
Storm of the Century -ストーム・オブ・ザ・センチュリー-
★★1/2
放送局: ABC
放送日: 2/14/99 (Sun), 2/15 (Mon), 2/18 (Thu) 21:00-23:00
製作: グリーングラス・プロダクションズ Greengrass Productions
製作総指揮: スティーヴン・キング、マーク・カーリナー
監督: クレイグ・バクスリー
脚本: スティーヴン・キング
撮影: デイヴィッド・コネル
編集: ソニー・バスキン
音楽: ゲイリー・チャン
出演: ティム・デイリー (マイク・アンダーソン)、コーム・フィオリ (アンドレ・リノージュ)、デボラ・ファレンティノ (モリー・アンダーソン)、ハッチ(ケイシー・シーマズコ)、ジェフレイー・デマン(ロビー・ビールズ)
物語: 大型の雪嵐の襲来が予報されているメイン州の海岸沿いの小島リトル・トール島。町外れの一軒家で老女マーサが正体不明の男リノージュに惨殺される。リノージュは通りがかった少年の通報により、町の保安を一手に引き受けているマイクに逮捕されるが、誰何するマイクに対して「欲しいものをくれるならこの町を去る」と謎めいた言葉を発する。食料品店に併設された牢屋に連行されていく途中、リノージュは会ったことがあるはずもない町の住人の誰彼に対して名を呼びかけたり、誰も知らないはずの秘密を暴いたりする。町では激しくなってきた雪嵐を前に人々が非常用の食料を手に入れようと走り回ったり、シェルターに避難したりし始めていた。そして牢獄に入れられたリノージュを見張っているはずの男が「欲しいものをくれるならこの町を去る」という走り書きを残して突然首を吊る。高波に揉まれる船舶用ドックでもまた一人、男が同じメモを車にペイントして自分の顔に斧を叩き付けて死ぬ。一体リノージュは何者なのか、何を求めてこの町にやって来たのか、世紀の雪嵐 (ストーム・オブ・ザ・センチュリー) の中、孤立した島はかつてない恐怖に見舞われようとしていた‥‥
ABCのミニ・シリーズとスティーヴン・キングは関係が深く、これまでに94年に4話完結「ザ・スタンド」、95年2話完結「ランゴリアーズ」、97年3話完結「シャイニング」と、3度にわたってミニ・シリーズを送り出している。「ストーム・オブ・ザ・センチュリー」は、キングが初めて最初からTVでのミニ・シリーズ化を前提として書いた作品で、自身で製作総指揮も務めている。「黙秘」や短編「Did the Dead Sing?」で描かれたキングのファンには馴染みの深いメイン州 (キングの居住地) の小島が舞台で、主要な交通手段はフェリーしかなく、天候が荒れると外界との接触を断たれ孤立してしまう島の中で、閉じ込められた狂気が暴走するキングお得意のホラー・ワールドが展開する。
番組製作費は3,500万ドルにおよび、通常のミニ・シリーズが一月かけて撮影するところを、雪や暴風を撒き散らす大型のセットを必要としたこともあり、4か月以上にわたって撮影された。因みにキングは最近(99年6月)、地元で歩いているところを後部座席の犬に気をとられよそ見をしたドライヴァーによって後ろから跳ね飛ばされ、入院するという事故に遭っている。
番組は第1話、2話はそれなりに謎が謎を呼ぶ感じで結構怖がらせ、盛り上がらせてもくれるのだが、謎が説き明かされるクライマックスが一番弱いのが玉に瑕である。とにかく、何といっても3話6時間というのは長過ぎる、というのが正直な感想である。アメリカの人々は皆そんなに暇なのだろうか。田舎の人々はきっとそうなのだろう。ニューヨークの私の廻りでこれを全部見たという人は誰もいなかった。
主演のマイクに扮するのは、人気シットコム「ウィングス (Wings)」、昨年話題をさらったHBOのミニ・シリーズ「人類、月に立つ (From the Earth to the Moon)」に出演していたティム・デイリー。対する悪の化身リノージュには「グレン・グールドをめぐる32章」、「シティ・オブ・エンジェル」のコーム・フィオリ。共に印象的な演技で印象を残す。記憶に残りやすい悪の化身を演じたフィオリが誉められているのはもっともだと思うが、演じるのが難しい善人役に挑んだデイリーも悪くない。マイクの妻モリーには評価の高かった警察ドラマ「EZストリート (EZ Street)」のデボラ・ファレンティノが扮している。キングと一緒に製作総指揮を担当しているのは、前作「シャイニング」他、「ジョージ・ウォレス」も製作しているマーク・カーリナー。監督はスタントマン上がりという変わった経歴を持つクレイグ・バクスリー。撮影は98年USAのミニ・シリーズ「モビー・ディック」を撮ったデイヴィッド・コネル。
HOME