Action -アクション- ★★1/2
放送局: FOX
プレミア放送日: 9/16/99 (Thu) 21:00-21:30
製作: シルヴァー・ピクチュアスTV、クリストファー・トンプソン・プロダクション
製作総指揮: クリス・トンプソン、ジョエル・シルヴァー
監督: テッド・デミ
撮影: ハーバート・デイヴィス
音楽: ポール・バックリー、ジョナサン・ウォルフ
出演: ジェイ・モーア (ピーター・ドラゴン)、イリアナ・ダグラス (ウェンディ・ワード)、バディ・ハケット (ロニー)、サラ・パクストン (ジョージア)、シンディ・アンビュール (ジェイン)、リー・アレンバーグ (ボブ・ジアノポリス)

物語: ハリウッドの映画スタジオのプロデューサー、ピーター・ドラゴンは新作のアクション大作「スロウ・トーチャー (Slow Torture)」の公開を目前に控え、慌ただしい日々を送っている。しかし、彼をプロデューサーとは知らない俳優に駐車スペースのことで文句を付けられたり、部下はアラン・リフキンと間違って別人のアダム・ラフキンの脚本に125,000ドルも支払ったりと、冴えない。「スロウ・トーチャー」プレミアでは、彼はプレッシャーに負けて道端で吐こうとしているところを、通りかかった娼婦のウェンディに見つけられてしまう。慌てて車を発進させたところ、毛皮のコートをドアに引っかけたウェンディごとプレミア会場に乗り付けてしまい、一緒に会場入りすることに。案の定批評はボロクソで、興行成績もよくなく、スタジオのボス、ボブからは続編を作ることはまかりならんとお叱りを受ける。プレミアの日以来仲良くなったウェンディは、ラフキンの書いた脚本が出来がいいとピーターに薦めるが‥‥

Action ハリウッドの舞台裏を描く新手のシットコムということで、放送前から大分話題となっていたFOXの野心作。夜9時台からの番組のわりには、レイティングが「TVMA (TV Mature: 大人向け)」と、子供がまだ起きている時間帯にしては完全に視聴者層を成人男女に絞った異例の編成。レイティングに嘘はなく、番組開始早々、放送禁止用語の4文字単語が機関銃のごとく発言され、それを消すための「ピー」という音が何度も被さり、視聴者の度肝を抜く。「R」指定の映画ですらここまでやらないだろうに。とにかく番組を印象づけるオープニングである。また、スタジオ撮影が基本の30分シットコムにしてはロケーション撮影が多く、見た目には1時間ドラマに見える。金がかかっている証拠である。それにしてもスタジオ撮影でない30分番組もシットコムというのだろうか?

「マトリックス」、「リーサル・ウェポン」シリーズのプロデューサー、ジョエル・シルヴァーと、ペイTVで1番人気のシットコム「ラリー・サンダース・ショウ (The Larry Sanders Show)」(HBO) のプロデューサー、クリス・トンプソンが共同製作総指揮するハリウッドの内部を暴露ものということで、放送開始前の話題性は充分。FOXも期待半分不安半分で編成しただろうが、結果は完全に裏目に出た。なにせ視聴率が伸びない。11月のスイープ月間では、1か月間のお蔵入りまで言い渡される始末である。しかし、今シーズン、視聴率がよくないのは「アクション」に限ったことではなく、FOXの他のすべての新番組が伸び悩んでいる。

「アクション」に次いで話題だったと言えるクリス・カーター製作のSFドラマ「ハーシュ・レルム (Harsh Realm)」は2回放送しただけで早々とキャンセルされた。「X-ファイル」も今シーズン限りと噂されているだけに、カーターは早く次回作をヒットさせたいだろうに。刑事ドラマ「ライアン・コーフィールド (Ryan Caulfield: Year One)」もあっさり去った。12月放送開始が発表されていたWBを睨んだ新手の青春群像ドラマ「マンチェスター・プレップ (Manchester Prep)」に至っては、パイロットを見たFOXの幹部から却下され、一度も放送されることなく姿を消している。「アリーmyラブ」の30分短縮版「アリー (Ally)」も思ったほど視聴率はよくなく (当たり前だろう、わざわざ本編のボツになったシーンを繋ぎ直したものを見るよりは視聴者は本物の方を見るだろう。実際、本編の方の今期のシーズン・プレミアは非常に高い視聴率だった)、残っているのはまだ評価の定まっていない「サンフランシスコの空の下」のスピンオフ (続編)、「タイム・オブ・ユア・ライフ (Time of Your Life)」(ジェニファー・ラヴ・ヒューイット主演) くらいか。これだってパイロットの出来がよくなく、放送開始直前まで撮り直しをしていたと聞いている。

とまあ、FOXの窮状を憂えるのはこれくらいにして本題に戻ると、「アクション」、別に出来が悪いわけではない。ギャグ・シーンで大笑いする通常のシットコムと違って、業界ネタ、内部暴露ものにつきものの考えオチや、思わずにやりとする、という類いのギャグの方が勝っているが (今回の主要プロットで、「ツイスター」や「スピード」の特種効果で名を馳せたアラン・リフキンと他人を混同するというギャグなどその最たるもの)、かといって質的に他のシットコムに較べ劣るかとなれば、決してそういうことはないと思う。ハリウッドの内幕ものという目の付け所も悪くないと思ったんだがなあ。しかし、別にそういうシットコムを見なくとも年がら年中この手の話題に囲まれている視聴者は、改めてこの類いの番組を必要とはしなかったということか。むしろこの番組は海外に持っていけば成功するかも知れない。

主演のジェイ・モーアは、トム・クルーズと共演した「ザ・エージェント」で認められた。この映画で演じた、キャリアのためなら何だってするエージェントぶりが今回に結びついた。むしろ彼よりは「Stir of Echo」等、映画出演作が多いイリアナ・ダグラスの方が知名度では上だろう。彼女は「ハリウッドで売春婦の役を演じるのは最大級の賛辞」と、娼婦役を快諾している。元子役スター転じて娼婦となったという設定であり、ピーターのガール・フレンド兼個人的アドヴァイザーという役どころである。また、スペシャル・ゲスト出演として、「スロウ・トーチャー」プレミアを見に来たという設定で、何と本物のキアヌ・リーヴスが登場するというおまけもついている。これは「マトリックス」を製作したジョエル・シルヴァー絡みの出演なのは間違いないな。


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