South Park -サウス・パーク- ★★
放送局: コメディ・セントラル
プレミア放送日: 8/13/97 (Wed) 22:00-22:30
製作: セルロイド・ステュディオス Celluloid Studios
製作総指揮/原案/声/音楽: マット・ストーン、トレイ・パーカー

物語: スタン、カイル、カートマン、ケニーらはコロラド州、サウス・パークの小学校に通う仲のよい悪ガキ4人組。ある日、カートマンは宇宙人がやって来て彼の尻の穴を調べるという夢を見る。翌朝学校に行くバスを待ちながら皆にその話をすると、それは夢ではなく、本当にあったことだと言われる。そうしているうちに本当に宇宙人が現れ、カイルの弟のアイクをさらって飛び立って行ってしまう。しかし怒鳴ってばかりのバスの女性運転手はカイルたちの言うことに耳を貸さず、学校でも先生は事態を関知せず、早退を許してくれない。そのうちカートマンは尻から火を吹き出すようになってしまい、事態は段々と収拾がつかなくなってくる‥‥

South Park マット・ストーンとトレイ・パーカーという2人の若者がクリスマス・カードの代わりとして洒落に製作したヴィデオテープが、いかにしてハリウッド中に広まり、コメディ・セントラルの目に留まってシリーズ化されたかという経緯は、アメリカのTV業界では既に伝説化している。主人公のブライアン・ボイタノ(同名のアイス・スケーターのパロディ)とキリスト、それにサンタクロースが血みどろの戦いを演じるというこのヴィデオは、アメリカのタブーを笑い飛ばし、瞬く間にカルト化して、ダビングにダビングを重ねたヴィデオは業界人の必須アイテムとなった。さらに今回、アメリカのコメディ専門のケーブル・チャンネル、コメディ・セントラルは、このオリジナルに含まれていた毒をほとんど薄めず、差別用語やその他放送禁止用語を怖れずにシリーズ化、人々を唖然とさせた。

主要登場人物はコロラドの小学校に通うスタン、カイル、カートマン、ケニーの3年生4人組。リーダー格のスタンは好きな女の子の前に出るとすぐにゲロしてしまい、カイルはユダヤ人ということで皆から馬鹿にされ、カートマンは甘やかされてぶくぶくに太っているためよくいじめられ、いつもフードで顔をくるんでいるケニーは印象が薄い。因みにケニーは番組で毎回必ず不慮の事故で死んでしまうという設定になっており、第1回ではUFOから突き落とされ、牛の大群の暴走に巻き込まれた後パトカーに跳ね飛ばされ、鼠によって身体を食いちぎられるという痛々しい死に方をすることになる。

その他、学校のカフェテリアで働いている黒人のシェフは、宇宙人の存在を信じ、わざわざフロリダからUFOの目撃が米国で最も多いと言われているコロラドに移り住んで来た変わり者で、いきなり歌詞が過激なR&Bを歌いだす癖がある(声はソウル・シンガーのアイザック・ヘイズ)。学校のガリソン先生は気が弱いため、指人形のハットさん経由で腹話術を使ってでないと生徒に注意できない。さらにスタンのガールフレンドのウェンディや、手榴弾やミサイル等、大型武器を駆使しての狩猟が趣味なジンボおじさん、警官のバーブラディらを加え、突拍子もないどたばた騒ぎを繰り広げるというとんでもない切り貼りアニメーションが、「サウス・パーク」である。パーカーとストーンは一部を除きほとんどの登場人物の声も担当している。

あまりにも低級低俗なために思わず大笑いしてしまうという、とにかく常軌を逸した番組である。だいたいプレミアの回だけで、一体何回登場人物が「ケツの穴」と叫んだやら。番組を見なければ、切り貼りを使った登場人物の造形はむしろ可愛らしく見える。しかし番組が始まると、その印象がはっきりと誤りであったことに気づく。ほとんど手で一こま一こま動かしているようなぎこちない動きは、そういう効果を狙っていると言うよりは、製作費がなかったんだろうなと邪推してしまうほど芸が無く、後はもう、猛烈なお下劣パワーで引っ張っていくのみである。そしてまた、それが結構笑わせてくれるのだ。この手の、笑いはパワーだよというノリは、「サタデイ・ナイト・ライヴ」でも充分わかったつもりだったが、「サウス・パーク」はその一段上を行っている。ああ、中毒しそうで怖い。

追記 (12/99)
私と同様、中毒視聴者を続出させた「サウス・パーク」は、その後コメディ・セントラルを代表する番組に成長、映画化もされるなど人気のほどを見せつけた(しかしこんな番組が局を代表する番組というのは一体なんてチャンネルなんだ)。バーブラ・ストライサンドが巨大怪獣化して暴れ回るという回では、人ごとながらあんたら名誉棄損で訴えられなくていいのと心配したものだが、何とか無事現在まで続いている。しかしこの11月に放送されたエピソードは、特に日本人にとって衝撃的だった。というのも、何とこの回では「ポケモン」をパロディ化した「チンポコモン」が登場するのだ(だからといって別にチンポコモンが丸出しでいるとか、顔がチンポコ面しているとか、そういうことではありません、念の為)。子供を中心に圧倒的人気のチンポコモンは、実は日本がアメリカ侵略を狙って開発した、子供の心を懐柔するための戦略兵器だったというのがオチで、卑屈に見える日本人ビジネスマンや、チンポコの小さい日本人とかいう人種差別ギャグでかましてくれます。所々字幕なしで日本語のセリフもあったりして、これでは本当にアメリカ人視聴者は何言っているかわからないだろうに。何でもパーカーとストーンのうちどちらかは昔日本のアニメーションや怪獣映画にはまったらしく、学生時代に日本語を学んだこともあるということだ。道理でやたら登場人物が巨大化したりすると思った。その行き着く先がチンポコモンであったか。うーむ。


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