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見つめる男:Lee Williams

優れた女と書いて女優。優れた男と書いて男優。
... の、はずなのに男性が素晴らしい容姿に恵まれていると(しかも本当にモデル経験者だったりすると)、何故か男性陣の受けが悪い。「顔だけ良くてもしょうがないだろ」とか「歳喰ったからって簡単に俳優に転向できるもんか」とか散々に言われてしまうわけですね。綺麗な女には文句を言わないくせに、何なんだ、その態度の差は。やっかみか?
どっこい、『モデル上がりの俳優』リー・ウイリアムズは美しいだけではない。
自分自身を客観的に見ることができる本格派の演技者です。『何故自分にこの役が回って来たか』を推測し提示してみせる勘の良さと豊かな表現力。その美貌ゆえにお飾り的な役をふられてもパタ−ン化することなく、きちっと『綺麗な青年役』としてこなすあたり、なかなかしたたかです。
そして、感情のゆらぎを見事に表現する、台詞よりも雄弁に語る『見つめる目』。ただものではございません。
まだ出演作も少ないですが、一作品ごとにどんどん成長しております。これからが楽しみな『大型新人』です。

■1998:Still Crazy(Young Keith)
1970年代に一世を風靡した『Strange Fruits』というロックバンドが、20年振りに再結成してライブ・ツアーをしようと奮闘する映画。Stephen Rea、Jimmy Nail、Timothy Spall、Bill Nighy、Bruce Robinson など、そうそうたる親爺連がそのメンバー。そこはかとない楽屋落ちネタがちりばめられた佳作です。私はブルース目当てで見ました。
彼の役は初代ボーカリストのキース。彼がドラッグ過剰摂取で死んでしまったので、レイ(ナイ氏)が2代めボーカルとして加入した、いう設定です。当然、回想場面だけの登場です。
ブルースの若い頃にけっこう似ていてたので「え、この子が若い頃のブルース(役名はブライアン。設定上はキースの兄で天才ギタリスト)じゃないの?」と思ったのを覚えています。でも、名前まではチェックしませんでしたねぇ。ぬかったわ。

■1998:The Wolves of Kromer(Seth)
これが、名前を覚えた最初の映画です。とにかく綺麗!とビックリしました。
いくらモデル(主役二人とも)出身でカメラ相手に仕事をしていたからって、ここまでカメラを意識しない自然体の演技まで誰が予測できよう。演劇学校でメソッド・アクティングとか必死で勉強している役者玉子連中はどうしてくれるのよ。主演一作目にして、すでに『将来』を感じさせる堂々の主役ぶりを見せます。
一家に一枚の必需品DVD。疲れも怒りもこれを見れば吹っ飛ぶこと間違い無し。(こちらの詳しい内容は『楽園映画館』で。)
■1999:Elephant Juice(George)
主役の1人グレアム(レニー・ジェイムズ)のボーイ・フレンド。
ジョージという役名はあるものの、殆ど台詞らしい台詞もありません。ひたすら『綺麗な子』として存在するのみ。最初はお洒落なレストランで案内係をしていましたが、突然「あ、エージェントから電話だ」なぁんて、モデル・デビュー。チューブやらバスやらに彼のかっこいいポスターが。事情が飲み込めないグレアム、呆然とバスを見送ります。この二人、なかなか良い感じのカップルなの。別れちゃうの?と思ったら、最後のシーンまでいっしょにいたので安心。
食事のシーンで、ジュールズ(エマニュエル・ベアール)がやたらとジョージばかりを見ているので「この女はまだ男が足りないのか」と憤慨していたのですが、役柄とは関係なく『素』で見とれていたようだ。それはそれで、また...。



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■2000:Canone Inverso - making love(David Blau)
全寮制の音楽学校でヴァイオリンを学ぶ、男爵家のお坊っちゃまデヴィッドです。
イタリア映画なのですが、主な俳優は英国系(台詞も英語)、主な舞台は東欧(ポーランド)というインターナショナルな作品。オークションに出品された、旧家に伝わるヴァイオリンにまつわる歴史話かと思いきや。現代のオークション会場から、時代は第二次世界大戦以前に遡り、ヴァイオリニストを目指す青年・ジュノと天才ピアニスト・ソフィの道ならぬ恋、ジュノとデヴィッドの友情、ジュノの父(写真でしか知らない)の唯一の形見である古いヴァイオリンの謎、どうしてヴァイオリンがオークションに掛けられることになったのか、など、最後の最後まで話の展開がわからない複雑な筋立て。
そして、キー・パーソンとなる放浪のヴァイオリニスト(ガブリエル・バーン)が、ミステリアスでかっこいいのです。全編に流れるエンニオ・モリコーネの音楽も素晴らしく、非常に奥行きのある作品です。
どうして日本で公開しないのでしょう。配給会社さん、考えて。

■2000:Billy Elliot(Tutor 4 )
邦題は『リトル・ダンサー』です。え?どこに出ていたっけ、とすぐには思い出せませんね。
正解は、ビリーが入団オーディションを受ける場面で、向かって左端に座っている先生。台詞もアップもありません。手足と首が長い、ダンサー体型だからこの役をもらったのでしょうか?

■2000:In His Life: The John Lennon Story = TV(Stuart Sutcliffe)
ビートルズのいわゆる『ハンブルグ時代』にメンバーだった、スチュワート(スチュ)・サトクリフ役。
とても若く(ビートルズがブレイクする以前)で亡くなったので昔は話題にもならない人でしたが、この中でも登場する恋人のアストリッドという写真家が「ビートルズ・スタイルの元を作ったのは私達よ!」という内容の本を出版したり、スチュワートの作品集を出したりして、近年評価が高まったようです。
このドラマはジョンがバンドを結成する前後から始まり、母の死、ブライアン・エプスタインとの出会い、アメリカ公演に出発するまでが描かれています。これといって際立った見せ場はない役ですが『薄倖の芸術家』らしく繊細でいかにも他のメンバーから浮いた感じを漂わせています。
このドラマ、ビートルズの他のメンバーは全員OKなんですけど、肝心のジョンが気になって、気になって。キミ、当時のジョンの写真見た事ある?痩せろよ、主役なんだから。



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■2001:Vallen / Falling(Lucas)
ベルギー映画です。でもキャストはアメリカ、英国、ベルギーと多彩。原作は Anne Provoost の同名小説『Vallen』。
リー君演じるルーカスは英国人でロンドンに住んでいる学生。母モニーク(Alice Krige)はベルギー人で、フランダース地方にある祖父の家に二人が旅行した時に事件が起こるわけです。
隣の尼僧院に宿泊しているアメリカ娘ケイトリン(Angela Bettis)は快活な娘ですが何やらいわくありげ。その母親ルース(Jill Clayburgh!)は陰気だし、尼僧様もルーカス親子によそよそしい。何かとルーカスに声を掛けてくるベノワ(Koen De Bouw)や、ルーカスに手慣れた調子で銃の撃方を教えるアレックス(Wouter Hendrickx)も挙動不審だし。そもそも母自身が何やら隠し事がある様子。
ルーカスは『無垢で純粋=無知蒙昧』な今時の青年の象徴といえます。
ベノワが差別主義者であることにも気付かず、大好きなお爺さんが第二次世界大戦中に何をしたか、その結果、隣の尼僧院で何が起こったかも知らず。出くわしたデモで火炎瓶を手渡されて勢いで投げてしまうような、軽佻浮薄な若者世代の代表。
無意識で無自覚でいる事で、いかに簡単に考えているとは別の方向に物事が進んでしまうか、という人間の在り方に警鐘を鳴らすお話。
■2001:Me Without You(Ben)
え?どこに出ていたっけ?です。主役の彼(のうちの1人)で役名はありますが、ろくに顔も写りません。ベッドに寝転がっていたり、TVゲームやっていたり。スタッフと知り合いなので『友情出演』したのでしょうか?

■2002:No Night Is Too Long = TV(Tim Cornish)
文学部の大学生・ティム。
これはBBC製作のTVドラマで2002年の年末に英国で放送されました。
原作はヴァーヴァラ・ヴァインの同名小説(邦題:長い夜の果てに)。人間関係は原作通りですが、細部がかなり異なります。ティムとアイヴォの心の動きなど、原作で丁寧に描かれている部分がカットされているのは残念ですが、映像化にあたって、このキャストはまさに理想的。でかした、BBCキャスティング部。
これまた『綺麗な軽薄青年』役ですが、なにしろ 天才ウォーレン を相手に渡り合っているのだから大したものです。特に、『事件』の前と後での変り様に驚かされます。原作でも久々に彼に会った学生時代の先輩が『あんなに美しくてハツラツとしていたのに、憔悴しきってまるで別人のようだ』と驚きますが、その通り。リー君、演技派じゃん。
ラストも原作と異なりますが、これは変更して正解。余韻の残る素晴らしい作品に仕上がっています。


このヴィデオは すぬーぴー様 に見せていただきました。感謝感激でございます
■2003:The Forsyte Saga II = TV(Jon)
ITV(Granada TV)製作のTVドラマ。
原作はジョン・ゴールズワージーの『The Man of Property(1906年出版)』、『In Chancery(1920年出版)』、『To Let(1921年出版)』の3部作(その他にも短編が何作かあるそうですが)。
1969年にBBCが製作したときも好評だったそうですが、今回のITVリメイク版も大好評。そこで第一部の続編が製作されることになり、リー君出演となったわけです。

出演はダミアン・ルイス(Soames Forsyte)、ジーナ・マッキー(Irene Forsyte)、ルパート・グレイヴス(Young Jolyon Forsyte)、ヨアン・グリフィズ(Phillip Bosinney)などなど。大資産家であるフォーサイト一族のSoamesとその従弟のYoung Jolyon、ソームズの美貌の妻Irene(ジーナ!)が繰り広げる愛憎ドラマ。第二シリーズは2003年の5月から始まったばかりです。
リー君の役はIreneとYoung Jolyon(再婚したのです)の息子・ジョン。なんとSoamesの娘(こちらも再婚後に生まれた)と恋に落ちてしまうそうで。日本でも放送して欲しいですね。


<おまけリーとリンク>

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