File No.2:アルバム&シングル・ガイド

■アルバム

『はっぴいえんど』

70年発表のデビュー・アルバム。通称「ゆでめん」。全て4トラックのマルチでレコーディングされたが、完成度は高い。それまでのロックの概念をうち破る洋楽的志向のアレンジや、松本隆が作り出す都会的な詩は、当時フォークが主流であった音楽シーンに衝撃を与えた。特に全編日本語で歌われた歌詞は、当時の日本語はロックにのりにくいという一般論を覆し、論争を巻き起こした。「春よ来い」「かくれんぼ」「12月の雨の日」などの代表作を含む、全11曲収録。

『風街ろまん』

71年発表のセカンド・アルバム。「ゆでめん」で培われた松本隆の独特な言語感覚は、このアルバムである意味の完成を見る。また大滝詠一と細野晴臣という2大作家による色分けがはっきりし、結果的にバンドとしての幅と音楽性を飛躍させた名盤。収録曲「風をあつめて」は日本のニュー・ミュージックの草分け的作品。また「颱風」に代表される、大滝詠一のノベルティ・ソング路線が始まったのもこのアルバムから。鈴木茂作曲の「花いちもんめ」など傑作も多い。全12曲収録。

『HAPPY END』

73年発売のサード・アルバム。この作品から発売がベルウッドに。このアルバムのレコーディング開始前に事実上解散が決定的だったものの、L.A.に渡り、ヴァンダイク・パークスやリトル・フィートらの協力の下で完成された。直前にソロ作品をリリースしたこともあり大滝色は薄まり、細野晴臣と鈴木茂の頑張りが目立つ。名曲「さよならアメリカ、さよならニッポン」を含む、全9曲収録。

『CITY-HAPPY END BEST ALBUM』

73年の文京公会堂での解散コンサート直前にリリースされたベスト盤。収録曲11曲のうち、「かくれんぼ」のみ'71年8月7日、第3回全日本フォーク・ジャンボリーのサブ・ステージでのライヴ音源で、他の曲はすべて既発売のスタジオもの。「はいからはくち」は元々シングル用として吉田保によりMIXされながらおクラ入りとなったヴァージョンで、このアルバムでしか聴けないもの。

『ライブ・はっぴいえんど』

73年9月21日に文京公会堂で行われたイベント「CITY-LAST TIME AROUND」での演奏を収録したライヴ盤。はっぴいえんどの解散と、その後のメンバー個々の活動のお披露目として企画されたイベントだったが、何と言ってもメインは、久々にステージに立つはっぴいえんどの演奏。ほとんどの曲が以前と全く違うアレンジで演奏され、観客の度肝を抜いた。伊藤銀次や山下達郎、大貫妙子ら次世代を担うミュージシャンが多数参加した、伝説のステージ。全11曲収録。

『SINGLES HAPPY END』

74年に発売された、シングル集。はっぴいえんどの3枚のシングル+大滝詠一2枚、細野晴臣1枚のソロ作品の全12曲収録。はっぴいえんどの場合、「12月の雨の日」や「はいからはくち」はアルバム収録のものとシングルでは、テイクが異なる。ちなみにこのシングルは、キングの山崎聖次MIXによるもの。大滝のシングル「恋の汽車ポッポ/それはぼくじゃないよ」「五月雨」はアルバム『大瀧詠一』収録のものとは別ヴァージョン、「空飛ぶくじら」はアルバム未収録。

『THE HAPPYEND』

85年発表のライヴ・アルバム。85年6月15日に国立競技場で行われたイベント「ALL TOGETHER NOW」での再結成ステージの模様を収録。「12月の雨の日」「風をあつめて」「花いちもんめ」「さよならアメリカ、さよならニッポン」の全4曲収録。解散から13年を経てこの日1日だけ復活を果たしたはっぴいえんどは、日本のロックに多くの可能性とメッセージを残し、再び伝説となった。なおこのアルバムは現在廃盤状態が続いており、CD化が待たれるところ。

『GREEEATEST LIVE! ON STAGE』

86年に突如発表された、はっぴいえんどのライヴ集。70年4月12日文京公会堂でのデビュー・ライヴ「ロック叛乱祭」での演奏や、71年4月14日「加橋かつみコンサート」での録音など、貴重な音源を多数収録。初期から中期にかけて、つまり彼らのライヴ演奏が最も充実していたと言われる時期の音源だけに、今聴いても一種の怖いもの知らずの躍動感とグルーヴ感が同居した、熱い1枚。

『はっぴいえんど LIVE ON STAGE』

89年にリリースされたライヴ編集盤。『GREEEATEST LIVE! ON STAGE』と数曲ダブるものの、70年と71年の全日本フォークジャンボリーや、71年8月21日の日比谷野音の「ロックアウト・ロック・コンサート」での演奏など、一番はっぴいえんどがのっていた時期の演奏11曲を収録。後に「暗闇坂むささび変化」となる「ももんが」をレコーディング前に演奏するなど、興味深い実験作も収録されている。

『はっぴいえんど LIVE ON STAGE』

内容は前出の『はっぴいえんど LIVE ON STAGE』と全く同じ。98年にはっぴいえんどのアルバムを限定紙ジャケット仕様で再発した際、このアルバムのみジャケット・デザインを変更してリリースされた。なおHDCDシステムなどマスタリング技術が進み、以前より音質は向上している。

■シングル

「12月の雨の日/はいからはくち」

71年4月にキング・レコードからリリース。2曲ともアルバム収録のものとはテイクが異なり、共にキングの山崎聖次MIX。はっぴいえんどは既にこの頃より、シングルとアルバムでテイクを分けたり、MIXを変えたりといったレコーディング上の手法を試行錯誤していた。REMIXという言葉が定着する、十数年前の事である。

「花いちもんめ/夏なんです」

セカンド・アルバム『風街ろまん』発売後の71年12月にキング・レコードからリリース。音源はアルバム収録のものと同じ。

「さよならアメリカ、さよならニッポン/無風状態」

これもサード・アルバム『HAPPY END』からのシングル・カットで73年1月発売。音源はアルバム収録のものと同じ。レーベルは、キング・ベルウッド。

■その他

「THE HAPPYENDパンフレット」

85年発売のライヴ盤「THE HAPPYEND」の初回特典として製作された、ブックレット。計24ページ。同年7月12日に発表された「はっぴいえんど宣言」をはじめ、6月15日の再結成ライヴについてのメンバーの座談会、個々のメンバーのコメントなどが掲載されている。

『はっぴいえんど HAPPY END』

解散20周年を記念して93年に徳間ジャパンからリリースされた、4枚組BOX。『はっぴいえんど』『風街ろまん』『HAPPY END』『ライブ・はっぴいえんど』+ブックレットを収録。但し一部曲を除き『風街ろまん』『HAPPY END』はREMIX、他の2枚はリマスタリングされて収録され、特にREMIXの2枚については物議をかもし出した。


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