
The Wedding -ビューティフル・ウェディング- ★★★
放送局: ABC
プレミア放送日: 2/22 (Sun)、2/23/98 (Mon) 21:00-23:00
製作: ハーポ・フィルムス/Harpo Films, Inc.
製作総指揮: オフラ・ウィンフリー、ケイト・フォルテ
監督: チャールズ・バーネット
原作: ドロシー・ウエスト
脚本: リサ・ジョーンズ
撮影: フレッド・エルメス
出演: ハル・ベリー (シェルビー・コールス)、エリック・ソール (ミード)、リン・ホイットフィールド (コリンヌ)、カール・ランブリー (ルート)、シャーリー・ナイト (グラム)
物語: 1953年、裕福な黒人家庭に育ったシェルビー・コールスはマーサズ・ヴィンヤードで白人ジャズ・ピアニストのミードとの結婚式を1週間後に控えていた。コールス家は一方の家系に白人、もう一方に黒人を持ち、白人である祖々母グラムは子孫の肌の色が薄くなっていくことしか念頭にない。政治的な理由で結婚した両親の間に愛情はなく、母コリンヌは世間体のことだけを気にし、医者の父は看護婦と浮気をしていた。姉は黒人医者と結婚したが、夫は肌の色と世間体だけを気にするコールス家に馴染まず、いまだにコールス家の敷居を跨いだことはなかった。一方、コールス家を訪れたミードは実は実家から勘当同然の身で、結婚式に彼の両親は来ないことを告げる。そんな時、コールス家の前の家にハンサムな黒人男性ルートが3人の娘を連れて避暑にやってくる。彼の妻は白人だが、彼もまた人種問題で苦悩していた。ルートはシェルビーに好意を持ち、積極的にアプローチする。シェルビーもまたルートに好意を持っている自分を発見して驚く。結婚式当日まで数日を残すのみとなり、シェルビーの心は揺れ動く‥‥
「ビューティフル・ウェディング」はまだまだ人種問題が大きな社会問題であった (実は結構今でもそうだが) 50年代前半、高級避暑地として著名なマーサズ・ヴィンヤードを舞台に、貧乏な白人のミュージシャンと結婚予定の白人の血を引く裕福な生まれの黒人女性が、人種間の軋轢や家族の世間体、自分の本当の感情といったものに悩まされながら、自分のこれから生きていく道を発見して行くという物語である。原作は20-30年代にニューヨークのハーレムを中心として興った芸術運動「ハーレム・ルネッサンス」のメンバーの一人として著名なドロシー・ウエスト。現在90歳になるウエストが95年に発表した作品である。
主演のハル・ベリーは、「エグゼクティブ・デシジョン」等で今や人種間を問わず人気のあるスターであり、この役にはうってつけと言える。素直に育てられて一見肌の色など気にしていないように見えるが、無意識のうちに白人に迎合しているといった役柄を無理なく好演している。シェルビーよりももっと人種間の綾に搦め捕られ、世間体しか気にしないシェルビーの母コリンヌに扮するリン・ホイットフィールドもよい。人種差別主義者でないが、子孫の肌の色が段々白くなっていくことしか気にしてないという祖母グラムにはシャーリー・ナイトが扮している。ある意味では純真な心の持ち主でもあるグラムを嫌みなく演じているナイトが、もしかしたら一番難しい役どころをこなしているかも知れない。その他の面々もそれぞれ好演しており、4時間の長時間をアクションもなしで持たせた質の高さは大したものである。監督はこれまでに「To Sleep With Anger (90)」、「グラス・シールド (94)」といった隠れた佳作を発表しているチャールズ・バーネット。
製作総指揮を務めるオフラ・ウィンフリーはABCが毎昼放映しているトーク・ショウ「オフラ」のホストとして著名であり、特に黒人女性を代表するオピニオン・リーダー的存在である。「カラーパーブル」といった映画出演作もあるが、日本人には数年前のアカデミー賞授賞式で、司会のデイヴィッド・レターマンがウィンフリーとウマ・サーマンを交互に「オフラ、ウマ、オフラ、ウマ」と呼んでいたギャグとも言えないギャグで記憶に残っているかも知れない。現在ウィンフリーは彼女が選出した本の普及を行なうブック・クラブの経営やTV映画作品の製作にも精力的に乗り出しており、ABCが定期的にウィンフリー製作映画を放映している。
HOME