ひげ太夫の宣伝美術・渡辺佳代による出し物師達の観察日誌

80(「厳目綴り」御来場御礼〜『ぴあ』〜パネル) 

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8月11日

14回公演「厳目綴り」、無事に終了いたしました。御来場いただきましたお客様、誠にありがとございました。

「一同、心より御礼申し上げあげたてまつりまする」

[厳目綴り ゲネより]
下段左より、石川、渋谷、鍵原、細川、山田、斉藤
上段左より、神宮、吉村、大庭

***


演の前日、知人から、
「『ぴあ』に見事ひげ太夫のスチール載っていましたねえ」とのメールが届いた。

全然知らなかったので、驚いて、急いで本屋に『ぴあ』を探しに行く。
すでに発売日から数日経過しており、なかなか見つからず、ようやく劇場のそばの書店で売っているのを見つけた。
開いてみて、驚いた。
「PLAY」のページの扉のところに、(ひげ太夫にしては)かなり大きく、舞台写真が掲載されていた。そして、「今週の組み体操」という文字が添えてある!

終演後、当方は、かなりうれしげに、出し物師たちに声をかけた。「『ぴあ』に出ていたね!」

すると、鍵原は、「え、知りませんでした」と言う。
他の出し物師は「ああ、そうでしたね。出てましたね」とクールである。

そうか、ひげ太夫もだんだん成長してきて、写真が出たくらいでは皆驚かないのか、などと思いながらも、まだ目にしていないという鍵原に見せようと、『ぴあ』を取り出す。すると、鍵原が突然大きな声を上げた。
他の出し物師も、声を上げた。
「出てましたね」といったのは、他のページに載ったもっと小さい写真だったそうだ。
要するに、こんな風に掲載されていることを、劇団員のだれも気付いていなかったのだ。うかつな劇団だ。

皆が押し合いへし合い寄ってきて、ものすごい人口密度で、『ぴあ』をのぞきこんだ。

こんなに大きく掲載していただけるなんて、本当にありがたいことである。

皆、大興奮だった。

***


近は、いつもゲネプロ(本番さながらに行われる通し稽古)で舞台撮影をし、それから大急ぎでヨドバシカメラなどでプリントし、なるべく当日中に、つまり記憶のあたらしいうちに、出し物師たちに写真を見てもらうようにしている。
その日のうちに写真を見て自分の動きをチェックした方がいいだろう、という座長の意見である。
また、写真を見ながら出し物師たちが発する様々なコメントを聞けると、当方も撮影やHPの作成時に何かと参考になるので、できればその場にいて、皆が口にする感想を聞かせてもらっている。

今回も、撮影したその日のうちに写真を見てもらった。

(舞台写真は、またあらためて掲載いたしますが、
ここでも何枚か紹介させていただきます)

これは物語後半の組み体操、三段である。

「張り切って上に伸ばした手が、照明で熱く感じたよ」、と一番上の座長

この下段中央部を拡大してみると、こんな具合である。
右から、鍵原細川渋谷
力強い表情だ。
お客様からのアンケートに、「汗臭い」、というご意見があったということだが、なるほど、これはさぞ汗臭いだろう、と思わせるような表情である。

が、よくみると、一番左の渋谷だけ、ちょっと様子が違う。右ふたりの、何が何でも持ち上げるぞ、という決然たる様に比べて、左の渋谷は、束の間、休息しているようにも見える。
「決してそんな事ないです。たまたまこの瞬間こうなっただけで」と、渋谷は慌てて言った。

座長の解説によると、これは、決してふざけたり休んだりしているわけではなく、アゴで必死におさえてバランスをとっているところなのだそうだ。腕とアゴではさむ事で強度が増すので、座長によると、渋谷は「むしろ正しいフォームである」とのことだ。

なるほど。

そして、その次のカットがこれである。
この渋谷(左端)は、あたかも、寝ていたおばあさんが急に何かの物音でビックリして目を覚ましたような感じに見える。渋谷は見るなり、「これ、かなり、イメージダウンの写真です」と言った。
座長は、渋谷にむかって、「この瞬間に、目を細めたのが敗因だったね」と言って笑った。

が、しかし座長の解説によると、渋谷は足をアゴでおさえたまま、懸命に大きな口をあけて、「ドドーン」と声を張り上げているところなのだそうである。
この体勢で、大声をだすのは難しい。だからこれもまた、渋谷の、とても、一生懸命な瞬間の図なのであった。

なるほど。

***

ころで、今回舞台で使われる「パネル」というのが、どんなものか、気になっていた。

パネルをデザインしたのは座長である。

(これは強調しておかなくてはならない。というのは、座長は、舞台美術をデザインしているのは自分なのに、そのことになかなか気付いてもらえないのがとても不満だ。
「HPで、舞台美術のことを書くときは、座長がデザインしたと強調しておいてよ」と、何度も言ってくる。
なので、繰り返します。)

舞台美術は、毎回座長がデザインしている。

今回の舞台美術については、公演前の「ひげだより」 7月9日(水)座長が書いている。
工房に手伝いに通った細川が、頭にタオルを巻いて、絵の具やベニヤに囲まれて‥‥、というあれである。

二週間ほど前に稽古場に行った時、細川はわざわざ近寄ってきて、「今回のパネル、写真に写るときれいだと思います」と力強く言って去って行ったし、座長からも事前にパネルの図面を手渡されたので、それは「パネルの写真をしっかり撮ってくれ」という意味だろうと理解はしていた。
しかし、通し稽古ではパネルは使われなかったので、結局ゲネ以前に、その舞台上での動きを見る機会がなかった。

それが、これである。


照明の具合で、こんな風になったり、

こんな風な陰を作ったりすることもある。


このイメージを実現するにあたっては、照明さんにわざわざ機材を持って工房まで来てもらい、舞台で実現可能かどうかを、組み体操を組んだりもしながら、実験したらしい。
劇場に入ってからも、何度も調整を重ねたという。

この一連のパネルの写真をみて、座長はひとりニヤニヤしていた。このパネルのことが、とても好きらしい。

***


台写真は、またあらためて、HPに掲載いたします。
もう暫くお待ちください。

回の第15回公演は、
 来年、2004年1月22日(木)〜25日(日) 
 新宿シアターモリエール
を予定しております。
詳しい事がきまりましたら、当HPでおしらせ致します。 皆様のお越しを一同心よりお待ちしております。



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