第10回 ダイアトニック・コードと
斬新な進行

(1)ダイアトニック・コードの復習

前回の復習ですが、そのスケールに出てくる音だけで作られる音のみを 使ったコードをダイアトニック・コードといいます。  キーがDなら、D、Em、F#m、G、A、Bm、C#マイナーフラット5ですね。  ここまではよろしいでしょうか? それでは、次に進みましょう。

(2)例題として「なごり雪」を

”いるか”のヒット曲、「なごり雪」を例題として考えてみましょう。 キーは簡単のためCにします。  ヴォーカルの入りから書きますと Aメロ C G Am  F C G C  G C G Am  F C G C   Bメロ Am Em F C E7 Am F G サビ C G Am C G Am となっています。(ベース音、細かい音は省略) 曲知らないとか、歌詞わからないとか、それは今回はいいとして コードだけで考えてみましょう。    ゆっくりキーボードで弾いてみてください。 曲を知ってる方は鼻歌付きで・・・  弾いてみましたか? 弾いたあとにCのダイアトニック・コードを考えてみましょう。 参考:C Dm Em F G Am Bmフラット5 E7だけがこの例外です。  E7というコードはミ、ソ#、シ、レの音で出来ているので Cメジャー(#、bがゼロ)の中でドにシャープがつくのはちょっと異端なんです。  

(3)耳でチェック

耳でチェックするためにBメロの歌詞をつけてみましょう。 Bメロ    Am Em  F  C  なごり雪も降る時を知り  E7Am F   G ふざけあった月日は過ぎて  E7が少し斬新に聞こえませんか? ダイアトニック・コード以外のコードを使うことで コード進行にふくらみを持たせているのです。 #E7はAmに転調し、ドミナントになっているという意味で ダイアトニックコードではないという考え方もあると思いますが 例題として、CキーにおけるE7としてとらえます。

(4)身近な音楽を聞いてみましょう。

身近にあるコード譜、スコアを取り出して見てください。  そして、ダイアトニック・コード以外が使われている音楽を探しましょう。 ミュージシャンによりますが、何曲か見れば最低一曲はあります。  ダイアトニック・コード外に動くことでコード進行に豊かさが出ます。 それを感じてください。  例えば、BON JOVIの「Lay your hands on me」 キーボード(パイプオルガン)が象徴的です。  キーボードパートのサビの部分を見てみましょう。 D G F Gを繰り返しています。  「シンプルなコードが続いていて簡単」 と思うかもしれませんが 使っているコードは単純ながら、その組み合わせが絶妙なのです。  どのキーにもダイアトニック・コードがあるといいましたが D、G、Fの全てが出てくるキーは何でしょうか?????  実は一つもないのですね! Dメジャーにおいて、よく出てくるメジャーコードはD、G、A FメジャーではF、Bb、C  GメジャーではG、C、D BON JOVIのこの曲はD、GはDメジャー(のダイアトニック・コード)で進行し ふと、関係ないFをはさみ、「はっとさせる」進行にしてるのです。  こういうコード進行を世界で初めて大胆に打ち出したのがビートルズです。 時々、「ビートルズは古いからシンプルなものしか使ってない」という 方がいますが、使っているコードは単純でもその組み合わせが絶妙。 それがビートルズです。
♪この曲を聴いてみよう♪
いるか なごり雪  BON JOVI Lay your hands on me
なごり雪は一カ所だけながら効果的に使われいます。
第11回へ メニューへ戻る 2001年 1月 4日