県外の山逍遥 2006.9.より登山順

 県外49.燧ヶ岳 2.356m(東北最高峰・福島県)  
 
  2011年07月22-24日

 尾瀬は大好きである。三度ほど入っている。しかし尾瀬ヶ原の両端にそびえる、日本百名山の「至仏山」と「燧ヶ岳」の頂上はまだ未踏である。若い頃、湯の小屋温泉から至仏山を目指したが、残雪が多くて鳩待峠へ降りた。燧ヶ岳は、尾瀬沼から長英新道を登ったが、ミノブチ岳まで行き、へたばって戻った。最近は交通事情が良くなって、「尾瀬ヶ原日帰りハイキング」の募集記事が、地元の新聞に載っていた。目を丸くして調べていたら、どうしてもまた尾瀬へ行きたくなった。今度は二つの日本百名山をぜひ登りたい。相棒K君も、何度も尾瀬へ行っているので「尾瀬かぁー」と云ったが、同行してくれた。それとS女史の3人パーティとなった。


 ●尾瀬・第1日目(22日)

 自宅を4時に出てS女史を拾い、小松ICより高速に乗り、徳光PAでK君を乗せて、長岡より関越道に入り沼田ICで降りる。国道120号線を走り。片品村役場より国道401号線に入る。10時に尾瀬戸倉温泉に着いた。町を抜けた所に第一駐車場があった。大駐車場に車を置く。有料で一日千円らしい。ここから先は、今の時期交通規制中で、自家用車では入れない。乗り合いバスに乗り換える。







 待って居たのは10人乗れる乗り合い観光タクシー。一人900円で満員になり次第出発する。細い道で、小型バスとはすれ違いが難しい。10.15に乗って、鳩待峠に10.45に着いた。30分程だ。






 鳩待峠は標高1591mと書いてある。休憩所があり、小型バスと乗り合いタクシーがいっぱい待って居る。









 ここから尾瀬ヶ原へ出るのだが、尾瀬ヶ原は標高1400mなので、いきなり下り坂である。所々木道となり水芭蕉が大きく化けている。ブナの林が涼しくて気持ちが良い。左手に至仏山の稜線が木の間に見える。





 1時間ほど歩いて、11.45分、山の鼻に出た。トイレ、休憩所、至仏山荘などがあり賑やかで人で溢れている。日帰りの人も居るようだ。さすが人気の尾瀬である。ベンチで昼食。







 山の鼻は尾瀬ヶ原の入り口である。左は至仏山の登山道である。至仏山の方に「研究見本園・一周1K」と書いてある。







 昼食の後、ベンチに荷物を置いて、研究見本園へ散策に出かける。至仏山の方へ出るとここにも原っぱが広がっている。そこが見本園だった。








 「アザミ」の向こうに至仏山が見える。








 白い「チドリ」が目に付く。他では見かけた事が無い。てっきり「オゼソウ」と思い込んでS女史に教えたが、恥ずかしい、間違っていた。山小屋で聞いたら「ミズチドリ」と教えられた。オゼソウは至仏山の頂上近くでないと無いらしい。




 「ミズチドリ」はあまり図鑑では見かけない。

こちらは「モミジカラマツ」だと思う。










 これは「イワギボウシ」だろう。








 
これは判らない。








 「トキソウ」が多い。近寄れないので写真が撮りにくい。







 原っぱを一周するように木道が続いている。一回りした。









 「ニッコウキスゲ」は盛りは過ぎたが、まだまだきれいである。





 池塘がある。「ヒツジグサ」がある





 「ヒツジグサ」は小型のスイレンである。白い花が咲いている。












 「ヒオウギアヤメ」







 13.15分。見本園から戻り、荷物を持って尾瀬ヶ原を歩き出す。木道がまっすぐ燧ヶ岳に向かって伸びている。今日の宿は、突き当りの、燧ヶ岳の麓の見晴十字路である






 池塘の多い場所を通る。見晴の方から小学生の団体が続々戻ってくる。









 池塘の周りに黄色く咲いているのは「キンコウカ」である。今が盛りのようだ。






 「トキソウ」も多い。




 振り返ると至仏山が見える。雲が掛かりそうだ。あの麓が山の鼻である。




 14.05分、休憩所のある牛首分岐に出た。予定では直進して、今日の宿泊「第二長蔵小屋」に向かう積もりだったが、交通がスムーズで、予定より早く進んでいるので、ここを左折して山裾を周る遠回り道に入る。ちなみに尾瀬の山小屋は完全予約制、インターネットで二泊予約済み。4時頃までに入ってくださいとの事である。








 横道に入ると途端に静かになる。「ニッコウキスゲ」の群落がある。燧ヶ岳に雲かかる。



 池塘に影を写す燧ヶ岳。池塘の島の周りの赤いのは「ナガバノモウセンゴケ」






 15.00分。「ヨッピ吊り橋」を渡る。橋に定員10名、東京電力と書いてある。この先で群馬県より新潟県に入る。東電小屋と云う山小屋の前を通る。地震で原発事故が起きて大変な東京電力である。尾瀬のほとんどは東京電力のものだ、と聞いたことがある。新潟県から今度は福島県に入る。







 赤田代分岐を右に折れて、15.55分に見晴十字路に着いた。ここで尾瀬ヶ原が終わりブナの林になる。大きな山小屋が4.5軒ある。今日の小屋「第二長蔵小屋」一番奥にあった。予定通り16.00分到着。





 金曜で宿泊者が少ないので3人で一部屋貰える。風呂も時間制で入れる。男性は14.30分まで。あわてて飛び込む。石鹸が使えないのでお湯の中に浸かるだけである。17.30分より食事。








 夕食後散歩。至仏山がまだ見えている。この辺りに暗くなるとホタルが出るとの事であるが、早く寝た。








 ●尾瀬・第2日目(23日)


 朝、目を覚ましたら、どんよりと霧が立ち込め、雨も少し降ったようだ。原つぱまで散歩。この調子ならば霧はだんだん晴れてくるだろうと確信。










 「キンコウカ」も濡れている。






 6.00分、食堂で朝食。山小屋のオーナーさんの挨拶がある。天気予報や情報の話がある。今日は燧ヶ岳に登って又この小屋に宿泊の予定である。余分の荷物を小屋に預けてゆく。






 泊まった第二長蔵小屋の前から登山路が始まる。案内板で確認。コースは燧ヶ岳の麓を周って、尾瀬沼沼尻に出て、尾瀬沼の長蔵小屋に向かい、そこから長英新道を登り、降りはこの見晴へ直接降りてくる予定。6.30分出発。






 昨日は尾瀬ヶ原の木道歩きがほとんどだったが、今日は深い森の中を緩やかに登って行く。しばらくで左に燧ヶ岳からの下山路が合流している。ここへ降りてくる予定。







 7.00分、足元の木道のふちに「ショウキラン」を見付けた。久しぶりなのでうれしい。7.40分、白砂峠に着く。ここから少し降りとなる。







 10分程降ったら、森を抜けて開けた湿原に出た。「ワタスゲ」が揺れている。白砂湿原と云うらしい。







 湿原を抜け、森の中へ入り、また湿原へ出る、と進んでゆく。





 「ヒオウギアヤメ」の群落がある。













 8.08分沼尻に着く。沼尻休憩所に着く。



 沼の反対側に初めて燧ヶ岳の頂上が見える。

 さらに浅湖湿原を抜けて、8.50分、長英新道の登山口分岐に着いた。








 歩き出してここまで2時間20分掛かっている。登山口の近くで、相棒に抹茶を点てて貰う。







 泊まっていた見晴の小屋より、直接登る見晴新道があるのに、わざわざ反対側の長英新道を選んだのは、ひとえに私の体力の無さの為である。この道は長いが標高差が少ない。時間を掛ければ私でも登れそうなのだ。「ゴゼンタチバナ」が森の中に咲いている。





 ひたすらツガの木の森の中を登る。11.00分、初めて尾瀬沼が見える地点に出た。





 急坂を過ぎて11.30分、「コバイケイソウ」の向こうに初めて頂上が見えてきた。











 12.15分、ミノブチ岳の頭に出た。真ん中に石を積んだケルンがあり、その向こうに頂上の「俎ー・マナイタグラ」が見える。先着の二人は食事中。



 沼の方は足元が切れ落ちており、目の下に尾瀬沼が見える。朝通った沼尻休憩所が見える。沼畔の長蔵小屋も見える。山は奥日光の連山と云うが、見分けがつかない。恰好の良いのが男体山とは思うが。



 私も昼食にするが、疲れすぎたか食欲がない。小屋の弁当の御握りをやっと一つ食べる。コーヒーを入れて貰う。おいしい。俎ーに雲が掛かりそうだ。あわてて出発。少し降って登りだす。











 「キヌガサソウ」が咲いている。






 「オオバミゾホオヅキ」が可愛い。










 「ハクサンシャクナゲ」もまだ残っている。

 高山植物につられて、13.20分、ようやく俎ーの頂上到着。




 二等三角点と小さな石の祠が幾つもある。ここまで登ると初めて北の方が望める。目の前の山は日本百名山の平ヶ岳らしい。そちらから登山路が登って来ている。



 西側に「柴安ー・シバヤスグラ」が聳えている。ここより10mほど高い。あそこが燧ヶ岳の最高地点である。あのピークを越えて見晴の方へ降りる。柴安ーは昼食したミノブチ岳より見えない。



 南の方は尾瀬沼である。先頃昼食を取ったミノブチ岳が沼の上に見える。



 岩でゴロゴロの狭い頂上である。





 これは俎ーピークで相棒と記念撮影。行動予定より遅れてきたので、すぐに出発。











 柴安ーより、さっきまで居た俎ーを振り返る。








 14.00分、柴安ーのピークに登り着く。誰も居ない。ここに新しい黒御影石の頂上碑があった。「燧ヶ岳山頂(柴安ー)標高2356米」と彫ってある。登頂の記念撮影をする。





 柴安ーからは、尾瀬ヶ原の方面が一気に広がって見える。至仏山は雲の中だが、目の下に朝出発した見晴の山小屋が見える。そこから木道がまっすぐ腹を横切っている。





 原に向かってガラガラの岩場を降りてゆく。「ハクサンフウロ」が咲いている。












 「オトギリソウ」も咲いている。






 14.30分、右に温泉小屋へ降りる道の分岐を通る。後は一本道で、とにかく急坂の降り一方の道だ。



 だんだん樹林帯が近ずいてくる。樹林帯に入ると尾瀬ヶ原は見えなくなる。アップに撮ってみた。たくさんの池塘が光っている。






 もう登山路に分岐も無いないし、迷う事もないだろうと、二人はぶっとばして降りて行った。これはやはり体重の差だろう。降りは膝に体重が掛かり、ひざを痛めるのが怖くて、ゆっくりでないと降りられない。どうしても減量が必要だ。途中で原が見えたが、至仏山が頭を出している。









 「ハリブキ」に花が咲いている。飲み水が残り少なくなってきた。谷筋を降りるのだが、水が全然流れていない。ひたすらに降りる。水は口の中を湿らすだけ。途中で見晴まで2キロの標識を見付けてガックリ。そろそろ到着かと思ったのにまだ半分だ。


 ようやく傾斜が緩くなったブナ林で、後ろから二人降りてきた。見晴コースで初めて遇った登山客。向こうも、初めて登山者と遭遇と声を掛けてきた。そのあと若い男の外人さんが、こんにちわと声をかけて走って降りて行った。17.30分小屋に到着。小屋の前で心配してS女史が待って居た。16時過ぎには到着したらしい。それよりも1時間半遅れてしまった。すぐ風呂に浸かって18時よりの夕食。ビールで乾杯。山小屋のオーナー、今日は今年3回目の超満員と報告がある。食事も二回に分散。




 部屋は10人でほぼ満員。20.20分頃、昨日見そびれたホタルを見に外へ出た。土曜日でなんとなく賑やかである。原のふちまで出たらホタルが飛んでいた。草履ばきで電燈も無しで、暗いのでそこから戻った。

 足が痛い。明日至仏山に登れるか心配だ。








  県外50.至仏山 2.228m(花の百名山・群馬県)  
 
 
  2011年07月24日  ●尾瀬・第3日目(24日)


なかなか寝付かれなかったが、朝4.35分に二人に起こされた。今日は早朝出発で、朝食は昨夜のうちに、弁当で受け取ってある。荷物を外に出して出発準備。











 小屋の前の木の下に「イチヤクソウ」があった。






 4.55分、出発。向の小屋の前に「クガイソウ」が咲いている。









 朝の尾瀬ヶ原は、霧の世界。次から次へと山の表情が変わる。「景鶴山」が霧から頭を出している。






 これからずーっと進んでゆく先に、「至仏山」が見える。今日は今からあの頂を目指す。昨夜の小屋主の話では、午後から天気が崩れるとの事。登るまで晴れていてくれよ。



 振り返ると、霧の中に「燧ヶ岳」のシルエットが見える。昨日はあの頂きに登った。朝日はこの方角から登る筈だがーーー。




 5.40分。池塘のほとりの休憩場所で朝食。広い尾瀬ヶ原のど真ん中。霧に囲まれ、太陽は先ほど霧の中にぼんやりと昇った。御握りを食べコーヒーを入れて貰う。カッコウの声が、霧の中の原っぱに響き渡る。ここでK君が「夏の思い出」を謡ってくれたら最高と云ったら、K君は唄ってくれた。

   夏がくれば思い出す
   はるかな尾瀬 遠い空
   霧のなかにうかびくる
   やさしい影 野の小径(こみち)
   水芭蕉の花が咲いている
   夢見て咲いている水のほとり
   石楠花(しゃくなげ)色にたそがれる
   はるかな尾瀬 遠い空


 さあー出発。



 登山者もそろそろ歩き出した。



 山の鼻に近ずいたら、至仏山の霧が晴れてきた。





 7.30分、山の鼻。100円持ってトイレを済ます。池塘の周りは「ナガバノモウセンゴケ」がびっしり。本州では尾瀬だけに見られるようで、珍しいそうだ。











 「オゼコウホネ」の黄色い花が印象的。ヒツジグサは、昼にならないと花は開かない。睡蓮。まだ眠っている。




 「キンコウカ」。山の鼻の湿原を抜けて、ようやく樹林帯に掛かる。いよいよ登りである。至仏山は蛇紋岩で出来ているので滑りやすいので注意。と書いてある。確かに良く滑って危ない。この登山路は登りの一方交通になっている。滑るって危ないからかな。







 「ミネウスユキソウ」










 「ダイモンジソウ」。蛇紋岩は植物が生え難いとかで、樹林帯が小さく、しばらくで樹林帯を抜けて展望が良くなる。





 横切ってきた原の向こうに燧ヶ岳が聳え、その麓に見晴の山小屋が見える。近いように見えるが、原を横断するのに2時間以上かかる。



 池塘の形が面白い。木道を歩く登山者が見える。



 「クルマユリ」













 「マルバシモツケソウ」だと思う。