夜霧の恋人たち

出演:ジャン=ピエール・レオー
冒頭に出てくるのは、シネマテークフランセーズ。「話とは何の関係もないじゃんか!」という感じであるが、これは、トリュフォーが、シネマテークの館長アンリ・ラングロワがほされたのに抗議してのことである。トリュフォーはいつでも、仲間を大事に思ってるのである。そこが好きなのだ。
そして、邦題、なんとかなんないのかねえ。だって、原題はBAISER VOLES。「盗まれた口づけ」だよ。どうも、これはトリュフォーが好きだったシャルル・トレネの「残されし恋には」という歌の歌詞の一部らしいのだ。それがなんで夜霧なんだよ。今夜もありがとうとか言うのか?え?裕次郎のようにさぁ。流行ってたのかねえ。当時。・・・安易だわ。
ま、いいや。そんで、これは、アントワーヌが、軍隊を除隊させられてからの物語。とにかく、もう少し落ち着けよって言いたくなるのよね。どうも仲良くしてる女友達クリスティーヌがいるけれど、別に「恋人」ではないらしい。何しろ、彼らは、TU(君:親密な呼び方)でなくVOUS(あなた)で呼び合ってるぐらいだから。アントワーヌは兵舎にいる時、暇だったせいか、日に何通もクリスティーヌ宛で手紙を出してたらしい。一週間に十日来いってなハイペースだ。「返事をくれない」とアントワーヌは言うが、そりゃ、無理だぜ、アントワーヌ。
そして、クリスティーヌの両親が紹介してくれたホテルの夜勤を失敗してクビになり、探偵の仕事をすることになる。すこぶる似合わない。そして、潜入捜査で、ある靴屋に店員として入るのだが、ここで、店主夫人に一目惚れをしてしまう。つまりミイラとりがミイラになるってやつだ。
自分の部屋の鏡の前で、「クリスティーヌ・ダルボン、クリスティーヌ・ダルボン、ファビアンヌ・タバール、アントワーヌ・ドワネル、アントワーヌ・ドワネル・・・」と何度もくり返すシーンが好き。「そんなことしてどうする?」という、この意味のなさ。でも、こういうこと、してそうなんだよ。この人。
あとね、公衆電話から電話して、都合が悪くなったら、「アロー、アロー、何だか聞こえないよ」って混線してるふりしてガチャンと切っちゃったりね。
いろいろあって、探偵はクビになるわけだけど、(だってさ、奥さんの浮気相手は僕でした、じゃあ、いかんだろ。やっぱ)その後、テレビの修理工になるのよ。(よくも、みんな、雇ってくれるもんだよな)
ホントはね。もう、これ以上喋ったらあれなんだけど。これだけは言いたいのよ。
アタシね、筆談って好きなのよ。書いてる間のタイムラグとかがさ。「ちょっとちょっと、何書いてんの?」とか相手の手許を覗き込んだりするとかさ。いいじゃん。そういうの。
だから、プロポーズは筆談で。
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