Cold Equations - コールドデシジョン - ★★1/2
放送局: Sci-Fi
プレミア放送日: 12/14/96 (Sat) 20:00-22:00
製作: チャンティクリア・フィルムス/Chanticleer Films、アライアンス・コミュニケーションズ/Alliance Communications
製作総指揮: ヤナ・スー・メメル
共同製作総指揮: ビル・キャンベル
製作: ヨラム・バージライ
監督: ピーター・ガイガー
脚本: ピーター・ガイガー、スティーブン・バーガー、ノーマン・プロトキン
撮影: クリストファー・ウォーリング
編集: メアリ・ジョー・マーキー
出演: ビル・キャンベル (ジョン・バートン)、ポピー・モンゴメリ (リー・クロス)、ビリー・モーゼス (エイドリアン)、アルバート・ホール (キーネス船長)

物語: 宇宙船パイロットのジョンは任務によりある惑星へ医療品を運ぶ途中、密航者のリーを発見する。リーは目的地の惑星にいる兄会いたさに密航したのだが、実はその宇宙船は一人乗り専用の使い捨て宇宙船で、積載重量が予定よりほんの僅か重くなっただけで無事着陸は保証できないという代物だった。慌てて司令部と連絡をとるジョンに、その密航者を船外に放り出せという指令が下る。どうしてもそれができないジョンはリーと一緒に船内にあるありとあらゆる不用品を捨てるが、それでもまだ足りない。そうこうしているうちに刻々と時は経ち、ジョンは手遅れになる前に決断を迫られる‥‥

Cold Equations 「コールドデシジョン」の原作、「冷たい方程式」は、1954年にトム・ゴッドウィンが発表したクラシック短編SF小説である。ある一人乗り宇宙船に女の子が密航を企てる。しかしその宇宙船は任務のために事前に綿密に積載重量を計算されており、既にぎりぎりの重さまで荷を積んでいた。彼女が乗り込んだために重量超過となった船はこのままではスピードを制御できず、地表に激突が避けられない状態となってしまう。パイロットと女の子は考えられるあらゆる積み荷を船外に捨てるが、それでも重量超過の状態から脱出できない。一分一秒を争う事態で、パイロットに下された指令はその女の子を船外に放り出せというものだった‥‥というストーリーである。

Sci-Fiチャンネルは、文字通りSF (アメリカではSFのことをSci-Fi (サイファイ) と呼ぶ) 番組のみを放送するチャンネルである。しかし本場アメリカといえどもやはりSFはニッチェ市場であり、Sci-Fiが製作するチャンネルはあまり予算をかけない小規模の番組であることが多い。「コールドデシジョン」もそういう番組の一つであるが、元々が短編であり、しかも舞台のほとんどが小さな宇宙船の内部とパイロットのジョンを裁く法廷の2箇所しかないということで、金をかけないSF作品にありがちなチープな印象を巧く免れている。

番組は宇宙船の中で何が起こったかをジョンに訊ねる法廷のシーンから始まる。そのために彼が助かったことは最初に視聴者に示されているわけだが、もちろん最大の関心はジョンが女の子リーをどうしたかに尽きる。一体彼は本当にリーを船外に放り出したのか。それともなんらかの手段を見つけたのか。救助船か何かが間に合ったのか。でもだとしたら何で彼は裁かれているのか。やっぱり彼女は‥‥というSFの体裁をとった心理サスペンスがこの番組の実態である。時間との戦いの中、次第に追い詰められていくジョンとリーの焦りが伝わってきて、結構緊張して見てしまった。でも、これ、やはり短編を元にしているだけあって、正味1時間半のフィーチャーでは幾分冗長気味だった感はなきにしもあらず。1時間くらいできちっと収めることができたらもっとシャープで切れのいい作品になっただろうに。「ミステリー・ゾーン」や「アウター・リミッツ」で映像化したら原作だけでなく番組もクラシックになっただろうにという気がする。

パイロットのジョンに扮するのは「ロケッティア」で空飛ぶ主人公を演じたビル・キャンベル。今回は共同製作も担当している。密航者のリーに扮するのはポピー・モンゴメリ。「サンフランシスコの空の下」や「青いドレスの女」に端役出演の経験がある。


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