EE JUMP シングルレビュー

伝説のユニット、EE JUMP。そこまで売れてないわけではないのに売れてないのを逆手に取った捨て身の戦略。後藤真希の弟ユウキによる逃亡騒ぎ、そして復帰直後1stアルバム発売直前になって伝説のキャバクラ事件を持って幕を閉じたEE JUMPはソニンの苦難の歴史の始まりでもあった。

実はデビュー前にケンという男性メンバーがいたが「サッカーがしたい」で辞めてしまいCDデビューは2人になったという経緯がある。受難はCDデビュー前には始まっていたのだ。

1stシングル LOVE IS ENERGY!
00年10月に発売された記念すべきデビュー曲。いいじゃんをもじってユニット名にしているわけだがこの曲はいいじゃんいいじゃん EE JUMP!を連呼するなどテーマ曲的な面も併せ持つ。なお後藤真希の弟ユウキがいたり、マネージャーの和田薫がモーニング娘。のマネージャーだったとか、つんくによるプロデュースなのでハロプロかと思うがハロプロとは関係ない。この曲はとにかく明るいポップな曲で勢いで走っていく。この頃のつんくはそれなりにヒット曲も連発していたし曲自体は悪くない。ソニンはメインボーカルということで終始歌っているわけだがユウキの役割が実に曖昧。ラップ部分もソニンと分担してAメロやBメロでソロでさりげなく1フレーズずつくらい歌っている程度。勢いやコーラスや何よりテレビ出演時のパフォーマンスでごまかしているものの全体的に残る印象では「ユウキ何してんの?」である。なお売上は18位に登場して5万枚ほど。
★★★☆☆


2ndシングル HELLO!新しい私
年明け01年1月に発売された2枚目はミディアムテンポで聞かせるタイプの曲。ソニンボーカル、ユウキはラップ専任という明確な役割分担がなされた。ユウキのラップは間奏のソロパートだけでなく終始バックで曲に絡んでいくのでヒマはない。かなりラッパーしているユウキだが「Yo!Yo!」とか「HERE WE GO!」とか「on&on&on」とかモーニング娘。とか聞いてたら一度はつんくの声で聞いたことのあるいかにもつんく伝授なラップである。やや地味で長い印象もあるのだが何気に一番何度も聞ける曲はこの曲だと思う。ただCD上ではユウキの存在感が増したもののパフォーマンス面では前作よりも「何してるの?」感が強い。ラップも正直入れすぎで少々邪魔だし。今作は前作の2倍の初動ながら順位は17位、累計は前作を数千枚上回るにとどまった。
★★★★☆


3rdシングル おっととっと夏だぜ!
01年5月発売の最大のヒット曲。「うたばん」では前2作の売上が満足いかないらしくマネージャーの和田が2人を押しのけてメインででしゃばり「トップ10には入らないと」「売れない」などと前の2枚が売れなかったことを強調連呼し1人で語りまくり必死さをアピールする演出がとられた。この同情煽り手法はソニンがソロに転向してからよりいっそうエスカレートしていく。バラードではじまったかと思いきやいきなりはじけて歌ともラップともつかないパートを2人が交互に歌い、演歌っぽくなり、サビでは爽快にはじけて、最後はオペラ調子というめまぐるしく変わる曲調はお祭り騒ぎのモーニング娘。よりもとにかくはじけまくっていた。パフォーマンス面でも空中回転を取り入れ練習では顔から墜落してソニンが鼻血止まらなくなったというエピソードも伝えられるなどまさに捨て身の会心の一撃。後に残る曲とか関係ない。とにかく今少しでも多く売れればいいという必死さはひしひし伝わった。トドメにPV収録のビデオまでつける(今ならDVDだが…)という当時としては画期的な手法で何とか5位にランクインさせることに成功。売上も20万枚間近まで迫りようやく軌道に乗ったかに思えた。
★★★★☆


4thシングル イキナリズム!
01年8月リリース。運命が狂い始めたのがここから。この曲のテレビ出演めぐりをやっている最中にユウキが抜け出して遊んだらスタッフだかマネージャー和田だかが怒り、それに反抗したユウキは脱走。そのまま活動休止に。後に日光までタクシーで行って温泉入ってきたとか語られている。残されたソニンはまだ収録していなかった番組には1人で出演した。その際ユウキのパートはテープを流した。

前回の流れのままのようなもう少し落ち着かせたような何とも微妙なテンションの曲。よりによって脱走したユウキのソロ歌唱から始まり、ユウキの歌メロ支配率がソニンとほぼ並んでいる珍しい楽曲。ソニンは全編に渡ってほとんどオペラ歌唱で乗り切る。また歌詞に「あいつのように波乗りとかやりたい」とか「桑田さんどうもありがとう」とかあるのは7月発売で大ヒットした桑田佳祐の『波乗りジョニー』を指している。『波乗りジョニー』のCMでは「夏の曲といえば?」という質問に対して街の人々は次々と「波乗りジョニー」と答えていくのだが最後に出てくるおっさん(桑田)は何故かレコード会社も違うし関係も全くないのに「おっととっと夏だぜ!」と答えてCMが終わるというものだった。

今回も前作同様にPV収録のビデオもつけて気合十分だった。ユウキ脱走騒動などで前作以上にいろいろ話題にはなったものの今作は2ndシングルも下回る初動で当然トップ10を逃して14位に登場。5万枚にさえ届かないという最低売上を更新してしまう痛い状況に陥ってしまった。1st,2ndをあれほど「売れなかった」と言っていたのに下回ったのだった…。まあこれは曲が中途半端だったからかねぇ?
★★★☆☆


5thシングル WINTER〜寒い季節の物語〜
EE JUMP featuring ソニンという名義で01年11月リリース。ユウキが休業中だったため急遽ソニン用のソロシングルとして制作されたらしいSPEEDの『WHITE LOVE』辺りを意識したようなウィンターソング。冬の凍てつくような空気がそのまま出ているこの曲はこれまで飛び道具的楽曲ばかりだったので初の大真面目な歌となった。普通にいい曲。この手の路線の方がウケがいいのか2度目のトップ10入り、2番目のヒットとなった。なおC/Wの方はさすがにわざわざ作らなかったようで明らかに2人用の曲をコーラスでごまかしてやっている。
★★★★☆


6thシングル 青春のSUNRISE
02年3月に発売された再始動シングル、同時に1stアルバムの発売も告知された…のだがラストシングルに。前作の好調ぶりからこのままユウキはなかったことにするという選択肢もあったはずだがこのままでは終われないという意志が強かったのだろう。ユウキ復活となった。PVでも「ごめんね」とハラキリパフォーマンスをしたり、各歌番組でも謝罪、復活をアピール。曲のほうはごく普通の青春応援歌という感じでさわやかな歌メロにユウキのラップが絡んでいく。「みんなみんながんばれがんばれ 負けんじゃないぜ負けんじゃないぜ YO 自分に」とラップする姿は自分に言い聞かせているようでもあった。
★★★☆☆


1ヵ月後、週刊誌にユウキのキャバクラ通いがスクープされてしまう。実際連れて行ったのはスタッフだか何だかの大人だというし一緒にジャニーズ所属タレントもいたと言われているがジャニーズの方は名前が出ず事務所の弱いユウキは堂々掲載されてしまった。これによりユウキは芸能界を引退。EE JUMPは完全に全ての仕事が白紙になり、すでに完成されていた1stアルバムも幻と化した(収録楽曲の大半は後のソニンのソロシングルC/Wで再録音し救済。ただしユウキのソロ曲だけは完全に幻に。)

この知らせを聞いたソニンは冗談抜きにショックで鼻血が止まらなくなりティッシュ1箱消費したとも言われているがソニンの苦難はまだ続くのだった。

・8月にはソロ復帰。『カレーライスの女』とかいうわけの分からないタイトル、内容の歌を裸エプロンで歌わされる。PVでは東京で巨大化したソニンがビルとビルの間を散歩しながらゴジラのごとく火を吹くという(カレーだけに?)笑いの止まらない展開。同情企画がエスカレートした「うたばん」では地元高知から韓国までの560キロマラソンを課せられ途中で一時発狂

・11月に第2弾『津軽海峡の女』というまたしても意味不明な演歌調な曲をやらされ、今度は胸元の大きく開いた2番煎じな衣装を着せられる。またしても津軽海峡でマグロ1本釣りなる企画をやらされたり、1週間体育館に軟禁されて5万を超えるドミノを1人並べさせられて再び発狂

ただ同情を煽る企画もここまで行くと逆に世間は飽きてしまう。この辺りまででそれ以降の企画はあまり見た覚えがない。弾き語りで全国回るなんて企画もあったような気がするが…。いずれにせよソニンの苦労も悲しくジリ貧…。

その後シングル1枚を経てソロ1stアルバムを発売。さらにその後シングル1枚をリリース。この時点までソロになってからはEE JUMP時代はわずか2回しかなかったトップ10入りはずっと果たしていた。だがトイズファクトリーから採算に合わないとか何とかで契約を切られてインディーズへ移行。インディーズで3枚のリリースをした後は05年1月を最後にリリース活動は停止しているようだ。

なおユウキは引退後は職を転々としながら若くしてできちゃった結婚をしたものの…窃盗容疑で逮捕され檻の中へ…。

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