
| 山の郵便配達 那山・那人・那狗 | |
|
監督:フォ・ジェンチイ 撮影監督:アナスタス・ミコス 脚色:ス・ウ 原作:ポン・ヂェンミン 製作総指揮:カン・ジェミン、ハン・サンピン 美術顧問:リィウ・ミンタイ、ディン・ライウェン 作曲:ワン・シャオフォン 撮影:ジャオ・レイ 翻訳:森川和代 字幕:清水馨 出演:トン・ルゥジュン、リィウ・イェ、ジャオ・シィウリ、ゴォン・イエハン、チェン・ハオ 1999年 中国 93分 |
|
![]() 普通にすごく良いです。 郵便配達にはドラマがあります!
■あらすじ 舞台は80年代初めの中国、湖南省西部の山ん中。 ここで長年郵便配達を行っている親父がいます。 ここの配達はちょー大変。 何日も山道を歩いて各村を尋ねなければいけません。 しかし親父はそこそこの歳となり、足も悪くしてしまったので支局長から引退する事を薦められました。 そこで親父は後を息子に任せて欲しいと支局長に頼みます。 そして息子は初めての、親父にとっては最後の郵便配達(2泊3日)に出かけて行く事となる・・・
■感想
まずは全編を通して風景がとってもきれいですね。 夏の中国山岳地帯、どこまでも続く自然、青々とした山の景色が美しく撮られています。
お話のメインテーマは「家族」。 話的にはよくある物です。 大事件も発生しません。 じゃー何がいいかってーと、やらしくない。 さらっとしてます。 配達途中、目が見えず身体が不自由で家を出ていった息子を待ち続けるおばあさんや、すんげーきれいなトン族の娘などと出会いますが、わりとさらっと流します。 このさらっと感がいい! これらの話を引っ張って涙を誘う事も出来ただろうし、息子の恋話にももっていけたはず。 だが無理に話を広げない、この割り切りがとても好きです。 あくまでもメインは親父と息子、母親を含めた家族の話だと。 親父と息子の関係もありがちな設定です。 仕事関係で家を離れている時間が多かったため、息子は父親になじめずすれ違いがあった。 父親の事を「父さん」と呼ぶ事も拒否していた。 しかし、この配達を通して息子は父のしている仕事の大切さ、大変さを知っていきます。 父親役の人はかなりいいっスね。 観る前はもっとおじいちゃんを想像しておりましたが見た目は結構若めです。 いい意味で素人っぽく、素朴で仕事に真面目な親父を微妙な表情の変化で演じております。 一方、息子はいかにも役者っぽい二枚目風ですが、それほど違和感はなく観れました。 (トン族の娘サンもいかにも役者顔。 こんな山奥にこんなきれいな娘がいるかっ!ってくらいきれいです。) 一番よかったのはお約束ですが父と息子、互いが分かり合う場面。 配達の近道をする為、冷たい川を長年渡って足を悪くしている父、そんな父親を背負い川を渡る息子。 父は昔、息子を肩車していた場面がよみがえり、涙がこぼれる。 川を渡り終え振り向く息子、涙を見られまいと背中を向ける父。 そして濡れた足を焚き火で乾かしている時、父は一度だけ自分宛に届いた手紙の事を話す。 それは息子が生まれた事を伝える母からの手紙。 父はどれだけ嬉しかったかと話す。 初めて父の気持ちを知る息子。 そして生まれて初めて父を呼ぶ。 「・・・父さん」と。 ジーンときます。 あとこれもいやらしくない程度に監督の個性を出した面白いショットがあります。 トン族の祭りや紙飛行機を投げる場面。 個人的に一番スキなショットは、最後に息子が郵便袋を背負うところ。 ここのスローがかっこ良く鳥肌が立ちました。 そんな感じなので、あんな山の中でラジオの電波は届くのか?っていう疑問は忘れます。 最後に忘れちゃいけないのが、配達に連れ添うシェパードっぽい犬、「次男坊」(どんな名前やねん!) 彼が実に良いアクセントとなっています。 同じく郵便配達人を題材にしたイルポスティーノのもお奨めです。 |
|
|
CINEMA TOPページへ
|
|