
Twelfth Night -十二夜- ★★★★
放送局: PBS
プレミア放送日: 8/30/98 (Sun) 20:00-23:00
製作: リンカーン・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ Lincoln Center for the Performing Arts
監督: ニコラス・ハイトナー
舞台装置: ボブ・クロウリー
出演: ヘレン・ハント (ヴァイオラ)、カイラ・セジウィック (オリヴィア) 、ポール・ラッド (オーシーノ)、フィリップ・ボスコ (マルヴォーリオ)
内容: ブロードウェイ、リンカーン・センター内のヴィヴィアン・ボーモント・シアターで1999年8月30日に上演されたウィリアム・シェイクスピアの「十二夜」の生中継。
物語: 船の遭難で兄と生き別れになった妹のヴァイオラは、辿り着いた町で性別を偽ってオーシーノ侯爵に仕える。侯爵に気に入られたヴァイオラは侯爵の意中の人オリヴィアへの使いとして派遣されるが、逆にオリヴィアは男装のヴァイオラに恋してしまい、ヴァイオラはヴァイオラで侯爵に想いを寄せるようになる。一方オリヴィアの屋敷では、尊大な執事マルヴォーリオと何につけいがみ合っているオリヴィアの叔父トビーの画策により、侍女マライア、オリヴィアのもう一人の求婚者アンドルー、道化のフェステらを混じえ、マルヴォーリオに一泡くわせる陰謀が企てられていた。そこへ偶然生き延びていたオリヴィアに生き写しの兄セバスチャンが町にやって来たことから、事態はますます紛糾する…
ニューヨーク、ブロードウェイのパフォーミング・アーツの殿堂リンカーン・センターで、今を時めくヘレン・ハント主演、俊英ニコラス・ハイトナー演出で上演されたウィリアム・シェイクスピアの「十二夜」の生中継。ジェンダーの転換、三角関係、行き違いや擦れ違い、奸計謀略悪巧みと、既にシェイクスピアの時代にコメディの要素は出尽していたのだなと改めて思わせるクラシック喜劇。
今回主人公のヴァイオラを演じるヘレン・ハントは、「ツイスター」で一躍世界的スターの仲間入りを果たし、昨年の「恋愛小説家」でアカデミー主演女優賞を受賞、さらに今月のエミー賞ではNBCのシットコム「マッド・アバウト・ユー (Mad About You)」によってコメディ部門の主演女優賞を受賞と、現在乗りに乗っている女優である。オーシーノに扮するポール・ラッドは「ロミオ+ジュリエット」に続きこれで舞台でもシェイクスピア作品への出演となる。雰囲気を持った俳優で、最近「シェイクスピアの恋」や「エリザベス」などでシェイクスピア俳優として名を成してきたレイフ・ファインズの弟(名前忘れた)よりも、私はラッドの方を買う。次回作はジョン・アーヴィング原作の「サイダーハウス・ルール」。執事マルヴォーリオに扮するフィリップ・ボスコは「ファースト・ワイフ・クラブ」、「ベスト・フレンズ・ウェディング」等コメディ作品の常連。
舞台監督のニコラス・ハイトナーは英国出身の舞台/映画監督。元々舞台出身なだけに、「英国万歳!」(映画/舞台共) 、「クルーシブル」等戯曲の映像化を得意としている。今年「フレンズ」のジェニファー・アニストン主演の新作「私の愛情の対象」が公開したばかり。舞台装置を担当しているボブ・クロウリーはハイトナーの「クルーシブル」で衣装を担当するなど、時代物を中心に活躍している。
何にもまして、ヴァイオラに扮するハントが圧倒的にいい。実際彼女は男顔で、見ようによってはちゃんと男の子に見える。ツボを押さえたハイトナーの演出も文句なし。生中継で一発勝負のはずなのに、勘所を押さえたカメラのカッティングで、まるで何度もテイクをとったのを編集したようなカメラ・ワークも見事である。また、入浴シーンなど舞台上で水を使用することのできる舞台装置を実現したボブ・クロウリーの装置も素晴らしい。こういうのを見ると、ああ、この芝居の生の舞台は役者と観客が一体となった幸せな一時を持つことができただろうなあ、生で見たかったなあと思ってしまう。
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