1月19日
第14回公演も近づいてきたので、当日パンフレット用の写真を撮影しに稽古場へ行って来た。
今回は、新出し物師が三名いるので、いくつか質問もしてみた。

まず、危婦人から客演のザンヨウコ
今回出演することになったきっかけは?
もともと主宰(注 危婦人 主宰 スギ タクミさん)がひげ太夫の吉村さんと対談した縁で、劇団同士で交流があり、何度かひげ太夫を観に来たことがありました。
それで、前からいつか出たいと思っていましたが、具体的な話にはならなくて、今回、ようやく、出してください、ということになりました。
ひげ太夫を最初に観たときどうおもいましたか?
すごいなと思いました。自分にはできないと思って。エネルギー、パワー‥‥、どうやって作ってるんだろうって思いました。
私は、あまり体が動かなくて、今も側転がきれいにできるように練習しているところです。でも、「やる気」をかってもらって、試し稽古でも合格点をもらい、出演することになりました。
組み体操はやってみてどうですか?
今まで組み体操を組んだことはなかったけれども、足腰は丈夫みたいで、人を乗せるのは、ふんばれます。でも恐怖心もあります。上の人を落としたらどうしようと思って、怖いです。それに、本番になるとまた違うかもしれません。
男役をやるのも初めてですか?
はい。
男らしく体を大きく見せる立ち方というのがあって、(実際にやってみせ)こうすると女らしくなってしまうので、(胸と肩のあたりをすこし動かして体勢をちょっと変え)こうすると男らしく大きく見えるんです。舞台を見ていても気付きませんでした。さりげなくやってるんだな、と。
毎日人になったり、木になったり、どうなるんだ、覚えられるか‥‥って思います。
大変そうだけど楽しみです。頑張ります。

小河原真稲
出演のきっかけは?
ぴあに出ていた「今週の組み体操」というひげ太夫の記事をみて、「なんじゃこりゃー」と、取り急ぎ観に行きました。記事を読んでも写真をみても、予測不可能でしたから。今でもそうですけど、私が友達に「組み体操」を説明しようとしても、「ああ、アミノ式ね」とか言われてしまうし。
観てどうでしたか?
「究極」だと思いました。人間が全部やる。装置もなく、マイムで表現し、自分たちで歌もうたう。「きっかけ地獄」だろうと思いました。見たことが無いものだったので別次元という感じでした。
それからしばらくして、偶然インターネットで、ひげ太夫の出演者募集の書き込みをみつけました。
面白いと思った劇団が出演者を募集しているなんて、めったにあることじゃないじゃないですか。
それで早速「試し稽古」に参加しました。
稽古してみてどうでしたか?
やっぱり予測不可能でした。
床の上だったら、自分が力をいれて頑張ればいいわけだし、力も一律にかければいいわけだけど、人の上に乗るというのは、自分がふんばればいいわけではなくて、下の人によっても違うし、良かれと思ってしたことが相手には重く感じたり。
今は、「きっかけ地獄」で、ちょっと頭がぼーっとしてます。目でみて、肌で経験して、実感して‥‥
想像と、感覚を一致さようとしているところです。

郁天 杏子
出演のきっかけは?
もともと殺陣(たて)をやりたかったんです。
で、Yahooで「殺陣」って入れて検索しました。そうしたら、ひげ太夫のトップページがでてきました。
「ひげの女優たちが、その鍛え上げた肉体から、次々と繰り出してくる、濃いネタ、熱い殺陣、予想を裏切るストーリー」って、
えっ、これ、一体なんだろう。と思いました。
よくみたら全員女、それに、ひげ描いてすごいメイク。それで第14回公演の『厳目綴り』を観に行きました。
どんな印象でしたか?
すごい体力で、人になったり物になったり、みんな、一体、いつはけるんだろう、と思いました。
で、その後、出し物師を募集していることを知り応募しました。年齢制限なしだし、「平均年齢31歳」というのをみて、なんか自分と同じにおいを感じて、試し稽古に参加しました。
ひげ太夫の稽古はやってみてどうですか?
すべてが違います。もうすべてが違いすぎて、どこが違うかうまく説明できません。でも、体を動かすの好きですし、深く考えないようにしています。
組み体操は、以前に比べ、組んだ後の降り方が格段にスムーズになっていた。衝撃が少なくなっているのが、素人目にもわかる。しかも安定している。

以前は見ている方も、手に汗を握る感じであったのだが、(日誌56の一番上の写真の頃)
今では、人を上にのせた状態で、「ちょっと蛍光燈が邪魔なんで、このまま位置ずれます」と人を上にのせたまま、こともなげに歩いたりしている。
それとはまた別の場面だったが、細川などは、上に人を乗せたまま小走りで走り去って行ったりしていた。びっくりした。
その他、今日の稽古でやっていたのは、普段なんとなく観ていた「アングル転換」の部分なのだが、(まだご覧になっていない方のため、細かい状況説明は控えますが)、これがなかなか大変そうなことである。
例えば、雑誌などに、「夏までに絶対三センチやせる!」などというタイトルで、腹筋にものすごく負荷をかける体操がよくでているが、(普通そういうのは、「そのまま10秒くらいキープします」という程度だが)、それを、前方で物語が進行している間、つまり三分くらい、ずうっと維持している、ということなのである。
が、それがいかにも辛そうに見えてしまったら、不自然なわけなので、だから、ひたすら、耐える。そしてさらに、上体を大きく見せる工夫をしたりする。
「それぞれ、腹筋と背筋、鍛えておいてくださいね」と座長はしめくくった。
9時ごろになってから、ようやくセリフが加わる稽古になった。
すると突然、座長がこちらをむいて、「ねえ、これ危なく見える?」と当方に訊いてきた。危なくみえるか見えないかで、その後のセリフが微妙に違うらしい。
しかし、そんなことを聞かれても当方にわかるかけがない。
そんなことを考えながら観ていたら、恐ろしすぎて観ていられない。だから、危ないか危なくないかを感じ取るスイッチはオフにしてひげ太夫を観ている。
じゃないと、見ている方も、身が持たない。

実際、この日も、座長は勢いあまって、天井の蛍光燈に激突した。蛍光燈が壊れなくて良かったと思うが、それよりも、そこに蛍光燈がなかったらそのまま前につんのめって、窓ガラスを突き破って屋外に飛んでいっていたかもしれないと考えると、かなり恐ろしい。
さらにその瞬間、その際どい体勢のためか、毎回、座長の発するセリフが微妙に違うので、「きっかけ地獄」はますます混乱していくのであった。
こうして、10時前に稽古は終わった。
稽古の終わりに、座長はもう一度、「みんな、くれぐれも、アキレス腱をよく伸ばすように」、とつけ加えていた。昨年は、自分の故障があいついだので、安全面にかなり気をつけているようである。
次回公演まであと数日となりました。
このようにして、稽古はすすんでおります。
皆様のお越しを一同心よりお待ちしております。
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