Kindred, the Embraced - キンドレッド/狼の血族 - ★★1/2
放送局: FOX
プレミア放送日: 4/2/96 (Sat) 20:00-21:30
製作: スペリング・テレヴィジョン/Spelling Television
製作総指揮: アーロン・スペリング
監督: ピーター・メデック
出演: C・トマス・ハウエル(フランク)、マーク・フランケル(ジュリアン・ルナ)、ステイシー・ヘイダック(リリー)、ケイト・ヴァーノン(アレクサンドラ)

物語: 表向き成功した実業家の肩書きを持つジュリアンは、実は「プリンス」と呼ばれ、サンフランシスコに住む5つの一族(キンドレッド) --ジュリアンの所属するヴェントルー家、 知的なトレアドル家、最も古い種族のノスフェラトゥ家、若く無謀なギャングレル家、そして策謀家のブルーハハ家 -- を束ねているヴァンパイアの若き首領であった。ある時、一族のアレクサンドラが普通の人間であるフランクと恋に落ちる。彼女はかつてのジュリアンの恋人であり、そしてまたフランクは、ジュリアンを裏で悪事を働いている暗黒街の顔役だと思い込み、執拗に付け狙っている刑事であった。そのうちアレクサンドラのあまりの無軌道振りに反発を感じた他の一族の要請により、ジュリアンはアレクサンドラに死刑執行を言い渡さざるを得なくなる。自分の運命を悟ったアレクサンドラは、フランクに自分の正体を明かすことを決心する‥‥

Kindred, the Embraced 「メルローズ・プレイス」、「ビバリーヒルズ青春白書」のアーロン・スペリングが製作する新プライムタイム・ソープ。しかも今度はただのソープではない。なんと主人公はついに人間でなくなってしまうのだ。正直に言って私はこれまでスペリングが製作する大仰な番組に興味を持つことができなかったのだが、このくらいやってくれると、結構そそられるものがある。要するにこれは「インタヴュー・ウィズ・ヴァンパイア」ソープ版なのだ。

今年になってからだけでも、スペリング製作のプライムタイム・ソープは、WBの「サヴァンナ」、NBCの「マリブ海岸物語」と、立て続けに放送が始まっている。この「キンドレッド」もヴァンパイア物語という衣装をまとってはいるが、その内容はこれまでと同じく、上流階級の愛、欲望、憎しみ、裏切りといったソープ・オペラに必須の要素を漏れなく揃えている、相変わらずのスペリング・ソープである。

まず第一に、登場人物の名前のはったりが利いている。主人公の名がジュリアン、元彼女がアレクサンドラ、一族(キンドレッド)の名がノスフェラトウ家、ブルーハハ家なんて、それだけで怪奇趣味横溢して、なんかやってくれそうな気になる。初っぱなからヴァンパイア仲間に裏切り者が出て、我が主人公ジュリアンは、かつて恋人だった愛しい者を処分しなければならなくなる。ソープだなあ。

実は「キンドレッド」が編成された水曜夜9時は、通常「サンフランシスコの空の下」が編成されている枠である。3月の最終週にシーズン・フィナーレ放送というイレギュラーなシーズンを終えた「サンフランシスコの空の下」に代わって編成されたのが、この「キンドレッド」であるわけだ。そのすぐ前の8時からは「ビバリーヒルズ青春白書」が編成されており、今やFOXの水曜夜のプライムタイムは、スペリング・ソープの指定席となってしまった。

ジュリアンを演じるマーク・フランケルは、NBCの「シスターズ (Sisters)」等のTV出演作もあるが、舞台の方でよく知られている正統派の二枚目。対する刑事フランクには、「アウトサイダー」、「ランブルフィッシュ」等、80年代の青春派スターだったC・トマス・ハウエルが扮している。プレミアの監督は「蜘蛛女」のピーター・メデック。「蜘蛛女」もほとんどお笑い寸前の微妙な境界で留まっているというようなしつこい作品だったが、今回もややもすればお笑いにもなりかねない大仰な題材を、これでもかというような重厚な感じでまとめている。初めて面白いと思ったスペリング・ソープである。これならもうちょっと続けて見てもいいぞ。


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