcm変態点以上適当な温度に加熱し,オーステナイト組織にした後,空中放冷する
  c.焼入れ
   オーステナイトの状態に加熱後,冷却剤(水・食塩水・油)中に入れて急冷し,マルテンサイト組織にする
  d.焼もどし
   焼入れにより生じたマルテンサイトにじん性を持たせるため,もう一度100℃以上A1変態点以下の温度に過熱して冷やす熱処理
   低温焼もどし
    100〜400℃の温度範囲,内部応力除去とじん性増加
   高温焼もどし
    400℃以上A1点以下,じん性増加
   マルテンサイト組織を350〜400℃で焼もどしすると,トールスタイト組織になり,600℃で焼もどしするとソルバイト組織になる
(3)鋼の表面硬化法
  a.浸炭
   表層部に炭素を拡散浸透させ,表面の炭素量を高める
  b.窒化
   窒化層は浸炭層に比べて浅いが,硬く耐摩耗性があり,処理温度が低いため製品のひずみが少なくなる
   窒化できる鋼はAl・Mo・Cr・Vなどを含む中炭素鋼
  c.高周波焼入れ
   作業が短時間でおこなえ,むら無く焼入れができる,周波数により焼入れ層の深さを調整
  d.火炎焼入れ
   局部的な焼入れに利用,硬化層は1~5mm
(4)純鉄
  純鉄は抗磁力が低く,透磁率が高い
(5)炭素鋼
  炭素鋼は鉄と炭素の合金で,製鉄過程からSi・Mn・P・Sが含まれる
  (a)キルド鋼
   強い脱酸剤により十分脱酸させ,ガスをなくした鋼
   全体に成分・性質が均一で,気泡・偏析が少ない
  (b)セミキルド鋼
   普通の脱酸剤で調整,キルド鋼とリムド鋼の中間
   鋼塊上部に収縮・偏析が生じる
  (c)リムド鋼
   軽く脱酸,ガスが気泡として介在し,偏析も多いが,脱酸剤としてシリコンを使用していないので展延性・溶接性にすぐれる
  a.一般構造用圧延鋼(SS材)
   SS330,SS400,SS490,SS540の4種
   SS400は使用量が圧倒的に多い材料
  b.溶接構造用圧延鋼(SM材)
   溶接性にすぐれ,セミキルド鋼・キルド鋼からなる,船舶用鋼材
   低温じん性が考慮されている
  c.ボイラ用圧延鋼(SB材)
   高温における黒鉛化防止が施されている
  d.機械構造用炭素鋼(S-C材)
   炭素量を規定した材料で,機械・機械部品・器具など広範囲に使用され,キルド鋼により作られる
   炭素量と熱処理により性質を使い分ける
(6)合金鋼
  合金鋼は調質して使う特殊鋼で,機械構造用部品として使われる強じん鋼
  a.クロム鋼(SCr材)
   S-C材にCr添加,焼入れ性がよく,じん性が高い
  b.クロムモリブデン鋼(SCM材)
   クロム鋼にMoを少量添加し,熱処理を容易にし,高温まで硬さを保つように耐熱性を改善
   重要部材に広く利用
  c.ニッケルクロム鋼(SNC材)
   Niをクロム鋼に添加,強じんな性質をもつ
  d.ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM材)
   ニッケルクロム鋼にMoを添加,高級な強じん鋼
  e.マンガン鋼(SMn材)・マンガンクロム鋼(SMnC材)
   伸び・絞りを低下させないで,引張強さ及び降伏点を高くした材料
  f.焼入性を保証した構造用鋼(H鋼材)
   焼入端からの指定された距離における,最低と最高の硬さを保証する材料
(7)工具鋼
  a.炭素工具鋼(SK材)
   S-C材の延長上,使用量は工具鋼の半分程度ある
   常温での硬さは十分だか,熱によって軟化する温度が低い
  b.合金工具鋼
   SKS(スペシャル),SKD(ダイス鋼),SKT(鍛造型鋼)
   @刃物としても切削用
   Aポンチ,スナップ,冷間鍛造工具としての耐衝撃用
   Bゲージ,抜型,ねじ転造ロールなどに用いられる冷間金型用
   C加熱・冷却の熱衝撃に強く,熱間ダイス,熱間鍛造用金型,ダイブロックに用いられる熱間金型用
  c.高速度工具鋼(SKH材)
   熱に対する強さを著しく改善,切削速度を速くする
   硬くて耐摩耗性の大きいW系と粘り強いMo系に分けられる
(8)特殊用途鋼
  a.ステンレス鋼(SUS材)
   鏡面にCrの酸化皮膜があり,さびの発生を抑制
   Niを添加すると酸化膜の密着性がよくなり耐食性は向上する
   @Cr系ステンレル鋼(SUS4xx材)
   ACr-Niステンレス鋼
   B析出硬化系ステンレス鋼
  b.耐熱鋼(SUH材)
   高温強度・耐酸化性に優れる
  c.軸受鋼(SUJ材)
   耐摩耗性が大きい
  d.ばね鋼(SUP材)
   引張強さが高く,じん性にすぐれ,特に疲労強さが大きい
  e.快削鋼
   快削性元素(S,Pb,P,Se)などを添加
(9)鋳鋼
  a.炭素鋼鋳鋼品(SC材)
   SC360,SC410,SC450,SC480(数字は引張強さ)
   SCW410~620は溶接構造用鋳鋼品
  b.構造用合金鋼鋳鋼品
   引張強さ520~880[N/mm^2]以上に規定
  c.特殊用途鋼鋳鋼品
   SCS:ステンレス鋼鋳鋼品,SCH:耐熱鋼鋳鋼品,SCMnH:耐摩耗用鋳鋼品
(10)鋳鉄
  炭素2.11%以上を含む鉄を鋳鉄と云い,1130℃以上で溶け,流動性がよい
  鋳鉄の機械的性質
   @C,Siの含有量が低いほど,引張強さは大きく硬い
   A黒鉛が減摩剤として作用し,組織のすき間に潤滑油がたまるので,耐摩耗性に優れる
   B伸び・衝撃値は小さい
   C振動を吸収する減衰能に優れ,工作機械の本体に使われる
  a.ねずみ鋳鉄(FC材)
   FC100~FC350(数字は引張強さ)
   強度はそれほどでもないが,確実な鋳物を作れる
  b.球状黒鉛鋳鉄(FCD材)
   黒鉛が球状の鋳鉄は,黒鉛に沿った亀裂が発生しにくいので,郷土が高く,延性もある
   FCD400~700(数字は必要引張強さ)
  c.黒心可鍛鋳鉄(FCMB材)
   ねずみ鋳鉄と鋳鋼の中間材料,熱処理により延性をもたせている
   FCMB270,310,340,360(数字は必要引張強さ)
  d.パーライト可鍛鋳鉄(FCMP材)
  黒心可鍛鋳鉄の黒鉛化を完全におこなわず,途中で熱処理方法を変え,パーライトを残留させ,引張強さを440~690[N/mm^2]以上にしたもの
   FCMP440~690
  e.白心可鍛鋳鉄(FCMW材)
   引張強さ330~540[N/mm^2]以上
   FCMW330,370,FCMWP440,490.540
  f.チルド鋳鉄
   表面は硬く耐摩耗性,耐圧性があり,内部はある程度強じん
  g.耐熱鋳鉄
   700~750℃:Cr0.5~2%の低クロム鋳鉄
   ~900℃:Si5.5~7%の高珪素鋳鉄
   ~1100℃:Al10%
  h.耐食鋳鉄
(11)非破壊検査
  材料表面の割れや傷,内部の欠陥を,材料を破壊する事無く検査・探傷することを非破壊検査という
  a.浸透探傷
   表面に浸透液を塗ってふき取り,現像液で浸透箇所を確認
  b.磁粉探傷
   材料を磁化させ,微細鉄粉をふりかけて,欠陥を探す
   鋼材など強磁性材料の表面および表面化20mm程度まで検出できる
  c.超音波探傷
   金属材料の一端から超音波を入射し,反対端部と欠陥からの反射波をとらえる
   材料の大きさに関係なく検査できるが,欠陥部の形状や大きさはわかりにくい
  d.放射線透過検査
   X線,γ線により金属材料を透過,放射線透過写真フィルムの感光度より,欠陥形状・大きさを検出
  e.打診法
   亀裂・割れ・巣などがあると打撃音がにごることを利用し,欠陥位置・状態を判断
   槌で軽く叩き,材料の振動を指で感知する為,熟練を要する
まとめ
@金属材料に加熱・冷却の熱的変化を与えることによってその性質を改善することができる.これを熱処理といい,代表的なものに焼入れ,焼もどし,焼なまし,焼ならしなどがある
A鋼の表面硬化法として,浸炭・窒化が広く用いられる.小物部品には高周波焼入れ,大物部品には火炎焼入れもおこなわれる
B鋼は普通鋼(炭素鋼)と特殊鋼があり,さらに特殊鋼には,合金鋼,工具鋼,特殊用途鋼にわけられる
C鋳造用材料としては鋳鋼と鋳鉄がある.鋳鋼は機械的強度があるが鋳造性が悪い
D一般に鋳鉄は,機械的強度は低く脆いが,減衰能が大きく振動を吸収する

10.工業材料-非鉄金属-
(1)銅及び銅合金
  銅及び銅合金は,電気及び熱伝導率が良好で,耐食性も一般に優れ,各種の加工にも適しており,色沢が美しい
  銅合金はCu-Zn系(黄銅),Cu-Sn系(青銅)に大別され,用途別に利用される
   @高力合金ちすて構造材に利用するもの.高力黄銅など
   A装飾,美術用として利用するもの.洋白,黄銅など
   B強さと耐食性を利用するもの.ベリリウム銅,りん青銅など
  a.黄銅(brass)
   銅と亜鉛の合金が黄銅,Zn量55%くらいまでが用いられる
   冷間加工や熱間加工を施すと,引張強さや片さが増すが,伸びは低下する
  b.青銅
   銅とすずの合金が青銅,Sn30%までが実用されており,Snが少ないものは伸びが大きい
   青銅の海水に対する耐食性は,黄銅より大きいので船舶機械部品として多く用いられ,耐摩耗性もよい
   りんを加えたりん青銅は弾性に富み,ばね材に適する
  c.その他の銅合金
   Cu-Al系合金(アームズブロンズ)は海水,アルカリに対して耐食性がある
   Cu-Ni系合金は高温強度が大きく,耐食性もある
(2)軸受用合金
  軸受は軸を傷つけず,なじみやすく,荷重に耐え,摩擦係数が低く,熱がたまらないように熱伝導率が良いことが必要
  軸には強度がある硬い材料を,軸受には硬くない材料を用いるのが一般的
  a.ホワイトメタル(WJ材)
   高中速高荷重用にはSn系,中高速小中荷重にはPb系を用いる
  b.軸受用銅・鉛合金鋳物(KJ材)
   ケルメットと呼ばれるCu-Pb系合金
   高速高荷重用で,高速になるほどPbの少ないものを用いる
   熱伝導性にすぐれ,軸と焼付きを起こすことが少ないので熱機関の軸受に用いる
(3)ニッケル及びニッケル合金
  Niは塑性加工しやすく,耐食性に優れるので,化学工業用耐食材料として利用されるが高価
  NiとCuはどの比率でも固溶体を作り,電気抵抗用材料として有用
(4)アルミニウム及びアルミニウム合金
  比重2.7と代表的な軽金属で,熱伝導性・導電率も銅についで高く,非磁性
  耐食性があり,展延性・加工性に優れる
  a.1000番台のアルミニウム
   高純度アルミニウム,耐食性・溶接性に優れるが強度が低い
   陽極酸化処理(アルマイト)すると光沢がよくなる
  b.2000番台のアルミニウム
   Al-Cu系合金は(超)ジュラルミンと呼ばれ,銅材に匹敵する強度があるが耐食性が劣り,溶接性はよくないが,鍛造性・切削性はよい
  c.3000番台のアルミニウム
   Al-Mu系合金,耐食性・成形性は純アルミニウムとほぼ同じだが,強度が10%ほど高い
  d.4000番台のアルミニウム
   Al-Si系合金,耐食性・耐摩性があり,熱伝導がよい
  e.5000番台のアルミニウム
   Al-Mg系合金(ヒドロナリウム),耐食性に優れ,Mgの増加に従い強度が高くなる
  f.6000番台のアルミニウム
   Al-Mg-Si系合金,耐食性と強度に優れ,焼入れ・焼もどしの熱処理により強度を出す
  g.7000番台のアルミニウム
   Al-Zn-Mg-Cu系(超超ジュラルミン)は,Al合金で最も高い強度を有するが,溶接性・耐食性に劣る
  h.アルミニウム合金鋳物
(5)マグネシウム及びマグネシウム合金
  マグネシウムは比重1.74と極めて軽く,高純度のものは耐食性があるが,普通のものは耐食性がよくない
  マグネシウム合金は常温での塑性加工は困難で,300~400℃で熱間加工する
(6)亜鉛及び亜鉛合金
  耐食性・加工性は純度の高いものがよく,亜鉛合金はアルミ合金より強度が高く鍛造しやすく,鍛込温度が低い
(7)チタン及びチタン合金
  比重4.54と小さい割りに強度が高く,耐熱性・耐食性に優れ,加工硬化性があるが高価
まとめ
@非鉄金属材料では,銅及びアルミニウムとその合金がもっとも多く使用される
A銅は,電気の伝導性に優れており,電気用材料として欠かせない
B銅合金はCu-Zn系の黄銅系と,Cu-Sn系の青銅系に大別される
C軸受用金属はなじみやすいことが重要で,高級な材料としては,SnあるいはPbを中心としたものが用いられる
Dニッケルは,耐食性・耐熱性にすぐれた合金をつるく
Eアルミニウム及びその合金は,軽量で美しく,かつ強度と耐食性が比較的あるので,広く使用されている

11.工業材料-非金属-
(1)木材
  木材は,おもに繊維細胞からできており,方向性がある
  感想状態でも含水率は13~18%で標準含水率15%(日本)
  0.5~4mmの板材を繊維方向に直交させて張り合わせたものを合板という
  ベニヤまたはひき板を積層接着してブロックにしたものが積層木材
(2)ゴム
  天然ゴムは,ゴムの木の樹脂(ラテックス)に蟻酸または酢酸を加え固まらせ,硫黄を加えて作る
  硬質ゴムは,硫黄を大量に配合したもので,耐薬品性・耐老化性に優れる
  珪素ゴムは,弾性的性質が劣るが,耐熱性・耐寒性に優れる
(3)セメント
  水で練ると硬化する無機質粉末をセメントという
  粘土・石灰石・けい石・酸化鉄原料を配合・焼成したクリンカー(clinker)に石膏を加え,微粉化したもの
  a.モルタル
   セメントと砂とを水で練り混ぜたものがモルタル
  b.コンクリート
   セメント・骨材(砂・砂利)及び水を練り混ぜたもので,砂利の隙間を砂で満たし,セメントペーストで固めたものがコンクリート
(4)セラミックス
  工業材料は金属材料・有機材料・無機材料に大別され,無機材料の大部分を占める固体の無機材料をセラミックスという
  セラミックスの持つ耐熱性・耐食性・高硬度などの性質は,セラミックス以外の材料にない特有のもので代替できない
  セラミックスの一般的な加工法は研削
まとめ
@木質材には,天然材・合板・積層木材がある.木材は乾燥状態でも水分を含んでおり,標準含水率は15%
A0.5~4mmの板材を繊維方向に直交させて張り合わせたものを合板といい,尿素樹脂・フェノール樹脂を接着剤として用いる
Bベニヤまたはひき板を積層接着し,ブロックとしたものを積層木材といい,加圧成形した材料にはパーティクルボード・ファイバーボードがある
Cゴムには天然ゴムと合成ゴムがあり,合成ゴムは目的・用途に応じた性質が付与されている
Dセラミックスは耐熱性・耐食性・高硬度などの性質が非常に優れ,今後広い分野に使われる.構造材としての欠点は脆いこと
Eセラミックスには特有な性質を持つものが多く,構造材としてだけでなくセンサをはじめとする機能性材料としても開発が進められている

12.工業材料-プラスチック-
(1)プラスチックとは
  プラスチックの定義:高分子物質(樹脂)を主原料として,人工的に有用な形状に形作られた固体(繊維・ゴム・接着剤などは除外)
  熱硬化性プラスチック,熱可塑性プラスチックとも樹脂に熱を加え溶融して成形する
  熱硬化性プラスチックは再び加熱しても流動状態にはならないが,熱可塑性プラスチックは流動状態となる
(2)プラスチック製品の長所と短所
  主な長所
   @電気絶縁性に優れている
   A軽くて強い製品ができる
   B各種の薬品に耐える
   C着色できる
   D所要の形状に加工できる
  欠点
   @熱に弱い
    耐熱性に優れたものでも200℃程度
   A表面が軟らかく,埃がつきやすい
   B剛性が低い
    軽さの割りに強度はあるが,引張強さは低く,剛性に乏しい
   C溶剤に弱い
    酸・アルカリ薬品には強いが,溶剤(アルコール類・アセトン・ベンジン・シンナーなど)には侵される
(3)熱硬化性プラスチックの種類と用途
  a.フェノール樹脂(PF)
   ベークライトとも呼ばれ,本来は褐色,フェノールとホルムアルデヒドとの反応によって得られる
   水・油・薬品に強く,機械的強度もある
  b.ユリア樹脂(UF)
   尿素とホルムアルデヒドとの縮合により得られ,本来は無色
   電気絶縁性に優れる
  c.メラミン樹脂(MF)
   メラミンとホルムアルデヒドとの縮合で得られ,無色・硬質
   水・油・薬品に強く,電気絶縁性があり,耐熱性に優れる
  d.不飽和ポリエステル(UP)
   ポリエステルの一種,ポリマーの主鎖に不飽和基があり,モノマーを溶かして重合したプラスチック
   耐熱性に優れる
  e.エポキシ樹脂(EP)
   末端にエポキシ基をもつ重合体で,アミン・酸などによって硬化する
  f.ジアリルフタレート樹脂(PDAP)
   フタル酸とアリルアルコールの縮合でつくられ,寸法安定性がよく,耐薬品性にも優れ,耐熱性がある
(4)熱可塑性プラスチック
  熱可塑性プラスチックには,非晶性と結晶性があり,一般に非晶性プラスチックは透明,結晶性のものは不透明
  溶融状態から固体になる時,非晶性プラスチックは熱膨張係数に沿って収縮するが,結晶性プラスチックは無配列から規則正しい配列になるので大きく収縮する
  常温で結晶性プラスチックはもろくないが,非晶性プラスチックはもろい
  a.ポリ塩化ビニル(PVC)
   エチレンと塩素から作られ,本来は透明で硬いが,可塑剤を使えると軟らかくなる
   成形条件によって機械的性質が変動しやすく,軟化温度が低く疲労を起こしやすい
  b.ポリスチレン(PS)
   GPポリスチレンは無色透明で安価,耐衝撃性ポリスチレンは割れにくい
  c.ABS樹脂(ABS)
   ABSはアクリロニトリル,ブタジエン,スチレンの共重合プラスチック
   耐薬品性・耐熱性に優れ,表面に光沢があり,摩擦係数も低い
  d.AS樹脂(SAN)
   スチレンを主成分とし,アクリロニトリルの共重合
  e.メタクリル樹脂(PMMA)
   メタクリル酸メチルの重合した材料で,無色透明で硬く落ち着いた光沢がある(アクリル)
  f.ポリエチレン(PE)
   密度が低いと軟質,密度が高いと硬質になる
   柔軟性があり,水より軽く,薬品に強く,湿気を通さない
  g.ポリプロピレン(PP)
   プロピレンの重合体で,高密度ポリエチレンに似ており,比重が0.9とプラスチックでもっとも軽い
   成形時の流動性・寸法安定性がよく,表面光沢もよい
  h.ポリアミド(ナイロン)(PA)
   他の樹脂より摩擦係数が小さく,耐摩耗性・自己潤滑性がある
   吸収性の大きいのが欠点で寸法安定性が問題
  i.ポリアセタール(POM)
   ホルムアルデヒドのポリマーで,乳白色で弾性に富み耐摩耗性に優れる
  j.ポリカーボネート
   ビスフェノールAのポリ炭酸エステルで,透明,耐熱性・耐衝撃性に優れる
  k.ふっ素樹脂(PTFE)
   合成樹脂の中でもっとも安定した物質で,耐熱性・耐低温性にすぐれ,-100~260℃で使用,吸水率0で寸法安定性に優れ,自己潤滑性があり摩擦係数が極めて小さい
   欠点は粉末冶金焼結成形で加工しなければならないこと
(5)プラスチック複合材料
  熱硬化性プラスチックは単体では脆くて使えないので,木粉・パルプ・アスベスト繊維などの充填材を用いる
  熱可塑性プラスチックは単体で用いることが多いが,充填硬化した複合材料もある
  プラスチック複合材料の強化材として具備すべき条件
   @強度,弾性係数が高い
   A密度が小さい
   B樹脂との接着性に優れる
   C耐熱性・耐食性・耐摩耗性がよい
  ガラス繊維:細い繊維は強度が高いが,太くなると強度は低下
  炭素繊維:黒鉛化した繊維は高い弾性を示し,炭素繊維強化プラスチックは引張強さが大きく,弾性に富んでいて,疲れ限度も高く,振動減衰性・消音性・吸振性に優れる
  ボロン繊維:12μmのタングステン線の表面に熱分解したボロンを蒸着させたもので,3100~3900[N/mm^2]の強さを持つ
  アルミナ繊維:Al2O3-SiO2系材料を高温で溶融し,ノズルから吹き出して繊維状としたもので,耐熱性に優れ,金属強化材として優れる
  炭化珪素繊維:有機珪素化合物を原料とし,SiCを主成分とした高強度・高弾性材料で,金属強化材として優れる(金属との密着しやすさ[=濡れ性]が優れる)
  ポリアミド繊維ケブラー:殆どの樹脂と複合材料をつくり,軽くて強い(比強度が高い)が高価格
(6)FRM
  繊維をアルミニウム,マグネシウム,銅,チタンなどに入れた繊維強化金属複合材料をFRM(Fiber Reinforced Metal)という
  金属を強化する方法には,繊維強化形の他に粒子分散強化形もある
  FRMの開発目的は,軽くて強く,熱に強い材料を作ること
まとめ
@プラスチックには,熱硬化性プラスチックと熱可塑性プラスチックがある
Aプラスチックの長所は,電気絶縁性,耐薬品性に優れ,軽量のわりに強く,複雑形状に成形できること
Bプラスチックの欠点は,剛性が低く,熱・溶剤に弱いこと
C熱硬化性プラスチックは,充填材を入れていることにより,用途が広がっている.充填材の目的には,強化・増量・特性付与がある
Dガラス繊維で強化したFRPは画期的な発明

Report2
課題.1 つぎの文章のうち,正しいものに○印,誤っているものには×印を( )内に記入しなさい.
() (1) 材料は比例限度内においては,フックの法則にしたがう.
(×) (2) 2mある丸棒に引張荷重が作用したとき,引張ひずみが0.01%とすると,伸びた量は2mmである.
(×) (3) 一辺が20mmの正方形断面の角棒に,40kNの引張荷重を加えた時発生する応力は,200N/mm^2である.
() (4) 下図は,ぜい性材料・延性材料・軟鋼の応力-ひずみ線図を示したものである.このうち,軟鋼の応力-ひずみ線図はBである.

() (5) 衝撃試験は,強靭であるべき材料が十分にその性質をもっているかどうかを検査するもので,もろい材料に対してはあまりおこなわれない.
(×) (6) 高温において,長期間材料に一定の荷重を加えておくと,ひずみが時間と共に徐々に増加し,引張強さよりもはるかに低い応力で破壊する.これを疲労破壊という.
() (7) 材料の疲れ限度を上昇させる場合,材料の表面にショットピーニング(shot peening:小さい鋼球を強く吹き付けて表面を硬くする方法)を施してもよい.
(×) (8) 機械の設計では,安全率を高くとったということは,許容応力を高くしたことと同じ意味に使用する.
() (9) 許容応力は安全上許される応力で,一般にその材料の基準となる強度を安全率で割って求める.
() (10) 材料に円孔や切り欠きがあったり,フィレット状になっていると,応力の大きさは一様でなく,特に高い部分が生じる.これを応力集中という.
(×) (11) 下図のように,板材の中央部に半円みぞがあると応力集中が生じるが,ρ/dの値が小さくなるほど応力集中は小さくなる.

() (12) 曲げ作用を受けるA・B二つのはりがある.A・Bともに断面積が同じであっても,断面の形状が異なれば,材料内に発生する応力の大きさは異なる.
() (13) 幅3cm,高さ4cmの長方形断面の断面二次モーメントIzは16cm^4,断面係数Zは8cm^3である.
() (14) α鉄と炭素の固溶体(α固溶体)をフェライトといい,γ鉄と炭素の固溶体(γ固溶体)をオーステナイトという.
(×) (15) 焼入れした鋼に,じん性をもたせるためにおこなう処理を焼ならしという.
(×) (16) 窒化によって表面を硬化しようとする部品は,炭素鋼であればどれでも材料として使用できる.
(×) (17) SS材(一般構造用圧延鋼材)にはSS330,SS400,SS490,SS540の4種類があるが,これらの数字は炭素含有量を表している.
(×) (18) 硬鋼と呼ばれる鋼の炭素含有量は,0.12~0.2%くらいである.
(×) (19) 高速度工具鋼を系列に分類するとW系とMo系があるが,硬くて耐摩耗性の大きいのはMo系である.
() (20) マルテンサイト系ステンレス鋼は,焼入れを行って硬化することができる.
() (21) FCD材(球状黒鉛鋳鉄)は,FC材(ねずみ鋳鉄)よりも機械的性質が良好であり,ノジュラ鋳鉄あるいはダクタイル鋳鉄とも呼ばれている.
(×) (22) 磁粉探傷法は,主としてCr-Niステンレス鋼で作られた部品の表面近くの割れ目などの欠陥の検査を行う場合に使用される.
() (23) 黄銅は銅と亜鉛の合金で,亜鉛含有量が25%までは,引張強さが大きくなりながら伸びが増すという特徴がある.
(×) (24) 高級すべり軸受の材料として用いられているSn系のホワイトメタルの化学成分は,Sb5~10%,Cu3~10%,Al5~10%,残部がSnである.
() (25) Al-Cu系合金は,ジュラルミンあるいは超ジュラルミンと呼ばれるもので,強度は鋼材に匹敵する.
() (26) セラミックスの加工で,一般によく用いられる加工法は研削であり,研削砥石には,cBN砥石やダイヤモンド砥石が用いられることが多い.
(×) (27) コンクリートは,セメントと砂とを水で練り混ぜたもので,セメントと砂の配合割合は1:1である.
(×) (28) ポリ塩化ビニルは,水道管,床タイル,玩具,鞄などの材料に用いられており,熱硬化性樹脂の代表的なものである.
(×) (29) 不飽和ポリエステルにガラス繊維を充填したプラスチック複合材料を,FRMという.
() (30) メタクリル樹脂は,無色透明で,硬くて落ちついた光沢があるので,装飾用としても使われており,アクリルとも略称されている.

課題.2 つぎのA群の材料名に該当する材料記号をB群の中から選び,その記号を( )内に記入しなさい.
A群   B群
(1)炭素工具鋼 ( c ) a.SUS材
(2)ステンレス鋼 ( a ) b.FC材
(3)機械構造用炭素鋼 ( d ) c.SK材
(4)高速度工具鋼 ( e ) d.S-C材
(5)ねずみ鋳鉄 ( b ) e.SKH材

課題.3 長さ1m,直径12mmの棒鋼に,2400Nの引張荷重を加えたとき,棒鋼に作用している応力σ,棒鋼の伸びδを求めなさい.(ただし,E=2.1*10^5[N/mm^2])
(1)棒鋼に作用している応力σ[N/mm^2]
  応力=引張力/断面積
  σ=24000/(π*6^2)=212.4
 212.4[N/mm^2]
(2)棒鋼の伸びδ[mm]
  伸び=(長さ*引張荷重)/(断面積*縦弾性係数)=応力*(長さ/縦弾性係数)
  δ=(1000*24000)/(π*6^2*210000)=212.4*(1.0*10^3/2.1*10^5)=1.0 1.0
[mm]


#03-(2007/01/01)
13.切削加工
(1)加工法の分類
加工法は3つに大別される
@力によって成形・切断を行う
A材料に熱を加えて溶かし,成形・接合・切断をおこなう
B電気・化学エネルギーを利用して加工する
(2)刃物による加工
  a. 旋盤加工
   加工物をチャックに取り付けて回転させ,切削工具を移動して削る
  (a)外形削り (b)中ぐり加工(内径削り) (c)みぞ入れ,突切り (d)ねじ切り (e)総計削り (f)穴あけ
  b.ボール盤加工
   加工物をテーブルに固定し,主軸にドリルチャックあるいはスリーブを介して工具を取り付け,スピンドルを上下させて加工
  (a)ドリル加工 (b)リーマ加工 (c)センタ穴加工 (d)沈み座ぐり (e)タップ立て (f)さらもみ (g)中ぐり加工 (h)穴の拡大
  c.フライス盤加工
   平面加工とみぞ加工が中心
  d.形削り盤(シェーパ)と平削り盤(プレーナ)による加工
(3)切削のしくみ
  切る形態 (a)まきわり (b)餅切り
  切削の形態 (a)流れ形 (b)せん断形 (c)き裂形 (d)むしれ形
(4)構成刃先
  被削材が鋼,鋳鉄,黄銅などでは,バイトの刃先温度がある温度以下であると構成刃先が発生し,切削面が悪く・寸法精度も出しにくくなる
  構成刃先とは,切りくずの一部が刃先に付着し,高い圧力で押し付けられて硬化したもので,生成・脱落が極めて短い時間の間で繰り返す
   切削速度を上げ刃先の温度が被削材の再結晶温度を超えると,刃先付着物が硬化しなくなる
(5)切削工具材料の種類
  合金工具鋼,高速度工具鋼,超硬合金,サーメット,セラミックス,CBN(立方窒化ホウ素),ダイヤモンドなど
  a.高速度工具鋼(SKH)
   炭素工具鋼にW,Cr,V,Coを加えたタングステン系,さらにMoを加えたモリブデン系がある
   熱処理によって著しく硬さがまし,鋼材の切削中に刃先が高温度になっても切れ味が落ちない
  b.超硬合金
   炭化タングステンWCの粉末をCoなどを結合材として焼結した金属
   耐熱性・高温硬さに優れるが,もろくて欠けやすい(抗折力は高速度工具鋼の半分弱)
  c.サーメットおよびセラミックス
   サーメット工具はチタンカーバイトTiCを主成分として焼結したもの
   セラミックスは酸化アルミナAl2O3が主成分
    白セラは耐熱性・高温度硬さ,黒セラは欠けやすさが改善されている
  d.ダイヤモンドおよびCBN
   アルミニウムなどの非鉄金属,複合材料などの加工に使用
   熱に弱く,600℃程度で切削工具としての機能がなくなる,また鉄Feと非常に反応しやすく磨耗が激しいので,鉄系材料の加工には使えない
   CBN(立法晶窒化ホウ素)は人造ダイヤモンドと同じ製法で窒化ボロンをダイヤモンドと同じ結晶構造にしたもので,鉄系材料と反応しない
(6)超精密加工
  切削加工の加工精度は切削工具・機械・工作物の影響を受ける
  超硬やダイヤモンドコンパックスは,数μmの粉末を固めたものなので,表面粗さは数μmが限界
   →良好な表面粗さを得るには,刃先先端をフラットにした単石ダイヤモンド 
  加工機械が振動すると悪影響を及ぼすため,スピンドル軸受には空気軸受・制圧軸受を用いる
(7)超高速加工
  超硬工具を使っての鋼材切削速度は100~200m/min
  CBN工具などを利用した超高速切削開発が進められている
   高速回転による工具ホルダに触れがあると遠心力が大きく作用する問題点
まとめ
@円筒物の加工には旋盤,穴あけ加工にはボール盤,面を中心とした加工にはフライス盤が用いられ,使用頻度の高いのがこの3機種.
A構成刃先が刃先に生じると,寸法精度,切削面の品質に大きく影響する
B工具材質では,高速度工具鋼,超硬合金が広く用いられ,じん性を必要とする場合は高速度工具鋼とするが,なるべく超硬工具を用いる
Cダイヤモンドはもっとも硬い物質で,工具としても非鉄金属の切削に有効で精密仕上げに用いられる.鉄系材料には炭素が吸収されることと,高温に弱いことから用いられない
DCBNはダイヤモンドに次ぐ硬い人造物質で,ダイヤモンドと同じ結晶をしており,焼入れ鋼や難削材の切削・研削に有効
E超精密切削は,振動・振れがほとんどない主軸及びテーブル送り機構をもつ専用機に単石ダイヤモンド工具を用いて,鏡面および寸法精度に優れた加工を行う方法

14.研削加工
 研削加工は,研削砥石を高速度で回転させて工作物を切削する加工法で精密工作法の一つ
(1)研削作業の種類
   (a)円筒研削 (b)平面研削 (c)内面研削 (d)心なし研削 (e)ねじ研削 (f)歯車研削 (g)ならい研削 (h)切断
  a.円筒研削
   円筒形工作物の外周を研削する作業
   トラバース研削:砥石に切り込みを与えて,工作物を左右に動かして研削する方法
   プランジ研削:工作物を左右に動かさず,砥石に向かって切り込んでいく方法
  b.平面研削
  c.内面研削
   砥石の磨耗が激しく,砥石軸がたわみやすい
  d.心なし研削
   量産にてきした研削作業
  e.その他の研削
(2)研削砥石
  研削砥石は砥粒・結合剤・気孔からなる
  a.砥粒
   一般的には人造研削剤(アルミナ質系と炭化珪素質系がある)
  b.粒度
   硬くてもろい場合・仕上げ研削・接触面積の小さいときは細目の粒度
   軟らかくて延性のある材料・荒研削で切り込みや送りの大きいときは荒い粒度
  c.結合度
   @軟質材料には硬い砥石,硬質材料には軟らかい砥石を使用
   A砥石と工作物の接触面積が小さいときは硬い砥石,大きいときは軟らかい砥石を使用
    研削速度(砥石の周速度)が速くなれば硬く, 遅くなれば軟らかくなる傾向がある
  d.組織
   硬くてもろい材料や研削しろの少ない仕上げ作業では密な組織,軟らかく延性の大きな材料や荒研削では粗い組織のものを用いる
    工作物と砥石との接触面積が小さいときは密,大きいときは粗の組織のものを用いる
  e.結合剤
   粘土質を焼成したビトリファイド結合剤,水ガラスを主体としたシリケート結合剤,有機質の結合剤を用いて作ったエラスチック(レジノイド・ゴム・シェラック・ビニルなど)
(3)自生発刃
  砥石表面にある砥粒が磨耗して切れなくなってくると,砥粒に加わる研削抵抗が大きくなり,砥粒は破砕するか脱落して逐次新しい切れ刃を持つ砥粒にかわることを自生発刃
  (a)目詰まり (b)目こぼれ (c)目つぶれ
(4)ホーニング及びラップ
  ホーニングは,エンジンやコンプレッサなどのシリンダ内面や,高速軸受などの内表面を正確に仕上げする加工法
   前加工で穴の真円度や真直度および円筒度の精度が高くなっていることが必要
  ラップ仕上げは,ラップ工具と工作物の間にラップ剤(溶融アルミナや酸化クロムの粉末)を入れ,相対運動を与えることにより表面を平滑に仕上げる加工法
(5)超仕上げ
  軟らかい砥石を工作物に低い圧力で押し付け,工作物に回転を与えると同時に砥石に振動を与えて工作物表面を仕上げる方法
まとめ
@研削加工では,研削砥石が極めて硬い硬物質を砥粒として使用されているので,焼入れ鋼・超硬合金などの高硬度材料から,鋳鉄・銅及び銅合金,非金属材料(ガラス・プラスチック・石材など)にいたるまで,ほとんどあらゆる材料を高速度で削ることができ,しかも高精度の仕上げ面を得ることができる
A検索砥石の選択に当たっては,砥石を構成している5要素である砥粒・粒度・結合度・結合剤・組織について検討する
B研削は砥石の磨耗状況の進行形態によって,正常形・目つぶれ形・目詰まり形・目こぼれ形に分類される
Cホーニングは,棒状砥石に回転あるいは往復運動を与えて加工する仕上げ方法
Dラッピングは,ラップと被削材の間にラップ剤を入れて加工する方法で,平滑で平面度の高い加工が行える

15.塑性加工
塑性加工は材料がもっている塑性という性質を利用した加工法
(1)鍛造
  鍛造は金属材料を鍛造用工具,あるいは鍛造機械を用いて,たたいたり,押したり,伸ばしたりして所要の成形を行う加工法
  材料を再結晶温度以上に加熱して成形する熱間鍛造, 常温で行う冷間鍛造(押出し加工・引抜き加工・転造) に大別される
  熱間鍛造には自由鍛造(手作業による成形)と型鍛造がある
   型鍛造は上型と下型を鍛造機に取り付けて間に素材をいれて,衝撃力・圧縮力で鍛造
   鍛造品の内部組織は塑性変形を受けて,繊維組織(鍛流線)を示す
(2)圧延
  金属材料を常温または高温で,回転するロールの間を通過させて,所要の形状寸法の板材・条材・型材などをつくる加工法が圧延
  材料中の気泡を圧着して均質な材料をつくることができる
(3)転造
 被加工物が転動するような特殊な圧延加工が転造
(4)プレス加工
  a.せん断加工
   1)打抜き
    板状の材料から必要な形状の部品を切り取る作業
   2)穴あけ
    部品の要所の穴あけをする
   3)せん断
    板材の端から端までを直線,あるいは曲線に沿ってせん断する作業
   4)縁取り
    絞り成形したときの余分なところをとる耳取りや,型鍛造品のはみでた余肉(ばり)の切り落とし作業を指す
   5)縁仕上げ
    打抜き・穴あけした部品の切口面を少しずつ削り取り仕上げる方法
  b.曲げ加工
   V曲げ,端曲げ,U曲げ
  c.絞り加工
   平らな板金(ブランク)から継ぎ目の無い底付筒形を作る作業
  d.特殊加工
   1)引張成形 2)回転成形 3)ゴム,液圧による成形
まとめ
@鍛造品は,繊維組織により強度が増加する
A型材の圧延は多数の工程を経て,所要の形状に成形される
B板金加工は,広く使用されている加工法で,打抜き,せん断,深絞りが代表的なもの

16.溶接
(1)溶接の特徴
溶接の長所
  @製品重量を軽減できる
  A作業工程を少なくし,製作期間を短くすることができる
  B部品に気密性,水密性を容易に付加することができる
欠点
  @接合部付近は,熱影響を受けて母材の性質が劣化する
  A溶接熱により,ひずみが生じる
  B溶接部に応力が残留する
(2)溶接方法の分類
  燃焼ガスやアークなどの熱源を利用して,母材と溶加材を溶融させて接合する融接
  接合させる二つの部材にエネルギを与え,圧力を加えて接合させる圧接
  ろう材を接着剤として接合をおこなうろう付け
(3)アーク溶接
  アーク溶接法は,母材と電極との間にアークを発生させ,そのアーク熱により母材及び溶接棒を溶かして溶着金属をつくり,母材と母材を結合させる方法
   溶接線材そのものが電極となって溶融しながら溶接していく消耗電極式,電極はアークを発生させるだけで,溶加材を溶融させながら溶接をおこなう非消耗電極式がある
  a.サブマージアーク溶接
   溶接部にホッパからフラックスの供給を受け,フラックスの中でアークを発生させて溶接をおこなう
   溶接用ワイヤに大伝習を流すことができるので,溶け込みが大きく効率が良い溶接ができる
  b.ガスシールドアーク溶接
   溶接部と空気の遮断剤にガスを用いた方法で,イナートガスアーク溶接(ヘリウム・アルゴン),炭酸ガスアーク溶接(炭酸ガス)がある
  c.ノーガスシールドアーク溶接
   外部からシールドガスを流したり,フラックスを供給したりする必要のない溶接法,溶接に使われるワイヤの中にフラックスを内蔵したワイヤを使用
(4)その他の溶接
  a.ガス溶接
   燃料と酸素からガス炎を作り,熱で母材と溶加材を溶融して結合させる
  b.エレクトロスラグ溶接とテルミット溶接
   エレクトロスラグ溶接:電導性をもつスラグ浴中を流れる電流による抵抗熱でワイヤと母材を溶融し,鋼材を溶接する
   テルミット溶接:金属酸化物とアルミニウム粉末が酸化還元反応の際に生じる反応熱を利用した溶接法で,大きな断面をもつ部材の突合せ溶接に用いる
(5)抵抗溶接
  接合させる金属(母材)を接触させ,大電流を流して加熱,溶融温度に達すると同時に機械的圧力を加えて接合させる溶接
  抵抗溶接の利点
  @ガス溶接やアーク溶接のように,溶接棒やフラックスを必要としない
  Aアーク溶接に比べて溶接温度が低く,溶接後の変形やひずみがない
  B作業者の熟練度を必要とせず,多量生産の場合には経済的である
  スポット溶接(点溶接),プロジェクション溶接,シーム溶接,アプセット溶接(突合せ溶接)
まとめ
@溶接には,接合部を溶融状態にさせてからおこなう溶接の他に,圧接・蝋付けなどがあり,溶接する場合には,材料や工作物の性質・接合強さ・用途などを考慮して行う
A溶接は,他の機械的接合に比べ,製品重量の軽減・製作工程及び期間の短縮といった長所の反面,熱影響やひずみといった欠点がある

17.鋳造
(1)砂型鋳造法
  砂型鋳造法は,原型から鋳物砂を用いて鋳型をつくり,これに溶けた金属である溶湯を流し込む方法
   鋳物砂は成形が容易で安価なため,多く用いられる
  a.油砂型
   油砂型は,砂型の粘結剤に有機質の乾性油を用い,造形後加熱硬化させたもので,鋳型の強度は非常に高くなる
  b.CO2プロセス(ガス鋳型法)
   珪砂に珪酸ソーダ(水ガラス)を5%くらい混ぜて造型し,これにCO2ガスを通気させて硬化させた鋳型をガス型といい,この高低をCO2プロセスという
   コストはかかるが,強度は乾燥型よりも高く,造型速度が速いために普及している
(2)精密鋳造法
  a.シェル型法
   シェル型は粘結剤にフェノール樹脂を用いた鋳型で,工程は自動化されており量産が可能
   利点は,強度が大で吸湿性がなく,通気性がよく,鋳込み後の砂落としが容易で鋳造面もきわめて良質
   樹脂の熱分解から大きさに制限がある
  b.ロストワックス法
   ろうを模型としてその周囲に鋳型材料をつめ,焼成してろうを流しだして造型する方法
   寸法精度が高い鋳物ができるが,工程が複雑で鋳型材料が高価なため,複雑形状の特殊合金の鋳造に最適
(3)遠心鋳造法
  溶湯を高速で回転する鋳型内に注入し,遠心力により鋳物の材質を緻密にし,溶湯内の比重の軽いスラグなどは内側に寄せ,品質の高い鋳物が得られる
(4)ダイカスト
  溶湯を高圧力で金型内に注入して成形する鋳造法で寸法精度が高く,量産に適すが,溶融点の高い鋼・鋳鉄では型の寿命が持たない
(5)真空鋳造法
  大気中の不純物を問題にするときに,真空中で溶解・鋳造を行う
まとめ
@鋳造法として,砂型鋳造法,シェル型鋳造法が広く用いられている
Aロストワックス法は,精密鋳造ができ,複雑形状の特殊合金の鋳造に用いられる
Bアルミ合金,亜鉛合金などは,ダイカストによって製作される
C真空鋳造すると,脱ガスされるので,高品質の鋳物が得られる

18.焼結
金属粉末をプレスで加圧成形して固め,熱を加えて粉末表面を溶解させて結合させることを焼結という
(1)焼結の特徴
  鋳造では溶融金属が凝固する際に組織の変化を伴い,偏析などが生じて内部と表面付近の組織が異なることがあるが,焼結では粉末を微細均一に分散させることで内部と表面の成分・性質をほとんど同じにできる
(2)熱間加圧法
  ホットプレス(hot press)は加圧成形と焼結を同時に行い,空孔を減少・消滅させる方法
  常温での加圧成形に比較して低い圧力で成形でき,焼結時間も短くなる
(3)CIP
  CIP(Cold Isostatic Pressing)は冷間静水圧加圧といい,均等に圧力を加えることから内部材質を均一とできるが,寸法精度が低く複雑形状に対応しにくい
(4)HIP
  HIP(Hot Isostatic Pressing)は熱間静水圧加圧といわれ,高温下でガス加圧により材料を静的に加圧圧縮する技術
まとめ
@焼結では,粉末を型の中に入れ,形状を自在に作ることができる
A焼結では,粉末材料を微細均一に分散させることができるので,内部と表面の成分・性質がほとんど同じにつくることができる
BCIPは冷間静水圧加圧というが,通常ラバープレスと呼ばれる
CHIPは熱間静水圧加圧といわれ,高温下でガス加圧により粉末材料を静的に加圧圧縮する.方向性の少ない均質材料,空孔を含まない焼結の製作に有効

19.特殊加工
(1)高エネルギ加工
  電気・化学エネルギを利用した加工法は,大量のエネルギを消費する割りに加工量はそれほどでもない
(2)放電加工
  プラスとマイナスの電極を接近させると,火花放電・アーク放電が起こり電極の一部が飛散することを利用した加工法が放電加工
  工作物の加工表面は穴状(crater)になる
  非接触加工で導電性の材料に適応でき,加工材の硬さに影響されないため,超硬合金のような超硬質材料の加工が可能
  a.ワイヤ放電加工
   ワイヤ放電加工は,加工する電極に張力をかけたワイヤを用い,加工物との間に微小間隔をつくり,加工物を微量ずつ放電により取り去る加工法
  b.NC放電型彫り加工
   丸棒あるいは角棒電極を用い,数値制御によって電極の動作制御をおこなう
(3)電気化学加工
  a.電解加工
   電解加工は,電極と加工物を微小間隔に相対して電解溶液の中に入れ,電源に接続することで加工物の金属を電極の形状に沿って成形する方法
   この総形加工は比較的加工速度が速く,加工変質層ができず電極の消耗が少ない
  b.電解研削
   加工物(金属)を+電極,砥石を-電極につなぎ,電解液で間を満たすことで表面を削り,陽極被膜が加工物表面にできると砥粒により取り除く
  c.電鋳加工
   母型に電着させる金属の厚さはめっきより厚く,電着後は母型から外して成形品とする
   複雑形状・寸法・表面状態など細部にわたって正確な複製を作成する方法
  d.プラズマ加工
   ガス気流の中でアーク放電を起こしたときに生じるプラズマジェット流と圧力により,超高温をもって切断・溶接・溶射などの加工を行う
(4)電子ビーム加工
  電子ビーム加工は,真空中で加速した電子を加工物に衝突させ,運動エネルギを熱エネルギにし,加工物を溶解させる加工法
  特徴は以下のとおり
   @5~10μmといった微細加工から大型溶接までおこなえる
   A一般に真空中で加工をおこなうため,汚染や加工中の酸化がない
   B高融点材料でも加工ができる
   C導電体,不導電体に関係なく加工できる
   D加工品質がよく,仕上げ加工を必要としないことが多い
  欠点
   @真空中の操作では取扱いが不便
   A熱による加工であることから,これに起因する変形がある
   BX線が発生するので安全対策が必要
(5)レーザ加工
  レーザは単色光すなわち同じ波長の光で集光性に優れ,レンズにより集光するとφ0.1mm程度のスポットにでき,物質の局部的溶解,蒸発・除去,酸化により,溶接・溶断・穴あけ・熱処理に利用できる
  特徴
   @高速熱加工で他の部分への熱影響が少ないことから,熱変形や熱影響層の残ることが少なくなる
   A非溶接加工であり,加工物に加わる力は小さくひずみや変形が少ない.同一品質の加工が継続的にできる
   B熱の集中が著しく高融点でも加工できるので,脆弱材料,難削材料も容易に加工できる
   C大気中でも加工できる.ただし,用途に応じて雰囲気を作ってやることも必要.X線などの有害なものの発生はない
   D高エネルギビームであるので,その取扱いには注意が必要.また,レンズ系などは汚れるので,掃除あるいは定期的な保守が必要
   E基本的には熱による加工法なので,切断面は溶融して切った面(溶断面)となり,他の加工法に比較して劣る部分もある
  a.切断加工
   日本でのレーザ加工の利用は,60%以上が板金加工用としての切断
  b.溶接
   溶接ではレーザビームを絞り,微小部分の溶接ができるだけでなく,ビード幅が狭いにもかかわらず,溶け込み深さが大きいことが効果となる
  c.表面改質
   レーザ表面焼入れでは,エネルギ密度を落とし加工物の表面を溶融させない適正エネルギ密度にすることが必要
(6)超音波加工
  工具が超音波発振器からの周波数により振動することで,砥粒が加工物を削る
(7)水撃加工
  高速流体の衝撃圧力を利用して加工する方法で,対象はコンクリート,れんが,木材,セラミックなどの脆性材料
  工具消耗がなく,加工費用は比較的安い上,加工においての条件設定がしやすく,切りくず排除も容易
まとめ
@電気・化学エネルギを利用した特殊加工法は,切削加工などに比較するとエネルギ密度の高い高エネルギ加工
A広く利用されている加工法に放電加工があり,ワイヤ放電加工,NC型彫りなど金型加工を中心に用いられている
Bレーザ及び電子ビームはエネルギ密度が非常に高いビームで切断・溶接などに広く用いられている

20.めっきおよび表面改質
(1)電気めっき
  溶液内に2枚の金属板を入れ,電位差を与えると,アノード(陽極)では電極の金属が溶解し,カソード(陰極)では金属が析出して金属の表面に被膜を形成する.このような表面処理をめっきという
  反応で析出する量はファラデーの法則に従い,反応で流れる電気量に比例する(一定の電気量によって析出する量は,その金属の化学当量に比例)
   平均厚さ=金属の析出量/(電極の表面積*析出金属の密度)
  めっきの作業工程:前処理{脱脂→酸洗→研磨→脱脂→酸浸漬}→後処理{めっき→水洗→乾燥→つや出し}
  a.前処理
   めっきする部品に付着している油について,まず浸漬脱脂を行う
   浸漬脱脂で取り除けない微細凹凸面のバフカス,油,焼入れのスケース,さびは,仕上げ脱脂として電解脱脂を行う
   表面の酸化物層やさびの除去には,研磨(バレル研磨・バフ研磨など)や酸処理を行う
  b.後処理
   鉄系材料のニッケルクロムめっきの後処理は,水洗した後,湯洗して熱風乾燥
  c.銅めっき
   シアン化銅浴,ピロリン酸銅浴,硫酸銅浴などを使って,プリント基板のスルーホールめっき,装飾兼防食用下地めっきに用いられる
  d.ニッケルめっき
   仕上げめっきの下地めっきとして用いられる
  e.クロムめっき
   クロムめっきは,光沢があり平滑な面が得られ,大気中で変色しないことから,めっきの材料として多く用いられる
  f.亜鉛めっき
   亜鉛は鉄より高い標準電位を持つため,鉄より先に腐食するので,鉄と組み合わせて用いることで防食の役割を担う
(2)無電解めっき
  電源を使わないめっきを行うには,化学的に反応させてめっき金属を析出させる
  置換めっき,接触めっき,非触媒化学めっき,触媒化学めっき(実用的)
(3)PVD
  PVD(Physical Vapor Deposition;物理的蒸着)は,物体の表面に薄膜をつくる技術で,代表的な方法に真空蒸着,スパッタリング,イオンプレーティングなどがある
  a.真空蒸着
   真空中で金属または金属化合物を加熱・蒸発させ,目的物質の表面に堆積させて薄膜とする
  b.スパッタリング
   グロー放電によって陰極の金属から原子あるいは微結晶粒を飛び出させ,これを付近に存在する金属の表面に付着させて被膜とする
  c.イオンプレーティング
   不活性ガスまたは反応性ガスの中で蒸発した金属や化合物をイオン化させて,加速しマイナス極に接続してある物質上に衝突させ薄膜とする方法
  d.DLC(Diamond-Like Carbon)
   C6H6(ベンゼン)など,炭化水素系ガスを熱電子の衝撃によってイオン化した後,電界により基盤に向かって加速し衝突させると,水素は飛び散り炭素が非晶質もしくは非晶質に近い状態になる
(4)CVD
  CVD(Chemical Vapor Deposition;化学的蒸着)は,化学気相めっきを呼ばれ,ガス反応を利用して金属,炭化物,窒化物,酸化物,硫化物などを蒸発させて,目的物質上に被膜をつくる
  2TiCl4+4H2+N2  → 2TiN+8HCl
  2TiCl4+3H2+C2H2 → 2TiC+8HCl
  2AlCl3+3H2+3CO2 → Al2O3+6HCl+3CO
  ZnCl4+2H2+2CO2  → ZnO2+4HCl+2CO
まとめ
@めっき反応の中で,アノードでは電極の金属が溶解し,カソードでは金属が析出し被膜を形成する
A導電性のないプラスチックにも無電解めっきでめっきが行える
BPVDは,物体の表面に薄膜を作る技術で,代表的な方法に真空蒸着,スパッタリング,イオンプレーティング,DLC皮膜がある
CCVDは,ガス反応を利用して金属,炭化物,窒化物,酸化物,硫化物などを蒸発させて物質の上に皮膜を作る

21.はめあいと表面粗さ
(1)寸法公差
  図面の指定寸法に対する加工誤差の範囲を決める際,指定された工作の基準となる寸法を基準寸法といい,これに対して実際に出来上がった寸法を実寸法と呼ぶ
  基準寸法に対して許される最大の寸法を最大許容寸法,最小の寸法を最小許容寸法といい,最大許容寸法と最小許容寸法の差を寸法公差という
  最大許容寸法から基準寸法を引いた値を上の寸法許容差,最小許容寸法から基準寸法を引いたものを下の寸法許容差と呼ぶ
(2)はめあい
  軸と穴が互いにはまり合う関係を"はめあい"と呼び,軸と穴が相対運動するときにはすきまが,固定する場合にはしめしろが必要になる
  "すきまばめ"は穴と軸の間に必ず隙間が生じるはめあいで,穴の最小寸法と軸の最大寸法差を最小すきま,穴の最大寸法と軸の最小寸法差を最大すきまという
  "しまりばめ"は穴と軸の間に必ずしめしろが小実はめあいで,穴の最大寸法より軸の最小寸法が大きくなる
  "中間ばめ"は中間的なはめあいで,実寸法によってすきまができることも,しめしろができることもある
  はめあい部分を加工する場合,穴基準と軸基準の工作があるが,一般的には穴基準方式を採用
(3)表面粗さ(表面性状パラメータ)
  機械部品の表面に切削加工や研削加工により生じる細かい凹凸の程度を表面粗さといい,表面の凹凸,きず,節目などを総称して表面性状Surface textureという
(4)表面性状パラメータ
  a.Ra:輪郭曲線の算術平均高さまたは粗さ曲線の算術平均高さ
  b.Rz:輪郭曲線の最大高さ(粗さ曲線の最大高さ)
  c.Rzjis:十点平均粗さ
(5)表面性状の表示法
まとめ
@軸と穴が互いにはまり合う関係を"はめあい"と呼ぶ
Aはめあいには,すきまばめ・しまりばめ・中間ばめがある
Bはめあい部の加工には,穴基準と軸基準がある
C部品,構造部材などの表面粗さ,きず,節目,うねりなどを表面性状という
DJISでは,表面粗さの表示がISOに準じて改正されている

22.ジグ・取付具
(1)ジグの能率と経済性
  補助の道具立てや用具を総称してジグ(jig)といい,切削工具を案内する装置のあるものをジグ,加工物を所定の位置に取り付けて固定するものを取付具と分けて区別することもある
  能率よく加工し,コスト低減を図る為に検討すること
   @数個の同一形状の品物を重ねて取り付け,同時に加工する
   A数個を同時に一箇所で締め付ける
   B1回の取付で,数箇所の加工工程を連続,あるいは同時に加工する
   C2個以上のジグを用意し,一方で加工しているとき,他方で品物を取付けて交互作業あるいは連続作業を行わせる
  ジグ製作費と作業能率の向上
   @少量生産では,ジグ製作費の少ない方がよく,多量生産では,作業能率のよい工数の少なくなるジグを設計する
   A繰り返し生産を行う場合は,寿命の長いジグに設計する
   B類似部品,類似作業がある場合は,なるべく共用して使えるようにする
   Cジグ製作費を安くし,ジグを転用できるためにも,部品・材料・機械などを標準化・規格化しておくとよい
(2)ジグ設計の原則
  ジグには,同じ位置に取り付ける位置決めと,工作物を締め付ける機能が必要で,製作上の注意点は
   @簡単な機構・構造にする
   A締め付けにより,加工物が変形しないようにする
   B角部や端部は面取りをし,作業者の安全及び加工部の傷の防止をはかる
   C重要箇所は,耐磨耗材料や焼入れした材料を使用する
   D位置決め・取付けに誤りが起こらない方法をとる
(3)位置決め方法
  ジグ・取付具では,工作物を必要な位置に正確に,かつ繰り返し取付けることができなければならない
  1.心出しの方法;回転軸の位置と方向の決定
   @センター穴をもつ心金の利用
   Aコレットチャック(collet chuck)の利用
   B心出しピンの利用
  2.V溝の利用;Vブロックなどを利用して円筒物を固定
  3.突き当てによる位置決め;方向と位置を規制
   @段差つきブロックの利用
   A位置決めピンの利用
(4)高さの調節
  @ねじ機構の利用;まめジャッキなど
  A標準寸法プレート,ブロックの組み合わせ
(5)締め付けの方法
  工作物のジグによる締め付けは,取付け・取り外しをできるだけ容易にし,締め付けによる変形・浮き上がりのないようにするため,締め付け力が均等にかかるようにし,作用する部分と工作物の支持点を一致させることが大切
  @ねじによる締め付け;ボルト・ナットおよび締め金などを用いる
  Aカムによる締め付け;操作が簡単,軽い締め付けに適する
  Bくさび,リンクによる締め付け;ストローク・作用力の調整が容易
まとめ
@ジグ製作費を安くすることが基本だが,品質を良くし作業能率をより向上させる為に,高価なジグを採用することもある
A簡単な構造は故障が少なく,製作および修理が容易で安価となる
Bジグの設計にあたっては,未熟練者,不注意な操作を想定し,誤った向きに取付けられないように工夫する
Cジグの具備すべき代表的な機能は,工作物の位置決めと締め付けによる固定
D位置決めで重要なことは,重複位置決めをしないこと,すなわち基準を2箇所としないこと
E位置決め及び締付け・固定の方法には各種あるが,用途に応じた適切な方法を組み合わせる

23.流体と機械 -ポンプ-
(1)液体の性質
  水は1気圧増すと体積が1/20000収縮するがほぼ変わらないと考えてよい;非圧縮性
  液体が流れると流れの間に摩擦力が生じ,渦や波を生じる;粘性
  液体には,分子力により離れまいとする力;凝集力,固体の分子に付着しようとする力がある;付着力
  液体の表面から深さH(m)にある面積A(m^2)に作用している圧力P(N/m^2)とすると,大気圧をPa(N/m^2)とした場合
   P=Pa+γHA/A=Pa+γH γ:比重量(水は9800N/m^3)
  絶対真空を基準とした圧力を絶対圧力,大気圧を基準とした圧力をゲージ圧という
   P=γH
  深さH(m)の液体の圧力は,単位体積の液体の重さに深さをかければ求められる
(2)パスカルの原理
  パスカルの原理は「密閉された容器内にある液体の一部に加えられた圧力は,同じ強さをもって,液体の全ての部分の面に直角に伝わる」
   P1/A1=P2/A2 A1,A2:断面積 P1,P2:圧力
(3)連続の式
  一つの管の中を液体が流れているとき,細い管の部分は流れが速く,太くなっている部分では流れが遅くなる
   Q=A1v1=A2v2 Q:流量 A1,A2:断面積 v1,v2:流速
(4)ベルヌーイの定理
  基準の位置に対して高い位置にある水は,高さに相当するエネルギ(位置エネルギ)を持っている
  一般的な流体では,基準高さに対してh(m)の高さを持って,P(N/m^2)の圧力が作用し,v(m/sec)の速度で流れていると,エネルギ保存の法則から流体1m^3の重量,すなわち比重量γ(N/m^3)は
   v^2/2g+P/γ+h=一定 重力加速度g=9.8m/sec^2
  v^2/2g:速度水頭,P/γ:圧力水頭,h:位置水頭
(5)ポンプの揚程
  動力を用いて,低いところにある液体を高いところに上げたり,液体に圧力を与えたりする装置をポンプ(pump)といい,ポンプの揚水できる高さを揚程という
(6)ポンプの所要動力
  ポンプの全揚程をH(m),排水量をQ(m^3/sec)とすると,ポンプの必要とする理論的動力;水馬力は
   水馬力L0=γQH/1000(kW),あるいはL0=γQH/735馬力(PS) 1馬力=1PS=735N*m/sec
  機械的な摩擦,水漏れなどの動力損失によるポンプ効率ηは65%~85%程度
  運転に必要な馬力=軸馬力L
   軸馬力L=γQH/1000η(kW),あるいはL=γQH/735η(PS)
(7)ポンプの種類
  a.渦巻ポンプ
   羽根車を回転させて水に回転運動を与え,遠心力で揚水する;遠心ポンプともいう
   案内羽根のないものをボリュートポンプ(volute pump)といい,低揚程に用いる
   案内羽根のあるものをタービンポンプ(turbine pump)といい,高揚程に適する
  b.軸流ポンプ
   スクリュー型の羽根車をもつポンプで,水が軸方向に沿って流れ,低揚程,大水量に適したポンプで,排水・灌漑などに用いられる
  c.往復ポンプ
   ピストンの往復運動によって直接,水に圧力を与えるポンプで,高圧を得られるが,欠点として脈動する事がある
  d.ロータリーポンプ
   一般的に構造が簡単で扱いやすく,油や粘性の大きい液体の圧送に適している
まとめ
@液体は非圧縮流体と考える事ができ,連続の式が適用される
Aベルヌーイの定理は,流体が動くとき,エネルギの損失がないという仮定のもとに成立し,実際の流動では損失を考慮する
B工場での揚水などには,渦巻きポンプが広く使用されていうる

24.流体と機械 -油圧と空気圧-
(1)油圧ポンプ
  a.歯車ポンプ
   外接式と内接式があり,構造が簡単で安価なので広く使われており,吐き出し圧力は140kgf/cm^2を超え,高い効率のものが常用されている
  b.ベーンポンプ
   形状が比較的小さく簡単で,ベーンが磨耗しても隙間ができないので,圧力降下とならない,吐き出し圧力70kgf/cm^2以下で通常使われる
  c.プランジャポンプ
   高い圧力を得ることができ,吐出し量を変化させることも比較的容易,アキシャル形・ラジアル形・往復運動形に分類される
(2)バルブの種類
  油圧ポンプから吐出された圧力油は,管を通り油圧シリンダなどのアクチュエータ(外部に対して仕事をする機構)に到達する間に,方向制御弁,圧力制御弁,流調整弁によって,方向,圧力,流量が制御される
  a.切替弁
   スプール式,ロータリー式があり,スプール式は高圧・大容量でも変換が容易にできる
  b.逆止め弁
   チェック弁ともいい,反対方向には流れないようにしたもの
  c.デセラレーション弁
   往復動する機構において,折り返し点付近で減速させる働きをする弁
  d.リリーフ弁(圧力調整弁)
   予定以上の圧力に油圧回路がなったとき,弁を開いて作動油の一部をタンクに戻す役割をするのはリリーフ弁
  e.流量制御弁
   油圧回路の圧力降下などを特に配慮せず,単に水道の蛇口のように流量を制御する場合は絞り弁を用いるが,油圧回路の圧力を配慮した場合には流量制御弁を用いる
(3)アクチュエータ
  基本的には油圧シリンダと油圧モータ
(4)油圧回路例
  油圧回路の主な構成機器は,油をためておくタンク,油圧ポンプ,圧力調整弁,方向制御弁,流量調整弁,逆止め弁,油圧シリンダから構成される
(5)空気圧
  油や水が非圧縮流体であるのに対し,空気は圧縮流体である
   @油圧のように,装置ごとにポンプを必要としない
   Aタンクの中に圧力としてエネルギを貯蓄することができる
   B機械的な動きに対しては,速度の制御が困難である
   C動作速度は,一般に油圧より速くなる
まとめ
@油圧ポンプとしては,歯車ポンプ,ベーンポンプ,プランジャポンプが用いられる
A油圧回路の制御には,方向制御弁,圧力制御弁,流量制御弁を用いて行う
B空気圧は,圧縮流体を媒体としていることが油圧と本質的に違う

25.熱と動力 -熱機関-
(1)熱力学の第一法則
  「熱と仕事は互いに転換できるもので,機械的仕事が熱に変わり,または熱が機械的仕事に変わる場合,機械的仕事と熱量の比は一定である」;熱力学第一法則
  熱と仕事間のエネルギ不滅の原理
   W=JQ W:仕事,Q:熱量,J:熱の仕事当量(J=4187N*m/kcal)
  物体に熱を加えると,熱は物体の内部エネルギになったり,外部に対して仕事をする
   dQ=du+AdW=du+APdv dQ:加えた熱量,du:内部エネルギ増加量,dW:外部に対して行った仕事,P:気体の圧力,dv:増加した容積
(2)圧力・容積線図と仕事
  流体の状態は,温度,圧力及び比容積(単位重量あたりの容積)の3量であらすことができる
(3)カルノーサイクル
  熱機関サイクルの理想的なものに,カルノーサイクルがある
(4)熱力学の第二法則
  熱を仕事に変えるには熱機関が必要で,この熱機関は温度差を持っている
  熱機関では,高温と低温の二つの温度間で動作する動作流体をもち,高温で熱を得て,低温で熱を捨てることによって仕事をすることになる
  「熱機関の動作流体をして仕事をさせるには,これよりさらに低温度の物体が必要である」;熱力学第二法則
(5)熱機関の動作
  ガソリン機関に広く用いられている4サイクルエンジンは,シリンダ内のピストン往復運をクランク軸の回転運動に変換するもの
(6)ガスサイクル
  オットサイクルは,ガス機関,ガソリン機関,石油機関の基準サイクルとなるもの
  断熱圧縮→熱量吸収(燃焼)→断熱膨張+仕事→熱量放出
  圧縮前の容積と圧縮後の容積比,すなわち圧縮比εとすると
   η=1-(1/ε)^(k-1) k=定圧比熱/定容比熱
  ディーゼルサイクルでは,定容ではなく定圧状態で燃焼させる(燃焼しながら膨張)
  効率は,容積比すなわち締切比σとすると
   η=1-(1/ε)^(k-1)*{(σk-1)/k(σ-1)}
(7)実際の指圧線図
まとめ
@熱機関の解析にとって,圧力・容積線図はきわめて重要
A熱を仕事に変えるときには,温度差及び動作流体が必要
B理想的な熱機関として,カルノー機関を考えることができる.これは可逆サイクルで,その効率はη=1-T2/T1となる

26.熱と動力 -各種のエネルギ-
(1)エネルギの種類
  最も広く使われているのは石油,液体で取り扱いやすく,石油化学装置などにおいて大型化,連続化がはかれるため
(2)石油
  石油は炭素と水素の化合物の炭化水素から構成されている
  混在している炭化水素は分子量により沸点が異なることを利用して分ける;分留
  分子量の大きい炭化水素に,高い圧力をかけて小さな分子に分解する方法(クラッキングあるいは分解蒸留)により,高分子炭化水素からもガソリンが取り出せる
(3)石炭
  人類が使用している化石燃料は,石油(液体),石炭(固体),天然ガス(気体)だが,固体の為連続して燃料供給ができず供給量の制御も困難
  また,燃焼すると殆どがCO2になる為,採掘可能年数に対して利用は少ない
(4)液化天然ガス
  液化天然ガスLNG(Liquefied Natural Gas)はメタンを主成分とする天然ガスを-160℃まで冷却して液化したもの
  @LNGはメタンを主成分とし,エタン,プロパンなどを少量含む燃料で,硫黄分を含まないクリーンなエネルギ源
  A発熱量は,13000kcal/kgと高く,ガス化したものは供給が容易
  B液化する際にエネルギを消費するが,冷熱としてエネルギを蓄えているので,再利用可能
(5)オイルサンド,オイルシェール
  オイルサンドは,炭化水素を含む砂で有機物を熱分解して得られるタールとは異なり,エネルギとして利用するには,採掘・分離・精製が必要
  オイルシェールは,有機物を含む堆積鉱床で,真空状態で熱して石油を生成する
(6)核エネルギ
  ウラン中性子を衝突させ,核分裂を起こしたときに放出されるエネルギ
  ウラン1kgの核分裂によって生ずるエネルギは,石炭3000tを燃焼させたものと同じ
(7)自然エネルギ
  a.水力発電
   ダムによる発電はエネルギ発生に関しては自然循環型だが,生態系を崩す
  b.風力発電
  c.バイオマス
   光合成により太陽エネルギで成長した植物をエネルギ源とする
  d.ソーラシステム,燃料電池
   大容量のエネルギ供給源としては限界がある
まとめ
@石油が広く利用されている理由は,液体で取扱いやすく,石油化学装置で大型化,連続化がはかれるため
A原油を沸点の違いを利用して沸けることを分留という
B石炭の液化は,石油代用品を作る技術
C原子力は,発電エネルギとして高い比率で利用されてい

Report3
課題.1 つぎの文章のうち,正しいものに○印,誤っているものには×印を( )内に記入しなさい.
() (1) 切削加工法の種類には,刃物による加工と,と粒による加工(研削加工など)がある.
(×) (2) 構成刃先は,工具の刃先温度が被削材の再結晶温度を超えると発生しやすくなる.
() (3) 旋盤で金属を削る場合,切削条件によって切りくずのでき方には,流れ形,せん断形,き裂形,むしれ形があるが,流れ形がもっとも切れ味がよい状態である.
(×) (4) 超硬合金は,WCの粉末をCoなどを結合剤として焼結した金属で,耐熱性,高温硬さ,抗析力とも高速度工具鋼よりもすぐれている.
() (5) CBN(立方晶窒化ホウ素)でつくられた切削工具は,ダイヤモンドに次ぐ硬さをもち,焼入れした鋼も切削することができる.
() (6) 研削砥石の構造は砥粒・結合剤・気孔の3つから成っており,このうち気孔は切りくずの逃げ場となり,また研削による発熱をおさえる役目をする.
() (7) 研削砥石表面にある砥粒が摩耗して切れなくなると,研削抵抗によって砥粒は破砕したり,脱落して新しい砥粒に変わってくる.これを自生発刃という.
() (8) 鍛造品の内部組織は繊維組織となっているが,繊維組織に平行な引張強さは,その直角方向に比べて1.5-2倍くらいの強さがある.
() (9) せん断加工において,穴あけとは板金から目的の形状の穴をあける作業をいい,打抜きと反対に打ち抜かれたほうが製品となる.
(×) (10) アプセット溶接は,接合する二つの金属にフラックスを塗布して突き合わせ,そこに通電して加熟し,適当な溶接温度になったとき,圧力を加えて溶接する.
() (11) ロストワックス法は,ろうを模型としてその周囲に鋳型材料をつめ,焼成して模型を融解させて鋳型をつくる方法である.
(×) (12) 焼結金属は,表面と内部の成分はほとんど同じであるが,硬さは表面のほうが内部より硬い.
(×) (13) 放電加工では鉄鋼材料の加工は行えるが,超硬合金のような焼結金属には加工ができない.
(×) (14) φ30H7の穴とφ30h7の軸のはめあいは,中間ばめとなる.
() (15) 表面粗さの記号Raは算術平均粗さ,Rzは最大高さ粗さを示す.
() (16) 下図に示す表面性状の筋目方向の記号は,加工による条線が2方向に交差していることを意味している.

(×) (17) 渦巻ポンプにはボリュートポンプとタービンポンプがあるが,高揚程に適しているのはボリュートポンプである.
(×) (18) 油圧装置において,作動油の圧力が高くなり過ぎると,作動油の一部をタンクに戻す弁をデセラレーション弁という.

課題2 全揚程10m,揚水量6[m3/min],ポンプの効率70%の渦巻ポンプの必要馬力[kW]を求めなさい.
   ただし,水の比重を9800[N/m3],1[kW]=1000[N・m/S]とします.
    水馬力=水比重*揚水量*全揚程/1000*効率%
    揚水量6[m3/min]=0.1[m3/sec]
    馬力=(9800*0.1*10)/(1000*0.7)=14  答え.14[kW]


課題3 つぎの文の{ }に,最も適切な語句を下欄の[ ]内から選び,その記号を記入しなさい.
(1) {e}とは,最大許容寸法と最小許容寸法の差のことである.
(2) 最大許容寸法から{j}を引いた値を上の寸法許容差という.
(3) はめあいにおけるしまりばめでは,穴の最大寸法より軸の最小寸法のほうが{a}なり,この寸法差を{d}という.また,軸の最大寸法と穴の最小寸法の差を{c}という.
  すきまばめでは,穴の最大寸法と軸の最小寸法の差を{f},穴の最小寸法と軸の最大寸法の差を{g}という.
(4) はめあい部分を加工する場合,穴基準と軸基準のいずれかを選定するが,一般には{h}を採用する.
  [a.大きく b.小さく c.最大しめしろ d.最小しめしろ e.寸法公差 f.最大すきま g.最小すきま h.穴基準 i.軸基準 j.基準寸法]

課題4 下図のような水圧機で,小さいピストンの直径を3cm,大きいピストンの直径を12cmとする.
   小さいピストンにP1=10[N]の力を加えると,大きいピストンが受ける力P2はいくらですか.
P1/A1=P2/A2
P2=P1*A2/A1
 =10*36π/2.25π
 =160


答え.160[N]


課題5 A群の切削工具材料ともっとも関係の深いものをB群から選び,その記号を(  )の中に記入しなさい.
A群
 
B群
(1)高速度工具鋼 ( b ) a.TiCなどを主成分した焼結金属
(2)超硬合金 ( d ) b.炭素工具鋼にW,Cr,V,Moなどを添加
(3)セラミックス ( e ) c.立方晶窒化ホウ素
(4)サーメット ( a ) d.WCを主成分とした焼結金属
(5)CBN ( c ) e.Al203を主成分とした焼結酸化物

#04-(2007/02/01)
27.計測
(1)長さ
  部品の寸法測定には,一般にスケール・ノギス・マイクロメータ・ダイヤルスケールなどの測定器具を使用
  スケールは大まかな寸法測定,部品の要求精度によりノギス(0.1~0.01mm),マイクロメータ(0.01~0.001mm)を用いる
  a.バーニヤ
   ノギスにはバーニヤ(副尺)がついており,本尺と副尺の一致点を読むことで更に細かい単位を測定できる
   バーニヤは本尺のn個の目盛の長さに対して,(n-1)個の長さをn等分して作り,本尺の1目盛りの長さの1/nまで読み取ることができる
  b.ねじによる拡大
   マイクロメータは通常ピッチ0.5mmの測定ねじが用いられ,シンブルの目盛は外周を50等分して1目盛りを0.01mmとしている
  c.測定の基準
   長さの基準は,赤道から北極までの距離の1000万分の1を1メートルの単位とした原器が用いられたが,現在では「メートルは,1秒の299792458分の1の時間に光が真空中wp進む行程の長さである」と規定されている
   工場での長さ基準は,この基準に基づいたブロックゲージを用い,ブロックゲージを組み合わせて密着(リンキング)させ所要の寸法を得る
  d.比較測定
   ダイヤルゲージなどにより長さを直接測定可能だが,ブロックゲージを基準として比較測定する方が,測定精度が上がる
  e.限界ゲージ
   道具や機械を使って品物の長さなどの測定量を正確に調べ,数値で表すことを測定という
   要求される条件を満たしているかどうかを調べ,合否の判定にすることを検査という
   寸法の検査において,許容範囲の最大寸法と最少寸法を基準寸法とした2個のゲージを組み合わせ,部品と寸法の比較を行い,合否の判定をする検査装置を限界ゲージという
  f.電気的変換
   筒形コイルの中を検出端と一体になった棒状コアを移動させ,移動量に応じて生じた2次電圧を検出して移動量に換算する方法
   同様に,インダクタンス変化を利用したもの,二つの金属間の電気容量変化を利用したもの,磁気ひずみ変化を利用したものもある
  g.空気マイクロメータ
   空気の流れ抵抗によりテーパ管中に浮いたフロートが,流量に応じて位置が変わることを利用した測定器で測定範囲は狭いが,簡単にμm単位の測定ができる
   流量式の他に背圧式の空気マイクロメータもある
  h.光の利用
   光源から発した光が,干渉計を通り測定対象と同一の動きをする反射鏡にあたり,干渉計を通り測定部に戻る光路で,測定対象物に速度があると位相差が生じて周波数に変化が起こることを検出する方法
   温度・湿度・空気の流れの影響があるが,トンネルの中など長い距離を高精度に測定できる
(2)時間
  時計では水晶の固有振動数を利用した電子式のものが最近きわめて多く,水晶発振子は有効数字を6~8桁とでき非常に正確
(3)ホトセンサ
  物体の有無を判別するのにホトセンサが用いられる
  ホトインタラプタは,発光・受光素子を一定の間隔をもって対抗させた構造で,2つの素子の間を物体が通過すると,光量が変化することを検出
  反射形ホトセンサは,発光素子からの光が反射物体の有無により光量が変化することから検出を行う
(4)回転角・回転数
  ホトセンサによるエンコーダーで,回転核および回転数を検出することができる
(5)力
  弾性体のたわみが力に比例するため,弾性体の変形量から果汁を換算する方法が広く用いられる
(6)圧力
  a.弾性圧力計
   圧力を受けると弾性体が変形することを応用したものにブルドン管圧力計,ダイヤフラム圧力計,ベローズ圧力計,空ごう圧力計がある
   ブルドン管は断面が楕円形で,圧力が内部に作用すると断面が円形になろうとして管の自由たんが移動する
   ダイヤフラムは薄い板で圧力を受けて変形するが,ダイヤフラムの弾性力とばねによって平衡状態となるが,変形量に応じて指針を回転させる
  b.液柱圧力計
   U字管などで,外部の圧力と内部の圧力の間の差圧に相当する分だけ,液柱差が生じる
   高圧用には水銀,低圧用には水を用いる
(7)流速及び流量
  流体の流速及び流量の測定には,ベルヌーイの低利に基づいて液柱で示される差圧から求めるピトー管,ベンチュリ管が用いられる
  これらの計器は流れを阻害する欠点があり,流れを阻害しない超音波を用いて計測する方法が実用されているが高価である
  空気の流量の計測には,入口と出口の差圧によって回転する,ルーツ流量計や翼車形流量計が用いられる
(8)振動
  振動の測定方法
   @振動体にセンサあるいは計器を取り付けて測定する
   A外部の静止した所から振動を測定する
  工業的に振動を取り扱う時は,測定対象物に振動ピックアップを取り付けて測定する方法が一般的
  地震計では計器も動くので,ばねと重量から動かない点(不動点)をつくって振動を記録する
  a.動電形振動センサ
   磁気回路において,磁束を導体が切るように動くと,運動の速度に比例した起電力を発生し,この起電力から振動の状態を検知するのが,導電形振動センサである
  b.圧電形振動センサ
   ロッシェル塩,電気石,水晶などの物質は,圧力を加えると機械的なひずみに比例する電荷を発生し,これを圧電効果という
   圧電素子としては人口の強誘電体物質であるチタン酸バリウム,ジルコン酸鉛などの多結晶セラミックが用いられる
  c.サーボ加速度センサ
   可動部の動きが変位検出部によって検出され電気信号に変換される,この電気信号を増幅し,駆動部にフィードバックして復元力とする
   振動に伴う可動部の慣性力と復元力をバランスさせ,このときの復元力の出力電圧を検出する
(9)温度の計測
  工業的に良く用いられる温度計は,熱電温度計,抵抗温度計,放射温度計
  a.熱電対(thermocouple)
   2種の異なった金属線で閉回路を作り,その2接点を異なった温度に保つと,温度差に応じた熱起電力を発生し,これを熱電対という
   温度の計測では,一方の接点を計測対象と同じ温度に,もう一方を基準温度とする
  b.放射温度計
   放射温度計は,高温物体の放射光から放射エネルギの量を計算して,温度に換算して示す温度計で,接触不可能な高温物体や食品関係の温度測定に適している
   測定温度範囲は,-500~1000℃,450~2000℃,600~3000℃などがある
(10)三次元測定機
  三次元測定機が実用的に,かつ高精度に測定が実施できる理由
   @測定物との接触状態を高精度に判別するタッチセンサができた
   A測定ヘッドをスムーズに移動させる機構・技術が確立した
   Bコンピュータにより,測定データをもとに幾何学的な処理が迅速に,かつ高精度に行えるようになった
  a.プローブ
   測定では,プローブ(測定子)が測定面に一定の測定力で接した時に信号を出力し,制御部はそのときのX・Y・Z座標値をデータとして取り込む
   接触信号の出力は接点式と変位量検出式があり,接点式はタッチ信号プローブあるいはタッチセンサと呼ばる
  b.ティーチングとCAT
   測定手順は,測定内容によって各社ソフトウェア化されているのがほとんどである
   作業者のおこなった測定手順は,機種によっては記憶しておくことができ,これをティーチングといい,無駄な動作は削除して2個目以降の測定を効率的に行える
   測定プログラムの作成は実物がないとわかりにくいので,実物の代わりにCADモデルを使って測定プログラムをつくる方法があり,CADデータを利用するものでCAT(Computer Aided Testing)と呼ばれる
  c.三次元測定機による効果
   従来の測定に対し,三次元測定機を利用することで得られる効果
   1.能率向上,すなわり基準面の設定がコンピュータ上ででき,一台の三次元測定機で従来の各種測定機を使った作業がすべて処理できる
   2.複雑形状の測定が可能になった,不可能に近かった曲面形状の測定が可能になった
   3.自動測定,同一の方法・速度による測定ができることから,データが安定し,作業者の疲労軽減につながる
(11)画像処理
  人間に代わって工業的に視覚情報を入力し,必要とする特徴を抽出し,適切な処理を加え,判定を行う装置を画像処理あるいは画像解析装置という
  視覚情報入力に用いられる,光学レンズをもつカメラは,固体イメージセンサのCCD(Charage Coupled Device)を使っている
  画像入力として処理を行うにあたり,デジタル化された画像の1つのます目を画素(pixel:ピクセル)という
  a.パターン
   パターンとは,いくつもある形状の中で,共通的に原型となりうる形状を指す
  b.画像処理
   物体を識別するには,画像入力において0または1以上であるかの2つに区分する方法と,階調をもって入力したデータを,ある基準の値に対して大きいか小さいかによって区分する方法があり,区分する基準の値を"しきい値"といい,このような処理を2値化あるいは2値画像処理という
まとめ
@計測において検出される量を詳細に知るには,これを拡大するメカニズムあるいは電気的な増幅が必要となる
A長さの寸法測定には,一般にスケール・ノギス・マイクロメータ・ダイヤルゲージなどの測定器具が使用される
B長さの基準であるメートルは,「メートルは,1秒の299792453分の1の時間に光が真空中を進む行程の長さである」と規定されている
C圧力計には,ブルドン管圧力計,ダイヤフラム圧力計,熱電温度計・抵抗温度計・放射温度計がある

28.制御とコンピュータ
(1)制御の概念
  機械学会の定義によると,「制御とは,ある目的に適合するように対象となっているものに所要の捜査を加えること。」
  コントロールするものを制御対象といい,機械・プロセス・システムなどがある
  また制御は,「制御対象のある量を制御系の外部から,目標として与えられる値に一致させること。」と言い換えられ,制御対象である量を制御量という
(2)オンオフ制御
  温度を設定値に制御する場合に,ヒータをONにして加熱,温度t1になったときにヒータをOFFにし,温度t2まで降下した時に再びヒータをONにして加熱と,ON・OFFを繰り返す制御を,オンオフ制御という
(3)比例動作,積分動作,微分動作
  オンオフ制御での温度状態を滑らかにするには,上限あるいは下限に達する前のON・OFF,あるいは加熱量の調整が必要で,温度の設定値と測定値の差(偏差)に比例した大きさで操作量を変化させる動作を比例動作(P動作:Proportional control action)という
  温度状態が目標値に近ければ設定量の電力をヒータに供給し,また低いほど大きな電力・高いほど少ない電力をヒータに供給して一定に保つ比例動作の強さは比例帯で表す
  比例帯が狭いと,目標値への到達は速いが,目標値をオーバーしやすく,比例帯が広いと制御が緩やかになり,オフセット量(残留偏差)を残したまま停滞する
  目標値に近づけるために,偏差の積分値に比例した大きさで操作量を変化させる動作を積分動作(I動作:Integral control action)といい,サイクリングを防ぎ,目標値付近で緩やかに変化させるために,偏差の微分値に比例した大きさで操作量を変化させる動作を微分動作(D動作:Derivative control action)という
(4)制御系の応答
  制御の理想は,目標値の変動に敏速に応答して,常に目標値と制御値が一致している事だが,実際の応答はそうはいかない
(5)制御とコンピュータ
  現場の自動化機器に,リレー回路を用いたシーケンス制御があり,リレーはICを用いた無接点リレーに変わり,理論回路はマイクロコンピュータを用いたPC(プログラマブルコントローラ)に置き換えられ,機能が高度化している
(6)コンピュータの種類
  気象予測・宇宙開発などに用いられる超大型コンピュータ(スーパーコンピュータ),ネットワーク上の中心となるサーバーと呼ばれるコンピュータ,ワークステーション,パソコン,マイクロコンピュータ(マイコン)などに分類される
  a.スーパーコンピュータ(super computer)
   超高性能コンピュータで価格も性能も著しく高く,膨大なデータの取り扱い,処理に使われる
   プロセッサを並列接続して処理するMPP(Massively Parallel Processor)方式を採用することが増えている
  b.サーバーと呼ばれるコンピュータ
   ネットワークでは,端末の利用者をクライアント(client),端末をクライアント・コンピュータといい,ネットワークの中心で端末にある特定の機能やデータを提供するコンピュータあるいはソフトウェアをサーバー(server)という
   パソコンより高性能ということから,ワークステーションあるいはEWS(Engineering Work Station)ともいう
  c.パソコン(personal computer)
   企業でも家庭でも多く使われている
(7)コンピュータの機能
  計算だけでなく,文書作成機・コンピュータグラフィックといった画像処理システムにも広く利用されており,入力・制御・演算・記憶・出力といった装置から構成される
  a.メモリ
   現在用いられるメモリはICメモリが主体で,内容の変更ができるRAM(Random Access Memory)と変更のできないROM(Read Only Memory)がある
  b.CPUの動作
   命令を解読し,実行する装置をCPU(Central Processing Unit)という
  c.水晶振動子
   コンピュータが動作するとき,タイミング(同期)をとるために周期的な信号を水晶振動子で発生させ,この1秒間に発振する回数をクロック周波数という
   圧電体である水晶の結晶を2枚の電極にはさみ電圧を加えると,固有振動数に近い周波数にコイルとして動作する
  d.コンピュータ言語
   CPUは機械言語しか判読できないので,FORTRAN言語,BASIC言語,C言語などの高級言語を扱うコンピュータには,これらを機械語に変換するプログラムが必要
   機械語と高級言語の中間的な存在として,アセンブラと呼ばれる言語があり,プログラムを組む上でその意味がわかりやすい表現形式になっている
(8)人工知能
  人工知能AI(Artifical Intelligence)システムは,人間のもっている知識をコンピュータで処理できる形に整理し,書き直した知識ベースをつくり,これをもとに必要とする命題について推論するシステム,このソフトウェアを推論エンジンという
(9)ファジー理論
  ファジー(fuzzy)とは,人間の主観的不確実さのことで,ものごとを1か0と二者択一で割り切るのではなく,中間の存在を認め,これを数学理論に取り入れたもので,やわらかでぼんやりしていてあいまいなことを表現しようとすることを指し,あいまい理論ともいう
(10)通信およびネットワーク
  a.LAN(Local Area Network)
   LANは,事務所・ビル・工場内など限られた領域内の私設回線によるネットワークを指す
   LANには,LANの構成,電送媒体,アクセス制御方式,使う場所・用途・目的などによってバス形,リング形,スター形に分かれるが,一般に使われる構成はバス形である
  b.光通信(Optical Communication)
   電気信号を金属ケーブルで送ると,動力用ケーブルが近くを通っていたり,高周波機器などの影響を受けて信号の内容が変わることがあり,電気抵抗によって長距離のデータ転送が困難になる
   電気信号を発光ダイオードや半導体レーザにより光の強度に変換し,石英ガラスなどの光ファイバー(Optical Fiber)を用いて送ると,電気ノイズの影響を受けず,かつ長距離に伝送することができる
  c.INSおよびISDN
   LANに対して公衆回線によるネットワークをWAN(Wide Area Network)といい,これを全国的なネットワークとしたのがINS(Information Network System)
   INSはNTTが実施している統合サービスディジタル網(ISDN:Integrated Service Digital Network)であり,電話・FAX・コンピュータ通信などの通信網を1本化し,広域帯情報を送受信するシステムで64kbpsのISDN64,1500kbpsのINS1500がある
  d.ADSL
   電話回線や数10kbpsの回線をナローバンド(narrowband:狭周波数帯域)というのに対して,おおむね500kbps以上の通信回線をブロードバンド(broadband:広周波数帯域)という
   電話回線を使って高速なデジタル通信を行う技術を総称してDSLといい,その一つがADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)
  e.インターネット
   通信プロトコルTCP/IPを用いた全世界を包括するコンピュータネットワークシステムをインターネットという
   特徴はインターネット全体を管理するコンピュータは存在しないこと
   企業・学校・団体の中ではLANネットワークが作られており,このネットワークはISP(internet services provider:通信業者)に接続する
まとめ
@自動制御では一般にフィードバック制御がおこなわれる
A制御の結果が明確な時はシーケンス制御とすることもある
Bよく用いられる制御にオンオフ制御と比例動作制御がある
Cコンピュータの機能に入力・演算・制御・記憶・出力がある
DICメモリにはROMとRAMがある
Eこれからの企業活動には,WAN,LANなどネットワークを利用した活動が重要となる

29.NC工作機械
(1)NCのしくみ
  a.サーボ機構
   工作機械の送りハンドルの代わりに駆動モータを取り付け,モータの機動・停止と送り速度制御により任意の位置に指定の速度で移動させる機能を持ったしくみがサーボ機構
   NC機械の移動最小単位を設定単位といい,0.001mmが多く使われ指令パルスが入ると移動する
   指定パルスにより動く機械の位置はリニアスケール,レーザなどによって直接検出するのは高価なので,回転数を検出して,長さに換算する方式(セミクローズドループ方式)が一般にとられている
  b.軸の同時制御
   一つの軸の位置と移動速度の制御は,サーボ機構に入力するパルスの数とパルスを出す周波数で行い,X/Y/Z軸方向の動きを制御することで三次元空間の動作が可能となる
   NCの特徴は,カムあるいはサーキュラテーブルといったメカニズムを使うことなしに,曲線補間の任意の動作ができること
(2)NCプログラム
  プログラムを作る人は,"加工物は動かずに工具が動く"と仮定してプログラムを行うため,機械メーカはこのプログラムの方式にあうように機械の制御軸,および制御軸の±方向を設定することを義務付けられている
(3)会話型NC
  NCプログラムの主要部分は工具通路の指示のため,移動位置座標や移動長さを記述するのは手間がかかるが,NC装置のソフトで処理し,もっと簡単に処理できるように加工できるようにしたのが会話型NC
  できる作業がソフト化されている内容に限定される
(4)NC工作機械の種類
  普及している機種にNC旋盤,マシニングセンタ,NCフライス盤があり,ワイヤカット放電加工機,レーザ加工機もNC化されている
  a.NC旋盤
   刃物台は自動交換することができ,収容工具数が多くなるように工夫されている
  b.マシニングセンタ
   マシニングセンタは,フライス盤,あるいは中ぐり盤に工具交換機能をもたせた機械
(5)NC加工の特徴
  最近のNCはCNC(Computerized Numerical Control)とも呼ばれ,コンピュータの機能を内蔵している
  a.能率の向上
   汎用機では寸法調整,位置合わせ,工具の移動などに時間を費やすが,NC加工では短時間処理でき,動作変更が容易
  b.省力化
   自動機のため,人がついていなくても加工が継続される
  c.精度の向上
   工作物の寸法精度は,オフセット機能による工具の位置微調整ができることから容易に精度をだせる
(6)DNC
  DNC(Direct Numerical Control)は,コンピュータによって直接NC工作機械を制御することで,はじめは命令をコンピュータから直接NC駆動装置に入れ,複数台の機械を直接制御する,いわゆる群管理のことだったが,現在では,コンピュータからプログラムをNC装置に直接転送して,解読させながら加工することを指す
(7)パソコンNC
  パソコンNCとしての対応
  @NC昨日を搭載したボードを市販パソコンに挿入する
  Aパソコン機能を搭載したボードをNC装置に組み込む
  B市販パソコンとNC装置を信号ラインとして統合する
  具体的な機能
  @OSにMS-DOS,Windowsを採用し,BASICおよびC言語が使える
  A市販のネットワーク,DB,エディタなどのソフトが利用できる
  BNC機能として,CNCドライバ,CNCライブラリ,CNC基本のパッケージを備えている
まとめ
@NCはサーボ機構を利用した制御方式で,特殊なメカニズムを用いることなしに,機械に任意の動作を与えることができる
Aプログラムは記号と数値の組み合わせで行われ,その動作は直線運動と円運動である.特殊な曲線運動は直線群,円弧群で近似する.新しい方法として,NURBS補間が注目される
BNCの効果として,能率向上・省力化・精度向上があげられる
C今後,パソコンNCをどう使っていくかが注目される

30.CAD
(1)CAD
  CAD(Computer Aided Design)は「コンピュータ支援による設計」で,CADの考え方は次の3点
  @設計者とコンピュータとの対話
  A図を解する対話
  Bコンピュータによるシュミレーション
  設計対象をモデルとしてディスプレイに描くソフトを形状モデラといい,三次元形状モデラは内部構造・表示内容から,ワイヤフレームモデル,サーフェイスモデル,ソリッドモデルに分類され,二次元システムは線画としての表示
  構造物強度解析,プラスチック流動解析,産業用ロボット動作解析などのシミュレーションは,CAE(Computer Aided Engineering)として別に扱われる
(2)二次元作図
  二次元作図は,平面に線画を描いていく方式で,正面図・平面図・側面図は別々に描く
 三次元モデラでは,自動的に3面図およびアイソメトリック図(アイソメ図:立体を斜めから見た図)が表示される
(3)図形モデル
  ワイヤフレームモデルは針金細工のような表現方式で,点と線によって構成されるため実態がないとされる欠点があるが,データ構成が単純でモデルの作成が容易,処理速度も速いため,作図だけに適切なモデル
  サーフェスモデルはワイヤフレームモデルの線で囲まれた部分を面として定義してやり,面と面の集合体によってモデルを表現するがい,面の接続状態を示すデータがなく,設計対象の中身(実体)がわからない
  ソリッドモデルには,プリミティブ(原始的な立体)による表現のほかに,スイープによる表現,メッシュ分割,空間格子による表現があり,高度な形状モデラとして解析及びシュミレーションを行うのに最適
(4)アプリケーション
  共通ソフトとしてあるもの
  @幾何解析:モデル化した図形の体積,重心,モーメントの計算を行う
  A有限要素法による解析:有限要素法を用いて構造解析などを行う
  BNCプログラム作成:モデルをもとにNCプログラムを作成する
  C部品表など諸表作成:生産管理あるいは営業活動ともリンクしている
  CADデータから生産に必要な情報を出力するシステムをCAD/CAM(Computer Aided Manufacturing)という
(5)CADの効率的な使用方法
  標準部品の登録,レイヤの利用などによって,ある程度の形状は簡単な操作で表示できるようにしておくことが大切
まとめ
@モデルを作成するソフトを形状モデラといい,三次元ではワイヤフレームモデル,サーフェスモデル,ソリッドモデルに分類される
A構造解析,流動解析,動作解析などのシュミレーションは,CAEとして別に扱われる
B三次元モデラでは,自動的に3面図およびアイソメ図が表示され,これを隠れ線図処理,シェーディングすると立体イメージで表示される
C形状を作成する手順をソフトとして作ってシステムに入れ,対象の仕様を入力することによって,その対象が自動的に表示できるようにすることをカスタマイズ化という

31.CAM
(1)自動プログラミング
  コンピュータを使ったNCプログラムのための数学的手法:APT(Automatically Programed Tools)は,計算や煩雑な手間を省き,プログラムの正確さを向上させる
  自動プログラミングのプログラムをパートプログラムといい,図形定義と運動定義で構成される
  加工図形をコンピュータが理解できるルールで入力するのが図形定義,図形要素の中のどの部分をどのように工具が通るのかを指定するのが運動定義
  図形定義と運動定義から工具の通路が決定され,CLデータ(工具軌跡データ:Cutter Location Data)として装置の中にファイルされ,CLデータの出力までの処理をするソフトをメインプロセッサという,CLデータを使用機器に合わせてNCプログラムに変換処理を行うソフトをポストプロセッサといい,NC機械ごとに必要になる
(2)三次元加工
  立体の加工で,同じ高さの線を求め,線で囲まれた図形を切削し,高さごとに繰り返していくと立体形状になる操作を等高線加工という
  顔の形など幾何学あるいは数式として表現できない不確かな曲線は,近似した曲面を作らなければならない
   @曲面上の点座標を抽出し,近似曲線を創成
   A曲面の断面形状を抽出し,近似曲線を創成
(3)三次元図形の定義
  APTは三次元加工を対象として作られ,定義できる形状は多岐にわたっており,その数学的手法はCADにも取り入れられている
  三次元加工で工具を動作させるとき,部品となる面をパートサーフェス,工具の案内面となる駆動面をドライブサーフェス,工具が停止する境界面をチェックサーフェスという
(4)NCとしてのCAM
  加工モデルを作成,使用工具を定義,工具奇跡を作成,修正を行い,加工パラメータをセットする
  加工にはある部分を彫り込むポケット加工と,ある部分を残してその周囲を加工する島残し加工がある
まとめ
@計算や煩雑な手間を省き,プログラムの正確さを向上させるため,自動プログラミングが使われる
A自動プログラミングのプログラムをパートプログラムといい,図形定義と運動定義で構成される.図形定義と運動定義から工具の通路が決定され,これがCLデータとして装置の中にファイルされる
B曲面を倣い方式に代わってNCで加工する場合,近似した曲面をつくらなければならない

32.産業用ロボット
(1)ロボットの意義
  ロボットの三原則
  @人間に危害を加えてはいけない
  A命令に従うこと
  B@,Aの項目に反するおそれのない限り自分を守る
  人間のために存在する自動機械の取るべき姿を提起している
(2)ロボットのしくみ
  あらかじめ決められた動作を繰り返して行うロボットと,知覚機能から論理判断をし,もっとも適切な動作を行う知能ロボット(intelligent robot)
  a.知覚機能
   人間の知覚に当たるものとして,ロボットにはセンサがある
  b.駆動機構
   ロボットには人間の手足に相当するアクチュエータが用意されている
(3)各種の産業用ロボット
  a.溶接ロボット
   スポット溶接用とアーク溶接用がある
  b.塗装ロボット
   塗装作業場の環境が良くないことから普及
  c.組み立てロボット
   精密はめあいでは利用が難しい
  d.樹脂成形用ロボット
   単純な繰り返し作業が主となる
  e.機械加工用ロボット
   切削作業での加工物の搬送,および取付け・取外しに使われおり,NC加工機械と結合して使用するケースが多く,工場自動化(FA:Factory Automation)の1つの手段
  f.その他の産業用ロボット
   鍛造用,鋳造用,バリ取りなど
(4)無人搬送車
  無人搬送車(AGV:Automatically Guided Vehicle)の誘導原理には,電磁式と光学式がある
  また,レール走行式(軌条式)と自由走行式(無軌条式)があり,レール走行式では積載重量の大きいものを搬送できるが,搬送スペースを他の用途に利用できない
まとめ
@ロボットはその形ではなく,機能として人間によく似ている
Aロボットには各種あるが,知能ロボットは人間の知覚に相当する働きうぃするセンサを備えている
B溶接ロボット,塗装ロボットのように直接主たる作業をするロボットの普及は著しく,樹脂成形用,プレス用も普及している
C産業用ロボットは,自動車,家電製品製造業を中心として普及が進んできた

33.FMS
(1)生産方式
  製造する個数あるいは量から生産方式を分類すると,大量生産,中量生産,多品種少量生産に分けられる
(2)FMSの構成
  FMSのフレキシブルとは,「柔軟性のある」,「自在性のある」という意味で,フレキシブルにするひとつとして「NC化する」ことがある
  NC工作機械を複数台にして複数の工程を連続して行うための,加工物搬送・供給システム,加工精度を維持し,トラブル発生に対する処置などの機械群や計測装置類の情報を管理し,高低を統括するシステムとしてコンピュータが使われ,これらすべてを含めたシステムをFMSという
  加工セルは,NC旋盤,マシニングセンタと産業用ロボットを結合し,ワークの搬送機能,切削監視機能を取り付けたもので,FMSの構成要素となるもの
  加工セルが単独でシステムとして用いられる場合,FMC(Flexible Machining Cell)と呼ばれる
(3)システム化の意味
  機械を止めての段取りを極力減らし,作業を連続化して機械を活用することで無人化,効率化へとつながる
まとめ
@生産方式を大別すると,大量生産,中量生産,多品種少量生産になる.大量生産では大幅にコストを低減できる
A工場での生産は,多品種少量生産が多いので,効率的に生産を進める方法として,FMC,FMSが考えられた
BFMSは,NC工作機械,搬送装置,計測装置などと,これを統括するコンピュータシステムにより構成される

34.CIM
(1)生産活動とCIM
  企業活動は営業から出荷までだが,工場では受注以降の生産活動が中心
  工場を総合的にFA化する場合,各部門間の情報の流れの把握と適切な処理が必要で,CAD/CAMは重要な位置を占める
  1.設計部門と製造部門で情報を共通化(一元化)できる
  2.設計部門と資材部門のデータの共通化
  3.設計部門で作成されたデータを生産管理情報として扱うこと
  CIMは,現段階では情報の部分が前面に出ていることから,FAと異なる,あるいはFAを包含するとも考えられるが,本質的にはFAそのもの
  個々のコンピュータを用いた自動化システムを有機的に結合して生産を進めることがCIM
(2)CIMのめざすところ
  CIMの背景には,工場内の部分的な自動化・システム化が完成し,製品が成熟期に入って企業間の格差がなくなり,製品の性能・コストより納期・サービスなどの非価格項目が重要な位置を占めるようになったことがある
  現場を中心とした生産体制で,工場全体を効率よく運用し,販売,生産計画,設計,開発を含めた一貫生産システムとして,販売から製造にいたる多様な活動と情報の流れの統合的な処理システムとしてのCIMが必要となった
  CIMのねらいは,ビジネススピードの向上にあり,管理・間接業務の効率化に重点がおかれ,その前提として生産システムをはじめとする自動化システムがある
(3)CIMにおける設計・開発
  CIMにおいて重要なのは,設計が完了したと同時に,あるいは設計業務と並行して,工程設計,ジ工具設計・製作などの生産準備業務が実施可能となること
  生産管理では,社内の他のコンピュータシステムとデータベースを介して緊密な連携をとり,労働力,資材・設備の効率的運用を図り,在庫・仕掛の最小化,短納期およびジャスト・イン・タイムを実施,納期,品質,コストなどの目標達成が考えられる
  そのための実施事項
  @作業計画に沿ったタイムリーな作業指示
  A自動化機器への制御情報の適切な供給
  B再スケジューリングと日程計画の更新
まとめ
@個々の自動化システムをリンクし,より高度なコンピュータによる統合生産システムがCIM(Computer Intergrated Manufacturing)
A大企業のほとんどがCIMへの取り組みを行っている
B現場を中心とした生産体制ではこれからは不十分ということから,販売・生産計画・設計を含めた一貫生産システムが検討されている

35.品質管理とISO9000
(1)品質と欠陥
  品質(quality)とは,品物またはサービスが使用目的を満たしているかどうかを決定するための評価の対象となる固有の性質・性能など,全体で品質特性により構成される
  欠陥は次の3つに分類される
   @設計上の欠陥
   A製造上の欠陥
   B警告・表示上の欠陥
  あるべき性能がなく,あってはならない危険性を備えている商品を欠陥商品という
  なんらかの偶発的なことから生じた欠陥を単純欠陥といい,設計ミス,製造工程のミスから生まれる欠陥を構造的欠陥という
(2)品質管理
  管理の順
  @目標を決め,それを実行するための方法・手順を決める
  A方法・手順に従って実行する
  B実行しながら予定通り進行しているか確認・点検する
  C目標と違っていれば修正する
  D不適切な事項があれば,同じことを繰り返さないように次の計画に対策を盛り込む
  この流れが管理のサイクル(management cycle)
  JIS用語で「品質管理(Quality Control)は,買い手の要求に合った品物またはサービスを経済的に作り出すための手段の体系」という
  統計的手段を採用している近代的な品質管理は,統計的品質管理(Statistical Quality Control)という
(3)PL法
  製造物を提供する業者には,その製造物の欠陥から生じる被害については,故意や過失のあるなしにかかわらず,賠償責任を負わせる製造物責任(Product Liability)という考え方ができ,製造物責任法:通称PL法として施行されている
(4)ISO9000
  国際的に企業の品質管理能力を認定することによって,国際的に通用する品質保証規格として,ISO9000~9004の品質保証規格が発行されEQNET(European Network for Quality System Assessment and Certification)が設立,審査期間の相互承認がおこなわれるようになった
  ISO9000:2000 品質マネジメントシステム-基本および用語
  ISO9001:2000 品質マネジメントシステム-要求事項
  ISO9004:2000 品質マネジメントシステム-パフォーマンス改善の指針
  ISO9001規格の基本は,品質を確保していることを次のことで示す
  @企業の品質についての規格を定める
  A品質に関する各人の責任と権限を明確にする
  B品質マネジメントシステムを品質マニュアルとして文章にする
  C作業を品質マニュアルに従い実行し記録する
  D要求された品質を確保していることをいつでも開示できるようにする
まとめ
@偶発的に生じた欠陥を単純欠陥,設計ミス・製造工程ミスからの欠陥を構造的欠陥といい,構造的欠陥をもつ商品を欠陥商品という
A計画(plan)→実施(do)→点検(check)→処置(action),この流れを管理のサイクル(management cycle)という
B提供者は,製造物の欠陥から生ずる被害については,故意や過失の有無にかかわらず賠償の責任があり,これを製造物責任という.この法律を製造物責任法といい,通称PL法と呼ばれている
C品質マネジメントシステムについて,国際的に企業の品質管理能力を認定する規格をISO9000シリーズという

36.環境と公害
(1)新しい環境へ
  現代の社会は,現状維持の環境保全・公害対策がおこなわれてきたが,最近は快適な環境を求め,新しい社会環境を作り出すことを目指している
(2)環境保全技術
(3)環境基本法
  環境基本法は,環境保全に対する基本を定めた法律で,各種の公害に対して法律がある
  @大気汚染:大気汚染防止法,特定物質の規制などによるオゾン層の保護に関する法律
  A水質汚濁:水質汚濁防止法,海洋汚染防止法
  B騒音:騒音規制法,公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止などに関する法律
  C振動:振動規制法
  D土壌汚染:農用地の土壌汚染防止などに関する法律
  E地盤沈下:建築物用地下水の採取の規制に関する法律,工業用水法
  F悪臭:悪臭防止法
(4)環境問題への国際的な対応
  環境問題は,1つの国で解決できることではなく,世界の国々が協力して取り組むべき問題で,そのためには具体的な方向付けが必要
(5)ISO14000シリーズ
  ISO14001:2004 環境マネジメントシステム-要求事項及び利用の手引
  ISO14004:2004 環境マネジメントシステム-原則,システム及び支援技法の一般指針
  @環境方針(Plan)
  A計画(Plan)
  B実施及び運用(Do)
  C点検及び是正(Check)
  D経営層による見直し(Act)
(6)ISO14000シリーズの意識
  規格は法律ではなく,規制されるものではないので,利用者が自発的に行うものだが,システムを構築し継続的に改善していくことには,それなりの意義がありメリットがある
  費用削減・不都合部分の改善・リスク回避などの効果があり,ISO規格に適合することで国際的にも大きな信頼を得ることになる
まとめ
@フロンによるオゾン層破壊は,地球環境保全上大きな問題
A「公害」とは,事業あるいは人の活動によって生ずる相当範囲の大気の汚染,水質の汚濁,騒音,振動,地盤沈下及び悪臭によって,健康または生活環境に被害が生ずること
B環境基本法は,環境の保全についての基本を定めた法律で,排出基準などは定めていないため,各種の公害に対してはそれぞれの法律がある
C環境マネジメントの国際規格にISO14000シリーズがある

Report4
課題.1 つぎの文章のうち,正しいものに○印,誤っているものには×印を( )内に記入しなさい.
() (1) 下記に示すノギスの測定値(矢印部分)は20.65mm,マイクロメータの測定値は7.69mmを示す。

() (2) マイクロメ-夕で測定したところ,6.75mmの寸法を6.25mm と読み違えた。これはシンブル1回転分読み違えたためである。
() (3) プロックゲージとブロックゲージを組み合わせて密着させることをリンキングという。
() (4) ホトセンサは,発光素子と受光素子を組み合わせたもので,非接触で物体の有無を判断することができる。
(×) (5) 空気マイクロメータには流量式と背圧式の二つの種類があるが,いずれも最小目盛の単位は0.01mmである。
() (6) ベンチュリ管は,流体の流速及び流量の測定に用いられる。
() (7) 2種の異なった金属線で閉回路を作り,その2接点を異なった温度に保つと,温度差に応じた熱起電力を発生する。
(×) (8) 放射温度計の測定温度の範囲は600~3000℃ で,0℃以下を測定できる機種はない。
() (9) ファジー理論とはあいまい理論ともいわれているもので,やわらかでぼんやりしていてあいまいなことを表現しようとすることを指す。
() (10) LAN (LocalAreaNetwork)は,構内通信網と呼ばれ,事務所内,ビル内などの私設回線によるネットワークを指す.
(×) (ll) NCフライス盤のプログラムは,工具は動かず加工物は動くと仮定して作成する。
() (12) CADはコンピュータ支援による設計,CAMはコンピュータ支援による生産のことを意味する。
(×) (03) ロボットを動かすことなく,順序・条件・位置及びその他の情報を数値・言語などにより教示し,その情報によって作業を行えるロボットをプレイバックロボットという。
() (14) FMS(FlexibleManufacturingSystem)は,多品種少量生産に適する生産方式である。
() (15) CIM (ComputerlntegratedManufacturing)は,個々の自動化システムをリンクし,より高度なコンピュータによる統合生産システムをいう。
(×) (16) 設計ミス,製造工程のミスから生まれる欠陥を単品欠陥といい,なんらかの偶発的なことから生じた欠陥を構造的欠陥というo
(×) (17) 製造物責任法は,過失によって生じた欠陥で消費者に被害を生じさせた場合にのみ,製造業者に損害賠償の責任をとらせる法律である。

課題2 つぎのA群は人間の機能を示すものです.A群の横能にもっとも関係の深いロボットの楼能をB群から選び,その記号を( )内に記入しなさいo
A群
 
B群
(1)視覚 ( d ) a.位置センサ
(2)聴覚 ( e ) b.サーボ機構・アクチェエータ
(3)触覚 ( a ) c.温度センサ・湿度センサ
(4)体感 ( c ) d.CCDカメラ・煙センサ
(5)手・足 ( b ) e.マイクロホン・振動計

課題3 製品の欠陥はその発生過程から三つに分類されています。どのように分類されているかを三つあげなさい。
(1)設計上の欠陥
(2)製造上の欠陥
(3)警告・表示上の欠陥

課題4 温度の計測に用いる熱電対の構成材料の種類・略号・常用使用温度及び特徴の関係で正しいものを下から選び,略号及び記号を( )内に記入しなさいo
種類
略号 常用使用温度(℃) 特徴
(1)鉄-コンスタンタン
( J )
( b )
( )
(2)自金一白金ロジウム
( R )
( a )
( )
(3)クロメルーアルメル
( K )
( c )
( )
略号[J K R]
常用使用温度[a.0~1400℃ b.0~600℃ C.-200~1000℃]
特徴[ア.高温用 イ.熱起電力が大きい ウ.電気炉などで使用]

課題5 つぎのA群ともっとも関係の深いものをB群から選び,その記号を( )内に記入しなさい.
A群
 
B群
(1)長さの基準 ( d ) a.ブルドン管・ダイヤフラム
(2)ひずみゲージ ( c ) b.歯車で拡大して長さ測定
(3)ブロックゲージ ( e ) c.力の測定
(4)ダイヤルゲージ ( b ) d.ある時間内に真空中に光が進む長さ
(5)空気マイクロメータ ( h ) e.工場での長さの基準
(6)ストロボ回転計 ( g ) f.水晶の固有振動数
(7)圧力計 ( a ) g.一定周期で発光
(8)時計 ( f ) h.ヘッドの対象物とすきま測定