
光田健一
『ピアノによる宇多田ヒカル作品集VOL.2〜Can You Keep A Secret?〜』
なるCDが7/18日に発売されているらしい。明日買いに行こう。べつに宇多田ヒカルだからではない。
光田健一全アレンジ、全ピアノ演奏
だからだ。光田氏はちょっと一味違った方で、まあなんというか、音楽的な分野で天才と庶民のちょうど境目にいるような人だ。私は光田さんの音楽とお話が好きで数年来FCに入っているのだけど、送られてくる会報は毎回読むのに1日がかり。とにかく対談やらなにやらの書き物が、よくぞこれだけフォントを小さく印刷できるものだと感心する位の字でびっしり20〜30ページに及んで詰めこんである。サービス精神旺盛というのか、やりだしたらとめどがないというのか。読んでいると光田さんの人となりが垣間見える。
話術が堪能で、オヤジテイストのダジャレ満載な話っぷりは感動を覚えるくらいだ。口で食っていけそうだ、あれは。ビジュアルは小柄でタレ目であんまり野郎臭くなく、若く見える33才。二枚目というわけでもなく、ひょうきんな感じを受ける。けれどもいったんピアノを弾き出すと別人のように二枚目に見えて来たりする。変に気取らずかっこつけず、時に貧乏臭い。表情豊かで見ていて面白い。知識が豊富。スポーツから政治経済、芸能、時事ネタ等、音楽業界で多忙を極めているはずの人よりも自分のほうがモノを知らないというのはかなり衝撃だ。そーいう知識や豊富な経験に裏打ちされてか、言うことに説得力があって人を惹きつける。人脈がすごいらしい。要領が良さそうだけれど、同時に人間的に深みのある人なのかもなと思う。
音楽的には、東京芸大作曲科に入って中退したという経歴をお持ちで、まあとにかく技術が普通でないレベルのようで、ジャズやフュージョンやプログレッシブロックの世界はもとより、アーティストのサポートミュージシャンやアレンジャーとして一目置かれる存在だというお話。紆余曲折の末今は天下のスターダストレビューの正式メンバーに迎え入れられ名実ともにメジャーアーティストとして活躍されてらっしゃる。(※もろもろの成り行きにより、'01年末にスタレビメンバーから抜けられたそうです。)
私は数年前ライブハウスでのソロライブでピアノをいかにも楽しそうに弾き語る光田さんを見て、音楽とキャラに魅了されてしまった。ほんとにっこにこで楽しくて仕方ないという感じ。歌も歌えてしまう人なのだけど、まあはっきり言ってピアノや曲のレベルと同列に並ぶかというとそうとも言えないと感じる。でも、なんとも言えずぐっとくるんだよなぁ。歌心があるんだろうね。(話は飛ぶけれども、坂本昌行さんはとても響くいい喉と歌声をお持ちで、歌もうまくてらっしゃる。はて、どのくらいの歌心がおありなものか、邪なファン心が働く私は純粋にそこを測りきれないのが少々残念だ。いや幸いなのかな^^;)
ピアノを聴いても、それがピアニストとしてどれくらいの技術なのか私には分からないし、きっと超一流ではなくてエリートからするとポップスの世界に流れた中途半端な位置にいる人なんじゃないかなと思うのだけど、光田さんのピアノは何だかとっても心地よい。たとえば聴きながら考え事をしていても自然と心が落ちつける状態に整えてくれる感覚。上手いなぁより先に、あ〜なんだかいいな〜とため息し、楽しくなったり哀しくなったりする。きっとそれは光田さんにある人間臭さの顕れということなんだろうな。そういうのは表現できそうでなかなかできないものだ。ピアノを自分の表現手段として自由自在に操ることに長けている方なんだろうと思う。
そんなわけで、私は光田健一の音楽が好きで自分にフィットするもので、今回の宇多田ヒカルピアノアレンジアルバムは買いなのだ。CD屋さん本屋さん喫茶店レストラン他で、ピアノアレンジの「Can You Keep A Secret?」を耳にすることがあったら、ちょこっと聞き耳を立ててくださるとファンとしては嬉しい。
〜2001年07月21日付の”ぼやいてなんぼ”(裏日記)より〜
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