70年代そして80年代、それから90年代、あの日から30年間の月日が流れた。1970年8月夏休み、わたしは2畳半ほどのちいさな勉強部屋で 叫び声をあげた。革命少年の誕生である。そして栃木県矢板高校生の秘密会議を設定して、 革命集団「さわがに」を創設する。蟹は横に歩く、連帯を求めた河の蟹それが「さわがに」だった。

アフリカ探検隊員とは何か−サルトル「存在と無」学習ノ−ト



アフリカ探検隊員とは何か−サルトル「存在と無」学習ノ−ト(3)


               ●
 寺山修司書簡
       私は一切の同一性を排することによって無を見たいと思い、
    そのために偶然性によって出会いを組織したいと考える。
    失われた九つの銅貨を見ることができるのは無の眼力だけだ。
    観客が「見る」ためにみずからの量瞼を思考と十二進法の剃刀で
    こじあけてくれることを望むものだ。
    劇行為は、いわば一個の宇宙に換喩されている。上演は、その生
    成と消滅であり、ときには気ままで手ごたえのない想像の産物で
    ある闇の中の虎を見とどけることなのである。目前にはただ闇!

               ●

 さがみおおの、こだいら、かめあり、三つの都市で上演し、いよいよ大阪にのり
こむ。天井桟敷から引き継いだ闇の演劇、その完全暗転での俳優たちの転回にわた
しは驚嘆している。完全暗転でわれわれは肉体の触覚を全面動員する。まさに盲人
として装置転換する。ここに強さが強さを呼ぶ集団の一切が問われている。失敗を
すれば間違いなく怪我をする闇の演劇としての2000年レミング。

 演劇実験室●万有引力とは60年代70年代80年代90年代の40年間を生き
抜いてきた、もうひとつの日本であった。シ−ザ−美術とは同時に色彩をめぐる現
代史である。演出家にとって照明デザインとは、ある世界をみずから生成し消滅さ
せるための原理原則であるのだろう。消滅をあらかじめ内包していない美術への問
いかけが、もうひとつの消滅させる演劇の美術転回である。それこそが「書かれな
かった美術史」であり「展示されなかった美術館」であろう。一切は観客の記憶装
置へ存在と無として委ねられる。世界の涯ては展示されない廃虚の美術館の空き部
屋にあり、その空間に転回される暗黒の演劇にしかないのかもしれない。

 生成と消滅をめぐって、照明としての色彩、耳と身体への波動としての音響音楽
空間建築としての大道具装置、衣裳、小道具、これらは美術として主張する。そし
て俳優の音声と身体は意味をめぐって主張する。仕込とは舞台をどの分野のスッタ
フ陣がとるかの闘争であり、この交通整理として舞台監督がいる。俳優以上にスッ
タフ陣は成功への執念があり、スッタフを振動させない俳優の演技であるならば、
それはすでに失敗であると云われている。ここでも再び俳優の意味をめぐる存在と
無が出現するのである。

 色彩の主張、それが日本において出現したのが60年代後半の学生運動である。
中核派における白ヘルメット、革マル派の黒線が入った白ヘルメット、解放派にお
ける青ヘルメット、共産同ブントにおける赤ヘルメット、構造改革派の緑ヘルメッ
ト、ノンセクトの黒ヘルメット、共産党における黄色ヘルメットとそれぞれの党派
は機動隊のナチス棒からみずからの頭蓋骨を防衛するためにヘルメットをかぶりは
じめたのだが、その色彩が存在証明となり、やがて70年代労働運動に波及し、幕
末期の暗殺テロリズム、内ゲバルト(暴力)として拡大する。この色彩をめぐる闘
争こそ、浮世絵と同様に西洋美術人を驚嘆させる。美とは血の匂いと隣り合わせに
存在と無として同伴している。

 美とは羊の図書でもあり、西洋の図書が教会の暗闇で羊の皮に記述されたように
大いなる犠牲のうえに成立してきた。何故、人類が羊の群れと旧約聖書で云われた
のか? そこにはあらかじめ人間における野蛮性をみすえていたからであろう。
動物界でもっとも野蛮なる百獣の王とは人間のことに他ならない。そこにおける美
とは百獣の理性こそがおおいなる狂気であり、近代の壁として生成してきた個人そ
のパ−ソナルが壮大なゼロであったことを暴くのであろう。ゆえに闇に虎は吠える。

 文明の目前には闇がある。寺山修司は現在進行形であった。サルトル「存在と無」
を演劇において実践したのであろう。三島由紀夫が予測した空洞
の時間帯はいよいよ消滅しようとしている。マルクスが資本論において解明したごと
く、人間の時間帯は生成と消滅を反復してきた。世界に驚嘆する能力こそが文明の闇に
おいては問われている。

 第二次世界大戦の敗戦で反省されたのが哲学的思考の皆無であった。

                ●

 「苦しみは変わらない 変わるのは希望だけだ」とノ−トに書いた
      (機関誌 天井桟敷 第18号 1976年6月15日発行)













2000年10月16日 19時28分40秒

アフリカ探検隊員とは何か-サルトル「存在と無」学習ノ−ト



「人間は世界に向かっても、自己自身に対して
も、たえず無を分泌しながら生きている」

サルトル-存在と無の有名なテ−ゼである。

演劇とは生成し、そして跡形も無く劇場から

消える。人間はそれぞれ個別の世界をもっている。世界を生成し世界を消滅させるのが人間で
あろう。



「無はつねに一つの<よそもの>である。

自己自身に対して<よそもの>という形でしか
存在しないこと、たえず存在不安定を自己にあ
てがう一つの存在として存在すること、これが
対自にとっての責務である」


即自とはありのままの自分であり、そこでは
いまだに世界は変革すべき対象ではない。

対自とは、自分と対決する姿勢であろう。

そこでは世界はつねに変革されている世界へ
の異怖がある。自己は世界によって対象され
批評されることが前提であろう。ゆえに自己は
自己によってつねに批評される。自己表現に
おける自己批評がこうして成立する。

俳優とはまさに<よそもの>なのであろう。

無の唯一の根拠こそ人間存在と世界だから、
夢は誕生し接客娯楽業としての演劇は成立する。



哲学と演劇-そこに世界市場の中心軸が転回

する。すでに今日の哲学は「私は考える-ゆ
えに私は存在する」
このコギトとしてのデカルトは消滅したとされている。
思考が人間ではない。
アングロソクソン・イギリス・アメリカの
実践・実証哲学こそが本流である。
しかし91年湾岸戦争におけるアメリカ・イギリス二重帝国アングロサクソンの勝利は、
彼らの哲学を崩壊させた。
デジタル兵器の登場こそが、彼らの
これまでの世界観を崩したのである。



そこでは、ドイツ・フランス観念哲学が再度、

デジタル性の高度さとして浮上したことを誰も

気づかなかった。世界とは人間と人間の<信の

構造>にあり、観念の情熱が世界交通関係を形
成する。サルトルとゲバラの対談写真はあまりにも有名である。



アフリカ探検隊員とは、観念の情熱において、
なにものかを探している。人間の根源的遺伝子
が人類としてアフリカから誕生した。
ミトコンドリア。壁としての境界は崩れた、
世界はいまだに幼年期にあり、ゆらぎのまなざしにある。



2000年10月14日池袋駅北口
   まんが広場にて


2000年10月14日 03時50分07秒

アフリカ探険隊員とは何か-サルトル「存在と無」学習ノ−ト(1)

アフリカ探検隊員とは何か−サルトル「存在と無」学習ノ−ト

 台本をもらいジュリアス・シ−ザ−演出稽古の過程でわたしによぎった波動は
サルトル「存在と無」であった。−−「文明がなくならない限り、壁の消失はあ
り得ないのだ」と少年は思った。それならば、壁抜け法を見出さなければならな
い。「レミング」は「壁」をめぐるメロドラマ、そして悪魔のポルノグラフィ−!!
−−自分はこのテ−マにどれだけ接近できるのだろうか、それともできないのか、
これがわたしに与えられた試練である。

 93年8月、わたしはサルトル演劇「キ−ン・狂気と天才」池袋駅にある東京
芸術劇場1週間てんびん座公演に出演したとき学習したのが、サルトル「存在と
無」である。難解な哲学である。途中挫折した。そして再度やってきたのが、こ
の書物である。アフリカ探検隊員の秘密がここにある。

 世界の大思想29 サルトル
          存在と無  訳/松浪信三郎
          1970年3月5日発行
          発行所/河出書房新社

存在と無原書総目次

    緒論  存在の探求
      ・  現象という概念
      ・  存在現象と現象の存在
      ・  反省以前的なコギトと知覚の存在
      ・  知覚されることの存在
      ・  存在論的照明
      ・  即自存在

第1部
 第1章 否定の起源
  ・  否定の起源
  ・  問いかけ
  ・  無についての弁証法的な考え方
      ・  無についての現象学的な考え方
      ・ 無の起源
    第2章 自己欺瞞
      ・ 自己欺瞞と虚偽
      ・ 自己欺瞞的な行為
      ・ 自己欺瞞の<信仰>

   第2部 対自存在
    第1章 対自の直接的構造
      ・ 自己の現前
      ・ 対自の事実性
      ・ 対自と、価値の存在
      ・ 対自と、価値の存在
      ・ 自我と、自己性の回路
    第2章 時間性
      ・ 時間的な3次元の現象学
       a 過去
       b  現在
       C 未 来
・ 時間性の存在論
 a 静的時間性
 b 時間性の動態
・ 根源的時間性と心的時間性−−反省
第3章 超 越
  ・ 対自と即自とのあいだの典型的な関係としての認識
  ・ 否定としての規定について
  ・ 質と量、潜在性、道具性
  ・ 世界の時間
   a 過 去
   b 現 在
   c 未 来
  ・ 認 識

第3部 対他存在
 第1章 他者の存在
  ・ 問 題
  ・ 独我論の暗礁
  ・ フッセル、ヘ−ゲル、ハイデッカ−
  ・ まなざし
 第2章 身 体
  ・ 対自存在としての身体−事実性
  ・ 対他−身体
  ・ 身体の第3の存在論的次元
 第3章 他者との具体的な諸関係
  ・ 他者に対する第1の態度
    −−愛、言語、マゾヒズム
  ・ 他者に対する第2の態度
    −−無関心、欲望、憎悪、サディズム
  ・ 「共にある存在」(共同存在)と「われわれ」
    a 「対象−われわれ」
    b 「主観−われわれ」

第4部「持つ」「為す」「ある」
 第1章 「ある」と「為す」−−自由
  ・ 行動の第1条件は、自由である
  ・ 自由と事実性−−状況
    a 私の場所
    b 私の過去
    c 私の環境
    d 私の隣人
    e 私の死
・ 自由と責任
第2章 「為す」と「持つ」
 ・ 実存的精神分析
 ・ 「為す」と「持つ」−−所有
 ・ 存在を顕示するものとしての性質について

結論
  ・ 即自と対自
  ・ 道徳的展望

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 アフリカ探検隊員とは何か? コギト=考える存在の確定。
 他者への自己同一は自己破壊である。完全暗転と完全明転の世界において俳優は
自己の激情を露出させる方法と主題から脱却する。舞台の論理は暗転に隠されてい
る.俳優は貨幣ではないとしたならば,俳優の現象とは何か?










2000年10月10日 23時32分42秒

90年代総括−森田童子によせて11


RE:NON
SUB:森田童子によせて(11)/katumi
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│││政治的人間││‖‖‖‖‖‖‖‖‖ ★空洞 ★★    ★★ゲーム  
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※映像と表層 最後の人間 ││※※※※※※││※※※※※※※※※※※│※
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│ │】】】】】】】】│││ ** ┌┐ ││ * * │世界はゆっくりと
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│ │】】】】】】】】│││** ││ ││** │隔絶と断層   
│ │】】】】】】】】│││ **││ ││** │
│ │】】】】】】】】│││***││ ││** │遠ざかる声   
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《 ││* ││ ││*  *│ 歩いていく  
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《 ││ **││ ││*  *│
││ * ││*││  **│◇◇◇◇◇◇◇◇
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《 ││ **││*││  **│ 春から夏へ  
││* ││ ││   *│
││** ││ ││   *│ 闇は続く   
《 ││* ││*││**     
《 ││** ││ ││*  *│7月の空    
││* ││*││* * │
《 ││* ││ ││** *│
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                 ------------==================
1995,7,25






2000年09月01日 18時32分11秒

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