ジーン・セバーグ
Jean Seberg
マウス
The Mouse That Roared  1959  米
“悲しみよ、こんにちは” はもうコメントしたし、 “勝手にしやがれ” はクラッシック・スタンダードでコメントする予定だし……、で、初々しいジーン・セバーグということで “マウス” を。

さてみなさん、世界一小さな国グランド・フェンウィック公国を紹介しましょう。
フランス領アルプスの高原に位置し、国土が約25平方キロメートルの実にちっぽけな国です。(ほとんど片田舎の村!)
地図で探すには虫メガネが必要で(これは “メリー・ウィドウ” でやってました)、建国は1430年、イギリスから駆け落ちしてきたサー・ロジャー・フェンウィックによって興され、ヨーロッパ大陸では唯一の英語国家ということになります。現国王グロリアナ12世はサー・ロジャーの直系、国民の皆から愛されている女王です。夫君のレオパード・タイガー王は27年前にトラ狩りに出かけたまま消息を絶ち、いまだに女王を悲しませています。
グランド・フェンウィック公国の首相マウントジョイ伯爵はケンブリッジとオックスフォードを出た切れ者。
フェンウィックの森の森林警備隊のたったひとりの隊員タリイ・バスコムはキツネの罠に自分がひっかかってしまうほどのまぬけですが、元帥としてフェンウィック国軍の総司令官でもあります。フェンウィックの軍隊は建国以来500年もの間、まったく戦争がなかったせいとはいえ、未だに主要兵器が弓矢という古色蒼然たる軍隊。
グロリアナ12世、マウントジョイ伯爵、タリイ・バスコム、この3人はそっくりなんですね。先祖が同じだからでしょうか……。(そっくりなのは当たり前、ピーター・セラーズが3役をこなしているんだから)
フェンウィック公国の主要産業はワインの製造、「Pinot Grand Fenwick」という銘柄で、これは昔からアメリカ合衆国に輸出しており、おかげで国は富み、めでたしめでたし。
ところが! 突如として「Pinot Grand Enwick」というF抜けのまがい物、大々的な宣伝と低価格のまがいものが出現し、本家本元はアメリカ市場から追い出され、たちまちにフェンウィック公国は大ピンチ、そこで切れ者のマウントジョイ伯爵が考え出した名案とは、
「アメリカに宣戦布告し、すみやかに白旗をかかげる。アメリカは敗戦国に寛大だから、わが国に救援物資を送ってくれ、わが国は窮地を脱することがてぎる」
で、月曜に宣戦布告し、水曜に降伏すれば、金曜日あたりに救援物資が届くという寸法。
マウントジョイ伯爵の案は実行に移され、宣戦布告文書を速達でアメリカに発送し、タリイ・バスコム以下精鋭21名がバスに乗ってマルセイユまで行き、そこから船で西に向かいニューヨークに上陸……。

“マウス” は痛烈な風刺をこめたドタバタ喜劇であります。
ピーター・セラーズの3役といえば “博士の異常な愛情……” ですが、それ以前にこんな3役をこなしていました。 “パーティ” のようなヘンなユーモアに満ちた作品から “チャンス” ( “チャンス” は名作です!)まで、ピーター・セラーズは名優です。
北米全土を瞬時にしてぶっとばすほどの強力な新型爆弾を造ったコキニッツ博士の娘がジーン・セバーグですね。

おまけ……製作会社のタイトル、コロンビアの自由の女神がネズミにびっくりして逃げ出します!




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