
Suddenly Susan - ハロー・スーザン - ★1/2
放送局: NBC
プレミア放送日: 9/19/96 (Thu) 21:30-22:00
製作:ワーナー・ブラザースTV/Warner Bros. TV
製作総指揮: ゲイリー・ドンツィグ
クリエイター: クライド・フィリップス
監督: アンディ・アッカーマン
出演: ブルック・シールズ(スーザン)、ジャッド・ネルソン(ジャック)、キャシー・グリフィン(ヴィッキ)
物語: スーザンはとある教会でウェディング・ドレスを着て金持ちの御曹司と式を挙げている真っ最中、突然何もかもが嫌になってしまう。神父から誓いの言葉を口にするよう促されるが、どうしてもそれを口にすることができないスーザンは、新郎をほっぽりだして式を飛び出してしまう。スーザンは、彼女が結婚を破棄した新郎の兄、ジャックがサンフランシスコで編集長として働いている「ザ・ゲイト」の編集部で働くことになる。「ザ・ゲイト」はサンフランシスコで最も流行に敏感な雑誌として知られていた。編集部には、男のことなら任しておいてのヴィッキ、カメラマンのルイス、音楽評論家のトッドら、一癖も二癖もある同僚が働いており、新天地でのスーザンのキャリアが今まさに始まろうとしていた‥‥
今シーズン、ネーム・ヴァリューでは「スピン・シティ」のマイケル・J・フォックスと並んでピカ一のブルック・シールズを主人公に迎えてのシットコム。雑誌編集者/コラムニストとしてマスコミの一線で働くシールズの奮闘振りを面白おかしく描く。実はこの番組、当初シールズが演じるのは流行りのレストランのオーナーで、そこで一癖も二癖もある通いの客とのやり取りを描くシットコムになるはずだった。ところがパイロットの出来上がりを見たNBC首脳に大不評で、急遽作り直しを命ぜられ、役柄もレストランのオーナーから雑誌編集者という、いかにも視聴者受けのしそうなキャラクターに変更されたという曰くつきである。一時期は放送開始時期をずらさないと間に合わないという噂まで飛び交っていたほどだ。
元々シールズ主演のシットコムという案は、今年1月のNFLの「スーパーボウル」直後に放送された「フレンズ」の1時間のスペシャル版で、シールズが演じた役者志望のジョーイ (マット・ルブランク) に絡むソープ・オペラ気違いの女性という役どころが非常に好評で、同様にゲスト出演したジュリア・ロバーツやジャン・クロード・ヴァン-ダムといったスターが完全に霞んでしまうほどだったことがきっかけとなっている。
しかし、シールズは他のシットコムでたまさかのゲスト・スターとして茶目っ気を示して笑いをとる分にはよかったのだが、自分が主演となって番組を引っ張っていくほどの確立したコメディエンヌではない。お笑い番組で、出演者が笑わそう、笑わそうというシリアスに熱演すればするほど、我々視聴者としては逆に笑えなくなってしまうものだが、今回のシールズがまさにそれに当たる。全然おかしくも面白くもないのだ。シットコムのくせにこの番組を見ている間中、私は一度も笑えなかった。くすりともしなかった。私は結構見ていて辛かったぞ。彼女のためにも、番組が早くキャンセルされてこれ以上彼女自身を苦しめないことを祈る。
と思っていたら、この番組、何といっても話題性抜群だったことと、「となりのサインフェルド」と「ER」というNBCが誇る最強番組帯に挟まれたことが功を奏して、結構高い視聴率を稼ぎ出した。NBCは当初この番組を13本オーダーしていたのだが、しばらくして一挙にもう12本、通常の1年分22-24本を上回る、計25本をオーダーした。本当にそれでいいのNBCさん?後で泣きっ面を見るのは自分たちかもよ。
追記(2000年5月):
96年シーズンの最大の失敗作と私が思っている「ハロー・スーザン」であったが、この番組、キャンセルされずに4シーズンも続いてしまった。かといって私の当初の意見が間違っていたとは思わない。この番組がここまで何とか続いてきたわけは、ようやく肩の力を抜くことを覚えて、気張らずに人を笑わせるコツを覚えたシールズの成長のたまものである。その意味では、真面目に番組に取り組んでいたシールズを誉めなければならないだろう。それにしても、視聴率が悪いとすぐ切られるアメリカのTV界で、よくこれだけ持ったもんだと思わないではいられない。
「ハロー・スーザン」が生き長らえることができたのは、当初、「となりのサインフェルド」の後、「ER」の直前という、NBCの最強時間帯というこれ以上望むべくもない位置に編成されたからというのは間違いない。おかげでプレミアされてからしばらくの間、わりと高い視聴率を得ることができた。これがもし月曜の9時からだとか、NBCが別に強くもない時間帯だったら、最初の数回でキャンセルされていたのはほぼ確実だったと思う。それが編成された時間帯の強みと、シールズのネーム・ヴァリュー、NBCの (滅多にない) 我慢、そして何はともあれそのシールズのコメディエンヌとしての開花 (とまでは行かないか) といった理由により、何とかここまで生き長らえたのだ。うーん、やっぱり番組の成否というのは番組そのものというより、別の、環境や運に大きく左右されるというのがはっきりした。私としては今でも「ハロー・スーザン」なんかより、もっと放送に値する番組が多く消えていったことの方が残念である。
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