※これは、「勝手気侭」な小説の感想文です。 意図的に批判したり、
または、その逆などをするものではありません。 私の『読解力』
や『解釈力』は、非常に乏しいものです。
ご了承の上、お読みください。
久しぶりの、小説寸評である。 丸一年近く、更新無しであった(汗)
読書というのは、かなり知的で理性的な趣味と考えていて、娯楽としても
すごくオシャレであると思っている。 だから、たまにしか活字を追うこと
は出来ない。 そもそもが私には似合っていないのである。 しかし、稀に
活字がとても恋しくなって、物語に飢えた状態に陥ってしまうのが、やっか
いだ。 この物語が、すごいラヴコメで、かつライトなサスペンスだったの
は、とても幸運だったと思う。
縦横斜め、どこから見ても「地味」なデイジーは、図書館の司書を務めて
いる。 34歳を迎えた朝、一大決心をする。 男をゲットして、結婚して、
子供を産んで、家族を持つ! そう、こんな退屈な自分におさらばして、人
並みの幸せを掴むのよ! という具合の一大決心。 だが、壁にくっ付いて
立てば、すぐに壁の“一部”になってしまうような自分ではダメ。 「変身
してやる!」 地味な服装はやめて、化粧も変えて、男が声をかけるような
オンナにならねば! 家から出て、一人暮らしも始めるのよ! …と。 変
身の決意は固く、蓄えを切り崩し、早速行動に出るデイジーだが、「見栄え」
する化粧のやり方も知らねば、男どもが喜ぶ服を選ぶセンスも無い。 街で
アンティークショップを経営するトッドは、ゲイのウワサがあるが、かつて
ブロードウェイで舞台にも立ち、服装や化粧にも詳しいということで、デイ
ジーは助言を求める。 こうして、変身計画に仲間も出来、見事な変身を遂
げたデイジーは、早速夜の盛り場に出向き、“男漁り”に挑戦するのである。
そんなデイジーのことを、変身前から憎からず思っていたのが、街の警察署
長、ジャック。 街に来る前は都会で、SWATチームに所属していた経歴
を持つ。 経験から、悪事や悪党どもには鼻が効く。 ジャックは、デイジ
ーの生真面目な態度と、ちょっと突ついた(からかい)だけでも、蜂の巣に
ちょっかいを出したかのような反応が面白かった。 SWATの経験を持つ
ジャックにしてみれば、この街の平和は、あくびが出るほど退屈だが、事件
など無いに越したことはない。 そんなおり、隣州の知り合いの刑事から、
身元不明の死体が発見されたこと知らされる。 薬物で身体の自由を奪って
からレイプする「デートレイプ」の犠牲者とみなされている。 デートレイ
プ・ドラッグは量に気をつけないと、服用者に致死の危険がある。 燐州の
刑事は、ジャックに協力を求めた。 デートレイプが行われそうな、クラブ、
盛り場などに潜り込んで、非公式の捜査をするのだ。 果して、男漁り中の
デイジーと、凶悪犯罪捜査中のジャックが、夜の盛り場で鉢合わせすること
になる。 さらに、デイジーは、それとは気付かずに、街の実力者達の犯罪
に関係する殺人の目撃者になってしまい、殺し屋に命を狙われるハメになっ
てしまう。
…とまあ、物語の“芯”自体は、とても“ライト”ではあるが、デイジー
の変身がとても面白い。 これは笑える。 街中に変身をアピールするため
に、薬局でコンドームを買い込んだりするのだ。 また、ジャックとのやり
りが面白い。 実は、作者のリンダ・ハワードさんの作品は、これを含めて
3冊読んでいる。 「夜を忘れたい」、「Mr.パーフェクト」を読んであ
る。 既に、全部で10冊くらいが邦訳されている。 私が読んだ作品は、
コテコテのラヴロマンス・サスペンスばかりである。 リンダさんの作品の
特徴だと思う。 登場する男の主人公は、大抵がマッチョ。 押しが強く自
信家。 対する女性の主人公は、そんな男にも、一歩も引けを取らない意思
の強さと、自分の考えをハッキリと伝えることが出来る。 そんな二人が、
殆どいがみ合いながら、惹かれ合い、結ばれるさまが描かれる。 ロマンス
が主軸で、サスペンスは、スパイスとしての役割だと思う。 特に主人公達
が“結ばれる”ところは、官能小説さながらで、ハーレクインかと思ってし
まうほど(笑) この物語では、地味でダサダサの真面目なデイジーが、男
達が振りかえり、声をかけてくるような“イケてるオンナ”に変身するため
の、一生懸命で、真面目な努力が、反対に滑稽で笑いを誘う。 ホント、な
かなかのコメディ。 本を開きながら、くすくすと笑いを漏らすことも度々
あった。 笑いあり、恋愛あり、軽いながらハラハラもあり、と、エンター
テインメントの主要な要素がぎゅう詰めである。 さて、地味で退屈な女性
が輝く美人に変身するということで、デイジーを演じる女優を考えるとした
ら、私は、サンドラ・ブロックさんが良いと思う。 「デンジャラス・ビュ
ーティー」もあるし、あの、キャンキャンと騒ぐときの演技がデイジーにピ
ッタリとハマると思うから。 対する警察署長のジャックは難しい。 筋骨
隆々であるし、イジワルな態度を取るのがイヤミにならない男優が必要だ。
さてさて、誰がいいだろうか。 考えどころである(笑) 物語中盤から、
デイジーの命を狙う殺し屋だが、この役柄も面白いところ。 この殺し屋を
演じる男優の配役にも、充分に気を配りたい。 美味しいところを持って行
くのだ、これが(笑)