大人は判ってくれない

出演:ジャン=ピエール・レオー 他
この作品の冒頭は、こんな一文から始まる。
「亡きアンドレ・バザンの思い出に捧ぐ」・・・この一文だけでぐっとくるのね。アタシには。
どんなに、この映画を、見せたかったことだろうか、と。
一口メモとして付け加えるならば、アンドレ・バザンっていうのは、映画評論家であり、問題児だったトリュフォーが「精神的父親」として、全信頼を寄せた初めての大人なのね。やんちゃ坊主のトリュフォー(だって鑑別所には入れられるわ、自分から志願して兵隊に行った癖に逃げ出して軍刑務所に入れられるわ、まったくもって、こりゃ、本当の親だって手放すぜ、という問題児)に愛を与え、映画と共に生きる場所を与えた恩人なの。この人がいなかったら、間違いなく、映画監督トリュフォーはいなかったと思う。多分、刑務所を行ったり来たりするようなゴロツキで終わってたろうね。
そんで、これは、いわずもがな、トリュフォーの、母親に愛されなかった不遇の子供時代(親から見たら手のつけられない問題児ってわけなんだけど・・・)が元ネタなわけね。家出や盗みを働いて、挙げ句、少年院送りになるわけよ。大体本当の話。
いろいろ好きなシーンとかはあるんだけど、ここでは控えておくわ。
かわりに、ジャン・コクトー(トリュフォーは、この作品で儲けたお金を、当時、『オルフェの遺言』の撮影が資金不足で困難になってたコクトーにあげるという、実に美しい逸話が残されてるわけよ!)が、トリュフォーに宛てた賛辞と、アタシが敬愛する植草甚一氏が日本初公開時にプレスブックに書いたという言葉を載せておくことにするわ。
「わがフランソワ君
 きみの映画は傑作だ。
 奇跡のようなものだ。  
 キスを送る。 ジャン」
「『大人は判ってくれない』は、ロッセリーニの『戦火のかなた』以来もっとも感動した映画です。これを見てほかの映画を見るのがいやになり、見るたびにこの映画のことを思い出します」植草甚一

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