
Felicity -フェリシティの青春- ★★★
放送局: WB
プレミア放送日: 9/29/98 (Tue) 21:00-22:00
製作: イマジン・テレヴィジョン Imagine Television
クリエイター: ジェフリー・エイブラムス
出演: ケリ・ラッセル (フェリシティ・ポーター)、スコット・スピードマン (ベン)、スコット・フォーリィ (ノエル)、エイミー・ジョー・ジョンソン (ジュリー)、ジャニーン・ガロファロ (サリー)
物語: フェリシティ・ポーターはカリフォルニア州パロ・アルトに住む17歳の優等生。彼女はこれまで医者になるために親が決めてくれたコースを歩んできただけで、自分自身で何かを決めたことはなかった。高校卒業の日、フェリシティは思い切ってこれまで密かに憧れてきたベンと話を交わす。彼は卒業後ニューヨークに行くことを決めており、しかも彼もフェリシティのことが気にかかっていたという。フェリシティはほとんど決まっていたスタンフォード大学行きを反故にして、急転直下、両親の反対をものともせず自分もニューヨークの大学行きを決意する。しかしニューヨークで彼女を待っていたものは、彼女を無視するルームメイトと、既に彼女のことを忘れて他の女の子と付き合っていたベンだった。しかも消沈している彼女を慰めてくれたニューヨークでできた初めての友人ジュリーが、ベンのアパートから出てくるのに遭遇する。寮のアドバイザーのノエルの説得も空しく、両親がニューヨークを訪れるのを契機に、フェリシティは故郷に帰ることを決意する‥‥
新進ネットワークWBが「ドーソンズ・クリーク」に続いて送る新たな青春ドラマ。ティーン・エイジャーおよび女性層をターゲットに番組を編成してシーズン毎に着実に視聴率を上げているWBが今シーズン最も力を入れ、最も大きな前評判を得た番組である。高校卒業まで優等生として暮らし、親によって引かれていたレールの上を何の疑問もなく歩んできた主人公フェリシティが、恋い焦がれている男の子を追ってニューヨークの大学へ進学したことを契機に、悩み、傷つきながらも成長して行く様を描く。「アリーmyラブ」の学生版として放送前から話題になっていた。
フェリシティに扮するケリ・ラッセルはこの番組のおかげで一躍有名になったが、一昨年、短命に終わったアーロン・スペリング製作、NBC放映のプライムタイム・ソープ「マリブ海岸物語」で主人公のクロイを演じていたのを覚えている人はあまりいまい。何てったって6回くらい放送しただけでキャンセルされちまったからな。フェリシティが憧れるベンに扮するのは、TV映画「ダン・ジャンセン・ストーリー(The Dan Jansen Story)」(そう、あの不運のアイス・スケーター、ダン・ジャンセンのドキュドラマです) のスコット・スピードマン。寮のアドバイザー、ノエルに「ドーソンズ・クリーク」のスコット・フォーリィ、親友となるジュリーに「パワーレンジャー」のエイミー・ジョー・ジョンソンが扮している。
また、フェリシティは自分の考えを綴った録音テープを、元フランス語の教師で今も交友が続いているサリーに定期的に送っているという設定になっているが、声だけの出演になるサリーを「好きと言えなくて」のジャニーン・ガロファロが演じている。ガロファロはアメリカでは最も知名度があるコメディエンヌの一人で、HBOが放送している「ラリー・サンダース・ショウ (The Larry Sanders Show)」で一挙に名を上げた。「好きと言えなくて」ではウマ・サーマンの代理恋人といった役柄を演じていたが、人気の上ではガロファロの方がサーマンを大きく上回る。
番組クリエイターのジェフリー・エイブラムスは、これまで「心の旅」、「フォーエヴァー・ヤング」、「アルマゲドン」の脚本を書いてきた脚本家出身。共同クリエイターのマット・リーヴスは「ハッピィブルー」等の青春ドラマを監督している。製作はイマジン・テレヴィジョンで、同社設立者のロン・ハワード (「身代金」) が番組の製作総指揮の一人としてクレジットされている。番組内に使われる音楽はサラ・マクラクラン等、最近若者を中心にヒットしている音楽を使用している。
「フェリシティの青春」は19歳の同年代の女性が、同年代の会話、興味、話題などを等身大の視点から描いた脚本、というのがセールス・ポイントになっていた。しかしいざ蓋を開けると主人公と同年代であるはずの共同脚本のライリー・ウエストンが、実は32歳だったというのが発覚してスキャンダルになった。童顔のウエストンは元々女優志望だったため、自分の見掛けに合わせて年齢を偽っていたと供述している。放送が始まってしまうと、結局そういうスキャンダルが効果的なパブリシティとなって注目されており、私なんかは故意にスキャンダルを捏造したのではないかと勘繰ってしまったほど。「ワグ・ザ・ドッグ」だってあるし、どこからどこまでが現実でどこからどこまでが架空の世界であるか、この業界ではラインを引くのが難しい。番組の方は、あまりにシリアスすぎるというのが私の印象。よくできているとは思うが、重いぞ、この番組、なんでここまで思い詰める、もう一歩足を踏み出せば、あなたはほとんどストーカー、と思ってしまった。ま、しかしその方がドラマティックにはなるんだろうが。
(2000年9月)
「ドーソンズ・クリーク」と並びWBの看板番組となった「フェリシティの青春」だが、2番組とも揃って99-2000年シーズンでは視聴率ががっくりと落ち込んだ。特に「フェリシティ」の方は一時は目も当てられないほどで、視聴率は最盛期の3分の1以下にまで落ち込み、私はもしかしたらこのシーズン限りでキャンセルされてしまうかもと思ったほど。その理由としては、髪を切ったりフェシリティの恋愛模様がどっちつかずになったり、とにかくそのままの路線でいけばいいものを、やたらと変なアイディアを詰め込んだせいで、従来のファンが離れていってしまったことが大きい。
その最たるものが、「フランケンシュタインの花嫁」みたいなホラー仕立てとした昨年のハロウィーンでのはしゃぎ過ぎのエピソードだろう。話題性作りだけは一役買ったが、そのわりには視聴者を新規開拓するまでにはいかず、逆に愛想を尽かしたファンが離れていっただけという、まったくの逆効果となった。製作総指揮のエイブラムスもやり過ぎたことを認めており、来シーズンはまた元の「フェリシティ」に戻り、初心に帰ってやり直すと言っているが、果たして一度離れたファンが戻ってくるだろうか‥‥
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