◆◆◆山岸涼子のスゴイ作品◆◆◆

 

私が、今や大先生の彼女の作品に出会ったのは小学生のとき。以来ずう〜〜っと影響されっぱなし! 好き嫌いはあるとは思いますが、スゴイんですとにかく!!お話は大人向きかな? 少女漫画の巨匠ですが、男性でも大丈夫だそうです(友人談)

『日出処の天子』

白泉社文庫 全7巻/各500円くらい

これぞ名作ってもんでしょう!って、私が太鼓判押す作品です!! 「ひいづるところの てんし」と読みましょう。主人公はかの聖徳太子。

17条の憲法(日本初の法律)を作ったり、大々的な政治改革をやったり、 6人の話を一度に聞く事ができたとかいう伝説も残っていて、一部では神様のような扱いを うけている、飛鳥時代の皇太子だった人です。お寺もいっぱい建てました(法隆寺が有名)。

まだ彼が厩戸王子(うまやどの おうじ)と呼ばれていた頃のお話(フィクションです)。彼(本人)が、当時の中国の大国・隋に遣唐使を送ったのは有名ですね?そのご挨拶の文面で「日出処の天子より、日没する処の天子へ……」と書いたんですが この作品はそこから名前がきています。

なにしろ大国の皇帝に書くお手紙にしては横柄すぎるし 天子、というのは天皇とかの王をあらわす言葉なので、普通王子は使わない。 頭のいい聖徳太子がなんでそういうヤバイ手紙をかいたかは、未だ歴史の謎ですがそこらへん、くわしいところは、井沢元彦の『逆説の日本史2』をごらんください(こちらも歴史好きにはものすごく面白いですよー)。

で、お話は、かなりぶっ飛んでいます。聖徳太子は超能力者でホモだった!という 衝撃的なフィクションは、いたいけな小学生の私を夢中にさせました(笑)

おまけにキレイでセクシーな絵が素敵。年賀状にいっぱい書いたなあ・・・・・・。 まあ、読んでくださいよ♪

 

『アラベスク』

白泉社文庫 全4巻/各600円

1969年『レフトアンドライト』でプロの漫画家となった山岸凉子先生が、デビュー後たったの2年で到達したバレエ漫画の傑作長編。バレエの解説書として、少女(おそらくは読者層)のサクセスストーリーとして、複雑な人間の心のひだを描いた物語として、大変完成度の高い作品になっています。また、やはり山岸先生ならではの「怖さ」もあります。

山岸作品って読めば必ずどこか勉強になりますよね。そこが私が山岸作品を愛する理由の一つでもあります。バレエについて少しだけ詳しくなれたような気がしました。

実は私、今回初めてこの作品を読んだんですが、少しガッカリしたんですよねー。面白いのはもちろんだったんですけど、なんと、前にも読んだことあるようなストーリーだったんです。

その作品というのは有吉京子の『SWAN』。こちらもバレエ漫画です。田舎娘がプリマに育っていくサクセスストーリーで、見出してくれた先生への秘めた愛、男っぽいライバルや美しい天才少女の登場、エキゾチックな男性ダンサーや優しいパートナーからの恋心、そして主人公が到達するシルフィードの世界などなど、いちいち条件がかさなるんですよね。敬愛する山岸先生がパクったとは思いたくなくて連載開始時期を調べたら、『アラベスク』は1971年、『SWAN』は1976年でした。ああよかった。

もちろん、何もかも同じというわけではなくて、『アラベスク』の天才少女はいじわる(『SWAN』では天使のように優しい)だし、『SWAN』では先生との恋は破局しちゃう。最後のほうは全然違う話になっていて、パクリのような『SWAN』のほうが絵が華やかだし、ストーリーのディティールも丁寧、巻数も文庫で14巻(『アラベスク』は4巻)と多かったりします。

実はもう1つ似てる作品があって、これはバレエではなくジャズダンスなんですが、槙村さとるの『ダンシングゼネレーション』と『NYバート』(続き物)です。天才男性ダンサーに見出され、育てられた少女がブロードウェイで成功、最後には先生に愛されるが・・・みたいな話。こっちはディティールは違うけど、大筋で似ています。それぞれオリジナリティもあって、面白いし大好きなんですけどね。でも似てるな、って・・・(笑)。

ダンス作品だとどうしてもこういうストーリーになってしまうのかもしれないけど、萩尾望都なんかは全然違う作品を書いてるし、影響されてないとはいいきれないじゃないかと思います。これってパクリといっては言葉が悪いけど、カバーとはいえるんじゃないでしょうか?(笑)すぐれた作品に影響されてしまうのはしかたないですもん。みんなこっそりカバーしてんだな、と思っちゃいました(笑)。


『ツタンカーメン』

潮出版社 希望コミックス 全4巻/各620円

最初は白泉社の月刊コミック誌『花とゆめ』で連載されていて『封印』の名前で2巻まで出ていたんだけど、その後2年ばかり音沙汰なし。 いつでるのかな〜と思っていたら、潮出版の『コミックトム』(現在休刊中)で連載を始め、今年の初めかな?のこりの2巻がでました。お話の舞台は1900年代前半のエジプト。

手を付ける者が次々と死んでしまう、呪いの黄金仮面で有名なツタンカーメンの墓。ずっと謎だった彼の墓を掘り出した考古学者のハワード・カーター(実在の人物)が主人公です。

しっかり取材した発掘までの経緯を、山岸先生お得意のホラー仕立てで書いてあり あいかわらず秀逸。

オマケで収録されている『イシス』という短編も エジプト神話を上手に料理してあり、興味深い作品でした。


『青青の時代』

潮出版社 希望コミックス 現在3巻刊行中/各560円

潮出版の「月刊コミック トムプラス」で今も連載中の最新作!山岸涼子ファンとしては嬉しい限りです。ほくほく。さー、何巻まで続くんでしょうねえ〜♪できれば長く続いてほしい・・・。

タイトルは「あおのじだい」と読みましょう。あのクラスの大先生になるとストーリー以外はアシスタントに まかせちゃってたり(アシさんも10年選手くらいになると、先生とほとんど同じ画が描けるようになるそうです)する人も結構多いといいますが、未だ連載中のこの作品には「絶対山岸先生の自筆よっ!」っと確信がもてる(もちろんワキはアシさんぽいですが)美しい芸術的な画がた〜〜くさん入っていて大満足!

日ごろ、大御所さんでも「全盛時代のほうが よかった・・・」なんて人(誰とはいいませんが)が多いと感じているのですが、山岸涼子先生の場合、歳を経る毎に内容・作画ともにレヴェルがあがっているように思えるのは私だけでしょうか?

さて、舞台は古代日本。『日出処の天子』からさらに邪馬台国の時代までさかのぼります。中国の史書・魏志倭人伝に「鬼道につかえ能く衆を惑わす」と書き残された伝説の巫女王卑弥呼。

巫女として超能力を持ち国を治めたといわれる卑弥呼は、実はたぐいまれな美貌と政治力によって国を治めた非超能力者っだったのである。そして真の巫女(能力者)は別にいたのだ。自分以上の能力を持つ姉とその孫(娘?)をめざわりに思う卑弥呼は・・・。

実在の天才政治家を美貌の超能力者として描いた『日出処の天子』の逆パターンといってもいいかも。神話と史実とフィクションをおりまぜた物語には、山岸ファンでなくともハマること間違いなしです!


★★★その他の作品★★★

実は先生の作品は短編が多いんですよね。短編の中にもお気に入りの作品がたくさんありますが、ちょっと怖かったり、不思議な雰囲気の作品が多いので、 あくまで私の好みなんですけど、そのうち推薦していきたいと思います。

まあ、上の作品を読んで面白いな、と思ったら、もうアタナは山岸涼子のト・リ・コ♪是非短編も読んでみて下さいね。本屋に並んでいない作品もたくさんあるので古本屋で探しましょう。ただ、気をつけて欲しい事が一つ・・・。

先生の本は短編をまとめてあるものが多いので、中をよーく見てから買わないと同じ作品が収録された本を買ってしまう可能性があります。必ず確認しましょう!


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