■君は人のために“メカニック”になれるか

親の遺した豪邸(室内プール有)で、珠玉のインテリアに囲まれながら孤独に暮らす男がいる。ガウン姿でくつろぐ彼の名はチャールズ・ブロンソン。職業は“メカニック”(メカニック担当ではない)。

“メカニック”とは何か・・・それは凄腕の殺し屋。他のブロンソン業と大差ないように聞こえるが、ただの殺し屋とは一味違うのだ(どう違うかは後で記述)。

昨日も一仕事終えたばかり(冒頭の“パントマイム暗殺劇”は見物)のブロンソンは、パイプの煙をくゆらせつつニューズペイパーに目を通していた。依頼がなければプータローも同然の彼にとって、日々の情報は命だ。

スタローン氏、「ロッキー6」に続いて「ランボー4」の脚本を執筆中

「このシツコサ・・・きゃつは俺と同じ匂いがするかもだ」

そんな独り言をつぶやいている時、亡き父の友人でブロンソンのジャリ時代の恥を知り尽くしたキーナン・ウィンから電話が掛かってくる。

「すぐ来てくれ」

渋々やって来たブロンソンにキーナン爺は開口一番、

「組織とトラブった。お前が話をつけてくれ」
「おいおい、いきなり“お願いブロンソン”かよ」
「お前のオヤジは組織の幹部だったんだ。その息子の言う事なら聞き入れてくれるだろ」
「親の七光りとでも言いたいのか、俺だっていろいろと苦労(トンネル掘り等)を重ねたから今の地位があるんだぜ」
「ガハハハ、これで解決したも同然だな。朝飯食ってけ」

有無を言わさないキーナン爺のペースに完全にハマったブロンソンだったが、タダ飯にありつけたのでヨシとした。そんな最中、遂にあの男が姿を見せる。

「オヤジ、金くれよ」

キーナンのドラ息子ジャン=マイケル・ビンセント。吉本新喜劇なら拍手が起こる場面である。

「あんた、ブロンソンだろ」


ジャンの若さと態度のデカさに、ちょっとだけ圧倒されるブロンソン。メカニックと言えど人の子、飲み食いしている時はスキだらけなのだ(このスキが後に悲劇を生む事となる)。

キーナンに解放されて帰宅したブロンソンのもとへ、組織から次のミッションが宅配便で届く。中からはキーナン爺の写真・・・独り窓辺にたたずみ、物想いに耽るブロンソン。

メカニック五ヵ条 その1
依頼とあらば身内にだって容赦しねえ(俺だってツレぇんだよ)

そして、意を決したようにワイングラスのマンダム(※)を飲み干すのであった。

マンダムは極東の島国で開発された「つけて良し、飲んで良し」の万能リキッドだ。