この映画はもともとオリジナルビデオ映画(Vシネ)として制作された作品なのか、タイトルやエンドロールはビデオ処理で打たれています。実際いかにも低予算映画ですが、作品自体がお金かかる話ではないのでとくにみすぼらしい感じはしないし、特機を使った移動撮影も多く、冒頭のクレーンによる移動ショットから見事にハリウッドテイストがひしひし。
また郊外のベッドタウンのロケーションもいかにもハリウッド映画らしい趣きが感じられます。そしてスティーヴン・キング原作の映画「イット」を彷彿とさせる演出!?で、その気になれば充分に楽しめます。事件解決に挑む街の少年少女たちが、大人が誰も信じてくれない殺人鬼のアイスクリームマンに立ち向かう、夏休みに,観るにはぴったりの冒険モノです。

ただしこの作品の正しい見方は、期待しないで観ること!そうすればほんのちょっぴりだけ得した気分に浸れるでしょう。

さてJMVです。
劇中に登場する大人たちは全員、子供達の言うことを信じてくれません。「大人は判ってくれない」って感じです。そこで子供達は自分達の力で殺人鬼をやっつけようと結束するわけですが、唯一、アイスクリームマンは怪しい!という鋭い勘を持ち、子供の声に耳を傾ける鋭い大人こそJMV演じる刑事なのです。いい役どころです。まったく捜査する気のないダメ刑事とコンビを組んでいます。やはりJMVは大物俳優ですから、このくらいのローバジェット作品に出演すると一人際立って輝いてしまいます。
しかし今回は、映画「ロミオとジュリエット」のヒロイン役として日本では未だに人気のある女優オリビア・ハッセーも出演、さらに主演のクリント・ハワードも芸達者ぶりを発揮して作品の質を意外と高めています。


そんなダメな相棒と精神病院に乗り込んだときには、ゾンビまがいの患者たちに囲まれ、なんとなくピンチに陥ります。よりによって最上階という脱出しにくい設定です。そんなときもJMVは相棒を先に逃がし、単身残ってこの気味悪い病院と患者達をもう少し調べようとします。


どうやら演出側が長い長いドリーバックのカット(これは一つの見せ場なのか?)を見せたかっただけで彼が一人残る意味はまるでなかったように思います。
普段ですと「あ〜この辺でそろそろJMVは殺されるんだろうなぁ。」と勘ぐってしまう(80年代後半以降の未公開映画を見慣れてしまったJMVファンの悲しきサガ!?)ところです。相棒がようやく建物の外に出て、止めてあった車に辿りつくと最上階から発砲音が!
いよいよJMVの最期か、と思いきや、今回の彼は殺られません。その後あっという間に一階に下りてきて相棒と無事に病院を後にします。それにしても見事な脱出劇。カメラに写っているところでは強がっているものの、写っていないときはきっともの凄い逃げ足で一目散に降りてきたであろうことは想像に難くありません。


さて、この作品では彼の衣装がバッチリ魅力を引き出してます。いいスタイリストさんがいますね。
JMV定番ともいえるジャケットにジーンズの着こなし、シャツはブルー系のチェック柄にエンジのカジュアルタイ、あるいはジャケットの下に黒のTシャツと、とにかくかっこいいです。


最後はジーンズにTシャツというラフなスタイルで(腰の銀バッジがアクセントに!)

「令状なんかクソくらえだ!行くぜ」

とパトカーを降りて敵地?へ乗り込みます。この時の凄みのある表情にファンはきっと痺れることでしょう。拳銃の構え方もキマってるし、なんたってJMVはジーンズの履きこなしがGOOD!
彼自身マニアらしいので当然でしょうけど、最近はジーンズを履いている姿をあまり観ないですからね。


それだけにわずか数十秒後、アイスクリームマンに不意を突かれ、こともあろうにオタマで一撃されて同僚と共にあっさりノビてしまうのには絶句してしまいます。


気付けば結局事件解決には何の役にも立っていなかったというオチも感じられますが、否、彼等のおかげであの精神病院も摘発されたはうですし、子供も保護されたし、事後処理も速やかに行われたことでしょう。
何よりアイスクリームマンこそ真犯人であったという事実を彼等は認めるはずですから(大活躍した)子供達にとっては頼もしい存在になったのではないでしょうか。

この頃に出演した低予算サスペンス作品の中では「ジャン=マイケル・ビンセントの死の接吻」、「ダークショット」、「ドリームセメタリー」、「アニマルインスティンクト/不倫願望ジョアンヌ」、「禁猟区/誘拐」などのサスペンスあるいはホラーと比べると、はるかにファンを納得させてくれることでしょう。


クレジットがあまり上にない割にはかなりのシーンに登場しています。この時期(94年度作品)のJMVにしては随分めずらしいことですよね。