道具を用意します。

・レコードクリーナー2つ(1つは古いもの、もう一つは仕上げ用) ・スタビライザー(オモリ)

・AT634(静電気除去液) ・木工用ボント(コニシ) ・カー用静電気除去グッズ ・カメラ用ブロアー

・作業用ターンテーブル(不要なターンテーブルを分解し底カバーに軸を付けたものでモーターやトーンアーム等は無し)

 

作業用ターンテーブルに、パチパチ音が気になるものやカビの生えたレコードをセットします。

レーベル面にはスタビライザーを置いてボンドの粘度でレコードが空回りしないようにしておきます。

 

手でターンテーブルを33回転ぐらいの速度で回しボンドをたらします。
 

内周から外周方向へ渦巻状になるように、一定の速度でボンド容器を移動させボンドをたらします。
 

このようにボンドをたらしたら、左手でターンテーブルをゆっくり回転させながら右手の位置はほぼ固定して

人差し指で3cm〜5cmぐらいの円を描きながらボンドと溝の間にエアーが入らないように擦り込むように

塗布します。

無音部分にハミ出ないように、内周部分の音が刻んである個所だけに塗布するようにします。

 

一周したら少し外側を塗布します。中間あたりまで作業が進みました。この作業を外周まで繰り返します。
 

外周付近まで作業が進みました。
 

もう少しです。外周の無音部分の溝ギリギリまで丁寧に擦り込むようにします。

レコード盤のふちからはみ出ないように気を付けましょう。

ここまでくるのに約2分程度です。

 

内周から外周まで擦り込むようにボンドを塗布しました。ボンドと溝の間にエアーが入ってないことを祈ります。

心配ならば、内周からまた3cm〜5cmぐらいの円を描いてエアーを追い出しても良いと思います。

ボンドと溝の間にエアーが入ってしまうと溝の奥底までボンドが行き渡らずにゴミをキャッチしてくれません。

これではせっかくボンドを塗布しても意味がありません。徹底的にエアーを追い出しましょう。

ここで下塗り完了です。

 

場所を変えてSL-1200mk4にレコードを移動しました。

モーターでターンテーブルを一定のトルクで回転させるためで、ここで仕上げ塗りをします。

仕上げ塗りの意味は、下塗りで不均等になったボンドを均等の厚さにするためです。

均等の厚さにしないとボンド乾燥後に綺麗にはがれてくれません。

乾燥後に剥離する時の引っ張り強度を得るために、ある程度の厚さも必要です。

まず、33回転で回転させ、ボンドを内周から外周へと追加します。

 

親指をターンテーブル土台に固定させ、人差し指でボンドを平均に塗布します。(親指はコンパスの軸のように)

人差し指は最内周より10ミリ程外周側から軽くボンドにタッチします。

人差し指に神経を集中させて厚みを確認しながら最内周に進みます。

レーベル面にボンドが付かないように気をつけながら最内周付近までゆっくりと人差し指を進めます。

下塗りのボンドを覆い隠すように塗布します。

ギリギリまで進んだらターンテーブルが一周以上するまで人差し指を固定。

すると、最内周にリングが出来上がります。表面張力でフワッと盛りあげた状態になります。(最内周リング)

ここまで出来たらじわじわとゆっくり外周方向に人差し指を進めます。

 

内周付近は均等に塗られているのが分かります。

手がプルプルと震えるかもしれませんが、頑張っていきましょう。

チョットでも加重を与えるとその部分はボンドが薄くなってしまいます。一定の力を保ちましょう。

もう少しで外周です。

 

さて、外周まで来ました。

最内周で表面張力を利用し「内周リング」を作った時と同じように外周リングも作ります。

ここでも人差し指に神経を集中させてゆっくりと最外周まで進めます。

最外周まできたらターンテーブルが一周以上するまで人差し指を固定します。

すると勝手に外周リングが出来上がります。

次に、人差し指を内周側にゆっくりと移動させ、そぉっとボンドから指を離します。

 

全部塗布できました。完成です。仕上げ塗布は約2分ぐらいです。

「最内周リングと最外周リングについて」

この2つのリングが無かったら、下塗りで円を描くように塗った薄い部分が残ってしまい、

剥がすときに「剥がし残し」が出来てしまい綺麗にボンドが剥がれなくなってしまいます。

下塗りのボンドを覆い隠すように仕上げ塗りをすることが後々大事になってきます。

まとめとして、

・下塗りでは、音が刻まれた音の溝のみに塗布です。

・仕上げ塗りでは、最内周と最外周に表面張力を利用し、覆いかぶせるように塗布です。

 

自作の乾燥棚です。5枚までLPやEPを乗せることが出来ます。

片面乾燥まで2時間50分かかりました。裏面も同じようにボンドを塗布してください。

 

自作のL型アングルです。アクリル版とスポンジとステンレスのM3のボルトで作りました。
 

ボンドが乾きました。いよいよ剥がす時がやってきました。

レコード盤とボンドの境目に爪を当てて矢印の方向にスライドさせます。するとピロッとすぐに剥がれます。

まだ剥がしてはいけません。慌ててはいけません。静電気対策の準備をします。

 

ボンドを剥がすときにすごい静電気が発生しますので、古いレコードクリーナーにAT634を染み込ませます。

量はちょっと多目です。矢印のようにピュ〜と流し込みます。準備完了。

 

いよいよ剥がします。ゆっくりと剥がしていきます。ピロピロ〜とシールを剥がすときのように

スムーズに剥離できます。

 

写真にはありませんが、ここでカー用静電気除去グッズで大まかな静電気を除去しても良いと思います。

けど、完全は除去できないようなのでAT634の出番です。

さきほど古いレコードクリーナーに染み込ませたもので拭きます。

レコード盤はAT634でべちょべちょに濡れてしまいますが大丈夫です。

乾く前に仕上げ用のレコードクリーナーで余分なAT634をふき取ります。

裏面もボンドを剥がしAT634を塗布してください。これで静電気が取れて完成です。

裏面を剥がしたことによりまた静電気が発生しますので念のため、もう一度最初に剥がした面もAT634で拭いてください。

 

表面&裏面のボンドを剥がしたものです。これをターンテーブルに乗せて聴くことも出来ます。

CDと同じ内周から溝がスタートします。でも聴けたもんじゃありません。

 

EPをボンド処理したものです。内周が表面張力でかなり盛り上がっています。

赤い囲みを拡大したのが次の画像です。

 

上のEP処理のボンドの拡大したものです。赤い囲みをよーく見てください。

無音部分のはずなのに溝の幅が一定ではないです。

これは、ボンドと溝の間にエアーが入ったためだと思います。

溝の奥底までボンドが届いてなかったようです。

多分ここはゴミが取れてないでしょう。

音入り溝部分だと、エアーが入ったのか入ってないのか判別できません。(試聴すればパチパチ音で分かるけど)

下塗りは丁寧にし、エアーを追い出すようにイメージしながら塗布するしかありません。

 

処理前のLPです。あちこちカビだらけです。レコードクリーナーで拭きたくないです。

処理前の音です。(WAVファイル形式)

 

処理後のLPです。ピカピカです。

処理後の音です。(WAVファイル形式)

波形編集アプリでプチプチ音を一個ずつ手作業で取り除いた音です。(こちらはMP3)

 

処理前のレーベル付近のカビです。
 

処理後のなのでカビはもうありません。
 

カビ拡大
 

同じ個所の処理後の拡大

綺麗です。

 

これはおまけです。

外周スタビライザーです。レーベル面と外周からのスタビライザーで盤は平らになりました。

特に盤の反りによるピアノ曲の揺らぎが減少しました。

これでCDRに録音しても違和感無くCDと共存できると思います。

 

LPにも対応。