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読ませる作品が多いです。一度読み始めると止まらなくなります。
時代ものも書いてますしコメディーっぽいのもあってオールマイティ
な方だな、という印象です。
蒲生邸殺人事件
理由
クロスファイア
龍は眠る
レベル7
火車
魔術はささやく初ものがたり
鳩笛草
幻色江戸ごよみ
本所深川ふしぎ草子
あやし〜怪〜
ぼんくら
大学受験に落ちた孝史がホテル火災に巻き込まれ、ひょんなことからタイムトリップしてしまう。2・26事件を題材にしている。宮部みゆきさんの小説で一番初めに読んだのがこの作品でした。でも、私にはあまり向いてなかったみたい。読むのがつらかった。
一番好きな作品です。大雨の夜に起きた高層マンションの一室での一家殺人事件。行方不明になっていたその部屋の持ち主を警察は追う。ミステリーなので、初めは「犯人は誰?」と読み進めていましたが、途中からその事件の裏にあった背景や、特異な人間関係に心を奪われ、からみついた糸をほぐすような快感に変わりました。長く、淡々とした語り口にもかかわらず、長さを感じさせない。
私のも青木淳子と同じ力があったらどうしていただろう。やっぱり使わずにはいられないかもしれない。その力を与えられた意味を知るためにも・・・。自分の存在意義を確かめるためにも。そして私には彼女のように地味に目立たず、人と関わらず生きていくことは難しい。淳子が制裁を加えるとこはスカッとするが、とても悲しい気持ちになる。
超能力があったらいいのに・・・。と何度も思ったことがある。色んなことができるだろうし、人の役に立てるかもしれない・・・。そんな甘い気持ちを持っていたら、この本を読んで頭から水をかぶったような気分にさせられた。きっと、聞きたくない、見たくないことばっかりなんだろうな。人間不信になるだろうな。
前半は頭の中が「?」で一杯になりました。一人の女の子の失踪事件と、二人の男女の記憶喪失事件。二つの物語が一つに結びつき、事件が明らかになっていく。二人の男女の方は、一体どうしてそこにいたのか、なぜ二人は記憶をなくしているのか、謎だらけです。二人のいた部屋の隣人、三枝という男も怪しげで目が離せない。驚いたり、裏切られたり、最後まで引っ張られました。
一人の女性の失踪から始まった物語は思わぬ方向へ展開していく。
私もクレジットカードは必要最低限しか持たない主義です。巷でよくあるクレジットによるトラブルを聞くたびに、「バカだなぁ・・・」と思っていました。だけどこの本を読むと、誰でも同じような立場になる可能性はあるのかもしれない・・・と少し思い始めました。私がカードを持たないのは、もしかしたら自分の弱さを知っているから・・・その怖さからカードを避けているのではないか・・・と思うと、やはり対岸の火事とは思えませんでした。やっぱりカードは怖いよ〜。日本人全員がこれを読んだら丸井さんはつぶれる気がする。
女性は、幸せを形から整えていく傾向が強いのかもしれません。自分の巣作りに力を入れ、花を飾り、自分の幸せを確認するような。二人ともみせかけの幸せを追い求めて自滅していった気がします。そして井坂夫婦。なんか気になる人たちなんですよね。
おすすめです。
「本所深川草子」の続編です。藤沢周平の作品より俗っぽさがあり、好きです。茂七親分の人柄もですが、おかみさんもさばさばとしているし、手下の二人もキャラが両極端で面白い。初鰹、白魚など旬のものをおいしい時に食べる、昔の粋な風景が見える。
結局、稲荷寿司の屋台の親父と梶屋の親分との間柄は?すごく気になる。
「朽ちてゆくまで」「燔祭」「鳩笛草」の3篇の短篇からなるが、「クロスファイア」の青木淳子と、同じように特別な能力が備わっている女性2人の物語だ。どれも読ませる作品だが、全体的に悲しい気持ちになる。特別な能力を持ってしまったゆえに抱える不安や疑念・・・。これを読んで、人の心を読めるという力はあまり欲しくないと思った。きっと傷つくことや、人を信じることができなくなりそうに思う。そして、相手をわかろうとする努力をせずにその能力に頼ってしまうだろう。一番好きな「鳩笛草」はそんな能力がだんだんと衰えていく過程を描いている。能力が衰えると同時に身体も変調をきたし始める。貴子に未来はあるのだろうか・・・?
12の短篇が集まった時代モノです。“幻”とタイトルにあるように、今でいう霊体験のような事や不思議なできごともいくつか描かれています。他にも読み終わった後にホッとするようないい話があるかと思うとなんとも救われない気持ちになるもの、クスッと笑えるものなど、江戸のいろんな風景をバックにコロコロといろんな顔を見せてくれる本でした。私が好きだったのは「器量ごのみ」。大女の醜女で有名なお信が深川で評判の美男子・繁太郎に器量をのぞまれて縁談を持ち込まれ、結婚するもの。繁太郎の家族はお信を器量よしだと本心から言っている不思議な話。最後にホッと笑える物語でした。
本所七不思議を題材にした7つの短篇集。吉川英治文学新人賞受賞作。
「初ものがたり」にもでてくる茂七親分の捕り物です。全部が事件性のあるものではなく、ふしぎな現象やおかしな事件に隠された裏の真実に迫る。読み終わったあとに残るしんみりとした気持ちがクセになります。宮部さんの時代ものはいいです!
特に「片葉の芦」「落ち葉なしの椎」葉っぱものが良かったです。相変わらず茂七親分がカッコいい。(こっちの方が「初ものがたり」より先なんですけど・・・)
江戸の町で起こる不思議な出来事とあやかしとの因縁を題材にした短篇集。
「居眠り心中」「影牢」「布団部屋」「梅の雨降る」「安達家の鬼」「女の首」「時雨鬼」「灰神楽」「蜆塚」の9編からなる。
特に印象的なのは「時雨鬼」。好きな男の言葉に揺れるお信が偶然会った口入屋の女房・おつた。彼女はなぜお信に語ったのか?そして、全てが明らかになったその後で…お信はどうしたんだろうか、と気になる話でした。
そして「安達家の鬼」。“鬼”と聞くと『怖いもの』と思いがちですが、この話では全く違う印象に映ります。でも、こういうことがホントにあったらいいな、と思わせる話です。この話を読んだ後はあまり鬼が怖くなくなりました。
手にしたらいつもあっという間に読んでしまう宮部さんの本なのに、今回の「ぼんくら」は前半の短篇で時間をくってしまった。面白いのだけれど、なんとなく締まりのなさに身が入らないというような・・・。でも!本編とも言うべき長編「長い影」になってからは俄然スピードアップ。なるほど、今までのはこの話のためのエピローグみたいなものだったのか!と謎が解けた。ここまで引っ張った割には結末が「は?」という感じにさせられるが、ほんわかと柔らかい気持ちになれる1冊だった。是非、続編が読みたい。
主人公の平四郎を始め、佐吉、お徳、おくめ・・・。登場人物の一人一人のキャラが魅力的。とくにおくめのサバサバしたところは自分にない面なので気持ち良かった。それだけにおくめに関しては残念な気持ちでいっぱいだった。「初ものがたり」「本所深川ふしぎ草子」の茂七親分の名もでてきて懐かしい。
次々と、まるで何かに追われて自殺にさえ見えるようなやり方で死んでいく若い女性。それを知り、「私は大丈夫、私は大丈夫・・」と不安を押し隠そうとする一人の女性。
そして、父親は公金横領の後、行方不明になり、母親も亡くしてしまった少年・日下守。
その守を見つめる一人の中年男性。
この本も、クロスワードパズルの一片一片を入れていくような、宮部さん独特の展開でした。
タイトルの「魔術」と死んだ女性たちの様子から、だいたいの想像はついた。あまりにもその想像と同じトリックだったため、あっけなささえ感じるほどだった。
おまけに、犯人の動機がいまひとつ説得力に欠けるように思えたのも残念だった。
しかし、最後まで読ませる筆力はさすが!
守を見守る中年男性の正体は、全く想像できなかった。
誰にでも「良心のかけら」はあるんだ!と確信できるようなラストは、後味の良さを残しました。