<
京劇ってなんじゃらほい?

京劇の発生

京劇とは?

 今現在、世界にある沢山の民族の多くは“演劇”と呼ばれているものを持っており、各々祭祀などから発展させ長い時間をかけて現在の姿にまで形成させてきました。もちろんお隣の国である中国にも、古くからそれぞれの地方に特有の戯劇があり、それぞれの歴史の中独自の発展を遂げてきました。ただ、ご存じのように、中国大陸というモノはとてつもなく馬鹿でかいシロモノであり、その地方ごとに言語を初めとした文化、風習等も、まるで別の民族であるかのように異なっています。ご多分に漏れず“演劇”の分野でも、その地方特有の言語・習慣を取り入れた地方劇が、それぞれの地方で独自に形成されていきました。現在でも“昆劇”“晋劇”“越劇”“黄梅戯”“豫劇”“湘劇”“川劇”“秦腔”等、多くのものが残っており、その伝統は今に受け継がれています。(これらは私のような初心者が見ても、喋っている「方言」以外の相違点はなかなか分かり難いものでありますが、演目、使用楽器、曲調の違い等多くの相違点があるようです。)これらと比べ、いわゆる京劇と呼ばれるものは、これら土着の文化に根ざして発展してきた地方劇とはその成立過程に一線を画しています。地方戯劇が一般に祭祀演劇から娯楽のための演劇に変化していったのと異なり、京劇はそれらの“完成した”伝統戯劇を融合・昇華させていったものなのです。その為に、成立時期も他の演劇よりも比較的最近である十八世紀頃で有ろうと言われています。このような事情により“京劇”が中国の代表的戯劇と言われているのです。それでは「地方劇」がどのような過程を経て「京劇」となったのか、これらの過程を簡単にお話ししていく事にしましょう。

徽調入京
 

京劇が形成されるきっかけとなった出来事は清朝・乾隆年間に起こりました。それまでの北京では“昆曲”“高腔”と呼ばれる戯劇が主として演じられており、庶民の間でもよく見られていたようです。(これら二つの戯劇も元々北京にあったものではなく地方劇です。)時の皇帝、乾隆帝はもまた戯戟を好んでおりましたが、上述の二つの戯劇だけには飽きたらず、彼の生涯の内で六度行われた「南巡」(南方、特に江南地方巡察の旅)においても、公務の合間に頻繁にそれぞれの地方戟を観劇しておりました。そしてその中で、自分の気に入った地方劇を見付けると、その劇団を丸ごと北京にまで連れ帰り、自分専属の劇団として宮中に囲う、という何とも贅沢な事をしておりました。当然この事は地方に於いて、立身出世を目指す有力者の耳にも入ることになります。彼らはこの事を知ると我先にと、自ら進んで地方劇団を組織し「皇帝陛下の誕生祝い」、「皇后陛下の誕生祝い」等と称し、皇宮に劇団を丸ごと献上すしだします。皇帝陛下の覚えを良くし権力を得ん為にです。同じ事を考える人間は多いもの、短期間の間に中国全土より有力者から献上された劇団で北京は一杯になってしまいました。趙翼という人物が記した“簷曝雑記”という書物にそのころの北京の様子が綴ってあります。それに曰く「西華門から西直門外の高梁橋まで、数十間毎に舞台を見付けることが出来る」とあり、よほどの多くの劇団が北京に集まっていたと言うことが解ります。この時それぞれの劇団員達はこの様な、有る意味「演劇ブーム」と言える程の状況の中、彼らはお互いの芸を磨く事で客を確保しさらなる発展を遂げていこうとします。

二黄戯の誕生

 これらの地方劇の中から抜きん出て、遂にNO1の地位を勝ち取ったのが“徽調”と呼ばれる安徽省を中心として上演されていた地方劇でした。当時、特に有名な「徽班」(班とは劇団の意。この場合“徽調の劇団”の意)として「四大徽班」と呼ばれた「三慶班」「四喜班」「春台班」「和春班」の四つの劇団がありました。未曾有の“徽調ブーム”の中、他の「徽班」も続々と安徽省から北京に入京しはじめ、ついには客を奪われた他の地方劇の役者達も「徽班」に参加するようになっていきます。ここに至って北京に於ける“徽調”の勢いは最高潮に達します。またこれと同時に他の地方劇の役者の中で「徽班」に参加する者も出るようになります。彼らが“徽調”に新しい風をもたらす事で、それぞれの役者が修得した各地方劇の特色が自然と「徽調」にも反映されていき、その世界にさらなる奥行きが深まっていきました。この様に新しく合流した地方劇の中で、後の「京劇」成立に最も影響を与えたものが“秦腔”“漢劇”です。これら二つの出会いによって“徽調(別名:二黄(本当は“竹+黄”という字なのですがフォントに無いので、以後“黄”の字で代用します)調を)”はさらなる変化を起こして行き、名称も“秦腔(別名:西皮調)”等と融合し合うことで“皮黄戯”と改まり、さらなる段階へ変化していくことになります。

・・・・・・・・・・・・続く?


このページは GeoCitiesです 無料ホームページをどうぞ