Icon
シンデレラ・ドリーム
Icon


   
 Icon 「シンデレラ・ドリーム」第一稿


■主な登場人物■
・木村 真美子(きむら まみこ)
    32歳、OL、独身。主人公。企画部勤務。
・坂崎 弘恵(さかざき ひろえ)
    28歳、OL、独身。総務部勤務。
・斉藤 夕美(さいとう ゆうみ)
    25歳、OL、独身。企画部勤務、木村の後輩。
・小島 高志(こじま たかし)
    32歳、会社員、未婚。企画部勤務、木村の同期。
・加藤 慎吾(かとう しんご)
    40歳、会社部長、既婚。木村の上司。
・柴田 薫(しばた かおる)
    薬学部学生、男性、29歳。独身。合コンの相手。
・木下 治(きのした おさむ)
    会社員、29歳。独身。男性合コングループのリーダー。
・真鍋 寛(まなべ ひろし)
    フリーの演出家、29歳。独身。
・ 浅田 優子(あさだ ゆうこ)
    26歳。独身。後に真鍋の婚約者。
・ 伊藤 明美(いとう あけみ)
    34歳、水商売、独身。

  1. 木村真美子(32)は、独身OL。 会社の企画部に勤務している。恋人はいない。 自分の回りの同年代は、多くが結婚し家庭を持っている。

  2. ある日、突然の天候不良で資料到着が遅れた。 明日の会議の資料であるだけに、部内はソワソワ。 時計を気にする斉藤夕美(25)に 「自分が残業するから先に帰って良い」と告げる真美子。

  3. 残業する真美子。 部内には、小島高志(32)と真美子の2人だけ。 高志は、自分のプロジェクトの報告書を仕上げている。 真美子の手元には、雨に濡れた封筒と到着したての資料。 黙って、パソコンのキーボードを打つ真美子。 明日の会議までに是非とも間に合わせなければならない。

  4. 真美子、残業の仕事も片が付き、まもなく退社できる状態になる。 高志が、飲み屋の割引券を握り締め真美子を誘おうとした時、 企画部の電話が鳴る。 真美子が電話を取ると、総務部の坂崎弘恵(28)からだった。 合コンの数合わせで、女性が一人足りないので来て欲しいと言われる。 本当は、企画部の美女・夕美(25)をあてにしての電話だったのだが、 彼女は既に帰ってしまっている。 真美子は、高志をチラと見てから「行く」と返事する。

  5. 真美子、合コンへ行く。真美子が到着すると既に始まっている。 男性は、学生と社会人、弘恵の友人を通じて集まったメンバーで、真美子より年下ばかり。 女性は、総務部の20代の子ばかり。 他のメンバーがめかし込んでいる中で、真美子は質素ないでたち。 今一つ、話の輪にも入れず、取りあえず食事をしようと食べ物を頬張る真美子。

  6. 合コンの帰り(一次会終了後)、雨が降っている。 途方に暮れる真美子に一人の男性が、傘を貸してくれる。 木下治(29)、合コン相手のリーダーだ。 真美子、喜んで傘を借りる。 実は、傘を貸したのは、場違いな真美子を一人返すための作戦。 厄介払いした連中は、その後もよろしくやっている。

  7. 翌日、会議で一日中、ばたばたする真美子。 夕刻、真美子は、総務部の弘恵に「傘を貸してくれた人へお礼がしたい」と連絡するが、 弘恵は「傘は返しておく、お礼は言っておくから」と、直接連絡させてくれない。

  8. 総務部では、「夕美を呼ぼうと思ったのに真美子が来てしまって」とヒソヒソ話。真美子にも聞こえてしまう。

  9. 「昨日の合コン参加は一種のアクシデントだった」と考える真美子。 「傘を借りたことだけが良い思い出だったのに」としょげる真美子に弘恵はこれ「昨日のお土産」と小さな包みを渡す。 男性がプレゼントと称して一人一つ女性宛にプレゼントを用意していたのだが、遅れて参加した真美子に渡しそびれたのだという。 中には、きれいな香水の瓶のようなものと何故かCD-ROMが入っていた。 香水の瓶には「シンデレラ・ドリーム」と書かれたラベルが張ってある。

  10. 「シンデレラ・ドリーム」を楽しい一夜の思い出にと持ちかえる真美子。

  11. CD−ROMには、動画の説明が入っていた。 それを見てビックリ。 この「シンデレラ・ドリーム」は、「惚れ薬」だという。 「そんなバカな」とCD-ROMの説明を途中で止める真美子。

  12. 「惚れ薬」は信じられないが、香水は嫌いではない。 香りも悪くないので、真美子は「シンデレラ・ドリーム」をつけて翌日出社した。

  13. 「惚れ薬」を付けて来たのだから、男性社員と少しぐらいスムーズに仕事できるかな?」とか思っていたが、とんでもない仕事が降って来た。 プロジェクトのためにフリーの演出家・真鍋寛(29)を口説けというのだ。 「女性だし、キャリアがある君を見込んで」と加藤慎吾部長(40)は言うが、 どう考えても嫌な仕事を押しつけられたようにしか思えない真美子。 「シンデレラ・ドリームも効き目ナシか…」と少しガッカリする。

  14. 寛へe-mailを打つ真美子。

  15. その日のうちに寛から返事のメールが届く。 「おもしろそうですね。」と短いが、快諾の返事。 真美子の手柄だ。真美子の社内評価も上がる。

  16. 帰宅し、再度「シンデレラ・ドリーム」の効能を見る真美子。 「香水の臭いで周囲が変わるという事では無く、 身に付けた女性自身の男運を強くする」らしい。 原理についてもイロイロ説明しているが、よくわからず途中で止めてしまう。

  17. 翌日、総務の弘恵から連絡が入る。 先日の「今夜、合コンのメンバーでまた飲み会をやる」との誘いである。 真美子は、「夕美でなくて良いのか?」と聞くと 「先方が同じメンバーでと言って来ている」との返事。 真美子迷うが、行く事にする。

  18. 今度も質素ないでたちの真美子。 総務の子たちは、おしゃれしている。 スカーフ、ネックレス、指輪、イヤリング・・・。 「この子たち日頃からこんなにおしゃれしてるのかしら?」と首をかしげる真美子。 (彼女たちは、前回より派手に着飾っているように見える。)

  19. 今回は、真美子が話題の中心になる。 場の雰囲気もわかり、リラックスして話ができた。 男性メンバーの中の柴田薫(29)が、 真美子が「シンデレラ・ドリーム」を身につけていることを知る。 薫が、「シンデレラ・ドリーム」をプレゼントに選んだのだ。 今回の二度目の合コンは、男性たちが自分のプレゼントを女性たちが身につけてきてくれるか?を確かめる会だったのだ。 総務の子たちが身に付けていた「スカーフ、ネックレス、指輪、イヤリング・・・」も先日の男たちからのプレゼントだったのだ。 ・・・この事は、弘恵も知らかった。

  20. コンパは、二次会へ。 男性は、それぞれ、自分がプレゼントしたものを見につけた女性とペアになって行動することになった。 真美子は、薫とプラネタリウムへ。 「プラネタリウムを見るのは久しぶり」とはしゃぐ真美子。

  21. 翌日、プロジェクトのチーフに真美子は選ばれる。 女性初のチーフだ。 寛との連絡もスムーズにプロジェクトは進んで行く。 ・・・もちろん、真美子は「シンデレラ・ドリーム」を常用している。

  22. 薫と真美子は、時々、デートする。 薫が連絡をしてくるのだ。 二人の付き合いは「恋人未満」。 薫は、薬学部の学生。 一度、大学を卒業し社会に出たが、志あって薬学部に入りなおしたのだという。 「みんなが幸せになれるような薬を作りたいと思っている」と話す薫。 真美子は、夢のある科学者の発言に感動。

  23. プロジェクトも進み寛と真美子は、 e-mailだけではなく直接会って打ち合わせをしている。 寛は、忙しく、打ち合わせ時刻を変えられたり、遅刻したりはザラ。 待ち合わせをすっぽかされたり、したこともある。 それを文句言わずにこなす真美子。 プロジェクトのチーフとしての責任もあり、自分がやらねば…と感じている。 会社での真美子の企画は、評判良好。

  24. プロジェクト終盤に近づいたある日、 「シンデレラ・ドリーム」が後わずかになっていることを知る真美子。 薫に連絡を取り、入手先を教えてもらおうとするが、なぜか連絡がつかない。

  25. プロジェクト無事終了。 寛に惹かれている自分に気づく真美子。 プロジェクトが終わったらもう寛に会えない。 丁度、その時「シンデレラ・ドリーム」なくなる。 寛に気持ちを打ち明けようか迷う真美子。 先手を打って、寛から真美子に断りのメールが届く。 「シンデレラ・ドリーム」が切れたせいか?

  26. 真美子、寛を尋ねるが、取り付いてもらえない。 伊藤明美(34)が、寛は「浅田優子(26)と結婚する」ことを教える。 あの「さよならのメール」は、結婚するからという意味だったのか?

  27. 真美子、TVのニュース報道を見て驚く。 薫が、「『インチキ薬』で掴まった」という。 その「インチキ薬」とは、「シンデレラ・ドリーム」の事。 (他にも「ビューティ・アップ」とか 「ドリーム・ジェネレーション」とかいう名で高く売買されていた。) 実は、薫が真美子とデートしていたのは、 「シンデレラ・ドリーム」の追跡調査だった。

  28. 「シンデレラ・ドリーム」がインチキなら、この悪運続きは何か。 真美子は、悩む。傍らには空になった香水の瓶。 風が吹いてくる。 雑誌では、「薫の逮捕」と「寛が婚約」が報じられている。

  29. 真美子、寛へメールを打つ。 「ありがとう」と。

(END)